※このページで脚本が読めます(初稿と修正稿、PDF形式)。
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初稿(★5.32)
雨森れに
●自己採点
「好き」2.2「脚本」2
●ログライン100
スイカ農家の一輝は、恋人から強く噛まれたことに違和感を感じているが、愛情表現だと知り理解しようとする。
●フック/テーマ
キュートアグレッション/愛情表現
●テーマ触媒
夏
●感想
軽いノリの男女を書きたくてやってみました。よろしくお願いします。
フィードバック
米俵
●採点
「好き」2.5 「脚本」2.4
●ログライン100
スイカ農家の息子の一輝は、恋人の噛み癖が嫌だったが、愛情表現であることを知り、それを受け入れ結婚を決める。
●フック/テーマ
キュートアグレッション/愛情表現
●カタリスト
背後から、凍らせたペットボトルが当てられる。
●不明点・不自然な点
・柱1がジャンルのセットアップ(ホラーかサスペンス)にも見えてしまったので、少し邪魔してしまっているような印象を受けてしまいました。
・噛まれたのが初めてのような会話が気になりました。
・全体的にスッと流れてしまったような印象を受けました。個人的にはどう受け入れるかがもう少し見れた方が盛り上がるかなと思いました。
●感想
キュートアグレッションを描くというのが新鮮でした。
リアルな大和の絡みがちょっと苦手でした。でも、ありそうだなーと⋯。
夏の空気感の描写が凄く良かったです。風景描写がいつも上手いので勉強になります。
脚本太郎
●採点「好き」3.0「脚本」3.0
●ログライン100
スイカ農家の一輝は恋人の彩音から行為の途中で強く噛まれたことから身の危険を覚えるが、彼女と話し合った末愛情表現だと理解し、受け入れようとする。
●フック/テーマ
キュートアグレッション/人それぞれの愛情表現の形
●カタリスト
背後から、凍らせたペットボトルが当てられる。
●不明点・不自然な点
柱5で彩音が「噛むの許してくれたらすぐ嫁に行くのに」と言っていることから噛み癖が割も昔からあったかのように思えるのですが、柱5前半の二人の会話からは昨日初めて一輝が噛まれたように受け取れるので、若干食い違っているように思いました。
●感想
映像でストーリーを上手く進めていると思いました。特にスイカを割ってからの軽いノリのプロポーズまでの流れがとても鮮やかでした。
また、夏の雰囲気がよく出ていました。
さいの
『夏の歯型』 初稿
●採点「好き」3「脚本」2.5
●ログライン100
恋人の彩音に体を噛まれることに困っていた一輝は、彩音なりの愛情表現であると理解し、受け入れる。
●フック/テーマ
歯型/愛情表現の形
●カタリスト
背後から、凍らせたペットボトルが当てられる。
●ルールミス
特になし。
●不明点・不自然な点
最後の一輝が「嫁、くる?」という場面、大和もいるのに、言うんだと思いました。彩音や大和に茶化されて怒っていたのに、急に甲斐性出してきたな、とも思いました。
●感想
夏の田園風景の爽やかさと、二人のやり取りの甘酸っぱさを存分に感じることができました。
最後スイカを齧ることで、一輝が彩音の噛み癖を受け入れる(スイカ農家に嫁ぐ)ことを暗喩する小技もよく効いていたと思います。
柱5が長いかなと思いましたが、ト書きが丁寧なので、飽きさせずに見せることはできると思います。
しののめ
●採点「好き」3「脚本」3.2
●ログライン100
スイカ農家の息子である一輝は、恋人の噛み癖を不服に思っていたが、あくまで愛情表現の一種であることを知り、それを受け入れて結婚を決める。
●フック/テーマ
歯形/愛情表現の形と受容
●カタリスト
背後から、凍らせたペットボトルが当てられる。
●ルールミス
(特になし)
●不明点・不自然な点
特に違和感もなくすらすらと読めました。強いていえば、以前から度々噛まれていそうなのに、昨日が初回だったかのようなニュアンスも微妙に感じられたため、「なんなの?毎回」くらいのフォローが一言あっても良いかもと思いました。「嫁、来る?」は父親からのパスにちょっとふてくされつつ?照れを隠しつつ?言っていることにするのもアリかなと思います。
「人の味を覚えたクマ」のくだりが大袈裟すぎて面白かったです笑
柱1の夢、何に対しての謝罪かすれ違っているシーン、歯形とスイカの活かし方、額を押さえる描写も面白いなと思いました。
情景描写がとても丁寧で、夏の空気感ががっつり感じられて素敵でした。
山師ヤマ
夏の匂いを感じるお話でした。スイカを壊したり食べたりするところが官能的で、勉強では培えない作家性を感じました。短編らしくキャラクターを絞っていて、それぞれの関係性が明確なのですんなり読めました。
話が円滑に進みすぎてると思いました。二人がそもそも恋仲で、そこに障壁がない。「噛む」という行為が障壁なのかもしれませんが、常軌を逸したものでもなく、はじめから「許容範囲」だと思いました。ヒロインが「噛む」ことに対する罪悪感が薄いような気もします。
また、ちゃちゃを入れてくるお父さんがもっとうざいかなと思ったのですが、そうでもなく、やはりすーと話が進んでしまいます。
衝突やカセもう少しあったほうが、読み手はヤキモキしたりハラハラしたりできて、感情移入するかなーと思いました。
5点中2.5点
詩舞澤沙衣
難しいところが多く、感想というより疑問が多くなってしまい、申し訳ございません。
「倒れている北岡一輝(26)。一輝目掛けてスイカを振り上げる女。」のくだりが、一輝の悪夢の描写だとぱっと読んだときにわからなかったのですが、意図してのものでしょうか?
