脚本添削『きらきらしてて、うっさい。』(★4.95)

※このページで脚本が読めます(初稿と修正稿、PDF形式)。

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初稿(★4.98)


脚本_雨森26v1『きらきらしてて、うっさい。』(海)_250528

雨森れに
●自己採点
「好き」2.6「脚本」2.3
●ログライン100
きらきらしたものが好きな涼は、ガラスの破片で怪我をしたことをきっかけに保健室登校の藍里と喋り、億すことなく喋る様子や意志がはっきりしているところに、自分にはないきらきらしたものを感じて近づく。
●フック/テーマ
輝き/光と傷
●ねらい/テーマ触媒
テーマ触媒:海
ねらい:恋愛に至らない程度に、少年少女の惹かれ合いを描く
●感想
各キャラクターのバックストーリーをある程度考えて書いてみました。
窓が割れてるのに養護教諭しか出てこないのは、賑やかしにしかならないと判断したからです。違和感あったら教えていただけると嬉しいです💦
よろしくお願いします!

テーマ触媒6:「海」「時代劇」「ブス」「タイトルオマージュ」

フィードバック

脚本太郎
●採点
「好き」2.5「脚本」2
●ログライン100
不良で周りから避けられている涼は、ガラスで怪我をしたことがきっかけで保健室登校児の藍里と関わりを持ち、彼女との交流を通してお互いを肯定し合う。
●フック/テーマ
きらきらしたものが好きな不良、海辺の景色/自分を持つ
●カタリスト
ガラスの割れる音。
●不明点・不自然な点
涼がどういう問題を抱えていて、藍里との交流でどう変化したのかがピンと来なかったです。
「私も今日、きらきらものが好きになったから」という台詞が、大げさに思えました。台詞自体は悪くないと思うのですが、そんな大きなイベントが起きてなかったかと思うので。
●感想
情景や雰囲気がとても良いと思いました。
涼のキラキラしたものが好きで思わずガラスを触ってしまうという行動に魅力が出ていて良かったです。

さいの
『きらきらしてて、うっさい。』初稿
●自己採点
「好き」2.5「脚本」2.5
●ログライン100
 毎日登校する時に海辺に佇む藍里の姿を眺めていた涼は、割れたガラスで手を切ったことをきっかけに、保健室登校の藍里と初めて話を交わす。
●フック/テーマ
海辺の高校/自分を持つ
●カタリスト
ガラスの割れる音。
●ルールミス
特に無し。
●不明点・不自然な点
・藍里「私も今日、きらきらしたものが好きになった」で、藍里が涼をどう思っているのか分からなくて、唐突に感じました。
●感想
 世界観はあるのですが、学校社会の端くれもの同士の二人が初めて交流したことで、互いにどのような変化が生まれたのかというコアの部分がいまひとつ伝わりきらなかった印象です。この時点だと、スムーズに相互理解して、仲良くなった二人に、この後何か問題が発生するのかなという風に思いました。

しののめ
●採点
「好き」3「脚本」2.5
●ログライン100
高校で浮き気味の涼は、通学中に見かける藍里のことが気になっている。怪我をして訪れた保健室で、保健室登校児の藍里に手当てされる。帰り道で再び藍里を見かけ声をかけると、理由を問われ、互いに好感を持っていることが分かる。
●フック/テーマ
不良と不登校児/はみ出し者同士の交流
●カタリスト
ガラスの割れる音。
●ルールミス
特に無し。
●不明点・不自然な点
・「一度も教室きてなくね」すごく微妙ですが、涼のキャラクターや口調的に、「一回も」の方が自然かもと思いました。
・分かりやすさを優先したのかと思いますが、三竹は「担任」よりも「〇〇先生」と言いそうな気もしました。
●感想
・青春の空気感が素敵だなと思いました。
・この話の前後で明かされる内容かもしれませんが…。現状、(理由は明確でないが)涼は既に若干藍里が気になっている様子/藍里は涼を認識している程度/互いに会話したことがない、の状態からスタートして、涼は保健室での初交流と夕方の砂浜を経て自分の感情を吐露できるレベルにまで持っていく必要があり、藍里に関しては保健室・砂浜・帰り道を経て「きらきらしたものが好きになった」と髪を触るレベルにまで持っていかなければならない構成にも見受けられ、少し難しさを感じました。涼の性格的に、柱10でここまで素直になれるかな?というのもありますし、藍里も初めて会話した相手に対してすぐに好意的になりすぎているかもと思いました。

