脚本添削『ハラスメンター・デスマッチ』(★4.40)

※このページで脚本が読めます(初稿と修正稿、PDF形式)。

※作品はライターズルームのメンバーによるもので、作者の了承を得た上で掲載しています。無断転載は禁止。本ページへのリンクはご自由に。

※作者の励みになりますので、コメント欄に感想を頂けましたら嬉しく思います。

初稿(★4.25)

脚本_太郎19v1『ハラスメンター・デスマッチ』(ワンシチュエーション)_251215

脚本太郎
●自己採点「好き」2「脚本」1.5
●ログライン100
パワハラ気質の強い書店店長高城は、ハラスメンター同士のデスゲーム「ハラスメンター・デスマッチ」に強制的に参加させられ、苛めっ子である綾部を相手に戦い、勝利して二回戦出場が決まるも、敗者の辿る無惨な末路と言葉の恐ろしさを突きつけられ、恐怖で震える。
●カタリスト
柱1:ブザーのような大音響が鳴る。
●フック/テーマ
ハラスメンター同士のデスゲーム/言葉が人に与える影響
●ねらい/テーマ触媒
テーマ触媒:ワンシチュエーション
ねらい:ワンシチュエーションでデスゲームを書く。
●感想
デスゲームが一度書いてみたかったので書きましたが、ゲーム性が弱いものしか書けませんでした。
よろしくお願いします。

テーマ触媒17:「ワンシチュエーション」「2人だけ」「視線」「手指」

フィードバック

雨森れに
●採点
「好き」2「脚本」2
●ログライン100
パワハラ気質の高城は、罵倒を攻撃に変換するハラスメンターデスマッチに強制参加させられ、相手の綾部を殺したことにより自身の罪を意識し始める。
●フック/テーマ
罵倒によるデスマッチ/言葉の暴力
●カタリスト
照明がつき、デスマッチ会場の全貌が明らかになる。
●ルールミス
ルールというか表示に関してですが、PDF、Wordともに以下の3点が確認できました。
・人物表の次に空白の1ページ
・柱の数字がない
・本文2ページ目後ろから6行目、台詞のズレ
私側の問題だったらごめんなさい!
●不明点・不自然な点
・罵倒を攻撃化するルールが複雑かも?
速さの計測が、スタートなのかマシンガントークなのかピンとこないまま次の説明に入ってしまったので、棒人間の動きと説明をもっとわかりやすくしてもいいかもしれません。棒人間が動いてるときに木原の声で説明を入れたらもっとわかりやすくなりそうです。
もしかしたら、速さは無しで内容の物理換算だけにするのも手かもしれないですね。観客に点数をつけてもらって、点数の少ないほうにダメージが入る設定とか。そうすると観客側の盛り上がり方も調整できて、アンダーグラウンドの雰囲気が増すと思います。
・勝負が消化不良
高城と綾部の罵倒を比べて、高城の勝ちというのがなんとかく違和感です。「死ね」という言葉のセットアップがされていないまま重く扱われているので、作者の都合をごり押しされた勝負になっていると思います。生きるか死ぬかの勝負でその台詞セリフいうかな?というのも気になりました。
●ツイストアイデア
・デスマッチ感を増す
拳の機械と片足の拘束だけだとちょっとマヌケな見た目になる気がしました。リングにガラスの欠片を敷き詰める。ゴルフボールほどの鉄球が落ちてくるなどリング上でも殺傷能力をあげる工夫をしてもいいかもしれません。あとは拳の機械が血で汚れているとかもいいと思います。
・試合ルールの再設定。
内容だけの物理換算にして、2ターンか3ターン程度の罵倒をさせる。高城は泣きじゃくらずにブチ切れて本領発揮→勝利。VTRで再度罵倒の様子を流しつつ、最大加点が「死ね」だと知ち狼狽える。(紹介VTRで「死ね」を連呼している様子をト書きで指定するなど伏線を張る)
●自由感想
ブラッシュアップしていけば「イカゲーム」や「今際の国のアリス」の要素を取り入れつつ、言葉の扱いについて警鐘を鳴らすような作品になりそうだなと思いました。
個人的に高城はブチ切れるスピードで紹介されているのに、泣きじゃくるスピードのほうが速くて笑っちゃいました。
あとは高城が自分の罪を認識し始めるのは初めてのパターンではないでしょうか。2回戦、3回戦と繰り上がっていったときに高城がどういう人間になっていくのか気になりました。