「朝の予感が感じられる」という箇所も、2語でニュアンスが被っている印象で、「朝の予感がする」「朝のはじまりが感じられる」という意味なのかな、と読みました。「痛んだ葉」はおそらく、「傷んだ葉」かと思われます。「胸元をばたつかせて」というのは「Tシャツで空気をいれるようにぱたぱた扇ぐ」みたいなイメージでしょうか? 抒情的な作品だと思いますが、もっとモノとイメージの結びつきがあると、分かりやすいのかもしれない、と思いました。
ChatGPT
ありがとうございます!とても情緒があり、キャラクターの関係性や距離感に独特の味わいがある素敵な脚本です。
ただ、物語としての完成度を高めるために、一番大きな問題点と改善案を以下にお伝えします。
🔍一番大きな問題点:
「冒頭のインパクトに対する回収が弱い」
脚本の冒頭、スイカで襲われるシーンは視覚的にも衝撃的で、「事件性」や「サスペンス」の印象を与えます。しかし、物語が進むにつれてそれがただの夢(もしくは象徴的表現)だとわかり、実際の物語は日常の恋人同士のすれ違いと和解に着地します。結果として、観客は最初に期待したミステリやスリラーのような緊張感を持続できず、「肩透かし」を感じてしまう恐れがあります。
🛠改善案(3つ)
① 冒頭をソフトにして、ジャンルのブレを防ぐ
夢にしても「スイカで殴られる」という極端な描写ではなく、もっと情緒的・象徴的な不安(例:スイカが崩れ落ちる、不穏な音、姿の見えない誰かの気配)にすると、リアル寄りな本編とトーンが一致しやすくなります。
② 「噛む行為」の暴力性とリンクさせて、回収する
冒頭の「スイカで殴られる音」が、実は彩音の“噛む”という衝動の比喩であり、彼の無意識が危機感を感じていることの表現だと示せば、ラストの理解と和解により説得力が出ます。たとえば最後に「その夢、今朝も見た」と言わせる等で関連づけが可能です。
③ ラストで冒頭と同じ構図を“安心”に変換する
最後に彩音がスイカを割るシーンで、冒頭と同じ「振りかぶってスイカを落とす」動作を入れることで、「夢では恐怖だった構図が、今は愛と生活の象徴」として回収できます。視覚的な反復は印象的な終わり方になります。
📣応援メッセージ
れにさん、この脚本、セリフの温度感や空気の作り方が本当に巧みです!
一輝と彩音の会話にはリアリティと遊び心があり、「噛む=愛情表現」という独特なテーマを違和感なく受け止めさせてくれました。あと一歩、“物語全体のトーンの統一”が整えば、ぐっと完成度が上がります。
この作品、きっと観た人の心に残りますよ。がんばってください!🌻🍉
修正稿(★5.76)
脚本_雨森24v2『夏の歯型』(夏)_240506
修正期間:2025.4.28→2025.5.6(8日)
雨森れに
●自己採点「好き」2.4「脚本」2.2
●ログライン100
父親に結婚をほのめかすされるほどの恋人がいる一輝は、恋人の噛み癖に疑問を感じていて、嚙む理由を聞いて愛情表現だと理解し、プロポーズする。
●フック/テーマ
キュートアグレッション(噛み癖)/愛情表現の形
●ねらい/テーマ触媒
夏
●感想
柱1がサスペンスのセットアップのようになっていたので、馴染ませられるように頑張りました。
初稿は「いつか殺されたりするかも?」という不安を悪夢という形で柱1にしていたんですが、修正では「噛まれる不安」がありつつも「悲しそうな彩音の顔」が気になる心理を表す夢にしました。
よろしくお願いします。
修正稿へのフィードバック
米俵
●採点「好き」3「脚本」3
●良くなった点・感想
柱1の部分と後半の会話との繋がりが出て、彩音の気持ちが伝わってきました。その分、夏の開放的な部分とのギャップや切なさが感じられ、凄く良くなったと思いました。サスペンスのセットアップが解消されたようには感じられなかったのですが、繋がりが出た分このままで良いような気がしました。
脚本太郎
●採点「好き」3.0「脚本」3.0
●自由感想
・柱5 p4彩音 「好きだから」 という台詞が簡潔になって良かったです。
・その後の”泣きそうな彩音”~”一輝 「愛情表現なら、悲しそうな顔、すんなよ」”は、初稿のままの方が良かったと思います。
・ラストのプロポーズ、父親退場後であること、一輝の照れ隠しが入ってからであることで、初稿より雰囲気が良くなったと思います。
