※この記事の内容は「ひぐらし」シリーズを見ていない方は対象外だと思います。
『ひぐらしのなく頃に』については、以前、ループ型ストーリーの比較として記事を書きました。(アニメ『ひぐらしのなく頃に』とループ型ストーリー)
改めて要約しておくと、ひぐらしシリーズは、ホラーに多い「謎のある怖い村」という題材と「ループ系」の構成を合わせたタイプです。
ルールを曖昧にしたループ、いわゆるヤンデレというキャラクターモデルの古くささと魅力のなさ、「ストーリーエンジン」のミスなど、ツッコミどころはありますが、初見であれば、それなりに楽しめるタイプのストーリーだと思います。
「解」のアニメが放映が終了したのが2007年12月のようです。それから13年を経て、現在放送中なのが「業」です。正直、1話~13話は退屈極まりない内容でしたが、14話からようやく新しいシリーズが始まったという印象がしました。
考察する系にはのっからないことが多い(というかシリーズが完結してから見ることが多い)のですが「リアルタイムでアニメを追いながら、あれこれと話すゲームのようなもの」という意見をいただいて「なるほど、それが現代のアニメの楽しみ方でもある」と思って、僕も予想のようなことを書いてみようと思い記事にしました。
「解」で残された2つの謎:①ループの原因
「解」では、すべてが解決してハッピーエンドに終わったようみえましたが、僕には理解できない点が2つありました。
1つはループの原因が不明」ということです。
古手梨花が殺されることでループが起こる設定ですから「殺されないこと」でループを抜けだしたというのは、筋は通ります。
「どうやって抜けるか?」は達成したのです。
しかし「なぜ起きていたのか?」は問題になっていないのです。
ループ型ストーリーの映画では、脱け出すためには「何かを学ぶ」必要があります。
ひぐらしシリーズでは「諦めていた古手梨花が、仲間を信じて、希望を抱く」ということで変化しました(セットアップが唐突なため、とってつけたテーマのように見える感もありますが)。
ループの原因に対してもSF現象として、理由なく処理されているものも多いので、そういう設定であれば構いません。
しかし「業」においては、中学生になっていた古手梨花が再び戻されたよう(「業」第2話)なので、この「なぜ?」がひとつのミステリーになっているように感じます。
「解」で残された2つの謎:②梨花のタイムスリップ
「解」で理解できなかった2つめは、最終回のエピローグで幼少期の鷹野三四の前に、現れている大人の古手梨花です。
大人のように見えますが、アニメ描写は年齢があいまいなので、この梨花が何歳なのかは不明です。
けれど、子どもの鷹野三四と喋っているのですから、どんなSF設定かはともかく時間軸で考えればタイムスリップしていることになります。
ストーリーのまとめ方として、悪の親玉にあたる鷹野三四の両親が交通事故に遭わなければ、惨劇は起こらなかったのかもしれないという落とし方はよくある手法なので、理屈を無視してとってつけたという解釈もできるかとは思いますが「?」は残りました。
「解」の猫騙し編の感想
14話~17話の「猫騙し編」は見終わったので、ここまでの感想、現時点での疑問、今後の予想あるいは期待などを書いてみます。
細かい部分の記憶が曖昧ではあるのですが……
「雛見沢」の人は全員「雛見沢症候群」に感染している。
↓
発症を抑えるカギが古手梨花の梨花の側(=雛見沢)で生活すること(「解」第12話)。
↓
梨花が死んでしまうと全員が発症して、その後、パンデミックをおさえるための特殊部隊によって村ごと消滅させられる。
↓
鷹野三四はパンデミックを起こすクーデターを狙っていた。
この一連の設定がありつつ、ループ自体は古手梨花の主観で起こっていました。
●梨花の中学校は雛見沢から遠いのか?
古手梨花は女王アリみたいに特殊なフェロモンを出してるとかで、梨花の側で雛見沢の人々は発症を抑えられます。
梨花が村から出て中学校生活を送っていたのであれば、村に発症者が出たと考えられます。
ただし、梨花がどのくらいの期間、通学していたのかは不明です。
しばらく通っていたとなると、梨花が離れたことだけが原因とはいえなそうです。そもそも、離れただけで発症するなら、常識的に離れられないはずです。
ストレスも発症の要因になるので、しばらくは平穏に通学していたのに別の原因が起きたため発症者が増えたということも考えられます。
●中学生の梨花は殺されたのか?