米俵
●採点
「好き」2.1 「脚本」2.1
●ログライン100
パワハラをしてきた高城は、ハラスメンターデスマッチに参加することになり、対戦相手の綾部に勝利するが、自分の発した言葉により綾部が死亡したことで、自分の罪を意識し始める。
●フック/テーマ
ハラスメンターデスマッチ/言葉の暴力
●カタリスト
照明がつく。
●ミス?
木原「パワハラの化身、高城充!」充と!の間に1が入っているような?伸ばし棒の間違いでしょうか?
●不明点・不自然な点
・「罵倒の内容がどのくらいの殺傷力かを物理換算し、相手に同等のダメージを与える」という部分が少し分かりにくく感じました。セリフでの説明に少し無理があるのかもしれません。
・最終的に綾部が場外リンチで死ぬというのは、観客の暴力性が高城の言葉により引き出されたからでしょうか?
●感想
・フックも強く、テーマ性もあり、面白い設定だと思ったのですが、セリフの誇張や世界観の作り方が、実写よりも漫画的な印象を受けました。
・また、高城の感情の振れ幅として、パワハラを行う人物が中学生からの罵倒で一気に泣き崩れる展開はやや急に感じられました。
・全体的に笑って良いのか悩む部分もあり、勝手な想像ですが、太郎さんのやりたいこととまだ噛み合っていないのかなと感じてしまいました。

さいの
●採点
「好き」2.7「脚本」2.3
●ログライン100
 ハラスメンターデスマッチに臨むことになった高城は、相手である綾部に勝利するが、自身の罵倒が物理ダメージへと換算されたパンチとその後のリンチによって死んだ綾部を見て、恐れ慄く。
●フック/テーマ
ハラスメント加害者同士のデスマッチ/言葉の暴力
●カタリスト
 高城、驚愕の表情。
●不明点・不自然な点
・特に無し。
●自由感想
・イキっていた綾部が吹っ飛ばされる場面はグロテスクな描写への嫌悪感がありつつ多少の爽快感もあり、ここが見どころになるんだろうなと思いました。
・罵倒の「速さ」を競うというコンセプトがピンと来ませんでした。イントロドン的なことなのでしょうか。シンプルに制限時間内に相手に浴びせた罵倒のダメージ量で競うとかでいいと思います。実際に数値にして発表することで、司会者による数値化の恣意性みたいなところも面白さに加えられるんじゃないかなと思います。観客の罵倒やリンチから「人間の糞には何をしてもいい」という視点は読み取れたのですが、流石に観客が匿名性のある格好をしていないとそこまでしないのではと思いました。
・高城と綾部のキャラクターや対比が浮かんでこなかったかなと思います。二人のセットアップはなくてもいいと思うのですが、現状シンメトリーに描かれているので高城を主人公として描く工夫が欲しいなと思いました。「高城はハラスメント加害者なのに臆病である」という点を強調したいなら、リングに上げられた時、自分は罵倒などしていない、身に覚えがないとリングアナに助けを請うような描写があったりすると、綾部との対比もできて感情移入しやすいように思います。
・この尺でトップシーンを作るのは難しいかもしれませんが、よくある手札として、デスマッチのルールについては最初に噛ませ犬同士の試合を描くことで映像的に示すのが良いかと思います。もしくは前述のようにリングアナとのやり取り自体を会話劇として描く工夫が欲しいです。

しののめ
●採点
「好き」2.3「脚本」2.2
●ログライン100
パワハラ店長・高城は、何故かデスマッチ会場のリングに上げられており、いじめっ子の綾部と死ぬまで戦う羽目になる。流れに逆らうこともできず試合に臨むが、運良く勝利。場外に吹っ飛んだ綾部がリンチされ絶命する一方、2回戦進出が決まってしまい恐怖する。
●フック/テーマ
ハラスメンター同士によるデスマッチ/言葉の暴力性、正義の暴走
●カタリスト
木原「尚、当然ですが、デスマッチなのでどちらかが絶命するまで勝負は続きます」
●不明点・不自然な点
・「バイト店員てある淀川文夏(18)を」→バイト店員「で」でしょうか。
●自由感想
・木原「知性ゼロ、~」の台詞で声出して笑いました笑
・「死ね」という言葉で想像以上にダメージを受けるという発想がとても良かったです。結局すぐ場外リンチに移行し、そこで死ぬ(?)のも皮肉が効いてるなと思いました。出場者の悪行ががっつりモニターで紹介されたり、出場者をハラスメンターに絞っているというアイデアも面白かったです。
・笑って良いのか悪いのか微妙なラインのくだりが複数あり、そういう迷いを視聴者に抱かせる点が作品としての魅力だとも思うのですが、その迷いが内容の妙(視聴者に自問自答させるような皮肉な構成やシナリオ)によって生じている部分もあれば、リアリティラインのブレによって生じている部分もあるように感じました。特に高城がツッコむ場面では、高城の感情(戸惑いや恐怖など)がその都度かなり薄まっている印象を受けるので、個人的には妙にコント漫才っぽさを感じました。役者の演じ方にもよるのかもしれませんが…。あくまでお笑いではなくグロコメディ系?フィクションにするのであれば、もう少し人物の反応や言動にリアリティがあっても良いのかなと思います。ただ、人物の言動や設定におけるリアリティの無い部分に、太郎さんの持ち味が発揮されているようにも感じるので、青年漫画とかなら極端に修正しなくてもこれくらいのぶっ飛び感でいけるのかも?と思ったり…。個人的にはもはや、コント漫才として見てみたいです笑 表現力のあるボケに木原や綾部をやらせて、ツッコミに高城役をやらせれば、十分成立する気がしました。

