脚本添削『死体験へようこそ』(★4.52)

※このページで脚本が読めます(初稿と修正稿、PDF形式)。

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初稿(★4.22)

脚本_太郎18v1『死体験へようこそ』(アクション)_251126

脚本太郎
●自己採点
「好き」2「脚本」1.2
●ログライン100
かつて兄に妹を殺された高校生伴野紡は、毎晩見る悪夢の中で兄を殺すための勉強として死体研究会に死体と殺人の資料を借りに行ったところ、部長の空井に襲われた挙げ句、猟銃乱射事件に出会し、空井から犯人を殺害して場数を踏むことを勧められる。
●フック/テーマ
狂人との対峙/復讐心と葛藤
●ねらい/テーマ触媒
テーマ触媒:アクション
ねらい:脚本の中で効果的なアクションを書く
●感想
大分ネタ切れでストーリーは無理やり絞り出した感が強いです。病気の時に見た夢を元に書きましたがアイデア段階からストーリーに昇華しきれていないかもしれません。しかし動きをどう脚本に取り入れるかということを考えられて勉強になりました。(テーマ触媒が飛びましたが)
フラッシュの使い方はssffで観た作品を参考にしました。

テーマ触媒8:「山」「父親」「アクション」「ビジュアライズ」

フィードバック

雨森れに
●採点
「好き」2.2「脚本」2
●ログライン100
夢の中で兄を殺したいと思っている伴野は、殺す知識を得るために死体研究部に通っており、空井に殺人の実践を勧められ、偶然構内に銃を所持した不審者が侵入したことで実践の機会を得る。
●フック/テーマ
家庭不和/殺人に至るまで
●カタリスト
柱6、空井、鉛筆を持って伴野に突進してくる。
●ルールミス
・伴野が3人登場するので、苗字ではなく名前表記のほうが適正かと思われます。序盤、特に柱2の3行目はどの伴野が動いているのかわかりませんでした。
●不明点・不自然な点
・空井の設定を掘り下げる必要性
主人公より強い設定なので、伴野が凡人に見えてしまいました。
死体好きや10年死体と過ごしたエピソードは面白いんですが、空井のセットアップに尺を取られて物語の進みを遅くしている印象です。
ラストに深く関わっているエピソードもないように思えたので、要素を削ってあげたほうがいいかもしれません。
・柱6前半の長さ
会話が長く、映像で見た時の印象が薄くなりそうだと思いました。冒頭が強いシーンで、後半も動きがあるので余計目立っていました。
フラッシュが出てくる前に空井が手作りの内臓模型をハサミで切るとか、ちょっとびっくりするような映像を挟むと空井との会話を削れる上に、死体愛好家のセットアップに使えるかもしれません。
●自由感想
アート映画的な出だしだなと思いました。導入や設定が面白い分、10分脚本よりは60分~ほどの尺のほうが合いそうだと感じました。
柱6や放送の声、柱13.14のブラックコメディ調の部分で間延びしていて違和感を覚えました。しののめさんのおっしゃる通り、リアリティラインの調整が必要かもしれません。もしくは分析表でいうギフトの感情をどうしたいか考えるのも手だと思います。

米俵
●採点
「好き」2.2「脚本」2.1
●ログライン100
夢の中に出てくる兄を殺したい伴野は、いつものように死体研究会へ殺す方法の本を借りにいくと部長の空井から殺しの実戦をするよう煽られる。そこへ銃を乱射する不審者が現れたことで、その機会を得る。
●フック/テーマ
夢の中の殺人/不明
●カタリスト
柱6 空井から実戦を煽られる
●不明点・不自然な点
・なぜ、夢の中で殺したいのか。
実在するなら、夢の中で殺すよりも現実で実行することを考えるかなと思いました。
・柱8〜柱14の「いやむしろ虚無だろ」までが浮いているように感じました。コメディ色が強くなったからかもしれません。また、利岡の必要性もあまり感じられませんでした。
●自由感想
・夢の中での殺しという面白い設定ながら理由が分からず、そこに引っ掛かってしまい乗り切れなかったのが少し残念でした。
・「分が悪いね」という最後のセリフが好きでした。
・8枚使っていたので、高城と戦うところまでは読みたかったなと感じました。

