脚本添削『The Family』(★4.98)

※このページで脚本が読めます(初稿と修正稿、PDF形式)。

※作品はライターズルームのメンバーによるもので、作者の了承を得た上で掲載しています。無断転載は禁止。本ページへのリンクはご自由に。

※作者の励みになりますので、コメント欄に感想を頂けましたら嬉しく思います。

初稿(★4.68)

脚本_山極05v1『The Family』(回想)_251207

山極瞭一朗
『The Family』初稿
●自己採点
「好き」2.5「脚本」2.2
●ログライン100
百田組構成員の将生は、組長百田の息子として誕生日を祝われる。ある日、記者の咲子が百田を襲ったのをきっかけに、百田が実の父の死に関わっていると聞くが、信じられないでいると、百田から咲子を殺すように命じられる。
●フック/テーマ
ヤクザの人間的一面/義理・復讐
●ねらい/テーマ触媒
血の繋がらない父と実の父との対比を回想を使って描く/回想
●感想
主人公に視点を固定して描きました。今後としては、咲子と手を組むが、百田への義理もあり、苦悩しながら百田を破滅に向かわせるような展開を意図しています。そこへ向けたアクト1的要素の作品ですが、百田への信頼・義理といったところがうまくセットアップできているのか、他にやりようがあるのではと思いつつ提出しています。 特殊関係にある血の繋がらない”家族”を描くのは、個人的なブームであり、今後も挑戦していきたい題材ではあります。 また、文字情報を使っています。

テーマ触媒3:「回想」「ミステリー」「はじまり」「おわり」「いちばん書きたいもの」

フィードバック

雨森れに
●採点
「好き」2.3「脚本」2.4
●ログライン100
百田組長と家族になって10年の将生は、咲子の襲撃により実の父親の自殺に百田が絡んでると知って戸惑い、百田からの咲子殺害命令に違和感を覚える。
●フック/テーマ
ヤクザの養父/真実
●カタリスト
柱5、ミニバンが突っ込んでくる
●不明点・不自然な点
・家族というには将生の口調が硬い?
養父への尊敬、オヤジへの畏怖があるとしても硬いかなと思いました。とくに柱10は組長と構成員の立場にしか感じられませんでした。10年の絆が見えたほうがのちの展開に活かせるかもしれません。
・柱3、百田「19からか」
家族になって10年ということですが、将生が27歳なことと、中学の身長の話があったのでよくわからなくなりました。
・七宮談合事件
セリフだけで進めてしまうとわかりにくい気がしました。対策としてはオープニングやフラッシュで当時の雰囲気やニュース、新聞を見せるなど考えましたが、いずれも禁止事項ですね……事件の内容が会話で明らかになるように持っていくとかどうでしょうか。一瀬龍一が市長というのも少しわかりにくく感じたので、そのあたりを会話で印象つけられると回想がわかりやすくなると思います。
●自由感想
私も血が繋がらない家族作品がブームなので、参考になりました!
市長の息子が、路肩のミニバンに注意を払うほど構成員に馴染んでる設定が面白かったです。いろいろ理解できる思春期に家族として受け入れられ、どのように染まっていったのか、その葛藤はなかったのかなどバックストーリーが気になりました。
あと、10年記念のプレゼントが殺害命令というのがパンチ効いてていいなと思いました。

米俵
●採点
「好き」2.4「脚本」2.2
●ログライン100
ヤクザの組長で養父の百田を慕う将生は、咲子による百田襲撃を阻止するが、実父の自殺に百田が関与していたことを聞かされる。否定していた将生も百田から今まで殺しをしていたことを聞かされ、信頼が揺らぐ。
●フック/テーマ
ヤクザの家族・信頼していた養父の裏切り/血の繋がらない家族関係
●カタリスト
ミニバンが突っ込んでくる
●不明点・不自然な点
他の方も指摘されていたように年齢の部分は気になりました。
●自由感想
・誕生日サプライズのシーンなど、人物の関係性が見える面白い部分がある反面、物語の展開自体は比較的王道で、10分尺だと先が読めてしまう印象もありました。
もう少し、観客の予想をずらす要素が入った方が、より印象に残る作品になりそうだなと感じました。

脚本太郎
●採点
「好き」2.3「脚本」2.3
●ログライン100
孤児となった自分を家族として受け入れてくれた組長百田を慕うヤクザ、政生は、組に入って10年目の誕生日を迎えた日、百田の暗殺を食い止めるも、犯人である咲子から自分の父親を死に追いやったのが百田であると知らされ、さらに、百田から咲子の殺害を命じられ、葛藤する。
●フック/テーマ
親のように慕っていた人が産みの親の敵だった/義理の家族関係
●カタリスト
柱5:すると、ミニバンが急発進。
●不明点・不自然な点
・政生が19で組に入ったのなら現在の年齢は27ではなく29ではないでしょうか?
・柱6で咲子が「まさかあなたに会えるとは」と言っていますが、ガチガチに警備されてるわけでもない政生に会うのがそんなに難しいのか、と疑問に思いました。「ひとつ目的は達成」と言っているくらいなので、事前に政生と接触して、手を組まないかと持ちかけるという選択肢もあったかと思います。それともそれをして断られると百田殺害が難しくなるので、政生に話を持ちかけるのは次善の策だったという可能性もありますが、しかしそれだと「目的のひとつは達成」という言い方は少しおかしい気がします。
●自由感想
慕っていた相手が敵だったという展開はベタですが、魅力的であり、後半にかけて一気に追い込まれる感じが良いと思います。

