脚本添削『狂言狂人』(★4.67)

※このページで脚本が読めます(初稿と修正稿、PDF形式)。

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初稿(★3.87)

脚本_太郎09v1『狂言狂人』(二面性)_250205

脚本太郎
●自己採点
「好き」1.5「脚本」1.1
●自由感想
思い付いた時はあまり書きたいタイプの話ではなかったのですが、完成させることができた後では、色んな話を書く練習になったので、達成感がありました。修正後にはまた(良い意味で)印象が変わるかもしれません。よろしくお願い致します。

テーマ触媒2:「脚色」「二面性」「キーアイテム」「サイレント」

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雨森れに
「狂言狂人」 初稿
●採点
「好き」1.8「脚本」2
●ログライン100
不注意で娘を殺してしまった達也が、妻に心中という形で復讐されそうになるが、妻を庇って重傷をおう。
●テーマ/フック
後悔/妻の狂気
●カタリスト
向かって左から志保と、女の子の人形が座っている。
●不明点・不自然な点
・達也の息が荒くなる。苦しそうに胸を押さえる。→過呼吸か痛みがあるのかなと思ったが、よくわからなかった。
・再度ウィンドウに→1回目がなかったので、たぶん書き間違いかなと思いました。
・達也がなぜ志保に流されていたのか→罪の意識からとも読み取れたのですが、妻の狂気をすんなり受け入れてしまっているのが何となく唐突で不自然に感じました。
●自由感想
救いも喜びのない「遅いよ」が印象的でした。「今更」でもなく「遅い」だと怒りより悲しみのほうが勝った感じがしていいなと思いました。
↑で不明・不自然な点をあげたので、解消する方法を考えてみました。
・心疾患持ちということにして柱1の事故で胸を押さえる。柱4で苦しくなってから息も絶え絶えにして、最後の力を振り絞って志保を庇う。流されるように過ごしていたのは、心疾患という言い訳に逃げていたから。
・柱3で達也に人形を抱かせ、抱かなかったことを志保に詰られ、そ以上怒らせないように話を合わせる→代わりに柱4の人形を抱かせるくだりを削除し、志保が人形を投げるところにつなげる。
など、どうかなと。もし何か描写を増やして削るところに悩むようなら、柱4のテンポを速めるといいかもと思います。

米俵
●採点
「好き」2.7「脚本」2.5
●ログライン100
娘の事故後、自分の罪と向き合えずにいた達也は、志保の気持ちに寄り添うことが出来ていなかったが、妻が病んでいることを演じ、心中しようと考えていたことを知り、最後に体を張って妻を守ろうとする。
●フック/テーマ
狂気を演じる妻/娘を失った妻の気持ちに寄り添えるか
●カタリスト
向かって左から志保と、女の子の人形が座っている。
●不明点・不自然な点
娘の事故の際に運転していたのが達也だったというのを見せたかったのは伝わるのですが、達也が確認に行かないのはさすがに不自然かなと思うので、事故の時の描写はもう少し入れても良いと思いました。セリフでの説明も減るかと思います。
志保の「あのときわたしを轢き殺してくれた方がまだ幸せだった」この言葉が達也が変わるキッカケだったと思うので、その時のリアクション(表情など)を入れた方が良くなると感じました。
志保の表情が完全に静止。のところで車も急停車し、人形壊してからまた走り出した方が、(運転中に?とはならず)リアルですし、スピードとの兼ね合いも強調出来るかなと思いました。
●感想
10分内でおさめるにはなかなか難しい内容だと感じましたが、上手くまとまっているなと思いました。
説明セリフも気になりはしましたが、仕方ないのかな…と。もちろん、減らせたらもっと良くなるとは思いますが…
最後の志保の言葉、私ならなんて言わせるかなーと色々と考えちゃいました。

