脚本添削『クリシェな探偵』(★5.07)

※このページで脚本が読めます(初稿と修正稿、PDF形式)。

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初稿(★4.79)

脚本_山極15v1『クリシェな探偵』(コメディ)_260620

山極瞭一朗
●自己採点
「好き」2.6「脚本」2.​2​
●ログライン100
ミステリーにおけるクリシェな行動ばかりをしたがる探偵の栗栖は、警察の手伝いとして殺人事件の捜査にあたり、犯人は現場に戻るというクリシェな理論のもと、張り込みをしていると、案の定犯人が現れて捕まえる。
●フック/テーマ
クリシェなことばかりしたがる探偵/フックに同じ
●感想
ミステリーにおけるクリシェなことをとにかくやりたがる変な探偵ということのみで進めました。ミステリーというところからかけ離れ、ビートの薄いゆる〜い会話劇に落ち着いた印象です。
よろしくお願いします。

テーマ触媒1:「犯罪者」「コメディ」「ホラー」「ラブストーリー」

フィードバック

雨森れに
パス

米俵
●採点
「好き」2.5「面白さ」2.2「没入感」2.2「題材」3「視点」2.6「構成」2「描写」2.2
●修正依頼
・栗栖の探偵らしい振る舞いが、事件解決にもう少し強く結びつく構造になるとよいと思いました。
現状では、たまたま栗栖の読みが当たった印象があり、犯人が戻ってくることや自白に至る流れが、やや偶然に見えてしまいました。
例えば、栗栖の非効率な張り込みなどが、本人は探偵らしさにこだわっているだけに見える一方で、結果的に犯人の心理や行動を刺激してしまう、という流れになると、栗栖のクリシェへのこだわりと事件解決の納得感がより結びつくと思いました。
●ミス?
柱3「愚門だよ、それ」→愚問かなと思いました。
●感想
・栗栖の探偵っぽさへのこだわりと、環の現実的なツッコミの対比はわかりやすく、掛け合いも読みやすかったです。
・以前の『過ぎた正義』と今回の『クリシェな探偵』を読んで、「ある価値観や役割にこだわりすぎる人」シリーズとして広げられそうだと思いました。

脚本太郎
●採点
「好き」2.4「面白さ」2.3「没入感」2.2「題材」3「視点」2.3「構成」2「描写」2.3
●修正依頼
・柱5の処理を丁寧にしてほしい。
→犯人が現れてから捕まえるまでの過程があっさりしすぎているように思います。犯人が観念するまでが早すぎるのと、犯人を確保するタイミングも早いように思います。言い逃れできないよう、遺留品を持ち出すまで待っても良いかなと。あと、事前に「そこまで馬鹿じゃないでしょ」といったふりもあるので、リスクを冒してまで遺留品を何故取りに戻ったのか(そんなに大切だったのか?)といったことも描けるかと思います。
●感想
・敢えてクリシェな行動ばかり取る探偵、というのが個性になっていてキャラクターが良かったです。相棒の刑事がそれに反発しているのも、自然と掛け合いが生まれるので良いと思います。

さいの
●採点
「好き」3「面白さ」2.2「没入感」2.2「題材」3「視点」2.5「構成」2「描写」2.3
●修正依頼
環を主人公として描いて欲しい。
・個人的芸術点の高いコメディの条件としてボケツッコミが物語のアークに対応しているか、というものがあります。小ボケもコメディのトーンを提示する上で重要な役割はあるのですが、本筋とは独立した一発ギャグのようなものだと思います。
・今作で言えば、環は早く事件を解決したい、それに対して栗栖の冗長な振る舞いというものが障害となってコンフリクトが生まれているという構図を前に出して書けば、もっとコメディっぽくなるんじゃないかなと思います。特に捜査シーンはもっともっと作り込めるのではないかなと思います。例えばずっとふざけている栗栖に代わって環が一人で捜査を進めるも、実は最初から栗栖には犯人が分かっていたとか。
・あるいはボケる人物を主人公に置くなら、「栗栖が探偵小説に出てくるような大仰な事件を期待するも、ことごとくしょうもない事件で期待外れ」という感じの趣向にすると、状況に対するツッコミになると思います。
●感想
・クリシェな探偵をフリにした一種のメタフィクションのようなもので、コメディとの相性は良いと思います。パロディとお約束の解体で笑いを作っていく、幕内モノのような趣向の作品にできそうです。
・バディものの常套手段的に環と栗栖が初対面とすると進めやすいのではないでしょうか。堂本の肝入りとは言うもののおかしな振る舞いをする栗栖に対し、環がリアクションをすることがツッコミになるわけです。
・朝まで張り込みをするあたり、栗栖が目指す探偵像に刑事も混ざっているような気がしました。「犯人は必ず現場に戻ってくる」もです。
・たこ焼きより明石焼きが先に生まれたことを初めて知りました。ポテンシャルは感じるのですが、「たこ焼き粉を使ってる時点で」がなんの比喩なのか今ひとつ分からなかったです。
・擦過傷(さっかしょう)は読み仮名振って欲しいです。

