脚本添削『心理的瑕疵物件のペット』(★5.00)

※このページで脚本が読めます(初稿と修正稿、PDF形式)。

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初稿(★4.47)

脚本_しののめ08v1『心理的瑕疵物件のペット』(ホラー)_260115

しののめ
●自己採点
「好き」2.1「脚本」2
●ログライン100
賃貸不動産屋勤務の向田は、店長の湊と幽霊の正体について盛り上がり、流れで心霊物件の現地確認に行く。室内に出現した蛇に驚き、湊を探すも姿がなく、物件内に閉じ込められかける。何とか脱出するも、何故か車に閉じ込められていた湊が泡を吹いて倒れる。
●フック/テーマ
心理的瑕疵物件、幽霊の正体/フックと同じ
●ねらい/テーマ触媒
テーマ触媒:ホラー
●感想
・人生で初めてホラーを書きました。そもそもホラーが苦手でほとんど見ないので、ホラーの難しさを感じてます。
・不動産屋の現地確認という設定上、写真を撮ってるのでそれが変に伏線みたいになってしまってないか心配です。霊が向田を油断させる為に使ったブラフ的なもののつもりで出したのですが、やはり写真でも何か起こして、もっとちゃんと回収すべきでしょうか。でも流石にベタすぎるかなと思いつつ…。

テーマ触媒1:「犯罪者」「コメディ」「ホラー」「ラブストーリー」

フィードバック

雨森れに
●採点
「好き」2.6「脚本」2.4
●ログライン100
不動産営業の向田は店長と共に心理的瑕疵物件の現地確認に行き、幽霊の正体は蛇かもしれないと思い、店長に報告しに行くも姿を消しており、車の中で見つけるが、心理的瑕疵の片鱗を身をもって体験する。
●フック/テーマ
心理的瑕疵物件/災い
●カタリスト
柱1、湊から現地確認をお願いされる
●不明点・不自然な点
・写真が伏線ぽくなっている
しののめさんがおっしゃる通り、伏線のように感じてしまいました。ボロ屋であれば、まずは目で全体を確認。すべて終わった後に写真という流れでもいいかもしれません。外観写真を撮ろうとする向田。でも湊に「写真はあとにしろよ。まずは確認からな」と言われてしまう……ぐらいに留めて、ボロ屋の修繕必須な箇所を見つけて撮影した結果、心霊現象が始まる(湊に二階行きを命じられる)としたほうが幾分スムーズかもしれません。ですが、もし長編にしたいとお考えなら、この家に関わった人々の視点を連ねて展開していき、次のエピソードでこの時撮った写真を扱うなどすればかなり使える伏線だと思います。
・向田と湊が似ている
完全に好みの範疇なのですが、どちらも仕事をしている一般人という印象で、あまり個性がないように思えました。湊が高圧的な人間で「嫌な奴が酷い目に合う図」のほうが見たい気がします。
●自由感想
ビートがセオリー通りに進む気持ちよさがある話でした。
しののめさんは提出のたびにビートの組み込みがうまくなっている気がします。
さいのさんがおっしゃる通り、心理的瑕疵物件への説明が若干足りないかもしれません。おそらく柱1で説明されているのでしょうが、湊の疑問に向田が相槌を打つだけで終わって印象に残らない感じがします。ト書きで緊張感を差し込む描写をするとか、車の中で会話させるとか、その辺を調整してみるといいかもしれません。
そのほか、会話部分はもう少しト書きで割ってもいいかと思います。ホラーが苦手ならここで溜められるの嫌だ!という感覚があると思うので、ぜひ想像してみてください。ちなみに私もホラー観るのは苦手です笑