山極瞭一朗
●採点
「好き」2.3「脚本」2.0
●ログライン100
パワハラ店長の高城は、ハラスメント同士のデスマッチに参加させられる。そこで発した暴言により相手を倒し、2回戦進出が決まるが、人を殺した現実に慄く。
●フック/テーマ
ハラスメント同士のデスマッチ/言葉の暴力
●カタリスト
p5.ブザーの音
●不明点・不自然な点
主人公高城の主人公感があまりなかったように感じました。高城は終始ゲームに対して後ろ向きであり、ラスト、言葉で人を殺してしまったことに震えるといった展開がうまく機能していないように思いました。デスマッチの中で変化を描くということであれば、デスマッチに前向きで、何の気なしに暴言を吐いていたけれど、実際に人が死んで、過ちに気づくといった方向で描くといいかもしれません。もしくは、2回戦3回戦と進むに連れて、罪悪感が芽生える。この10分脚本(1回戦)ではそこまでの変化はさせず、兆しだけ描くのもありかと感じました。
●自由感想
ダークサイド側の人間を描くのが上手だなと感じました。彼らが使う言葉のチョイスなどにその作家性が現れていると感じました。 数多くあるデスゲームものの中、ハラスメントをしている人物だけに絞ったデスゲームというのも面白いと感じました。細分化され、数多くのハラスメントがある現代に、色んな人が参加できそうなゲームですね。 とはいえ、そのルールはやや無理があるように感じます。勝敗を司会者の一存で決めるのは主観に寄り過ぎているように感じますし、観客たちにその勝敗の判断をゆだねるのもひとつ選択肢としてあるかなと感じました。

修正稿(★4.40)

脚本_太郎19v2『ハラスメンター・デスマッチ』(ワンシチュエ0-ション)_251231
修正期間:2025.12.24→2025.12.31(7日)

脚本太郎
●自己採点「好き」2「脚本」1.5
●ログライン100
ハラスメンター(苛めっ子)の綾部は、ハラスメンター同士のデスゲーム「ハラスメンター・デスマッチ」に強制的に参加させられ、パワー・ハラスメンターである高城を相手に戦い、勝利して二回戦出場が決まるも、敗者の辿る無惨な末路と言葉の恐ろしさを突きつけられ、恐怖で震える。
●カタリスト
柱1:ブザーのような大音響が鳴る。
●フック/テーマ
ハラスメンター同士のデスゲーム/言葉が人に与える影響
●ねらい/テーマ触媒
テーマ触媒:ワンシチュエーション
ねらい:ワンシチュエーションでデスゲームを書く。
●感想
皆さんのご意見を参考にルールを見直し、主人公も入れ換えてみました。まだまだ課題が多そうですがよろしくお願いします。

修正稿へのフィードバック

雨森れに
●採点
「好き」2.1「脚本」2.1
●良くなった点
・ルールがシンプルになった。何をメインに見せたいかわかりやすくなった。
・上記に加え、勝者が変更になったので罵倒の強度が目立つようになった
●自由感想
ルールがシンプルになるだけでかなり読みやすくなるなと感じました。
綾部が主人公とのことでしたが、ト書きや紹介Vの順番も調整したほうがいいかもしれません。
綾部は最初から戦意がありましたし、現状で言うと高城が本当に殺されるがカタリストになり、二回戦進出を告げられるデスで終わる話になる気がします。
微調整というか、人物表、誤字脱字やセリフがト書きに含まれてしまう現象含めて時間を確保して確認できるといいですね。

