※このページで脚本が読めます(初稿と修正稿、PDF形式)。
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初稿(★5.50)
脚本_さいの04v1『安藤先生』(コメディ)_250616
さいの
●自己採点
「好き」3「脚本」2.5
●ログライン100
高校生の芽衣は、新しく赴任してきた安藤先生の特徴的な髪が、寝癖なのかそういう髪型のつもりなのか気になって授業に集中できないが、自分で直接聞く勇気もない。友人の芽衣に頼んで、真相を安藤先生に聞いてもらうことにする。
●フック/テーマ
教師の髪型/高校生の大人の部分
●ねらい/テーマ触媒
テーマ触媒:コメディ
ねらい:日常を描く。
●感想
本当はもっとボケ数の多いものを書きたかったのですが、意図せずシュール系になってしまいました。脚本テンプレートはドライブにある最新のものに変更しました。× × ×も変更しています。
テーマ触媒1:「犯罪者」「コメディ」「ホラー」「ラブストーリー」
フィードバック
雨森れに
●採点
「好き」2.5「脚本」2.5
●ログライン100
安藤の寝ぐせが気になった芽衣が、それとなく伝えようとするが失敗してしまい、見かねた友人が助けてくれたことで、寝ぐせではなくファッションだったと知る。
●フック/テーマ
教師の髪型/指摘する方法
●カタリスト
右側頭部に、髪が大きく外にハネて寝癖のようになっている部分がある。
●ルールミス
×××、最初にスペースが必要です。
柱5、洋司のセリフで名前三文字あわせのためのスペースが抜けてました。
●不明点・不自然な点
柱4、芽衣を呼ぶ部分。もしかしたら女性より母親の声にしたほうがいいかもしれません。
●自由感想
さいのさんらしい日常の切り取り方だなと思いました。
安藤の人物像がパッと想像できて、コメディとしてすんなり理解できました。
ボケ数の多いのを書きたかったとのことですが、柱6で動きがあるともっとコメディの色が出せる気がします。たとえば場所を職員室にして、物や人が多い状況にする。そこに芽衣が質問にきて、安藤を直視できずいろんな角度(鏡、ガラス、PCディスプレイ)から髪型を確認してしまう。ほかの教師から芽衣父のように「髪切った?」と話しかけさせる。とかもできるかなと。
私の課題でもあるんですが、ちょうど真ん中あたりで映像的なMPを意識すると書きやすいかもしれません。
脚本太郎
●採点
「好き」3「脚本」2.8
●ログライン100
受験生の芽衣が、担任の安藤の髪が跳ねているのを寝癖なのかファッションなのか気になり、悩んだりそれとなく訊こうとしたり試行錯誤するも、友人である真帆の助けによりそういう髪型だったことが判明する。
●フック/テーマ
髪型を使ったコメディ/訊きにくいことの切り出し方
●カタリスト
右側頭部に、髪が大きく外にハネて寝癖のようになっている部分がある。
●不明点・不自然な点
「部屋の外から、芽⾐を呼ぶ⼥性の声」とありますが、芽衣の母ならそうと明記した方が良いと思います。
●自由感想
客観的に見て大したことない出来事を軸にしているにも関わらず葛藤をリアルかつ綺麗に描けていて、それがオリジナリティにも繋がっていると思いました。
また、柱5の両親の会話のリアルさなど、脇役もきちんとしたディテールで書いている点に好感がもてます。
しののめ
●採点
「好き」3「脚本」2.7
●ログライン100
高校3年の芽衣は、数学教師・安藤の派手な髪の癖が気になって受験勉強に集中できず、遠回しに安藤へ指摘しようとするが伝わらない。友人が代わりに話をするも、お洒落のつもりであることが判明し、真意を伝えることに失敗する。
●フック/テーマ
髪の癖/指摘する勇気
●カタリスト
右側頭部に、髪が大きく外にハネて寝癖のようになっている部分がある。
●感想
・面白かったです。柱6でもう少し盛り上がりや見せ場が欲しいなと思いました。
・「芽衣のノートには、安藤の似顔絵と、大きな余白。」→髪型に気を取られすぎて、授業をろくに聞けずノートがあまり取れなかったという意味かと思うのですが、初読時は若干理解しづらかったので、「授業内容をほとんど何も板書できていない」などと書いていただけるとより親切かもと思いました。