さいの
●採点
「好き」2.5「脚本」2.1
●ログライン100
 夢の中に出てくる兄を殺すために高校の死体研究部から本を借りて殺人の勉強をしている伴野は、部長の空井空子から実際の殺し合いを経験するよう煽られていたところ、校舎に猟銃を乱射する不審者が押し入り、窮地に追いやられる。
●フック/テーマ
夢の中の殺人、現実の殺人鬼/不明
●カタリスト
柱6: 銃声が鳴る。
●不明点・不自然な点
・伴野の兄と妹は、夢の中だけの存在なのか、実在するが夢の中だけで殺しをしているのか。
・伴野と空野が本を貸し借りする関係であることを端的に説明するために、「死体研究図書部」みたいな名前でもいいように思いました。
・「字足らず」が指しているのは「え?」のことですか?
●自由感想
 「夢の中での殺人が、現実の殺し合いに置き換わる」という構造的な面白さは分かりやすく、端的に伝わる魅力があるように感じます。坂元裕二脚本の『初恋の悪魔』というドラマを思い出しました。伝承上の殺人に使われた「鋏」をコレクションしていた主人公が、現実の殺人鬼に立ち向かうためコレクションのガラスケースを叩き割って鋏を取り出すというのが最終話で描かれます。ガラスケースが第四の壁のメタファーであることは言うまでもなく、本作も同様に、メタフィクションという大きな文脈の魅力にアクセスできる要素があると思います。(指摘するのも野暮ですが初心者禁止事項ではあります)
 ジャンプ漫画だったら伴野がこの鉛筆を使って、何らか超人的な力を発揮し、高城を倒すんだろうなというところまで想像しました。前半を短縮することで、高城との対決までは描いて欲しいです。柱6は長すぎるので、部室に入った瞬間に空野が襲いかかってくる形でも良いと思います。空手で空野を捻る伴野の絵をアクションとして見たいです。
 おそらく現状だとそのような非日常へと突入する伴野側の動機、きっかけとなる要素が不足しているので、そこさえ補えれば描けると思います。例えば、伴野が夢の内容に対して何らかの謎を抱いていて戦いの中でその手がかりを掴むとか、あるいは(初稿では描かれていない)伴野と実際の兄妹との関係に起因する何かだったり、本の内容とかです。いずれにしても鉛筆がキーアイテムとなるような整理が必要と思います。整理次第では結構面白くなる気がします。

しののめ
●採点
「好き」2.5「脚本」2.3
●ログライン100
兄が妹を殺した時のことを夢に見続けている高校生・紡は、夢の中ですら兄を殺せず、試行錯誤の為いつも通り死体研究会の部室に赴くも、部長の空井に焚きつけられ激昂する。実践が大事と言われ空井から襲われかけるも、校内に銃撃犯が侵入し、殺しに行かされそうになる。
●フック/テーマ
身内での殺し、死体研究会、高校に銃撃犯/トラウマの克服
●カタリスト
室名札には「死体研究会」とある。
●不明点・不自然な点
・貢呻き声と殴打の音が響いている。→「貢(の)呻き声と~」脱字がありました。
・タイトルと内容を比較した時に、死体験というよりは、(トラウマ克服のための)殺人体験に誘導されている印象を受けました。今後、タイトルが腑に落ちる展開になるのかもしれませんが念の為…。
●自由感想
・面白かったです。起きてしまった事件をせめて夢でリベンジしようとしている設定や、死体と暮らしていたという空井の話など、興味を抱く要素が多々ありました。空井が襲ってくるだけでも盛り上がっている中、銃撃犯が入り込んでくるという展開の華やかさは勉強になります…!
・蠅の声も若干ファンタジックではありますが、妹が既に死んでいるであろうことを端的に表現していて良いなと思いました。
・序盤は割とシリアスめな導入ですが、利岡(と高城も?)の言動が思ったよりぶっ飛んでいてブラックコメディ寄りだったので、一瞬見方が分からなくなった部分がありました。演出でカバーできる範囲かもですが…。ジャンルのセットアップ(人物の言動にまつわるリアリティラインの設定?)が序盤でもう少し明確になされていると、より入り込みやすいかもしれません。柱6の伴野と空井のやり取りもコメディチックではあるのですが、そこまでぶっ飛んでおらずある程度リアリティが保たれている気がしたので…。
・放送の声「訓練じゃないです」伴野「いや返事返ってくるのはおかしいだろ」については、偶然会話が噛み合った可能性も多少あるのでは…?と少し気になってしまい、明確にお笑いが成立しているのか分かり辛い気もしました。「いや、訓練じゃないです」とかであれば、伴野に対して返答していることが明確になるかと思います。