ChatGPT
静かな青春の光と影を丁寧に描いていて、とても魅力的です。その上で、脚本全体を通して最も大きな問題点を一つ挙げると、以下になります。
◆一番大きな問題点
主人公・涼の「変化・成長」がドラマとして弱い
物語の後半で涼が藍里に心を開き始める描写がありますが、「なぜ・どうして彼が変化したのか」があいまいで、観客にとってやや唐突に映る可能性があります。つまり、内面の変化に説得力が不足しているのです。
◆改善案(3つ)
① 涼の「過去や心の内」をちらりと見せるシーンを追加
たとえば、割れたガラスを見て微笑むシーンのあと、「昔から壊すの得意なんだよな、俺」と独白するなど、彼の背景や価値観を少し垣間見せるだけで、観客が涼の孤独や葛藤に共感しやすくなります。
② 三竹先生との関係をもう一歩深く描く
三竹とのやりとりは良いですが、たとえば保健室での応急処置中に、「あんた、ほんとは優しいんでしょ」など、先生が涼の本質に気づいていることを示す台詞があると、涼の変化に外からの影響が加わってドラマ性が増します。
③ クライマックスで「しらねー」以外の言葉を涼に言わせる
涼の口癖「しらねー」が、無関心・照れ・逃避などいろんな意味を含んでいて巧みですが、最後の告白的な場面でこれを超える言葉を出せれば、彼の成長や「変化した」ことがより強く観客に伝わります。
◆応援メッセージ
この脚本は、「何もかもを語らずに、心の揺れを描く」繊細な作風で、とても美しいです。言葉少なな中に光る感情が、じんわりと読者や観客の心に染みていく力を持っています。キャラの変化にちょっとした補強を入れるだけで、さらに心を動かす名作になる予感がします。自信を持って、次のステップへどうぞ!
よかったら、次は涼と藍里の対比に注目したキャラ分析や補強アイデアもご提案できますよ。

修正稿(★4.95)

脚本_雨森26v2『きらきらしてて、うっさい。』(海)_250620
修正期間:2025.6.15→2025.5.20(5日)

雨森れに
●自己採点
「好き」2.6「脚本」2.4
●ログライン100
きらきらしたものが好きな涼は、ガラスの破片で怪我をしたことをきっかけに保健室登校の藍里と喋り、自分にはないきらきらしたものを感じて近づく。
●フック/テーマ
輝き/光と傷
●ねらい/テーマ触媒
テーマ触媒:海
ねらい:恋愛に至らない程度に、少年少女の惹かれ合いを描く
●感想
柱10後半の会話があっさりとしていたので、少し踏み込んでみました。
何気ない会話が藍里の救いになったりするだろうな、と考えながら修正してみました。(できているかは別ですが…)
よろしくお願いします。

フィードバック

脚本太郎
●採点
「好き」2「脚本」2
●感想
・初稿より動きが出ていると思います。特に柱3で涼が足を速めるところが、彼の心情を表現していて良いと思いました。
・細かい指摘かもしれませんが柱10の「北島がいる場所がきれいだからかも」「きれいなんて、言われたことないよ」は「場所」と言ってるのに自分のことだと受け取ってる点で会話が噛み合ってないように思いました。
・自分が気にしすぎなだけかもしれませんがアトピー患者としてはアトピー肌の描写や「きらきら」との対比とかが若干きつかったので「好き」を下げてしまいました。