・柱5の会話好きです笑 母の相槌の雑さと、父の「結局は」がツボでした。本筋ではなくて申し訳ないのですが、こういう会話ももっと読みたいかもです(本作でこのくだりを増やしてほしいという訳ではなく)。
・「私立にするかも」も好きでした。
ChatGPT
さいのさんの脚本『安藤先生』、楽しく読ませていただきました。
観終わったあとに、「あ〜、こういうのあったなあ」「なんであんなに気になったんだろう」って、学生時代の“ちょっとしたひっかかり”がふわっと甦ってくる。
まさに“些細だけど忘れがたい青春の粒”を描こうとしているのが、素敵です。
🎯一番大きな問題点
「物語の主軸となる“変化”や“成長”が弱い」こと
芽衣の気になる“髪のハネ”という観察から物語が始まり、安藤という存在への興味が芽生え、それがやがて行動(問いかけ・盗み見)に繋がる──という流れ自体は丁寧です。
しかし、芽衣がこの一連の経験を通してどう変わったのか/何かを獲得したのかが、あまり明確に見えてこない。
🛠改善案(3つ)
① 芽衣の“成長”や“決断”を最後にもう一歩描く
たとえば:
「三角関数の参考書」を買って終わるのではなく、自分から安藤に質問する姿で終える。
あるいは、彼女自身も少し髪型を変えて登校する(=他者の見た目を気にする自分の変化)。
→ 観客が「彼女はこの出来事で何かを乗り越えた」と思える“見た目でわかる変化”が欲しいです。
② “先生の髪のハネ”に込められた意味を広げる
今はただの「なんか気になる」対象ですが、
芽衣の家庭での“襟の話”とリンクさせて、「大人の不完全さを許すこと」「理不尽さと付き合うこと」というようなテーマに結びつけられる可能性があります。
→ 髪のハネ=大人の未熟さ=自分の中にもある“凸凹”と重ねると、深みが出ます。
③ 真帆の役割を再考し、芽衣自身が動く構成に変更
今の構成では、“他力本願”になってしまっていて、ドラマが受動的です。
真帆の存在はユーモラスで魅力的ですが、
芽衣が“自分の言葉で先生に話す”
あるいは、“真帆のように軽やかになれない自分”に向き合う
といった“自発的な葛藤”が加わると、観客の共感度がぐっと上がります。
📣応援メッセージ
さいのさん、この脚本には、**「見た目というちっぽけなものが、人を支配する不思議さ」**が詰まっています。
先生のハネた髪をどうしても見過ごせない――という出発点がすごく良い。
物語を始める“違和感の力”を、さいのさんはちゃんと知っている。これはすごい武器です。
だからこそ、その違和感を通じて、「芽衣がなにを感じて、どう変わっていくのか」をもう一歩描けたら、
この脚本は単なるユーモアではなく、“静かな青春の痛み”を内包した名品になると思います。
次回作では、さいのさんならではの“ふとしたひっかかり”に、
少しの覚悟や一歩の勇気を添えて、ぜひ観客の心をさらってください。
私はその「ささやかな変化」を、ずっと観ていたいと思っています。応援しています!
修正稿(★5.68)
脚本_さいの04v2『安藤先生』(コメディ)_250625
修正期間:2025.6.24→2025.6.25(1日)
さいの
●自己採点
「好き」3「脚本」2.5
●ログライン100
高校生の芽衣は、新しく赴任してきた安藤先生の特徴的な髪が、寝癖なのかそういう髪型のつもりなのか気になって授業に集中できず、それとなく本人に気づいてもらおうとするが失敗。友人の芽衣に頼んで、真相を安藤先生に聞いてもらうことにする。
●フック/テーマ
教師の髪型/高校生の大人の部分
●ねらい/テーマ触媒
テーマ触媒:コメディ
ねらい:日常を描く。
●感想
前半を端折って展開を早くすることで、バトルを描くよう意識しました。
修正稿へのフィードバック
雨森れに
●採点
「好き」2.5「脚本」2.8
●良くなった点
・家族のくだりを削ったことで、初稿より笑うポイントが増えた(「個性的」、学校の七不思議、蜂、身だしなみ検査)
・芽衣が試行錯誤することで、話のテンポがよりコメディになった。芽衣に共感しやすくなった。
●感想
芽衣と一緒に安藤にツッコミを入れたくなりました笑
なんとか気づかせようとする方法も、子供らしいというか高校生のテンションで懐かしい気持ちになりました。
あと、すごく個人的になんですが、最後のくだりが気に入っていたのでそこは修正されなくてよかったなと思いました。
