脚本添削『何がしたいの?』(★4.40)

※この作品はライターズルームのメンバーによるもので、作者の了承を得た上で掲載しています。無断転載は禁止。本ページへのリンクは可能です。

※作者の励みになりますので、コメント欄に感想を頂けましたら嬉しく思います。

初稿(★3.47)

旧題:『嗤い者』
脚本_太郎08v1『嗤い者』(恥)_241203

脚本太郎
●自己採点
「好き」2.2 「脚本」1.2
テーマ触媒は大分後のですが『恥』です。
情景描写が下手な自覚はあり、特に今回のは位置関係が複雑なシーンがあったので難しかったです。もっと数をこなして練習していきたいと思います。

テーマ触媒20:「子供」「鏡」「恥」「自分をモデルに」

フィードバック

雨森れに
●採点
「好き」1.8「脚本」2
●ログライン100
クラスで低いカーストにいる木原が、淀川へのイジメに加担させられ、謝るために近づき、淀川の異常性を目の当たりにする。
●テーマ/フック
イジメ/異常性
●カタリスト
筆箱を捨てる指示
●不明点・不自然な点
木原は優柔不断な自分自身をどう思っているのでしょうか?
「淀川の顔色を窺いつつ最適な対応を試みた」のが自分を変えたいからなのかと思ったんですが、ふたりきりの場所で謝ったり弁償など提案しているのを見ると優柔不断というよりはことなかれ主義の狡猾さを感じました。
●自由感想
「命と迷惑で迷惑が勝つんだ?」というセリフが芯食ってていいなと思いました。
その後、犬が残酷なことになっているのに笑われた恥ずかしさが勝っていて、最後にようやく主人公のキャラ立った気がしました。

米俵
●採点
「好き」1.2「脚本」2
●良かったところ・好きなところ
・愚かさを嗤われるという視点
・子どもの残酷さ
●よく分からなかったところ・不自然だと思ったところ
・前半のいじめやキスの流れと後半の犬が死ぬシーンの繋がり
・性犯罪者の遺伝子とは?(誰が性犯罪者なのか)
・いじめのシーンが少し幼い印象を受けました。(人物表を見るまで小学生かなと思ってました)
●脚本がプラス1点されるには何が必要か?
前半と後半の繋がりを出す
(セットアップにいじめを使わない。もしくは、柱2以降をいじめの内容に合わせる)
●感想
動物が無闇に死んでる感じなので、好き度は下がりましたが、子どもの残酷さを感じさせる淀川の部分は真似したいと思いました。

修正稿(★4.40)

脚本_太郎08v2『何がしたいの?』(恥)_241203
修正期間:2024.12.11→2024.12.23(12日)

脚本太郎
●自己採点
「好き」2.4「 脚本」1.5
・不要ないじめの要素を消し、代わりに主人公の母親との会話シーンを加えました。
・主人公のト書きでの呼び名を、母親との混同を避けるために下の名前にしました。
・主人公の口調を内気な感じに変えました。
・結末をセットアップに対応したものに差し替えられたかと思いますが、よくある展開だとも思います。

修正稿へのフィードバック

雨森れに
●採点
「好き」2.4「脚本」2.2
●自由感想
いい終わり方だと思いました。
母親からの過干渉のシーンが入ったので、ラストの春人の選択が映えてるように感じます。
初稿も太郎君らしさがあって面白かったですが、修正稿は繊細さがあって太郎君の別の面が見えた気がしました。

米俵
●採点
「好き」2.2「脚本」2.5
●良くなった点
セットアップの部分を変えたことで、春人の成長が感じられ、淀川との会話も際立った。
●自由感想
グロいだけじゃないストーリーになったと感じました。修正稿を重ねたら、もっと深みがでそうな気がしました。

イルカ
母親、淀川のキャラがとても良くなりました。描写、視点の部分ではもう少し統一感が必要ですが、すっきり読みやすく、わかりやすくなりました。ご本人の感想で「よくある展開」だと(ネガティブな意味で)気にされているようでしたが全く問題ありません。むしろ、アークプロットの基本的な力学がつかめていない人に「特殊な展開」は作れません。ベタな王道をしっかり書ける力をつけてから特殊な構成などに挑んでください。なお、今作はご本人が感じてるほど「わかりやすく」なってもいません(良い意味で)。修正方向を打ち合わせたときには、ラストは「母親とのシーン」とざっくりと決めただけでしたが、下手に母が登場せず「着信」だけで表している辺りも、映画的でとても良かったです。