さいの
●採点
「好き」2.3「脚本」2.4
●ログライン100
百田組の構成員になって十年になる将生は、ミニバンに乗って百田を襲撃してきた記者・咲子から実の父・龍一の自殺の原因に百田が絡んでいると聞かされるも百田から咲子を殺すよう命じられ、引き受ける。
●フック/テーマ
ヤクザの家族/家族、復讐
●カタリスト
柱4: 路肩に1台のミニバンが停車中。
●不明点・不自然な点
・将生(15)は役者を分けるなら人物表に入れるべきかなと思います。
・「回想」を生かすなら、咲子「10年前、七宮市再開発」で将生が目を見開くところでも何らか入れて欲しいなと思いました。
●自由感想
 冒頭、ヤクザにショートケーキでコメディの雰囲気も勝手に感じてしまいましたが、その期待は早々に裏切られました。「大きくなったな」「身長は変わってません」とかもボケてんのかな?と思って読んでました。多分お好みではないと思いますが、個人的には百田のセットアップはそっちのコメディリリーフ的な方向に振り切っても、最後とのギャップが際立つようになって面白いかなと思います。お約束的には、百田が拳銃型のライターを将生に突きつけ、「裏切ったから殺すぞ」的なジョークのあとにクラッカー、ケーキ着火するとか観たいです。というのも、ヤクザものでヒューマンだけだとリアリティラインの調整が難しく、チープになりやすいなと思います。

しののめ
●採点
「好き」2.4「脚本」2.4
●ログライン100
ヤクザの組長で養父の百田を信頼している構成員・将生は、事務所前で怪しげな車を見かけた翌日、週刊誌記者・咲子による百田襲撃を阻止する。しかし咲子から実父の死に百田が関与していると知らされ、百田から咲子殺しを命じられたことで、百田に対する信頼が揺らぎ始める。
●フック/テーマ
ヤクザによるサプライズパーティー、ヤクザの絆/偽りの父子関係
●カタリスト
路肩に1台のミニバンが停車中。
●不明点・不自然な点
・将生「火も点いてないないっす」→「ない」が重複していました
●自由感想
・導入が意外で面白かったです笑 こういう形で将生と百田の関係性をセットアップするのはなるほどなあと思いました。
・>百田への信頼・義理といったところがうまくセットアップできているのか →確かに、気持ちもう少し強固な絆が見えると、後半における将生のショックや、展開上の裏切りが更に際立つ気はします。とはいえ、誕生日祝いでそれを見せるアイデアは個人的に好きなので、更に楽し気なくだりをもう少し増やしても良いのかもしれませんし、「家族になって何年になる?」以降の会話をもう少ししっとりさせても良いかもしれません。ト書きで万感こもった二人の表情などを追加するだけでも印象が変わるかもですし、将生の方に「ショートケーキを買って貰った」と言わせても良いかもです。
・(「中学の時から身長は変わってません」のくだりを面白会話として捉えてしまったので、その前提で)かなり細かいのですが、将生が大柄なのか小柄なのかによって「中学の時から身長は変わってません」の面白さの意味合いが変わってくるので(中学時代からデカいのか、それとも中学時代から伸びてなさすぎるのか)、このくだりを読んだ時、将生の体格が少し気になってしまいました。
(平均的な体格なのかもしれませんが、そうなると「平均体格なのに中学時代から伸びないってことある?」とか余計な疑問も浮かんでしまうので、大柄か小柄かのどちらかにした方がこの会話の意図が伝わりやすいかなとは思います。本筋と関係ないめちゃくちゃ些末な点を突っ込んでしまいすみません💦)
・主人公が信じていたものに疑いを抱くまでの経緯が、簡潔に描かれておりすんなり読めました。

修正稿(★4.98)

脚本_山極05v2『The Family』(回想)_25126
修正期間:2025.12.16→2025.12.26(10日)

山極瞭一朗
『The Family』修正稿
●自己採点
「好き」2.5「脚本」2.4
●ログライン100
実の父が談合事件に巻き込まれ死んだ過去を持つ将生はヤクザとして、10年目の誕生日を組長百田に祝われる。しかしある日記者の咲子が百田を襲撃したのをきっかけに、百田が実の父の死に関わっていると知るが、信じられないでいると、百田から咲子の殺害を命じられる。
●フック/テーマ
実の父と義理の父の対比/義理・復讐心
●ねらい/テーマ触媒
実の父と義理の父の対比を回想を使って描く/回想
●感想
過去をよりわかりやすく、現在と対比して描くことを意識しました。また、年齢関係を修正しました。ご指摘ありがとうございます。 さいのさんの拳銃ライター頂戴いたしました笑 ラストの本物の拳銃との対比で百田の狂気性が示せたのではないかと考えています。

