脚本添削『白い石の埋まるところで』(★5.41)

※このページで脚本が読めます(初稿と修正稿、PDF形式)。

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初稿(★5.11)

脚本_雨森42v1『白い石の埋まるところで』(植物)_260212

雨森れに
●自己採点
「好き」2.5「脚本」2.2
●ログライン100
モラハラ夫を病気にして殺そうと考えていたゆりは、ギリギリ死ななかった夫を連れて殺人と遺体遺棄をほう助してくれる村に行き、夫を殺し遺体を村総出で処理することで隠蔽工作を完遂する。/88文字
●感想
・テーマ触媒:植物
・ディベートとMPが弱いので、テーマも立っていないと感じています。テーマは廃棄と再生として、ギリギリ死ななかった夫への葛藤(ディベート)、引き返せない確定点(MP)を入れるべきかと思いますが、いい案が出ませんでした。
・AisL部分もト書きを足して間を増やすべきだったかもと思ってます。

テーマ触媒10:「想い出」「東京」「植物」「身体障害者」

フィードバック

米俵
●採点
「好き」3「面白さ」3「没入感」3「題材」3「視点」2.6「構成」2.8「描写」2.6
●修正依頼
ラストをゆりで終わらせる形も良いかと思いました。
現状は、村長の台詞で締められているので構造のオチという印象が強いのですが、最後にゆりが満開の花園に立っている、あるいは水をあげているなど、ゆりの姿で締めるもしくは感情が見える描写があると、構造の面白さに加えて、物語としての余韻が強くなるのではないかと思いました。
●感想
・「最速記録更新ですよ」が特に好きな台詞だったのですが、そこから村の種明かしへ繋がる構図が見事で、流石だなと思いました。
・復讐心が伝わってくるゆりの台詞も好きでした。

脚本太郎
●採点
「好き」2.7「面白さ」2.6「没入感」2.4「題材」3「視点」2.5「構成」2.4「描写」2.3
●修正依頼
村に来てから早い段階で村の異常性を出す。
・真相が明らかになるのは最後のままでも良いと思いますが、村に来てすぐ、部分的に 視点にするなどで村の異常性・違和感などを示した方が、恐怖が深まるし、魅力的な村の設定を有効に使えると思います。
●感想
・村ぐるみで死体処理を手伝っているという設定がとても面白く、色んなテーマともからめられそうで興味深いと思いました。
・「あなたって、私をイラつかせるのだけはうまいよね」や「古いのを捨てるだけ」など、言われたことをそのまま返すような台詞が復讐ものらしくて良いと思います。

さいの
●採点
「好き」2.5「面白さ」2.5「没入感」2.7「題材」3「視点」2.5「構成」2.5「描写」2.7
●修正依頼
復讐の動機を描く
・観客がゆりをもっと応援できるようにするために、前半ではもっと胸糞悪い政信を描いてほしいなと思いました。
●感想
・村長が家に上がるところなど、サスペンスとして意図した見せ方が出来ていると感じました。テーマはそこまで深くなくとも興味を引くような内容になっていると思います。

しののめ
パス

山極瞭一朗
●採点
「好き」2.6「面白さ」2.3「没入感」2.4「題材」2.4「視点」2.3「構成」2.1「描写」2.5
●修正依頼
・村のセットアップをする
→村及び村長が何者か、夫を殺した(殺そうとした)後に、どうしてゆりがここに来たのか、よくわからないまま話が進み、やや置いてけぼりをくらった印象がありました。普通殺したなら村以外に行く場所あるだろ、というか、そういった感情が頭をかすめたからかもしれません。なので、ゆりが村に到着するにあたり、この村が普通の村ではない、死体遺棄をする特殊な村であることは到着時点で示唆されていたほうがスムーズに物語に入り込めるように感じました。
●感想
・柱7ゆり「いいものしてあげる」→「いいものにしてあげる」のミスでしょうか。
・最近流行りの某テレビ局の深夜ドラマな雰囲気のある作品でした。不倫やモラハラといった題材のドラマが毎クール制作されていて、本作もどこか近いような印象を受けましたが、村が登場するあたりオリジナリティを感じました。廃棄と再生といったテーマと村自体が持つ性質(限界集落・村おこし)というか社会問題とをうまく結びつけると、より現代性のある物語になりそうだなと感じました。

修正稿(★5.41)

脚本_雨森42v2『白い石の埋まるところで』(植物)_260225
修正期間:2026.2.21→2.25(4日)

雨森れに
●自己採点
「好き」2.6「脚本」2.2
●ログライン100
モラハラ夫を病気にして殺そうと計画していたゆりは、ギリギリ死ななかった夫を「いいもの」に生まれ変わらせるために、殺人と遺体遺棄を扶助してくれる村を訪れ、夫を殺し、夫を養分にして育った花を愛でる/96文字
●修正意図
・村のセットアップをする
・村に来てから早い段階で村の異常性を出す。
→村の雰囲気を差し込んでみました。異常性が出ているかは自信がないですが、ゆりの反応で「何かしにきたんだな」というのが伝われば……

・ラストをゆりで終わらせる形も良いかと思いました。
→OPとEDで同じようなシーンで心情だけ変化しているのを狙ってたんですが、花園に立っているのも素敵だなぁと思って使ってみました。結果、OPが土だけ→EDで花園のほうがテーマにも添っていると感じました。ありがとうございます!