山極瞭一朗
●採点
「好き」2.2「脚本」2.0
●ログライン100
夢に出る兄を殺すため殺人の勉強をしている伴野は、死体研究会部長の空井から殺し合いの実践練習に誘われる。そんな中、学校に変質者が現れたことをきっかけに、窮地に陥る。
●フック/テーマ
殺しの練習・実践/復讐心 ●カタリスト 柱6.銃声が鳴る。
●不明点・不自然な点
夢の中の兄を殺したいというところが今ひとつ感覚として掴みにくかったです。夢よりもまず現実で殺そうとするのではないか。 そもそも現実にはもういないのかもと思いましたが、そのあたりが曖昧というか、明示されていなかったので、夢で殺すより先に現実で殺すという思考に行きつくのではないかと思いました。 兄と妹が現実ではどうしているのか、そのあたりが見えるとまた消化しやすくなるように感じます。
●自由感想
個性的なキャラクターが多く登場しており、それぞれ棲み分けされて描かれているところに作家性を感じました。一方で、やや渋滞している感があり、例えば伴野が教師に時折ツッコミを入れるシーンなどは、物語を停滞させているように感じました。ジャンルのセットアップがあまりなされていないことに起因しているように感じました。 また、てっきり兄との確執が解消される方に向かっていくのかと思っていましたが、兄が出てくるのは夢のみで、変質者が出てくるあたりで唐突感があった気がしました。

修正稿(★4.52)

脚本_太郎18v2『死体験へようこそ』(アクション)_251231
修正期間:2025.12.7→2025.12.31(24日)

脚本太郎
●自己採点「好き」2「脚本」1.3
●ログライン100
かつて兄に妹を殺された高校生伴野紡は、毎晩見る悪夢の中で兄を殺すための勉強として死体研究会に死体と殺人の資料を借りに行ったところ、部長の空井に襲われた挙げ句、猟銃乱射事件に出会し、空井から犯人を殺害して場数を踏むことを勧められ、立ち向かう。
●フック/テーマ
狂人との対峙/復讐心と葛藤
●ねらい/テーマ触媒
テーマ触媒:アクション
ねらい:脚本の中で効果的なアクションを書く
●感想
最後が中途半端だったので序盤の余分な部分を削って主人公が決意するまでを描きました

修正稿へのフィードバック

雨森れに
●採点
「好き」2.4「脚本」2.4
●良くなった点
・ラストに利岡が出てきて意外性があった。ここからどうなるのか期待値が高くなった
●自由感想
利岡が出てきて驚きました。一番記憶に残る登場の仕方だなと思いました。
同時に提出されたパンデミックとデスマッチでも感じたんですが、ツイストが効いてて引き込まれます。
一方、利岡との実戦がラストに来ることで、全体を通して「戦うor殺す理由」が統一されていない印象を受けました。空井との殴り合いで得たものがないままだったので、ここでワンクッション入れると主人公の感情を補強できると思います。

