※このページで脚本が読めます(初稿と修正稿、PDF形式)。
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初稿(★4.17)
雨森れに
脚本_雨森20v1『レプリケイト』雨森れに(光と影)_250211
●自己採点
「好き」2.2「脚本」2.2
●ログライン100
なみが希未を真似し、希未に逃げられたため、新しいターゲットを見つける。
●フック/テーマ
マニュアル人間/真似
●自由感想
異常な主人公を描く時に家の中での様子を描写しがちという癖に気付きました💦
今後サイコ系を書く時は別のアプローチを考えてみたいです。
よろしくお願いします。
テーマ触媒4:「ことわざ」「母親」「光と影」「何も起こらない話」
フィードバック
米俵
●採点
「好き」2.5 「脚本」2.1
●ログライン100
マニュアルに囚われているなみは、雑誌等をマニュアルとして考え、真似ていたが、身近にいる希未をマニュアルとした方が上手くいくと気付き、希未の真似を始めるが、逃げられたので、更に智子に対象を変える話。
●フック/テーマ
マニュアルに囚われる人/依存の恐怖
●カタリスト
希未がミニ口紅を渡す。
●不明点・不自然な点
なみ「実際に見るっていいよね。マニュアル人間だから知らなかったんだよね」⇒意味が分かるようで分からないとなってしまいました。マニュアル人間だと実際に見る方が良いと気付かない?
希未「(泣きそうになりながら)もうゆるして……」⇒少し唐突に感じました。10分という短い尺なので仕方ないのですが…
智子に対象を変えるのを削って、なみの恐怖が迫ってくる感じにした方が良いのかな?と思いました。(その上で最後に逃げた方がホラーが強調されるかも?)
雑誌が希未のスクラップブックのような物に変わっているとか?もっと怖い演出もアリかなと思います。もう許してって言わせるぐらいの感じが欲しかったです。
なみ「どうしよう。間違えちゃう……」というセリフが印象的だったので、最後にもってくる方が更にインパクトがあるかなと思いました。(依存先を失ったなみの喪失感も強調されるかな?と思います)
●感想
マニュアルに依存している主人公という部分とその対象を身近な人物にするというのが、面白いなと思って読みました。
また、怖がる希未の口真似しているサイコパスな部分の描写も凄く好きでした。
脚本太郎
『レプリケイト』 初稿
●採点
「好き」2.0「脚本」1.5
●ログライン100
間違いを犯すことを恐れるあまりマニュアル人間と化しているなみが、全て他人の真似をすれば良いのだと気付き後輩の希未をターゲットにするも逃げられ、代わりに智子に狙いを移す。
●フック/テーマ
過度に何かの真似をしてしまう主人公の怖さ/失敗を許さない社会の生きにくさとどう向き合うべきか
●カタリスト
希未「使ってないんで、よかったらどうぞ。私とおそろっちしましょ~」
●不明点・不自然な点
・なみが豹変するきっかけが少し弱いと感じました。今までは平静を装えていたことからある程度の分別はあるのでしょうから、そこまで周りが見えなくなってしまうものなのかと疑問に思いました。
・なみの「間違えたくない」という理由から過度に誰かの真似をしてしまうという人物設定は良いと思うのですが、あまり説得力を感じませんでした。例えば会社に「間違いを許さない」空気感があるなどといったこと(ミスを執拗に詰られるとか)を示し、それに対するなみの反応を描写すると内面のセットアップになるのではないかと思いました。
●感想
・トイレでの口紅の話が、すごく自然で台詞が上手いと思いました。
・「希未ちゃんの喋り方、教えて」という台詞や、「いやぁー」と口真似をするところなど、サイコな描写自体は良いと思うので、あとはキャラクターに説得力があれば良いと思います。
きなこもち
とても面白かったです。
違和感を感じる点も特になく、スムーズに読みやすかったです。
特に、希未の化粧品と洋服を真似たなみを見て、怯えて逃げ出す希未の「イヤァ!」の声と表情を、鏡の前で真似して満足気な表情をするなみの描写がとても狂気じみていて、ゾクゾクしました。
