プロローグ
シナリオライターになりたいと田舎から上京して、はや三年。アルバイトをしながらの苦しい生活がつづいていたが、とうとう俺にもチャンスが巡ってきた。大人気ギャグコミック『ひきこもりのコモリ君』の映画シナリオを任されたのだ。
いや、気が早かった。
明日の企画会議で、俺のプロットが通れば正式に抜擢されるのだ。そのためにも面白いプロットを完成させて、プロデューサーを感動させなければならない。
しかし、まだ一行も書けていない……
画像:フリー写真素材ぱくたそ
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