しののめ
パス

修正稿(★5.07)

脚本_山極15v2『クリシェな探偵』(コメディ)_260801
修正期間:2026.6.28→8.1(34日)

山極瞭一朗
●自己採点
「好き」2.6「脚本」2.4
●ログライン100
タイパ重視の若手刑事環は、事件現場でクリシェなことばかりしたがる探偵の栗栖と出会い、彼の専属となり、うんざりするが、栗栖こそが自分の助手だと彼のクリシェな行動を封じ、捜査を進める。
●フック/テーマ
クリシェなことばかりしたがる探偵/フックに同じ
●修正意図
・主人公を栗栖から環に変更して、2人は初対面とし、クリシェなことをしたがる探偵とタイパ重視の刑事の衝突をわかりやすくしたような形です。
・張り込みからの逮捕の流れは偶然かつ性急かと思いまして、すべて刈り込み、捜査の途中で終了という形にしました。探偵ぽさを出すために、現場を密室にしました。
●感想
結果的に、ほぼ全編修正することとなりました。環もマウント取りたがるタイパ重視の刑事となり、でこぼこコンビがあーだこーだ言いながら事件を解決していくような展開を想定しています。

修正稿へのフィードバック

雨森れに
パス

米俵
●採点
「好き」2.6「面白さ」2.5「没入感」2.4「題材」3「視点」2.7「構成」2.3「描写」2.5
●感想
初稿よりも、2人の対立が分かりやすくなったと思いました。特に、環が「栗栖探偵が私の助手」と言い切るところは、2人の関係性がよく出ていて面白かったです。
また、初稿で少し偶然に感じていた張り込み〜逮捕の流れをなくし、密室事件に変更したことで、より探偵ものらしさを前面に出ていると感じました。
一方で、個人的には主人公は栗栖のままでもよかったのかな、とも思いました。環を主人公にしたことで2人の対立は分かりやすくなったのですが、この作品ならではの一番のフックは「クリシェなことをしたがる探偵」だと思うので、栗栖自身を主人公にして、彼のこだわりを環がことごとく否定していく形の方が、タイトルの面白さをより直接的に追えるような気もしました。
また、2人のキャラクターや掛け合いはかなり立った分、この10分の中で「クリシェにこだわる栗栖だからこそ起こせたこと」や、環のタイパ重視の考えとぶつかった結果、何かひとつ事件が動くところまで見られると、さらに作品としてまとまりが出そうだと思いました。特に、環には無駄に見える栗栖の探偵らしい行動が、結果的に密室の謎を解くきっかけになるような展開まであると、タイトルや2人の対立もより活きる気がしました。

脚本太郎
●採点 
「好き」2.6「面白さ」2.5「没入感」2.5「題材」3「視点」2.7「構成」2.3「描写」2.6
●感想
・環と栗栖が初対面設定になったのが、ドラマ第一話っぽさが増したと思います。
・追加された、柱8の「わかる人に聞いた方がいいですし、事件はクイズじゃないんで。手っ取り早く」という台詞が環らしくて良かったです。
・密室殺人に少しフックがあるのに解決までいかないのが少し残念だったので、ミステリーを売りにしないのなら、密室殺人にそこまでフォーカスしなくて良いと思いました。
・メイン二人のキャラはコメディドラマとしてはかなり好きです。

さいの
●採点
「好き」3「面白さ」2.3「没入感」2.3「題材」3「視点」2.3「構成」2.2「描写」2.3
●感想
・Z世代的の玉木が、探偵ぽさにこだわる栗栖の鼻を明かす、という構図自体は面白さがあると思います。警察が探偵に専属を付ける、助手を付けるといった表現がこの物語固有のものかと思うのですが、そこでスムーズに話に入っていけない感じがありました。「バディが探偵だった」という意外性をもっとシンプルに伝えるよう演出する必要があるかなと思います。その辺りが読みながら整理されていった後、後半で二人の関係性が立ち上がっていく部分は良かったです。
・栗栖が「探偵」である必要性は薄れたのではないかなと思いました。単に、得意げで無駄の多い先輩デカとバディを組むことになった後輩が、デカっぽさにこだわる先輩をタイパ論理で詰めて、「助手ではない」と対等な関係を主張する、先輩はハシゴを外される、という形でも良いのかなと。
・どうでもいいですが「警察志願者が激減し私立探偵に捜査業務を嘱託することが一般的となった時代……」みたいな大掛かりなセットアップでも面白そうと思いました。