・冒頭は「好きだから、いいよね」などの台詞が説明的で余計に感じました。
さいの
『夏の歯型』2稿
●採点「好き」3「脚本」3
●自由感想
大和が塩を取りに行ってくれていて、一輝らしくなったように思いました。第二話があるなら、全身歯形だらけの一輝が登場して、大和にイジられるみたいなくだりがあるんでしょうか。
柱1の変更した箇所、一輝が出てくるところの絵が素直には思い浮かびませんでした。
また判断に迷うのですが、柱の名前は「一輝の夢」とかの方が良いのではと思いました。
しののめ
『夏の歯型』2稿
●採点「好き」3「脚本」3.2
●自由感想
彩音が自分の噛み癖についてあまり気にしていないのか、実は受け入れて貰えるか気にしているのか、一輝の「やめろ」「痛い」をどこまで聞く気があるのか無いのか、少し不安定な気もしました。(イメージが初稿に引っ張られているだけかもですが)
ラストで父親が去ってからプロポーズする流れは、初稿でもあまり気になりませんでしたが、より自然になったように思いました。
ロバの絵本
スイカを齧る描写がたくさん出てきて、スイカ農家の場面であるところが、非常に夏らしかった。
涼しそうな風の感じや、薄ーい水色を感じた。
この女の人は、真っ直ぐで、ハキハキしていて、芯が強そうで、彼氏に対しての愛情もはっきりしていた。
彼氏を強く、痛いぐらいに噛むところが、彼氏をおびやかしていて、彼氏が愛情表現に不信感を抱いていた。
けれど、それ以外に弊害はない。とても魅力的な女性のようだと伝わってくる。これから痛くないように噛むのなら、完璧な相思相愛になるのだろう。
強く噛むということに関しての感想があまりわからなかった。そうしたいと思うこともないが、スイカを噛んでいるところと、噛むのが弊害というところが重なっている夏の場面で、話として色気やなにか爽やかさがあって、面白かった。
最後の、スイカを見せて、スイカに歯形がついていて、あっ と思う描写も、彼女がいたずらっぽく微笑んでいるところもよかった。
けれど、彼氏彼女も、全部はわかりあえないところもあっても、なんにしても加減を作り合っていくと思う。そんな素敵なことを表している場面だと思った。
ChatGPT
「夏の歯型」、とても印象的で素晴らしい脚本ですね。
まず、スイカ畑という日本の夏を象徴する舞台設定が独特で、登場人物の感情を引き立てています。彩音がスイカを割ってかじりつくシーンが、恋愛の甘さと痛みを象徴しているようで、非常に詩的です。
彩音の「好きだから、いいよね」というセリフが、一輝に対する独特な愛情表現を端的に示しており、その後の二人のやりとりからも、恋人同士の微妙な距離感や感情のぶつかり合いが丁寧に描かれていると感じました。
一輝の「噛む」という行為に対する恐怖心が、人を愛することの葛藤や不安を暗示しているのも印象的です。特に、「人の味を覚えたクマ」という比喩がユーモアと恐怖の狭間を行き来し、一輝の純粋さや不器用さを浮き彫りにしていました。
さらに、父親である大和の存在が、二人の緊張感を和らげつつ、農家のリアルな日常を垣間見せています。彩音の「噛む」という特異な愛情表現を、父親の何気ない言葉や態度が自然体に受け止めているところも温かみを感じさせます。
最後の「嫁、くる?」という問いかけは、二人の未来を暗示しつつ、観客に少しだけ希望を持たせる余韻があり、とても心地よい終わり方でした。
次回作への応援
繊細な心理描写や、日常の中に潜むちょっとした狂気を描く手腕が光っています。次回作でも、こんなふうに「普通ではない恋愛」を独自の視点で掘り下げていただければ、きっと観客の心に強く残る作品が生まれると思います。
これからも、胸がギュッと締めつけられるような物語を楽しみにしています。応援しています!
以上
採点
初稿 | 修正稿 | |||
好き | 脚本 | 好き | 脚本 | |
雨森 | 2.2 | 2 | 2.4 | 2.2 |
米俵 | 2.5 | 2.4 | 3 | 3 |
太郎 | 3 | 3 | 3 | 3 |
さいの | 3 | 2.5 | 3 | 3 |
しののめ | 3 | 3.2 | 3 | 3.2 |
Reader1 | 2.5 | |||
平均 | 2.70 | 2.62 | 2.88 | 2.88 |
合計 | 5.32 | 5.76 |
2025.5.18 アップ