米俵
●採点
「好き」2.5「脚本」2.3
●ログライン100
不動産営業をしている向田は、上司の湊に心理的瑕疵物件にペットが残されたままかもしれないと聞き、一緒に現地へ行く。室内に蛇を見つけ、湊を探すも見つからず、車へ戻ると、閉じ込められ、泡を吹いて倒れる湊を目撃する。
●フック/テーマ
心理的瑕疵物件/なし
●カタリスト
湊から物件の現地確認をお願いされる
●ミス?
湊「誰も現地確認してないんすか?」
↑向田のセリフかな?と思います。
●不明点・不自然な点
・なぜ、蛇なのかという疑問がありました。
・心理的瑕疵物件の理由がつかめない部分がありました。
●自由感想
・幽霊の扱いがペットという視点が大変面白く、ペットか幽霊かと読み進めるワクワク感もありました。設定の切り口と会話の読みやすさに強く惹かれました。
・一方で、ホラーというジャンルで見ると会話+展開のテンポが良過ぎて、コメディ色の強いホラーという印象が残りました。
個人的にはホラー苦手でも観賞できる魅力があって好きなのですが、もっとホラー要素を入れるとしたら、徐々に会話を少なくする、這いずる音(蛇に寄せて)を入れるなどすると強まるように思いました。

脚本太郎
●採点
「好き」2.5「脚本」2
●ログライン100
不動産屋に勤める向田は、心理的かし物権の調査で蛇に遭遇し、逃げようとするも、車の中で店長が閉じ込められているのに遭遇し、彼が死んだのを見て正体不明の怪異に襲われたことを知る。
●フック/テーマ
心理的瑕疵物件の調査/心理的瑕疵物件での恐怖
●カタリスト
柱1: 湊「確認しに行こっか」
●不明点・不自然な点
ジャンルのセットアップがハッキリしておらず、雰囲気的にどことなくコミカルな感じがしたので、最後に店長が死んだりと重めなホラー展開になったのが唐突に感じました。
蛇が出てきたところから蛇に関するトラブルに発展するのかと思いきや蛇とは関係なさそうな怪異による恐怖に発展し、要素が少し散らかっている印象でした。
●ツイストアイデア
コメディ風味のままで最後のホラーはなくし、怖がりの不動産屋がどうにかして物件から蛇を追い出すという話にした方が、統一感もフックもあるかと思いました。(一貫性があるなら普通にホラーのままでも全然良いと思います!)
●自由感想
その物件が心理的瑕疵である所以を調査する、というコンセプトが面白いと思いました。同じコンセプトでもっと色んな話もできそうな気がします。
緩い感じのノリのホラーは個人的には好きです。

さいの
●採点
「好き」2「脚本」2.2
●ログライン100
 置き去りにされたペットがいるという物件の現地確認に向かった不動産営業の向田は、和室で蛇を発見して一緒に来ていた上司・湊を探すも見つからず、近くの駐車場で車に閉じ込められている湊から最初から車を降りていなかったと聞かされる。
●フック/テーマ
心理的瑕疵物件/なし
●カタリスト
柱1: 湊、物件資料を向田に見せる。
●不明点・不自然な点
・特になし。
●自由感想
・蛇の存在がジャンプスケア的な噛ませ犬なのか、それ自体が恐怖なのか曖昧なように映ります。「置き去りにされたペットがいる物件」というフリに対して「犬か猫だと思ったら蛇だった」にしたいのか、「なんだ蛇かと思ったら謎の怪異だった」にしたいのか、といった具合です。多分、両方やりたいのだとは思います。ただ、蛇ってだけで噛ませ犬にしては普通に怖くてなんだ蛇かとはならないので、噛ませ犬ならトカゲとかがちょうどいいと思います。
・「心理的瑕疵物件」という(初めて聞きました)フックのあるタイトルに対して、内容も今ひとつ対応していないように思います。柱1でのフリも曖昧で、「置き去りにされたペットがいる」だけで心理的瑕疵物件なのでしょうか? 物件資料には「心理的瑕疵物件」と書いてあるが詳細不明で、新人の向田もなんだこれとなる。事故物件なのか火事があった部屋なのか暴力団の近くなのか分からないので「何が心理的瑕疵なのか」を確かめにいく、といった方が期待した内容と思います。その結果トカゲが出る物件だった、なら「なんだトカゲかあ」になると思います。
・キッチン、リビング、玄関などは柱を分けるべきと思います。

