脚本添削『この子とそれ』(★4.94)

※このページで脚本が読めます(初稿と修正稿、PDF形式)。

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初稿(★4.74)

脚本_米俵26v1『この子とそれ』(動物)_20260601

米俵
●自己採点
「好き」2.2「脚本」1.7
●ログライン
ミニブタを飼う恋人・達也の家を訪れた綾香は、生姜焼きを出されたことで、食べる側の倫理を問いながら、彼の優しさにも違和感を抱き、二人の価値観の溝を感じる。
●テーマ/フック
愛と消費の境界/ペットの豚と食の豚
●テーマ触媒⋯動物
●感想
電車でふと疑問に思った内容をワンシチュエーションで書いてみました。(完全に勢いだけです)
修整方向としては、もう少し恋愛要素を絡める、動的ト書きを増やす方向かなと考えています。

テーマ触媒5:「モノローグ」「イケメン」「夏」「動物」

フィードバック

雨森れに
パス

脚本太郎
●採点
「好き」2.7「面白さ」2.6「没入感」2.3「題材」3「視点」2.8「構成」2.5「描写」2.4
●修正依頼
・ト書きに動きを出してほしい
→ほとんどの時間を議論や言い合いに割くというのも10分ならありだとは思うのですが、ト書きに動きがあまり見られないため、これをそのまま映像にすると結構観ててキツいのでないかと思いました。
●感想
・情に流されない達観した人間を気取っているらしき達也が、実際には想像力が足りていないだけだというのが明かされていくのが面白かったです。しかし綾香の方も極端な部分があると思うので、彼女の悪い部分も提示した内容になるとフェアだと思います。
・結末で無理のない範囲で達也に葛藤が生じたのが示されていて良かったです。

さいの
●採点
「好き」3「面白さ」2.6「没入感」2.3「題材」3「視点」2.7「構成」2.3「描写」2.3
●修正依頼
・柱一つだけで構成するストロングスタイルにするなら、二人の議論をもっと発展させて欲しいです。気にしない達也と気になる綾香という対比もキャラがあって良いのですが、起きていることとしては二人の意見がぶつかったというところで止まっているので、その先に転がしてほしいです。
●感想
・ハナコのコントで、クラスで飼ってた豚を食べるかどうかじゃなくトンカツか酢豚にするかで揉める学級会みたいなやつを思い出しました。食肉の矛盾や欺瞞にツッコむというのは普遍的な面白さがあると思いますし、ミニブタというのも新しさがあると思います。
・個人的には綾香がキッチンから包丁を取り出して、お前がやっているのはこういうことだぞとハナを人質(豚質?)にするというのを見たいです。
・あるいは同じテーマでウェルメイドな構成に変えてしまっても良いと思います。例えば、カタリスト的に生姜焼きを平然と食べる達也を悶々として見た後、リアクションとして綾香がその後の日常で豚肉を使った食品をなんとなく避けてしまうようになるも、達也の予約したサムギョプサルに行くといった感じです

しののめ
パス

山極瞭一朗
●採点
「好き」2.2「面白さ」2.2「没入感」2.2「題材」2.7「視点」2.4「構成」2.2「描写」2.5
●修正依頼
・綾香と達也のセットアップをもう少し詳しくする。
→恋人同士で、初めて家に来てというのはわかったのですが、どのくらいの関係性なのかわからず、物語に没入しにくかった印象です。ミニブタを飼っていることは話しているわけですから、達也の生姜焼きを食べる価値観の片鱗のようなものが、家に来る前からわかっていてもおかしくないように感じました。家に来る前の関係性が捉えにくかったといいますか、その辺りのセットアップがなされると、喧嘩のシーンにも深みが出てくるように思いました。
●感想
・ミニブタと生姜焼きを対比させて描いているのが面白かったです。オウムと焼き鳥なんかもなるほど確かにと感じました。
・コミカルタッチでありながら、シリアスな題材を描いているなと関心しました。
・その分、ミニブタをペットにする人はまだまだメジャーではないと感じるので、なんでミニブタなのかといったところが垣間見えるといいなと感じました。

