カタリスト
そうだ、映画版だからといって、急にキャラクターの性格を変えたら不自然だ。そうやって違和感のある作品もよく見る。いつも通りでいこう。
コモリ君は今日も家でごろごろ。外はぽかぽかと晴れている。午後の陽射しが心地いい。愛犬のパッシブも眠そうだ……
だめだ! だめだ! これじゃあ、ストーリーが進まない!
何か事件を起こさななくては……
コモリ君を冒険へ誘うような大きな事件……
ピンッポーン!
ドアベルが鳴る。
誰かがやってきた。たまたま家族は出かけていて、家にはコモリ君しかいない。
玄関を開ける。
そこに立っていたのは……
- 不思議な恰好をした女の子
- 宅配便のお兄さん
映画版だからといって、急にキャラクターを変えるのはよくありません。よく言われる話で『ドラえもん』の映画版ではのび太君が勇敢だったり、ジャイアンがいい奴だと言われますが、初期の映画をみると、キャラクターがそうせざるを得ない動機や状況を、作者の藤子不二雄はつくっています(『大長編ドラえもん3 のび太の大魔境 (てんとう虫コミックス)』など)。作者の死後の映画版では、この「日常から、だんだんと非日常の冒険へ引き込まれていくアーク」を描かずに唐突にアクト2に入ってしまっている作品が多いように思います。
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フリー写真素材ぱくたそ
photo by すしぱく