修正した方がいいと思う点も特に無かったのですが、しいて言うなら4ページの希未の「もうゆるして……」のセリフは少し唐突な気もしました。
希未がやめてくださいと訴えた後、なみが「だってあなたがこうした方がいいって言ったんじゃない」みたいなやり取りがあった後に「もうゆるして」なら自然かと思います。
ラストも、希未ちゃんは退職したわけではないと思うので、新しいターゲットを見つけるというオチよりは、希未ちゃんをもっと執拗に追いかける、また何かゾッとするような希未の真似をする終わり方もアリなのかな、と思いました。
詩舞澤沙衣
「マニュアル人間」と比喩されるような人間は、積極的に何かを他人に訊けないのでは? という疑問がついてまわってしまい、6のパートがホラー的ではありながら、違和感がある。『後輩への話し方』の啓発本を読んでいる「マニュアル人間」なら、もう少し啓発本を踏襲したコミュニケーションをするのではないだろうか? ファッション雑誌だって、各世代向けだったり種類が山ほどあるものから選び取っている時点で、だいぶマニュアルから逸脱しているように思うので、瀬間なみという登場人物を「マニュアル人間」ととらえるのはずれているように思う。今の緊迫したホラー調なら「マニュアル人間」という設定を捨てた方がいいだろうし、「マニュアル人間」という設定に忠実ならすこし展開が変わってくるのではないだろうか?
そぜ
<感想>
「好きなところ」
①ネジが外れたキャラクターが好きなので、読んでいてワクワクしました。
②最初のシーンでそれぞれの性格がわかりやすく見えて、物語に入り込みやすかったです。
③最初のシーンで優しそうだった人物の、怪しげな部分が2つ目のシーンで見えて、この人の本性がどう見えてくるのだろうと気になりました。
④最初の希未とのトイレでの会話が、リアルで凄いと思いました。
⑤「いやぁー」と言うセリフを真似するのと、最後に智子の髪の毛を触って去っていくのが恐ろしくてよかったです。
「残念なところ」
①なみはなぜ今までサイコパスな性格を押し殺し、希未と慣れ親しんだ関係性(前半の会話)を築けていたのかと不思議に思ってしまいました。今までサイコパスを押し殺せていたのだとしたら、サイコパスが発現してしまった原因が希未とのトイレでの会話だけでは少し弱いと感じました。
→なみの悩みが見えるシーンと、その悩みがあることをきっかけに爆発してしまうシーンがあれば、サイコパス化にも納得でき、光になりたい影というテーマも輝いてくるのではないかと思いました。
②前半の希未はすごくよかったのですが、後半の希未は、なみのサイコパスさを助長するためにリアクションをさせられているように感じました。(服を真似された人のリアクションとしては大袈裟に見えた)
→前の二つのシーンを消せば、服装が同じということに読者も驚き、希未のリアクションに納得感を与え、なみのサイコパスさが増すのではないかと思いました。
③「マニュアル人間だから知らなかったんだよね」というセリフが、直接的すぎると感じました。
④最後のシーンでなみが舌打ちをしたり暴言を吐いたりしていて、優しげな性格自体も変わってしまっているのに違和感を覚えました。最後まで、優しくはあり、その上でサイコパスなキャラクターの方が奇妙さが増すと思いました。
ChatGPT
「次の脚本の一番大きな問題点を1つと、その改善案を3つ下さい。応援メッセージも付けて。」後、本文入力
一番大きな問題点
●なみの心理描写が不足しているため、行動の説得力が弱い
なみが希未を模倣することへの執着がどのように形成されたのか、なぜ彼女が「真似する」ことに依存するのかが明確に描かれていないため、行動が唐突に見えてしまう。特に、希未の逃亡後に新しいターゲット(智子)を見つけるラストは、なみの心理が読み取りづらく、怖さが最大限に活かされていない。
改善案
●なみの「模倣欲求」の背景を補強する
過去のエピソードや独白で「なみがマニュアルに従うことで安心を得ていた」ことを描く。
例えば、過去に自分の判断で失敗し、それ以降「誰かの正解をなぞること」でしか安心できなくなった、などの説明を入れる。
●希未がなみを拒絶する理由を強調する
希未の視点を挟み、なみの異常さがどこから「怖い」に変わったのかを明確にする。