修正稿(★4.94)

脚本_米俵26v2『この子とそれ』(動物)_20260629
修正期間:2026.6.10→6.29(19日)

米俵
●自己採点
「好き」2.7「脚本」2.2
●ログライン100
ミニブタ(ハル)を飼う恋人・達也の家を訪れたあやかは、生姜焼きを出されたことで、ハルと肉を線引き出来る彼の感覚に違和感を抱き、そこから彼との恋愛にも不安を抱き、責めるが、自分の矛盾も指摘される。
●感想
FBありがとうございました。
あやかと達也の関係性が少し見えるよう、冒頭のセットアップを増やしました。ただ、山際さんが求めていたものが書けているかは少し怪しいです。力不足で申し訳ありません。
また、二人の議論だけで止まっていた部分を恋愛関係への不安に発展するよう修正しました。会話だけで進まないよう、動きも増やしています。
人質ならぬ豚質は少し表現を変えましたが、あやかの極端な部分として取り入れました。
ただ、ラストはあやかで終わらせるべきだったのかな?と思っています。

修正稿へのフィードバック

雨森れに
パス

脚本太郎
●採点
「好き」2.5「面白さ」2.4「没入感」2.4「題材」3「視点」2.6「構成」2.3「描写」2.3
●感想
・議論だけではなく、ハルとのふれあいやハルの動きを通してストーリーが進むようになっていて、より映画向きの脚本になったと思います。
・元カノの話とハルの話は一見対応しているようで全然違う話を無理に繋げているような印象で、蛇足に感じてしまいました。終わり方も修正稿のもやっとする感じより初稿の方が読後感が良く、動きが出た部分はそのままに、会話のベースは初稿のままで良かったように思いました。

さいの
●採点
「好き」2.5「面白さ」2.3「没入感」2.1「題材」3「視点」2.7「構成」2.3「描写」2.3
●感想
・初稿よりテーマがぼやけ、ワンクレームだった良さがなくなってしまったように思います。特に元カノの下りは蛇足だったように映りました。達也の「これはこれ」的な考えを揶揄するネタとして入れても良いとは思うのですが、そこまで本筋扱いする話では無いかなと。
・やっていること自体はかなり面白いのですが一本の柱で長い会話劇だけで見せるスタイルは難易度の高い手法だと思うので、この尺を持たせるにはもう少し仕掛けが欲しいなと思います。ミニブタを飼っているのに生姜焼きを平気で食べられることをハルを使って責める、自分だって牛革の鞄を持っているじゃ無いかと返される、みたいなやり取り自体は面白いのですが、これくらいの手札ならもっとテンポよく書いて序盤で消化してしまった方が見やすいかなと。ここのやり取りに尺を使ってしまっているせいか、一つ一つの会話も観念的な方向に進んでしまっていて、読み物なら許容できるかもしれませんが、映像作品としては冗長に感じます。
・持っていく面白さの方向として「一時の感情で流されて一貫性の無い主張をするあやか」を面白人間的に提示するのか、「人類皆動物を食い物にしている業を背負ってるんだ」という考えさせられるね系なのか、要素として両方あるのですがどちらに昇華していくのか定まりきっていない印象でした。

しののめ
パス

山極瞭一朗
●採点
「好き」2.4「面白さ」2.5「没入感」2.4「題材」2.7「視点」2.5「構成」2.5「描写」2.5
●感想
・それはそれ、これはこれの理論を、ブタだけでなく、元カノも引き合いに出してきたことで、達也の価値観というか考え方がブタのみにおいてではないことがよくわかるようになっていたと思いました。
・そのあたりの会話もあったことで、初稿より、達也とあやかの関係性が理解しやすくなっていたように感じます。
・冒頭でバッグを振っていたのはどうしてだろうと思っていると、ラストにわかり、フリとウケがハマっていたように思いました。
・冒頭の達也とあやかの会話が、若干段取りっぽく感じたので、家に入る前から始めるとか、場所を変えたところから始めるのも一案かなと感じました。