中学生になっていた梨花が「業」でループが再開したとなると、梨花が殺された可能性があります。
「梨花を殺せばループ(やりなおし)」ができることを知っている人間がいれば、殺してループを起こそうと考えるかもしれません。
殺されたとするなら、その犯人は、単に発症者による凶行かもしれませんが、犯人に近い存在かもしれません。
また、殺されずにループに戻されたのであれば、今回のループの原因に関係があるはずなので、脱け出すカギになりそうです。
●宇宙人説
たしか宇宙からきた寄生虫だかが「雛見沢症候群」の原因というノートがあって、それは鷹野三四の妄想だったという処理がされていたはずですが、あっちが本当でほんとうに宇宙人がいるという可能性もあるかもしれません。
その宇宙人的な存在が生き延びていて、村人をコントロールして「梨花を雛見沢に縛りつけようとしている」としてみます。
トンデモなオチですが、スティーブン・キング的できらいじゃないです。
そもそも古手梨花の近くにいれば発症が抑えられるという設定もかなりSFです。
宇宙人の視点でみれば、宿主である人間が発症してしまうと、自分も殺され、村ごと消滅させられるので、発症しないことが生存本能ともいえます。
「猫騙し編」で展開されていた「雛見沢いいところ」感は洗脳にも見えます。
構成上、14~26話の13話分でひとつのストーリーを展開するとなると、はじめ4話分はちょうどセットアップに該当します。
セットアップは結末の反対としてフるという物語のセオリーで考えてみると、梨花は村の呪縛に打ち克って、自分の行きたい、自由な世界へ行くという流れに入っていくとも考えらます。
そうすると「郷壊し編」という次のシークエンスのタイトルにつながりも見えます(「郷壊し編」第一話は未見です)。
宇宙人的な親玉がいるとなると、羽生が渡そうとしていた「繰り返す者を殺す剣」(「解」第14話)は、その親玉を破壊すれば、もうループは起こらないことになるし、場合によっては「雛見沢症候群」の解決自体にもなりそうです。
そうすれば北条悟史と北条沙都子の兄妹再会もできます。
●なぜ、ループはいつもあの日なのか?
これは、ストーリー上の必要性よりも、作り手や企画の意図が優先されているだけにも思うので、理由はあとづけになりそう、あるいは説明されなそうな気がします。
ただしループが「なぜ起こっていたのか?」の原因がわかる場合、
なぜ、中学生になっていた梨花をタイムスリップさせてまで、あの時間に戻したのか?
あるいは、どうして別の時間のループではいけなかったのか?
しっくりくる説明がほしいところだと思います。
●梨花以外もループしている?
宇宙人洗脳説に従えば、女王的な存在である梨花だけは早かったけど、他の人たちもだんだんと変化しはじめているという解釈はできそうです。
「解」でも圭一はパラレルワールドの記憶を持ちはじめていました。
みんながループを自覚していれば、仲間達と一緒にループすることが可能になります。
梨花は羽生に対して唯一の理解者としていましたが、みんなと一緒にという前作でもやっていた作者が好きそうなテーマにつながりそうです。
あえて「全員(もしくは仲間の5人)も実はループしていた」というのも面白い設定だと思います。
誰かが得をすると、別の誰かが損をしているというのは現実では、仕方がないことであるので、そういうリアリティと向き合う……というのは僕としては好みですが、そういう方にはいかないタイプのアニメだと思います。
それぞれがループしているとなると解決するためには「よく話し合うこと」といった、これも作者が好きそうなテーマにつながりそうです。
●ワタ流しの意味?
「解」第16話の北条沙都子のセリフや、第17話の鷹野三四のセリフなどで「ワタ流し」=罪を流すといった禊的なニュアンスが出てくるようになっています。
前作では「ワタ」を腸として、ホラー的な演出程度だったような記憶しかないのですが「業」では新しい意味づけをしてきているような気がします。
内臓が「雛見沢症候群」の原因や発症と関連があるかもしれないし、梨花がオヤシロサマの像の中で「繰り返す者を殺す剣」の代わりに見つけていた、欠片は、鍬の一部で、誰かが盗んだときに欠けたのかもしれません。
●麻雀の燕返し
あれだけフったんだから、どこかで回収あるんだろうな……
●梨花のタイムスリップ
「解」の謎で書いたタイムスリップ?の謎は解明されるのかな。されてほしいな。なんとなく、されなそうな気配をかんじている。
※シリーズを一回見ただけで検証などしていないので、記憶違いもあるかもしれません。あくまで素人の感想です。ご意見、ご感想は大歓迎ですので、あなたの考察を下記にコメントください。今後はリアルタイムで追っていくので気になったら記事にします。
緋片イルカ 2021/02/08