山極瞭一朗
●採点
「好き」2.2「脚本」2.0
●ログライン100
不動産屋勤務の向田と湊は、心霊物件の調査に赴く。怖がりながら調べていると、蛇に出くわし逃げ出そうとするが、逃げられない。なんとか家を脱出し、車に戻ると、泡を吹いて倒れる湊に出くわす。
●フック/テーマ
心理的瑕疵物件/フックと同じ
●カタリスト
柱2.向田が降り、渋い顔で空き家を見上げる。
●不明点・不自然な点
主人公がきわめて受動的で、感情移入が難しかったような印象を受けました。キャラクター設定の塩梅かとは思いますが、どこか一点でも自分から行動するような描写があるといいかもしれません。たとえば、空き家に入ってすぐにブレーカーを自ら探すとか。 また、空き家捜索が静かすぎるような気がしました。クリシェになりうるかもしれませんが、空き家であればいたるところが傷んでいてもおかしくはなく、みしみしと音を立てていたり、どこからともなく風が吹いてきたり。ホラー感を演出するなら、扉がバタンとしまったり、勝手に鍵がかかるというのもあるかもしれません。ホラー系の作品というと、どことなく音を巧みに使っている印象を受けるので、そのあたりを取り入れると、ホラー感が増すように感じました。
●自由感想
幽霊をペットと表現することで、キャッチーさを醸し出しつつ、不気味さも感じさせる素敵なタイトルだなという印象を受けました。一方でペットについてはまだまだわからないことが多く、先が気になるところです。どこまでその正体を明らかにするのか難しいところですが、向田たちが到着したタイミングで、2階から見ている視線があるとか、謎の声や柱6以外にも示唆できる余地はあるように感じました。

修正稿(★5.00)

脚本_しののめ08v2『心理的瑕疵物件のペット』(ホラー)_260130
修正期間:2026.1.24→1.30(6日)

しののめ
●自己採点「好き」2.3「脚本」2.2
●ログライン100
賃貸不動産屋勤務の向田は、パワハラ店長の湊と心理的瑕疵物件の現地確認へ行く羽目に。室内に出現した蛇に驚き、湊を探すも姿がなく、物件内に閉じ込められかける。何とか脱出するも何故か車に閉じ込められていた湊が泡を吹いて倒れる。
●感想
・皆様のFBをできるだけ反映させようとしたのですが、どこまで出来ているか微妙な感じです💦
・幽霊の正体としては、かつての住民が毒蛇をこっそり違法に飼っていたが、ある時脱走させてしまい、噛まれて死んだので、幽霊になってからも蛇を閉じ込めようとしている(そして物件にやって来る侵入者も誰彼構わず閉じ込めてしまう)、というような設定をふんわり考えました。蛇に関しては、本物が何匹か野放しになってしまっている、もしくは蛇も怪異化している、どちらでも良いなと思いつつ決めきれないままになってます。
・修正稿の執筆を経て上記の設定が固まってきたので、最初からこの設定を踏まえて考えていた場合、もっと他の書きようがあったかもしれません。

修正稿へのフィードバック

雨森れに
●採点
「好き」2.6「面白さ」2.5「没入感」2.5「題材」2.5「視点」2.3「構成」2.3「描写」2.3
●感想
・向田と湊に個性が出た。特に湊が「少し嫌な人間」になっているのがよかった。それにより向田が怪異に遭遇する状況への道筋が強化されたように思う。
・心理的瑕疵について言及されたことにより知識がない人にもわかりやすくなった。
・蛇を2回使うことで、関連性というか怪異の統一感が増した。

米俵
●採点
「好き」3「面白さ」3「没入感」2.8「題材」3.5「視点」2.8「構成」2.8「描写」2.7
●感想
・向田と湊のキャラが立ち、初稿よりも面白く読みやすくなったと感じました。
因果応報という印象が強くなったので、序盤で置き去りにされたペットを軽んじる一言を湊に言わせておくと、ラストが更に締まるように思いました。
・アクリルケースにより、誰かが飼っていた蛇(ペット)の存在が際立ち、「ペットなんかじゃない」という台詞の不気味さが増したと感じました。
・初稿では、単体ホラーとして成立しているイメージでしたが、修正稿では、人物関係や恐怖演出が整理され、シリーズの1話目のような雰囲気が強まった印象でした。そのため、未解決感が強くなり、続きが気になる展開でした。