ChatGPT
●一番大きな問題点:
物語のテーマは非常に面白いのですが、終盤で「あやか」と「達也」のドラマがやや均等になり、誰の変化を描く作品なのかが少し曖昧になっています。前半は「あやか」が「ペットと食肉を切り分けられない」という価値観を持つ主人公として物語を引っ張りますが、ラストでは革のバッグを突き付けられて彼女も矛盾を抱え、一方で達也も生姜焼きを食べられなくなるという変化が描かれます。この結末自体は非常に味わい深いのですが、二人が同じだけ揺らぐため、読後に「結局、この物語は誰が何を得た話だったのか」が少しぼやけます。どちらか一方の変化にもう少し重心を置くことで、テーマがより鮮明になり、ラストの余韻も一段と強くなると思いました。
●良い点:
「ペットとして愛するブタ」と「食材として食べるブタ」という、ごく身近でありながら誰もが一度は考えたことのあるテーマを、恋人同士の何気ない食卓の会話だけでここまでドラマにしている点が非常に秀逸でした。大きな事件は起こらないにもかかわらず、会話が進むにつれて価値観の違いが少しずつ浮かび上がり、恋人同士だからこその距離感や遠慮のなさがリアルに描かれています。また、ラストの牛革のバッグは単なるどんでん返しではなく、「誰もが線引きをして生きている」というテーマをあやか自身へ返す巧みな仕掛けになっています。そして最後、達也も結局は生姜焼きを口に運べなくなることで、互いの価値観が少しずつ相手に影響を与えたことが静かに伝わり、押し付けがましくない余韻のある結末になっていました。
●応援メッセージ:
派手な出来事に頼らず、食卓での会話だけでここまで読ませる力のある脚本は貴重だと思いました。扱っているテーマも普遍的で、「正しい答え」を提示するのではなく、観客自身にも「自分ならどう考えるだろう」と問いを投げかける作品になっています。会話劇としての完成度も高く、ハルという存在が場を和ませながら同時にテーマの象徴として機能している点も印象的でした。あとは主人公の変化に少し焦点を絞ることができれば、テーマ性とドラマ性がさらに強く結びつき、読後により深い余韻を残す作品になると思います。静かな作品でありながら、読み終えたあとも考え続けたくなる、とても魅力的な一本でした。

採点

初稿 修正稿
好き 脚本 好き 脚本
雨森
米俵 2.2 1.7 2.7 2.2
太郎 2.5 2.7 2.4 2.6
さいの 2.6 2.6 2.6 2.6
しののめ
山極 2.2 2.5 2.2 2.5
平均 2.39 2.35 2.49 2.44
合計 4.74 4.94

初稿「好き」詳細
好き 面白さ 没入感
雨森
米俵
太郎 2.7 2.6 2.3
さいの 3.0 2.6 2.3
しののめ
山極 2.2 2.2 2.2
平均 2.63 2.47 2.27
初稿「脚本」詳細
題材 視点 構成 描写
雨森 0.0 0.0 0.0 0.0
米俵
太郎 3.0 2.8 2.5 2.4
さいの 3.0 2.7 2.3 2.3
しののめ
山極 2.7 2.4 2.2 2.5
平均 2.18 1.98 1.75 1.80

修正稿「好き」詳細
好き 面白さ 没入感
雨森
米俵
太郎 2.5 2.4 2.4
さいの 3.0 2.6 2.3
しののめ
山極 2.2 2.2 2.2
平均 2.57 2.40 2.30
修正稿「脚本」詳細
題材 視点 構成 描写
雨森
米俵
太郎 3.0 2.6 2.3 2.3
さいの 3.0 2.7 2.3 2.3
しののめ
山極 2.7 2.4 2.2 2.5
平均 2.90 2.57 2.27 2.37

2026.7.10 アップ

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