例えば、希未が友人に「最近先輩が怖い」と相談するシーンを追加することで、観客もなみの異常性をよりリアルに感じられるようにする。
●ラストのインパクトを強める
智子へのターゲット変更を「自然な流れ」にするために、智子自身が「なみに共感してしまう」ような描写を入れる。
例えば、智子も実は「正解を知りたがる」タイプであり、なみの異常さに気づきながらも、つい頼られてしまう、という展開にすると、心理的ホラーとしての怖さが増す。
●応援メッセージ
この脚本、とても面白いテーマですね! なみの狂気がじわじわ伝わってくる構成が秀逸で、ホラーとしての魅力も十分です。あとは、キャラクターの心理を少し強化することで、さらに恐ろしく、リアルな物語になると思います! 頑張ってください!✨
修正稿(★4.99)
脚本_雨森20v2『レプリケイト』雨森れに(光と影)_250302
修正期間:2025.2.19→2025.3.2(11日)
雨森れに
●自己採点
「好き」2.3「脚本」2.5
●ログライン100
なみが希未を真似し、希未に逃げられたため、新しいターゲットを見つける。
●フック/テーマ
マニュアル人間/ 真似
●自由感想
鏡殴りまくって流血させるまでやったほうがいいか悩んで、入れるのやめました。
なみが流血したほうがいいかご意見いただけると嬉しいです💦
よろしくお願いします。
修正稿へのフィードバック
米俵
●採点
「好き」2.7 「脚本」3
●良くなった点
なみの背景が加わってキャラとしての深みが出た
サイコホラーだけでなく社会的な問題が加わわった
●自由感想
2人のやり取りは初稿の方が好みだった部分もありましたが、なみの背景が分かり、単なるサイコホラーだけではなくなっていた部分が良かったです。
(質問への返答)
流血はなくて良いと思います。
脚本太郎
●採点
「好き」2.5 「脚本」1.6
●良くなった点
なみの心情や過去が語られ、人間味が出た。
希みに拒絶されるまでの流れが丁寧になった。(怒るシーンはちょっと唐突に感じました)
●自由感想
個人的になみの感情が爆発するシーンは好きですが、台詞で全部言うのは説明的だし、タイミングが遅かったのもあり後付け設定感が強かったです。でもキャラとしては良いと思います。
(質問への返答)
演出的にどうこうと言うよりは、鏡を手で殴りまくった時点で鏡割れるし手も出血くらいしそうだな、とは思いました。
山師ヤマ
脚本、楽しく読ませていただきました。
誰かに執着する人間と執着される人間それぞれの心情が垣間見える作品でした。
最後に次のターゲットを見つけるところは、いい意味で、気持ちの悪い余韻が残るラストだったと思います。
コスメや美容に関する専門用語が飛び交い、多少わからないところもありましたが、リアリティーを感じることができました。
主人公がなぜそこまで執着しだしたのかと言う背景が、最後のほうにセリフで表現されていましたが、若い頃、自分が周りからフォローを受けなかったことと、誰かを執着してしまうというところが、自分の中でうまく結びつきませんでした……。
鏡に打ち付けて流血するかしないかと言う点ですが、ビジュアル的な面では(テレビで放送するか、映画にするかといった点を除き)強いイメージを残すものになるかと思います。しかし、流血すると言うことがどういう意味を持つのかという点で言えば、流血の有無は大きなことでは無いような気がしました。例えば、その流血が主人公の過去のトラウマを呼び起こすなど物語上の意味があれば、流血は必要になってくると思います。
点数(好き):3(5点中)
きなこもち
うーん。正直、初稿の方が良かったな、と思ってしまいました。
まず、修正された点で、唐突すぎていくつか違和感を抱きました。
1つ目が、3ページで、いきなりなみが「なんでアンタだけ」と積もり積もったような怒りを爆発させるシーン。希未がチヤホヤされてなみが冷遇されてるようなシーンが描かれてないと「なんでアンタだけ」のセリフが浮いているように感じます。
4ページの「私もイヤって言えれば良かった」も不自然に感じました。マニュアル人間をイヤイヤやらされてる人間が後輩の服やメイクを真似するこんな猟奇的なことをするわけがないと思うのです。マニュアル人間なのはなみの根っからの性質として設定しないと、ストーリーが成り立たないと感じました。