修正稿へのフィードバック

雨森れに
●採点
「好き」2.4「脚本」2.4
●良くなった点
・龍一や七宮談合事件が早めに出ててくることで、ミステリーのセットアップが強化された
・柱6に追加されたライターが緊張感を出しており、実際拳銃を使うような過激派の組だというのがわかりやすくなった
・闇に浮かぶヤクザの顔、眼前で停まる外車など絵面の強いシーンが追加されてより印象に残るようになった
●自由感想
セリフや年齢が調整されていて、初稿と同じ構成部分は突っかかりなく楽しめました。
印象的なシーンが増え、展開が早いので映像で見てみたいですね。
一方で、柱7の回想がリズムを乱してるようにも感じました。百田に拾われるところまで一気に見たほうが観客も理解しやすいように思うので、柱3の後に入れたほうがスムーズかもしれません。

米俵
●採点
「好き」2.8「脚本」2.7
●自由感想
・回想により、将生のバックストーリーが分かりやすくなり、家族という言葉で揺れ動く心情にもスムーズに入ることが出来ました。
・拳銃の対比も面白く効果的で、ラストシーンの会話がより重く響いてきて、続きが気になるシーンになっていたと思います。
・ただ、将生に感情移入しやすくなった分、咲子を殴る部分では、簡単に女性に手をあげてしまうんだな…という印象が残ってしまいました。将生の性格から出てくるような行動に変わるとキャラクター像が際立つように思いました。

脚本太郎
●採点
「好き」2.4 「脚本」2.4
●自由感想
最初に将生の過去がセットアップされたので、入りやすくなりました。
最初のライターの拳銃と最後の本物の拳銃の対比が面白かったです。また、柱6の「動くな」の下りもヤクザであることをセットアップするのに一役買ってると思いました。
わざと轢かれようとした車に乗っていたのが百田だったというのが匂わされていますが、面白い出会い方だと思いました。

さいの
●採点
「好き」2.3「脚本」2.4
●自由感想
・追加された回想部分と現在時制の接続がスムーズで無い印象があり、未整理度合いは上がったように感じました。より適切な構成があるように思います。現在時制におけるカタリストである柱8までにセットアップが一通り固まっていると見やすいです。あるいは将生が百田に出会ってどうなったかというのが柱8の前に欲しいなと思いました。例えば盃を交わすとか。もしくはケーキの場面をここに持ってくるとか。
・柱6冒頭の「オヤジ……?」は、追加された柱1と対比させる意図かと思いますが、無い方がいいように思います。その後の「オヤジ……」で分からせた方が対句として機能すると思います。
・百田を剽軽なキャラクターとするなら、ト書きが二、三、欲しいかなと思います。

しののめ
●採点
「好き」2.6「脚本」2.6
●不明点・不自然な点
・「ハッとして顔を挙げると、」→「上げると」が適切かなと思いました。
・リポーター「七宮談合事件の関与が」→文法的に間違いではないかもしれないのですが、「七宮談合事件への関与が」の方が聞きなじみがあるように思いました。
●自由感想
・柱7について、高級外車に乗っていたのが百田(やその部下)なのか、轢き殺そうとしていた可能性などもゼロではなかったのか、はたまた実は全く別件の描写なのか、曖昧にしているのが興味深く、どこかのタイミングで詳細が明かされるのかなと気になりました。
・ケーキの明かりで闇から浮かび上がるヤクザの顔を想像すると面白く、ぜひ映像で見たいなと思いました笑
・拳銃ライターと本物の対比が効果的で、面白かったです。

ChatGPT
●一番大きな問題点:将生の内的葛藤(実父の死/百田への父性/咲子の告発)がとても重い分、クライマックス直前で「将生が何を選ぼうとしているのか」がまだ行動に転びきらず、感情の爆発点が一歩手前で止まっている印象がある。選択の瞬間をもう少し明確に見せたい。
●一番の良い点:父と父、血縁と疑似家族というテーマが全編に美しく通っていて、ケーキと銃、誕生日と殺しというモチーフの対比が非常に強い。会話も静かで、ヤクザ物でありながら人間ドラマとして読ませる力がある。
応援メッセージ:テーマ設定と構成力はすでにプロ水準。ここまで丁寧に積み上げてきた感情を、最後にどこまで突き放すかだけだと思う。この脚本は「選択」を描き切った瞬間に一段上に跳ねる。自信を持って、あと一踏み込んでください。

採点

初稿 修正稿
好き 脚本 好き 脚本
雨森 2.3 2.4 2.4 2.4
米俵 2.4 2.2 2.8 2.7
太郎 2.3 2.3 2.4 2.4
さいの 2.3 2.4 2.3 2.4
しののめ 2.4 2.4 2.6 2.6
山極 2.5 2.2 2.5 2.4
平均 2.37 2.32 2.50 2.48
合計 4.68 4.98

2026.1.12 アップ

SNSシェア

フォローする