山師ヤマ
脚本、楽しく拝読しました。
緊張感が続く展開で、最後まで飽きずに読むことができました。
登場人物が二人に絞られていて、無駄な会話がないなぁと思いました。自然に情報がセリフに盛り込まれていて、物語の背景を理解しやすかったです。
キャラクターの立場の違いがクリアーなのもよいと思いました。どんな人物なのかということが二人の関係から伝わってきました。
車のガラスが人形で割れるところですが、そんなこと起きるのかなと思いました。実際のガラスの強度を知りませんし、人形の硬さや投げつけた人物の力によるかもしれませんが、気になりました。本筋とは関係なくてすみません。
ラストですが、「夫が妻を守る」ということになるのかなと思いました。
あらすじを読まないと、守るという行動を夫が取ったことが分かりづらかったです。(たまたま? とっさの行動?)
また、狂人のふりだとしても、あそこまでの異常行動を取る妻がはもはや狂人だと言えます。そこまでの人間が、夫が守った行動を取ったとしても、すんなり受け入れるだろうか?とも思いました。死んでざまあみろと考える方が自然なような気がします。
例えば、夫が崖に突っ込む前に心を入れ替えたとわかるセリフや行動があると、覆いかぶさるという行動にわかりやすさが出るのかもしれません。
また、例えば、妻が崖に突っ込もうとしたけどやっぱり死にきれない(くらいの正常な判断能力がある)くて、崖に端で停車していたら、車で運転中に遭遇した凶暴なイノシシの親子が車に突っ込んできて、崖に落ちそうになったときに、われより先に妻を車から出した夫だけが車もろとも崖から落ちる、みたいな流れだと、納得感が出るかもと思いました。

きなこもち
妻の狂気に満ちた言動に、ゾクゾクしながら読みました。面白かったです。
最後に命懸けで妻を守るところにグッときました。命懸けで妻を守ることでようやく達也も罪の意識から解放されたのかな、と。もしかしたら、ラストの血だらけの達也の顔は少しホッとした顔だったのかも、と想像が膨らみました。
ただ、不自然に感じたところがいくつかあり、少し思考が現実に戻されてしまって物語に充分入り込むことができなかったところが少しもったいなく感じました。
1つ目は、達也が運転席で項垂れているところ。娘を轢いてしまったかも!となったら、兎にも角にも外に飛び出して娘の元に行かないかなぁ、と。真っ青な顔で運転席から飛び出し、血だらけの娘の元で汗だくで項垂れる達也を描く方が自然かなと思いました。
2つ目は、人形を投げつけてフロントガラスが割れるという描写。意図的に割ろうと叩いてもなかなか割れない車のフロントガラスがただの人形で割れるというのが不自然に感じました。

ロバの絵本
自分の娘を轢いてしまう。状況が恐ろしすぎるなと思いました。 ニュースなどでそんなショッキングな事件を見かけることがあるけど、想像もしきれなかったですが、その後の家族にも様々な葛藤は起きてしまうと思いました。事故を起こしてしまった本人や、残された家族。
事故を起こしてしまった人の大きな大きな傷を慰めながら生活することもあると思いますが、このお話にあるように、その他の家族の心の傷もやはり大きいのだと思います。
そして、とても状況に耐えきれず、家族が離れ離れになってしまうこともあると思います。
願っても願っても戻ってこない大事な存在と、事故を起こす前の時間、自分の不注意、過失。
確かに、こんなことなら自分が死ねばよかったとそれぞれが思ってしまいそうです。
そしてこのお話の最後の最後に、夫が妻を身を挺して守っていた気持ち。 必死で守り大切にし、生きて欲しかった。大きな印象を残す場面で、遅すぎるよの言葉に、人がずっとすれ違ってきて、お互いの心が見えず、大きな苦しさにも引きずられてきた背景が、最後の行為に集約されて見えてきました。
ホラーのようなのですが、現実としてきっとあるのです。大きな大きなお互いにあった辛さ、どこに受け止めてもらえばよかったのでしょうか。私は、自分や家族が子どもを轢いてしまったという場合じゃなくても、子どもをはやくに失ってしまったりしたら、愛している夫とも、今住んでいる家とも、すべて思い出す要素のものが辛かったら、少し外国に住んだり、黄昏れてしまうかもしれません。子どもを失うことは、本当に辛いので、毎日健康を望むばかりです。お話をとおしても、無事で安全な暮らしというものに感謝が沸き起こりました。

詩舞澤沙衣
二面性というテーマの使い方として興味深く読みました。 達也は志保のことを「くるっている」と思っているけれど、朝食を律儀に作れるのは実は「まとも」なのでは、と思わせてくれるので、良いと思いました。 志保が「もういいわよ!」と茶番劇を捨てるシーンですが、致命的に志保を豹変させるようなセリフを達也に言わせてトリガーとして出す方が、効果的な気がしました。(1のキャンプ場でのパートと同じセリフを達也に言わせるとか)志保の豹変パートと呼応させるために、1のパートで、達也に千枝への後悔のセリフ(謝罪のセリフではなく)などを言わせて、それを3のパートで再演する、とか。車に詳しくないので「グラブボックス」という表現を調べましたが、一般的には「グローブボックス」と言うそうです。