脚本太郎
●採点
「好き」2.6「面白さ」2.2「没入感」2.6「題材」3「視点」2.5「構成」2.4「描写」2.3
●感想
・部屋ごとに柱分けされて読みやすくなりました。
・湊が威圧的な性格になったことで、ホラーとしての緊張感が生まれ、雰囲気も統一されたように思います。
・蛇が最後にも出てきたことで、一貫性が出ました。ただ、蛇と幽霊との関係までは読み取れなかったので、そこはもう少し触れた方が良いと思います。

さいの
●採点
「好き」2.7「面白さ」2.6「没入感」2.6「題材」2.5「視点」2.3「構成」2.5「描写」2.5
●感想
・向田と湊のキャラが立ち、二人の関係性と物件を見にいく理由がセットアップされたことで見やすくなりました。パワハラ気質な湊が痛い目に遭うというのもセオリーを踏んでいる感じで納得感があります。

山極瞭一朗
●採点
「好き」2.1「面白さ」2.4「没入感」2.5「題材」2.4「視点」2.3「構成」2.3「描写」2.3
●感想
怪異の正体がそれとなく言及されたことで、没入感が高まったように感じました。湊の死にへびが絡んでいるとわかったこともプラスに作用しており、初稿では空き家捜索との直接的なつながりがやや見出せない感がありましたが、へびを通して、踏み入れてはいけない場所に踏み入れてしまったということがよくわかるようになっていたと感じました。 また、湊のキャラクターが強化されたことで、ビビり散らかす向田のキャラも際立ったように感じました。あまりにずっとビビっていると、物語が停滞する危険性も感じましたが、本作はビビりながらも湊に言われ、行動していたので、その点、初稿よりもよかったと感じました。

ChatGPT
●一番大きな問題点:ホラーとしての設定と不動産コメディの発想は魅力的だが、「蛇=ペット的存在」と「最後に雨戸を閉める何者か」の関係性やルールが曖昧で、超常現象なのか偶然なのかが観客の中で整理されないまま終わるため、恐怖の余韻より“何が起きたのか分からない”感が先に立ってしまう(幽霊=何なのかを一つだけでも示唆するビジュアルや行動の一貫性があると、ラストがぐっと締まる)。
●良い点:「幽霊を不動産用語で定義する」という導入のアイデアが非常に強く、設備・残置物・ペットという分類のズレがそのまま物語のオチに接続している構造は秀逸で、短編映像向けのテンポと二人芝居の会話のリズムも良く、現場で撮れるスケール感とエンタメ性のバランスがとても良い。
●応援メッセージ:発想のフックとジャンルの掛け合わせはすでに武器になっていて、「一読で覚えられる企画」という強さがあります。あと一歩、超常側のルールか象徴をほんの少し整理するだけで、読後のゾクッと感が一段上がるはずです。この方向性は確実に光るので、自信持って研ぎ続けてください。

採点

初稿 修正稿
好き 脚本 好き 脚本
雨森 2.6 2.4 2.5 2.4
米俵 2.5 2.3 2.9 3.0
太郎 2.5 2.0 2.5 2.6
さいの 2.0 2.2 2.6 2.5
しののめ 2.1 2.0 2.3 2.2
山極 2.2 2.0 2.3 2.3
平均 2.32 2.15 2.53 2.47
合計 4.47 5.00

修正稿「好き」詳細
好き 面白さ 没入感
雨森 2.6 2.5 2.5
米俵 3.0 3.0 2.8
太郎 2.6 2.2 2.6
さいの 2.7 2.6 2.6
しののめ
山極 2.1 2.4 2.5
平均 2.60 2.54 2.60
修正稿「脚本」詳細
題材 視点 構成 描写
雨森 2.5 2.3 2.3 2.3
米俵 3.5 2.8 2.8 2.7
太郎 3.0 2.5 2.4 2.3
さいの 2.5 2.3 2.5 2.5
しののめ
山極 2.4 2.3 2.3 2.3
平均 2.78 2.44 2.46 2.42

2026.2.8 アップ

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