・復讐の動機を描く
→たしかにモラハラのセットアップを観客に委ねすぎたかなと思いました。なので、ちょっと弱いかもですが、浮気要素と昭和生まれ型落ち発言も入れてみました。
●感想
・ご意見ありがとうございました! 確かにと思うことばかりでFBのありがたさを感じております。
・自分がぼんやり設定していた「廃棄と再生」というテーマがしっくりくる修正稿になった気がします。村の在り方も廃棄と再生ですが、ゆりにラスト「おかえり」と言わせたことで夫婦愛の部分でも廃棄と再生を表せたような……

修正稿へのフィードバック

米俵
●採点
「好き」3.2「面白さ」3「没入感」3.2「題材」3「視点」2.8「構成」3「描写」3
●感想
・政信の嫌な描写が増えたことで復讐する納得感上がったと感じました。
・村の様子が追加されたことで、唐突感もなくなっていました。
・ラストは出だしとの対比含め、余韻もあり、映像にしても映える終わりになっていたと思います。

脚本太郎
●採点
「好き」2.8「面白さ」2.7「没入感」2.6「題材」3「視点」2.7「構成」2.6「描写」2.6
・政信の嫌な台詞が増え、より感情移入できるようになりました。
・死体処理の伏線が貼られたのでオチが唐突でなくなりました。
・初稿だと憎い相手の死体を抱き締める心情がよく分かりませんでしたが、最後のゆりが花束を抱き締めるシーンで、政信が憎いが愛情はあるので、無害なものに生まれ変わらせて愛することにした、ということが理解できました。(違ったらすみません)

さいの
●採点
「好き」2.8「面白さ」2.7「没入感」2.7「題材」3「視点」2.5「構成」2.7「描写」2.7
●感想
・最後、エンドイメージがついたことで政信への復讐がスカッと終わった感じがして、良い読後感になったと思います。短いながらかなり効果的な修正だと思います。村に着いて雰囲気がガラッと変わる感じに加え、初稿からある部分も適切に刈り込んであったりと、読み応えやクオリティにつながる修正だったと感じます。

しののめ
パス

山極瞭一朗
●採点
「好き」2.7「面白さ」2.5「没入感」2.7「題材」2.7「視点」2.5「構成」2.6「描写」2.7
●感想
・村の異常性が村到着時に示唆されたことにより、この村ではよからぬことが起きる(起きている)ということがわかりやすくなり、ゆりが村にきた動機が理解できるようになりました。とりわけ「煙突から黒い煙」のト書きは、死を想起させ、直接的な描写がなくとも不穏な様子を感じさせることができる一文だったように感じます。
・また、冒頭とラストの対比は鮮やかで、「再生と廃棄」というテーマにもピタリとはまっているように感じました。

ChatGPT
●一番大きな問題点:ゆりの“変化”や葛藤がほとんど描かれず、序盤からラストまで同じ心理状態に見える点。夫を憎んでいること、処理する意思があること、村の仕組みに適応することが最初から完成されているため、物語としての推進力が「計画の実行」に寄ってしまう。例えば“殺す決断の瞬間”や“村の文化を受け入れる瞬間”がもう少しドラマとして立ち上がると、ラストの「おかえり」がさらに強く響く。
●良い点:モチーフ設計が非常に巧い。「白い底石」「畑の白い粉」「人骨の欠片」がすべて一本のイメージラインで繋がり、タイトル『白い石の埋まるところで』が最後に意味を持つ構造が美しい。さらに、家庭内モラハラ→介護→処理→肥料→花園というブラックな循環を淡々と描くトーンも魅力で、特に村長の「最速記録更新ですよ」の一言は強いブラックユーモアになっている。
●応援メッセージ:発想の独自性とモチーフの統一感は大きな武器です。静かな語り口なのに、読み終わった後にぞっとする余韻が残るタイプの脚本になっています。あと一歩だけ“ゆりの心の揺れ”を入れれば、ホラーと人間ドラマの両方でさらに強い作品になると思います。この世界観は確実に印象に残ります。

採点

初稿 修正稿
好き 脚本 好き 脚本
雨森 2.5 2.2 2.6 2.2
米俵 3.0 2.8 3.1 3.0
太郎 2.6 2.6 2.7 2.7
さいの 2.6 2.7 2.7 2.7
しののめ
山極 2.4 2.3 2.6 2.6
平均 2.61 2.50 2.76 2.65
合計 5.11 5.41

初稿「好き」詳細
好き 面白さ 没入感
雨森
米俵 3.0 3.0 3.0
太郎 2.7 2.6 2.4
さいの 2.5 2.5 2.7
しののめ
山極 2.6 2.3 2.4
平均 2.70 2.60 2.63
初稿「脚本」詳細
題材 視点 構成 描写
雨森
米俵 3.0 2.6 2.8 2.6
太郎 3.0 2.5 2.4 2.3
さいの 3.0 2.5 2.5 2.7
しののめ
山極 2.4 2.3 2.1 2.5
平均 2.85 2.48 2.45 2.53

修正稿「好き」詳細
好き 面白さ 没入感
雨森
米俵 3.2 3.0 3.2
太郎 2.8 2.7 2.6
さいの 2.8 2.7 2.7
しののめ
山極 2.7 2.5 2.7
平均 2.88 2.73 2.80
修正稿「脚本」詳細
題材 視点 構成 描写
雨森
米俵 3.0 2.8 3.0 3.0
太郎 3.0 2.7 2.6 2.6
さいの 3.0 2.5 2.7 2.7
しののめ
山極 2.7 2.5 2.6 2.7
平均 2.93 2.63 2.73 2.75

2026.2.28 アップ

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