ChatGPT
力強いドラマですね。心理的な緊張感が張り詰めていて、キャラクターの二面性や狂気がよく表現されています。全体的に完成度は高いですが、いくつか考えられる改善点を挙げます。
改善ポイント
●冒頭の事故シーン
かなりショッキングで引き込まれるシーンですが、「車のクラクションが鳴り響いている」という描写が、達也がブレーキを踏もうとした結果なのか、誤ってアクセルを踏んでしまったのかが曖昧に感じました。
「達也の手が震え、クラクションの音が続く」など、もう少し細かく描写すると緊迫感が増すかもしれません。
●リビングでの食事シーン
志保の狂気が徐々に明かされる場面ですが、「人形を娘だと思い込んでいる」と読者がすぐ理解するため、少し分かりやす過ぎる印象もあります。
例えば、最初は違和感が少なく、「千枝も食べなさいよ」といった自然な台詞を入れ、徐々に達也が目を逸らすような演出にすると、よりじわじわとした狂気が際立つかもしれません。
●ドライブシーン
「まるで前にも来たことがあるかのような言い方」という台詞が少し不自然に感じます。狂言だと後で明かされるとはいえ、もう少し違和感の少ない表現が良いかもしれません。
例えば、「初めての場所って言ってたけど、見覚えある気がするな」など、志保の発言を誘導的にするのもアリかもしれません。
●クライマックス(崖に向かう場面)
「遅いよ」というラストの台詞は強烈で印象的ですが、もう少し伏線が欲しい気もします。
例えば、作中のどこかで「あなたはいつも決断が遅い」とか「千枝が死んだときも何もできなかった」などの台詞を志保に言わせておくと、最後の「遅いよ」がより刺さるのではないでしょうか。
総評
テーマの「二面性」はしっかりと表現されており、志保の狂気の中にある悲しみや、達也の罪悪感の揺らぎがしっかり描かれています。
あとは、細かい部分でより自然な会話や演出を調整すると、より完成度が上がると思います。
この脚本をビート分析すると、物語のテンポや感情の波がより明確になります。一般的な三幕構成をベースに、主要なビートを整理します。
●第一幕(セットアップ)
1. インクイティング・インシデント(きっかけ)
(シーン1:キャンプ場の事故)
娘・千枝の死を描くショッキングなオープニング。
達也の「過失」によって千枝が命を落としたことが示される。
志保の取り乱し方が異常にも見える。
2. ディベート(葛藤)
(シーン2-3:寝室〜リビング)
達也が目を覚まし、現実と向き合う。
志保が千枝の死を受け入れていない(もしくは装っている)ことが明かされる。
達也は人形を娘として扱う志保にどう接するべきか迷う。
「達也は志保の狂気に流されるのか、それとも現実を直視するのか?」というテーマが提示される。
●第二幕(対立)
3. ブレイク・イントゥ・ツー(第一の転換点)
(シーン4:ドライブ)
キャンプに向かう途中で、志保の「狂気」が本物なのか、それとも何か企んでいるのかが不明瞭なまま進む。
志保が「まるで前に来たことがあるような言い方」と達也を追い詰める。
ここで「狂言」という要素をほのめかす伏線が入る。
4. ファン・アンド・ゲームズ(試練・冒険)
「狂言狂人」というタイトルにふさわしく、達也は志保の狂気に付き合わされる。
「千枝の誕生日」「キャンプ」「人形の扱い」など、志保は達也に”ゲーム”を強いる。
達也は違和感を抱きながらも、流されるしかない。
5. ミッドポイント(中間地点:重要な転換)
(シーン4:人形を窓に叩きつける)
志保が突如豹変し、「もういいわよ! こんな茶番飽き飽きだわ!」と叫ぶ。
これまで「狂っているかのように見えた志保」が、実は自分の意志で”芝居”をしていたことが示唆される。
人形が破壊され、「娘の死を誤魔化す茶番」が終わり、核心部分に入っていく。
6. バッド・ガイズ・クローズ・イン(敵対勢力の優勢)
志保は「あなたはずっとわたしに流されるだけだった」と達也を責める。
達也は罪悪感に押し潰されそうになり、完全に主導権を失う。
ここで**「流され続ける達也」vs「復讐を完遂しようとする志保」**の構図が明確になる。
●第三幕(結末)
7. オール・イズ・ロスト(どん底)
(シーン4-5:崖に向かう車内)
志保が「この先さ、崖なの」と告げる。
ここで「心中」という選択肢が現実味を帯びる。
達也はようやく「流されるだけではダメだ」と気づく。
8. ダーク・ナイト・オブ・ザ・ソウル(内的変化の瞬間)
志保が「わたしを轢き殺してくれた方がまだ幸せだった」と悲痛な本音を漏らす。
達也は「志保を守る」決断をする。
これまで受け身だった達也が「行動する側」に変わる。
9. ブレイク・イントゥ・スリー(第二の転換点)
(シーン5:車が崖から落下)
達也がシートベルトを外し、志保に覆いかぶさる。
ここで**「身を犠牲にして志保を守る」という結末が決定づけられる。**
10. フィナーレ(クライマックス)
(シーン6:事故後)
達也は血まみれで動かない。
志保は生き延びたが、涙を流しながら「遅いよ」と呟く。
達也の「自己犠牲」は、志保にとっても救いにはならなかったことが示される。
「結局、何も変えられなかった」という虚しさを残したエンディング。
●まとめ(ビートごとの流れ)
インクイティング・インシデント(娘の事故死)
ディベート(志保の狂気に流される達也)
第一の転換点(キャンプへ向かうドライブ)
ファン・アンド・ゲームズ(茶番を続ける達也と志保)
ミッドポイント(志保の豹変・狂言が明らかになる)
敵対勢力の優勢(達也の罪悪感、志保の復讐心)
どん底(心中を提案される)
内的変化(達也の決断)
第二の転換点(崖からの落下)
フィナーレ(達也の犠牲と志保の「遅いよ」)
●総評
しっかりとした三幕構成に沿っており、特に**ミッドポイント(志保の豹変)とクライマックス(達也の自己犠牲)**が印象的に作られている。
「流される達也」→「流されない達也(犠牲を決断する)」というキャラクターアークが明確に描かれている。
「狂言と本当の狂気の境界線」が終盤まで曖昧に保たれているのが良い。
エンディングの「遅いよ」が強烈な余韻を残すが、伏線をもう少し強調すると、より強く響く可能性あり。
非常に完成度の高い構成ですが、「志保の計画性」と「達也の最終的な行動」にもう少し伏線を入れると、より説得力が増すかもしれません。