米俵
●採点
「好き」2.2「脚本」2.2
●ミス?
・木原「パワハラの化身、高城充!」の充と!の部分に数字の1が入っていると思います。(初稿の際にもお伝えしておりますので、ご確認をお願いいたします)
・綾部「っしゃあ!」というセリフがト書きと同じ段になっていると思います。
●自由感想
・勝敗のルールが整理され、観客投票という仕組みに変わったことで、構造が理解しやすくなったと感じました。
また、それにより、テーマである「言葉は人を殺す」がより強く伝わる形になったと思います。
・綾部が主人公になったことで、性急さが解消され、言葉の重みを知るという部分にも納得感が増したと思いました。
・一方で、罵倒表現が全体を通して非常に高いテンションで均質なため、対決としての差がやや見えにくくなる瞬間があるように思いました。説明的なセリフはもう少し削っても狂気は伝わるように感じました。

さいの
●採点
「好き」2.7「脚本」2.4
●自由感想
・綾部の小物感をリアクションに使うことで、「言葉だけで死ぬわけない」というフリが効いてよりテーマに沿うようになったと思います。
・長い会話をどう見せるか、工夫が欲しいと思います。木原「キモ」とか、第三者を加えて観客に見方を提示するアイデアは良いと思います。例えば、木原が二人の話を聞いている間に待ちくたびれてどんどん寝そべっていく様を描く、とか考えました。

しののめ
●採点
「好き」2.4「脚本」2.3
●不明点・不自然な点
・木原「パワハラの化身、高城充1!」→余計な「1」という数字が入っておりました。
・高城 「違うって言うのか?  綾部 「あのな、こんなことで本当に人が死ぬわけ―― の台詞の閉じ括弧が消えておりました。
●自由感想
・観客による投票式になったことで、観客側の暴力性が更に直接的になり良かったです。初稿の「死ね」の攻撃性を表現するアイデアも好きでしたが、主人公を入れ替えたことによる効果も出ていたと思います。
・p.4~5の追記部分、綾部の意味不明な哲学が開陳されるくだりもキャッチーで面白かったのですが、長すぎると若干くどく感じるのと、それだけ語った意義を後から提示して回収する必要が出てくると思うので、もし単にユーモアとしての意味合いで入れているようでしたら、もう少し短くしても良いのかなと思いました(三段オチくらいにするのがベタかと思います)。それなりの意味があってこの長さにされているようでしたらすみません💦

山極瞭一朗
●採点
「好き」2.3「脚本」2.2
●不明点・不自然な点
人物表、高城と綾部の位置が逆になっていました。
●自由感想
主人公が高城から綾部に変更されたことで、初稿で感じていた変化の性急さが解消されたように感じました。いじめっ子の中学生であれば、人の死を間近で見ると、すぐに恐怖に慄くだろうし、まだ言葉の重みを知らない人物を主人公に立てたことによる効果は大きかったと思います。 一方でルールに関して、罵倒の速度ではなく、観客の判定になったことで、わかりやすくなったとは感じましたが、それでも罵倒を物理換算というのはイメージがつきにくく、まだまだ見直せる余地はあるかなと感じました。ルールを作りこむことで、おもしろいゲームができるように思いました。

ChatGPT
●一番大きな問題点:構造とアイデアの強度に対して、主人公ポジション(読者の感情の置き場)が最後まで定まらず、綾部が「裁かれる側なのか、裁く側に引きずり込まれる被害者なのか」が曖昧なまま終わるため、読後の焦点が少し散る。意図的なら強みだが、もう一段の整理で切れ味が上がる。
●一番の良い点:設定と語彙の暴力性がテーマと完全に噛み合っていて、「言葉が人を殺す」というメッセージをコンセプト・ルール・結末のすべてで貫徹している点が圧倒的に強い。ブラックユーモアと不快さを武器にできている稀有な脚本。
応援メッセージ:ここまで踏み込んだ発想と覚悟は簡単に真似できない。倫理的に安全な場所に逃げない強さがあるからこそ、あと一歩「誰の物語か」を研ぎ澄ませれば名刺代わりの一作になる。この攻め方、間違ってないのでそのまま突き進んでください。

採点

初稿 修正稿
好き 脚本 好き 脚本
雨森 2 2 2.1 2.1
米俵 2.1 2.1 2.2 2.2
太郎 2 1.5 2 1.5
さいの 2.7 2.3 2.7 2.4
しののめ 2.3 2.2 2.4 2.3
山極 2.3 2 2.3 2.2
平均 2.23 2.02 2.28 2.12
合計 4.25 4.40

2026.1.12 アップ

★当サイトの作品を原作に利用したい。執筆を依頼したい。あなたの作品を分析して欲しいなどあれば……ライターズルーム仕事依頼

SNSシェア

フォローする