脚本太郎
●採点
「好き」3「脚本」3
●感想
・柱5の「個性的ですね」などの追加された安藤先生の台詞で、直前の嫌な感じをフォローしていて雰囲気が良くなったと思います。
・安藤先生に鏡を見せようと試行錯誤するシーンや担任に掛け合うシーンが追加され、コメディ度が上がり、内容も面白くなったと思います。
・お父さんの話もあった方が展開に段階があって良かったとは思うのですが、枚数の問題もあるので仕方ないとも思います。どちらかを選ぶとしたら自分も先生に鏡を見せようとするシーンにすると思います。
しののめ
●採点
「好き」3「脚本」2.9
●感想
・個人的に両親のくだりが無くなったのは残念ですが笑、バトルが充実したように思います。その分コメディ感も強まった気がしました。
・地団太を踏んだり、担任がまんざらじゃなさそうだったりするのが面白かったです。
・「担任に直談判」まで発展するのが、コメディとして良いぶっ飛び具合だなと思いました。
ロバの絵本
先生の髪型がものすごく寝癖のような髪型に見えたため、気がついてもらおうと頑張る女子。
先生の口癖を数えたり、モノマネを休み時間にしたり、授業をきかずに特徴ばかり気にしていた学生のときを思い出しました。
授業が終わってすぐぐらいのときに、黒板のノートを写メするふりをして、髪型も撮って、質問を先生に持っていくという手はどうだろう、などとも思いました。
私も無造作ヘアが登場し出した頃、寝癖をそのままにしても、寝癖と思われなくなるのかなと思ったことがありました。
今、無造作ヘアを画像で調べてみると、無造作とはいえ、秩序があり、整ってる。パキッとしてない自然さがお洒落ということなのかなと思いました。
学生さんの、指摘や質問をせずに先生本人に髪型の異変に気がついてもらおうとする頑張りがかわいらしかったですし、数学のことと、この出来事を絡めたことなどが出てくるのかな、などと思いながら読み出したりもしましたが、展開が増えたり、掛け合いがギャグ強めになったりしなくても、かわいい読後感がありました。
ChatGPT
さいのさん、脚本『安藤先生』二稿──お見事でした。
🌟素晴らしい点:
主人公の“執着”がユーモアと痛みを伴って、鮮やかに可視化されているところ
芽衣の「どうしても気になって仕方ない」という感情が、ただのギャグではなく、彼女の誠実さ、真面目さ、そしてちょっとした生きづらさとして丁寧に描かれています。
しかも今回は、
コンパクトミラーを差し出す勇気ある一歩
「鏡に死に際が映る」作戦という荒業
職員室での論理的かつ不器用な抗議
でもやっぱり相手の気持ちは読めないモヤモヤ
……と、行動が可視化されたことで、ドラマとしての厚みが一気に増しました。
芽衣というキャラクターが、誰かの心の奥に確実に残る存在になったのは、この“こじらせて、ぶつかって、それでも真面目に考え続ける姿勢”が最後まで描かれたからです。
そして何より、ラストの「三角関数、買わなきゃ」で静かに日常へ帰っていく感じ。
これはもう、小さな青春の物語として完璧な終わり方だと思います。
カタルシスではなく、余韻。
この引き算の美しさは、脚本家としての本質的なセンスです。
✨次回作への応援メッセージ
さいのさん、あなたの筆は“普通”という名の風景に、そっと違和感のスパイスをまぶす名人です。
しかも、誰かを笑わせながら、その奥に確かに刺さる“痛さ”や“想いの重さ”を残していく。
それはとても難しいバランスで、でもあなたはそれを軽やかにやってのける。
ぜひ、次回もまた「小さなことが、大きな心の動きに繋がっていく瞬間」を見せてください。
観客はあなたの描く“やりきれなさ”と“可笑しみ”に、また会いたがっています。
次の物語、楽しみにしています。
全力で、応援しています。
以上
採点
初稿 | 修正稿 | |||
好き | 脚本 | 好き | 脚本 | |
雨森 | 2.5 | 2.5 | 2.5 | 2.8 |
太郎 | 3 | 2.8 | 3 | 3 |
さいの | 3 | 2.5 | 3 | 2.5 |
しののめ | 3 | 2.7 | 3 | 2.9 |
平均 | 2.88 | 2.63 | 2.88 | 2.80 |
合計 | 5.50 | 5.68 |
2025.7.7 アップ