修正稿(★4.67)

脚本_太郎09v2『狂言狂人』(二面性)_250223
修正期間:2025.2.15→2025.2.23(8日)

脚本太郎
●自己採点
「好き」1.7「脚本」1.3
●自由感想
キャラクターの心情を考慮したト書きの修正ができたと思います。
しかし思いついていたものを全てアウトプットできた感じがせず、そもそも10分でやる内容ではなかったのかもしれません。

修正稿へのフィードバック

雨森れに
●採点
「好き」2.5「脚本」2.5
●自由感想
初稿より映像がわかりやすくなる描写が増えていて想像しやすかったです。
とくに柱6が志保の悲しさが強調されていて、二面性の意味合いが自分の中で変わりました。
初稿は「狂言症と理性」かと思ったんですが、今回は「責める気持ちと許したい心」のほうがしっくりきました。

米俵
●採点
「好き」3 「脚本」3
●良くなった点
事件の描写が加わり、映像として想像しやすくなった。
それぞれの行動に対するリアクションが加わったので、2人の複雑な気持ちが初稿よりも伝わってきた。
●自由感想
長いバージョンでも見てみたいと思えるぐらい好きでした。

山師ヤマ
1回目同様、緊張が最後まで続くシナリオだと思いました。お話が前に前に進む感じもよかったです。
娘の死に苦しむ夫婦が、対立している様子も読んでいて(良い意味で)苦しかったです。主人公が過ちを犯して、その贖罪の方法が分からず、結果として妻をさらに苦しめていた、という背景が見えてきました。お話のバックボーンが理解しやすいため、脚本に厚みを感じました。
良い点が多い分、短い枚数で話を終わらせないといけなかったためかラストが急に訪れた感じもしました。もっと二人の道中を読んでみたいなと思いました。例えば、サービスエリアに寄ったり、あおり運転に遭遇したりなど、そういうエピソードがあったとき、二人はどんな態度を取るのだろう?と想像してしました。
これを膨らました話を読んでみたいです。