さいの
『きらきらしてて、うっさい。』修正稿
●採点
「好き」2.5「脚本」2.5
●感想
きらきらという言葉に、海の情景やガラスの輝き、藍里の姿といった視覚的要素を重ねるというコンセプトは特徴があって良いと思います。
このコンセプトに対しては、柱10のようにセリフでメタファーを情報として伝えることに終始するよりも、似合う手札があったように思います。個人的には「涼がきらきらしているガラスを触ったら怪我をする」「遠くから見ていた藍里と初めて会話し、アトピーの皮膚を涼が見る」といった要素を掘り下げる方が興味を引く内容になりそうだなと思いました。

しののめ
●採点
「好き」3「脚本」2.8
●感想
・涼が前々から藍里を気にかけていたことがより明確になり、藍里の感情変化もより自然になったように感じました。
・「いつもいるから」に対し、藍里のリアクション(少し驚く等)が欲しい気もしました。
・涼が不良気味な割に結構素直に感情吐露する部分は好みが分かれるかもしれませんが、役者の演技や演出なども込みで「尖り気味ではあるものの、案外素直でおバカキャラな感じの憎めない子」という雰囲気を強調できれば、カバーできる範囲なのかなと思いました。
・「きれい」「きらきら」とアトピーの対比がより明確になっていたのも良かったです。
・「やっぱちがうわ。北島がいる場所がきれいだからかも」「きれいなんて、言われたことないよ」の辺りは、そもそも二人の思考のすれ違いを意図している会話かと思いますが、意図してない方面のすれ違いに誤読される可能性もあるかもと思いました。あえて解釈の幅や含みを持たせているようでしたらすみません…!

詩舞澤沙衣
4.学校・昇降口(朝)
三竹「暴力で解決しようとするの、よくないよ」
→この段階では、暴力というよりは威圧?普段からやっているなら「暴力で解決」でもあり?怒りちらして、とか?
6.学校・教室(昼)
「右手から流血しているが、冷静である。」だと、たんぱくすぎる?のちの涼のセリフ、「あと窓か。あれは野球部のボールで割れた。んで、なんか割れた瞬間がきれいでさ。触ったら切った」を踏まえると、涼がきらきらに一瞬見惚れているような描写が必要なのでは? と思いました。
10.海沿いの道路(夜)
藍里「え、バカ」は、反射的に出た感じの気軽な、そしてちょっと気を許していることを表すようなニュアンスの「バカ」だといいな、と思いながら読みました。
(詩舞澤沙衣)

ChatGPT
この脚本は、人物の繊細な心の揺れと、それがごく自然な日常風景の中で交錯していく点において、とても秀逸です。
まず、セリフのリアリティと余白の巧さが素晴らしいです。涼と藍里の会話には説明過多が一切なく、言葉にされなかった感情や背景を、読者が行間から感じ取れるよう巧みに設計されています。特に「しらねー」という涼の口癖が、感情の未整理や照れを効果的に伝えており、ラスト近くでそれが解けていく描写には、ぐっと心を掴まれました。
また、「きらきら」や「うっさい」といった語感の強い言葉を、タイトルから物語全体にかけてモチーフのように用いている点も印象的です。光とノイズ――美しさと鬱陶しさ――を対比させながら、登場人物たちがそれぞれの「生きづらさ」と向き合っている構図は、現代的でありながらとても詩的です。
そして何より、結末の静かな肯定感が胸に残ります。大きな出来事ではなく、ほんの少し、他者とつながれたことが、明日への光に変わっていく。その余韻が、読後にやさしく残るのです。
この脚本から、作者様の「他人の中にある孤独」や「ささやかなつながりの奇跡」への深いまなざしが伝わってきました。次回作では、もしかするとまた違った背景や関係性の中で、人と人の距離を描かれるのかもしれませんね。きっとそこにも、読者の心にそっと触れるようなシーンがたくさん詰まっていることでしょう。
どうかこのまま、あなたの感性と視線を信じて、次の物語へ踏み出してください。これからの作品も、とても楽しみにしています!

以上

採点

初稿 修正稿
好き 脚本 好き 脚本
雨森 2.6 2.3 2.6 2.4
太郎 2.5 2 2 2
さいの 2.5 2.5 2.5 2.5
しののめ 3 2.5 3 2.8
平均 2.65 2.33 2.53 2.43
合計 4.98 4.95

2025.6.30 アップ

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