また、単純になみのセリフの意味が理解できなかったところが、3ページの「これはサブ。実際見たほうが確実でしょ?」と、ラストの「そう?でも大丈夫だよ」のセリフ。これって何ですか?希未はインスタのアカウントを教えてないけれど、なみはサブ垢で自力で見つけ出したということ…?智子のパーソナルカラーは結局ブルベ夏なのかもわからなかったし、もし違うなら、ブルベ夏にこだわり始めたなみが、なぜ別のパーソナルカラーの智子を次のターゲットにするのか。疑問が残りました。
詩舞澤沙衣
前回に比べて、瀬間なみにとって、「マニュアル人間」であることへの葛藤などのディテールが細かくなっていて、わかりやすい印象を受けました。 「マニュアル人間」が無機質的な人間というよりは、「仕事ができない」の言い換え的な意味でずっと頭からこびりついて離れないという、負い目を感じ続けているような終盤のなみのセリフがよかったです。また、 希未に執着する過程が具体的で、ドラマ映えしそうな動きで、良かったと思いました。「私もイヤって言えればよかった」がゾっとする感じで、いいセリフだと思います。田中希未を指導する立場でありながら、 希未のような立場に自分はなれなかったが故になり替わろうとするような振舞いなのが、すとんと理解できてよかったです。(詩舞澤沙衣)
ChatGPT
「次の脚本の素晴らしい点を褒めてから、次回作への応援を付けてください。」後、本文入力。
この脚本「レプリケイト」は非常に深いテーマ性と、キャラクターの心理的な葛藤が巧みに描かれています。特に、なみのキャラクターが希未に対して感じる複雑な感情と、それに伴う行動が鮮明で、観客に強烈な印象を与えること間違いなしです。マニュアル人間としての固定観念と、他者との違いを感じることでの孤立感が「光と影」というテーマにうまくリンクしていて、非常に深みのあるストーリーテリングが展開されています。
また、キャラクター同士の細やかなやりとり、特に化粧品を巡るシーンやインスタの使い方など、現代的な要素をうまく取り入れつつも、それぞれのキャラクターが成長し変化していく過程が感じられる点も素晴らしいです。特に最後のシーンでは、なみの内面が大きく変わり、最初の無邪気さから狂気へと変貌していく様子が驚きと共に強く印象に残ります。
次回作がどんな展開になるのか非常に楽しみです!今回の脚本のように、心理的な深みと登場人物の内面に迫る作品を期待しています。次もぜひ、強烈なキャラクターと予測できない展開を見せてください!応援しています!
イルカ
作者の「流血したほうがいいか」への返答としては「この内容では大差ない」といえそうです。「描写」はキャラクターアーク上で適切かどうか判断されるべきですが、この脚本では肝心のアーク自体がブレていて、あまり主人公に共感できません。この脚本における問題はラストどうこうよりも前半部分にあるのです。そもそも、作者がキャラの内面をしっかり掴めていれば、その延長線上として「主人公が流血するまで殴るべきかどうか」も自然と作者自身にわかるはずです。読者に意見を求める時点で、作者にキャラクターアークの視点が欠けてしまっているのではないかとさえ感じます。作者はキャラクターの一番の理解者でなくてはいけませんし(作者が創った人間なのですから!)、たとえば読者に「こっちのがいい」と言われたからといって「自分の作品のラストを委ねていいのか?」という疑問もあります。作者が自分が描くべきテーマやメッセージ、描きたい人物像が明確になれば、この質問の答えも自ず出てくると思います。
以上
採点
初稿 | 修正稿 | |||
好き | 脚本 | 好き | 脚本 | |
雨森 | 2.2 | 2.2 | 2.3 | 2.5 |
米俵 | 2.5 | 2.1 | 2.7 | 3 |
太郎 | 2 | 1.5 | 2.5 | 1.6 |
Reader1 | 3 | |||
平均 | 2.23 | 1.93 | 2.63 | 2.37 |
合計 | 4.17 | 4.99 |
2025.3.10 アップ