米俵
●採点
「好き」2.5 「脚本」2.4
●ミス?
タイトルの下、初稿のままになっていたかと思います。
●自由感想
・空井の説明セリフが減り、役割が明確になったと思いました。
・兄が既に亡くなっていることが分かり、夢の中ででも殺したいほど憎んでいるという感情がより伝わってきました。
・利岡の意外性が加わったところも面白かったです。
ただ、柱8〜13のやり取りにほぼ変化がなかったため、その流れも笑いに見えてしまったところがありました。前半とのトーンがもう少し揃うと、ぐっと印象が変わりそうだなと感じました。

さいの
●採点
「好き」2.5「脚本」2.1
●自由感想
・伴野が鉛筆で猟銃に立ち向かう決意というのはどういったものなのか、素直には理解できず気になりました。空野の被弾をデスとして扱うなら、伴野ならもっと現実的な武器を持ちそうな気がします。例えば最後、鉛筆が形状変化して利岡を攻撃するくらいの形で終わると、ジャンルも分かるような気がします。
・正直なところ、利岡が何をしたのかというフックに対するアンサーも含めてこの後どうなるのかの方が読みたいなと思いました。そういう意味では興味を引く内容ではあると思います。

しののめ
●採点
「好き」2.5「脚本」2.4
●不明点・不自然な点
・「伴野がシンクの下の引き出しから包丁を取る。。」→句点が連続しておりました。
●自由感想
・前半がすっきりして、取捨選択が上手くいっているように思いました。
・空井「夢の中で自殺したお兄さん殺してもどうにもなんないよ」→「夢の中で」が「お兄さん殺しても」にかかってることは勿論分かるのですが、一瞬「自殺した」にかかってると勘違いされる可能性もなくはない語順かなと思いました。「夢に出てくるお兄さんを~」という台詞が既に出ているので、「実際はもう自殺しちゃってるんだし。お兄さん」などでも良いかもと思いました。
・初稿も華やかな展開の連続だったのに、追記部分で更に急展開が追加されており流石だなと思いました。空井が撃たれた後でも伴野を煽るのが面白く、キャラクター性も現れていて良かったです。

山極瞭一朗
●採点
「好き」2.3「脚本」2.3
●自由感想
兄はもうこの世にいないということがわかったことで、夢の中の兄を殺そうとする動機が理解でき、共感できるようになっていたと感じました。 また追記されたシーンで、登場するのが高城ではなく利岡であるというのは、意外性があってよいと思いました。 いささか性急すぎる感はあれども、10分で描くにはその解を出す必要もなく、次を匂わせるクリフハンガーとして、いい役割を担っていたと感じました。

ChatGPT
●一番大きな問題点:アイデアと事件が強烈すぎる分、主人公・伴野の「感情の到達点」がラストでやや曖昧になっていて、観客が彼の選択をどう受け取ればいいか迷う。狂騒の勢いは魅力だが、伴野が何を乗り越え/掴みかけたのかがもう一段ほしい。
●一番の良い点:死体研究会、蠅の声、全裸猟銃男、校内放送のズレた倫理など、発想と台詞のキレが抜群で、ブラックコメディとしての世界観が最初から最後まで一貫して立ち上がっている。会話でキャラが生きているのが強い。
応援メッセージ:この脚本は「危ない線」を恐れず踏みに行ける才能がはっきり出てる。あと一歩、主人公の芯が定まれば一気に忘れられない作品になるはず。今の勢い、絶対に手放さず書き続けてください。

採点

初稿 修正稿
好き 脚本 好き 脚本
雨森 2.2 2 2.4 2.4
米俵 2.2 2.1 2.5 2.4
太郎 2 1.2 2 1.3
さいの 2.5 2.1 2.5 2.1
しののめ 2.5 2.3 2.5 2.4
山極 2.2 2 2.3 2.3
平均 2.27 1.95 2.37 2.15
合計 4.22 4.52

2026.1.12 アップ

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