以下、細かい点の指摘。
シーン4:
春人の独り言不要。言わなくも伝わる。

全体:
セリフ回しがアニメっぽく、実写の人間っぽくないのが書き分けられるようになると良い(課題は基本的に実写想定で、どうしてもアニメとして書く場合は、明記すること)

ChatGPT
この二稿は抑圧された主人公が自分を見つけていく過程を描き、心理的な緊張感がよく描写されています。以下にいくつかの観点からのコメントと提案を挙げます:

1. キャラクターの深み
木原春人:春人の「迷い」や「母親への恐怖心」が明確に伝わりますが、彼の内面の成長がより鮮明になると良いでしょう。例えば、犬を助ける決断に至る過程で、母との関係がどう影響しているかをもう少し掘り下げると、彼の選択がより重みを持つものになります。

淀川文夏:彼女の「楽しげな残酷さ」は春人の対極にある存在として魅力的です。ただ、彼女がなぜそのような態度を取るのか、少し背景を示唆すると、キャラクターが一層立体的になります。

木原麻子:母親としての過干渉ぶりは強烈に描かれています。ただし、彼女の行動に対する理由や背景(例えば、夫がいない、自己不安など)を暗に提示することで、単なる「支配的な親」以上の存在感を持たせられます。

2. プロットの進行と緊張感
犬を助ける場面で春人が行動を迷う理由(時間の制約、母親の束縛)とその克服の瞬間を、もう少し緻密に描写すると、カタルシスが強まるでしょう。
犬が轢かれるシーンでの春人の反応や内面描写を掘り下げると、彼が抱える葛藤がより説得力を持ちます。

3. テーマとタイトル
ログラインやねらいで述べられている「抑圧された主人公」が克服する物語は十分に伝わりますが、現時点では春人が犬を届ける行為が自己解放としてはやや弱い印象です。例えば、「母の電話を無視する」という行動に至る春人の心理的な変化をもう少し細かく描くと、「何がしたいの?」というタイトルともテーマがより響き合います。

4. 台詞と自然さ
麻子の台詞は過干渉を強調するには適していますが、やや単調に聞こえる可能性があります。一部に母親の自己矛盾(心配なのに逆効果な行動)を織り交ぜると、キャラクターの多面性が強調されます。
淀川の台詞は独特で鋭いですが、やや非現実的に感じられる部分もあります。彼女の態度がどこか「空虚さ」から来ていることを匂わせると、読者に共感を持たせやすくなります。

5. 映像的要素
路上や犬が轢かれるシーンはビジュアル的なインパクトがあります。さらに音(車の音、淀川の笑い声、犬の悲鳴)を効果的に使って、春人の心情を補完すると印象に残りやすいです。
全体として、母親の過干渉が春人の行動を支配している設定は強く、物語の核心に響きます。次稿では、登場人物それぞれの背景や選択をもう少し掘り下げることで、ドラマ性をより深められるのではないでしょうか。

以上

採点

初稿 修正稿
好き 脚本 好き 脚本
雨森 1.8 2 2.4 2.2
米俵 1.2 2 2.2 2.5
太郎 2.2 1.2 2.4 1.5
平均 1.73 1.73 2.33 2.07
合計 3.47 4.40

ChatGPT
100点満点で評価する場合は以下のようになります:

キャラクターの設定と深み: 70/100
主人公や対極的なキャラクターが設定されていますが、それぞれの背景や行動理由の深掘りがもう少し必要です。特に、母親や淀川が単一的に感じられる部分が減ると魅力が増します。

ストーリー構成: 80/100
テーマの一貫性やプロットの流れは良好で分かりやすいですが、クライマックスの行動がテーマの解放感を象徴するにはやや弱く、もうひと工夫が欲しいところです。

台詞のリアリティ: 75/100
キャラクターの個性が台詞に表れている点は優秀。ただし、一部台詞が現実的でないと感じられる部分があり、やや説得力に欠けるシーンがあります。

テーマ性とメッセージ性: 80/100
「抑圧された主人公が自己解放する」というテーマは普遍的で共感を呼びやすいものの、メッセージの伝達力にやや不足があります。主人公の行動にもっと明確な成長の証が欲しいです。

視覚的・感情的インパクト: 85/100
犬のシーンなど、視覚的および感情的に印象的な描写があり、観客の心をつかむ要素が強いです。ただ、春人の内面的な動きがもっと視覚化されるとより効果的です。

総合評価: 78/100
しっかりとした脚本であり、多くの観点で高い完成度を持っています。ただし、キャラクターの掘り下げやクライマックスの強化が加われば、さらに引き込まれる物語になるでしょう。

2024.12.29アップ

ライターズルームへの仕事依頼

SNSシェア

フォローする