しののめ
パス

ChatGPT
●一番大きな問題点:事件そのもののドラマがまだ弱く、「探偵のクリシェをいじる会話劇」が中心になっている点です。栗栖と環の掛け合いはかなり面白く、キャラクターの対立も明確なのですが、現状だと密室殺人が二人を会話させるための舞台装置に近くなっています。特に6で「密室だったんです」と提示されたあと、7〜8ではその謎を解くことよりも探偵らしさについての漫才が中心になるため、「この密室、どうやって成立したんだ?」という事件への興味が少し薄れてしまいます。作品のタイトルが「クリシェな探偵」なので、あえて定番ミステリーを茶化す方向性は合っていますが、その場合でも最後に一つだけでも「クリシェを逆手に取った謎解き」を入れると、単なる探偵あるあるコメディではなく、ミステリーとしての満足感も出てくると思います。また、環が栗栖の探偵らしさを否定するだけでなく、実は栗栖のクリシェ的な行動が事件解決に必要だった、という構造にすると二人の関係にも意味が出そうです。
●良い点:栗栖と環のキャラクターの対比が非常に分かりやすく、会話劇としてかなり強いです。「探偵は遅れてやってくる」「お決まりというやつです」と堂々とクリシェを遂行する栗栖に対して、環が「無駄が多いな」「タイパ悪いと思いません?」「私が栗栖探偵の助手なんじゃなくて、栗栖探偵が私の助手なんです」と現実的なツッコミを入れる構図が一貫しています。特に7の「探偵ぽさ」を「たこ焼き」に喩えて、そこから明石焼きの話にまで脱線していくくだりは、二人のくだらない言い争いとして非常にキャラクターが立っています。また、栗栖が典型的な探偵の格好をして、パイプを咥え、意味ありげに窓を調べ、指を鳴らして全員の注目を集めるという「探偵のお約束」を、環が一つずつ冷静に破壊していく構造も作品のコンセプトと噛み合っています。最後に環が「ほら早く、行きますよ」と栗栖を連れていくところも、立場が完全に逆転していて良い締めになっています。
●応援メッセージ:キャラクターコメディとしてかなり魅力のある脚本だと思いました。特に栗栖の「探偵らしくありたい」という妙なこだわりと、環の「そんなもの必要あります?」という現代的な合理性のぶつかり合いが、この作品独自の笑いになっています。二人の関係性も、ベテラン探偵と新人刑事というありがちな組み合わせを、実際には「探偵が新人に振り回される」という逆転構造にしているのが面白いです。あとは事件の謎解きをもう一段だけ強くして、栗栖のクリシェが単なるギャグではなく事件解決に繋がるようにできれば、「探偵というジャンルそのものを笑いながら、ちゃんと探偵ものとして成立しているコメディ」へ一段上がると思います。短編としてのテンポもよく、栗栖と環のコンビにはシリーズ化できそうなキャラクター性も感じました。

採点

初稿 修正稿
好き 脚本 好き 脚本
雨森
米俵 2.3 2.5 2.5 2.6
太郎 2.3 2.4 2.5 2.7
さいの 2.5 2.5 2.5 2.5
しののめ
山極 2.6 2.2 2.6 2.4
平均 2.42 2.38 2.54 2.53
合計 4.79 5.07

初稿「好き」詳細
好き 面白さ 没入感
雨森
米俵 2.5 2.2 2.2
太郎 2.4 2.3 2.2
さいの 3.0 2.2 2.2
しののめ
山極
平均 2.63 2.23 2.20
初稿「脚本」詳細
題材 視点 構成 描写
雨森
米俵 3.0 2.6 2.0 2.2
太郎 3.0 2.3 2.0 2.3
さいの 3.0 2.5 2.0 2.3
しののめ
山極
平均 3.00 2.47 2.00 2.27

修正稿「好き」詳細
好き 面白さ 没入感
雨森
米俵 2.6 2.5 2.4
太郎 2.6 2.5 2.5
さいの 3.0 2.3 2.3
しののめ
山極
平均 2.73 2.43 2.40
修正稿「脚本」詳細
題材 視点 構成 描写
雨森
米俵 3.0 2.7 2.3 2.5
太郎 3.0 2.7 2.3 2.6
さいの 3.0 2.3 2.2 2.3
しののめ
山極
平均 3.00 2.57 2.27 2.47

2026.8.16 アップ

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