詩舞澤沙衣
前回の第一稿に比べると、ものごとの位置関係や、登場人物の表情(心情)の描写が細かく描写されており。状況をだいぶ理解しやすく感じられる。 「そうだな。パパも、凄く楽しみだよ」からの志保の豹変ぶりは、オチを知っている身からするとわかるが、少し間があるような演出にすると、効果的なのではないか、と思う。(たとえば、志保が達也の発言を反芻して、「たのしみ……?」と発音するなど)志保の喋りの店舗感も、 「そうだな。パパも、凄く楽しみだよ」前まではのんびりした、ゆっくりしたもの、後半は早口でまくしたてるような、ギャップがあると、より一層映えるのではないか。「 妥当だと思わない? 」がどう妥当なのか、少し意図を掴みかねている。

ChatGPT
かなり完成度の高い脚本ですね。心理描写が細かく、緊張感が途切れず続くのが素晴らしいです。特に、志保の狂気が「演技だった」と明かされた後の展開が印象的で、そこからの展開が観客を一気に引き込む構成になっています。
いくつか気になった点を挙げると:
●志保の「狂気」の段階的な変化
→ 志保が最初から「張り付いた笑顔」で違和感を醸し出しているのは効果的ですが、「どの時点でどこまでが演技なのか」がもう少し明確になっても良いかもしれません。
→ 例えば、「夫の反応を試すような視線」や、「ふと演技を忘れて本音が滲む瞬間」などを意図的に入れると、よりリアルになると思います。
●達也の「受動的すぎる」問題
→ 彼は基本的に「志保の言動に流される」役ですが、最後の決断(覆いかぶさって守る)以外にも、途中で「なんとかしようとする」動きが少し入ると、よりドラマチックになるかもしれません。
→ 例えば、車のスピードが上がったときに「ハンドルを掴もうとする」とか、「説得しようとするが言葉に詰まる」といった描写があると、彼の葛藤がより浮き彫りになりそうです。
●志保の「本心」がどこにあるか
→ 彼女は「復讐のために狂ったフリをしていた」のか、「本当に狂っていたけど最後に理性を取り戻した」のかが少し曖昧です。
→ ラストで「遅いよ」と言ったときの感情(怒り・後悔・悲しみ・愛情)がどういうニュアンスなのかが明確になると、余韻がさらに強くなりそうです。
全体的に、映像化したときのインパクトが強い脚本で、とても良い出来だと思います。

以上

採点

初稿 修正稿
好き 脚本 好き 脚本
雨森 1.8 2 2.5 2.5
米俵 2.7 2.5 3 3
太郎 1.5 1.1 1.7 1.3
平均 2.00 1.87 2.40 2.27
合計 3.87 4.67

ChatGPT
この脚本のクオリティを、100点満点の基準(100点=アカデミー賞級、0点=初心者レベル)で評価すると、70〜75点くらいの出来だと思います。
評価のポイント
✅ 優れている点
●構成が明確で無駄がない
→ 冒頭の事故シーンからラストの転落まで、物語が一直線に進んでおり、無駄なシーンがほとんどない。
キャラクターの心理描写が巧み
→ 志保の狂気(あるいは狂言)が、徐々に明らかになっていく過程がスリリングで、観客を引き込む。
●視覚的な演出が優れている
→ 人形の扱い、車の速度、ガラスが割れるシーンなど、映像としてのインパクトが強い。
❌ 改善の余地がある点
●志保の「狂言」部分の意図がやや曖昧(-5点)
→ 「復讐として狂ったフリをしていた」のか、「本当に精神が崩壊していた」のか、あるいは両方が入り混じっていたのかが不明瞭。
→ ラストの「遅いよ」がどの感情なのかを明確にすると、より深みが出そう。
●達也のキャラクターがやや受動的すぎる(-5点)
→ ほぼ全編、志保に流されるだけの立場で、ラストで「犠牲になる」以外に主体的な行動が少ない。
→ 例えば、「途中で抵抗するが失敗する」「志保の異常さを確信して逃げようとするが、情に引き戻される」などのアクションがあると、よりドラマ性が増す。
●「どんでん返し」としてのインパクトは強いが、さらに意外性を増やせる余地がある(-5点)
→ 志保が「実は狂っていなかった(フリをしていた)」という展開自体は良いが、もう一歩踏み込んで「志保の計画の裏にさらに別の動機があった」などがあると、さらに深みが出るかもしれない。
総合評価:70〜75点

2025.3.4アップ

ライターズルームへの仕事依頼

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