※このページで脚本が読めます(初稿と修正稿、PDF形式)。
※作品はライターズルームのメンバーによるもので、作者の了承を得た上で掲載しています。無断転載は禁止。本ページへのリンクはご自由に。
※作者の励みになりますので、コメント欄に感想を頂けましたら嬉しく思います。
初稿(★3.98)
雨森れに
●自己採点
「好き」1.8「脚本」1.5
●ログライン100
養護施設で暮らす忍は、カレーが得意ではないが、週末里親の元を初めて訪れた際に「家庭のカレー」を食べたことをきっかけに、里親に心を許し始めて、翌週は里親と一緒にカレーを作ることを約束する。
●フック/テーマ
カレー/週末里親制度
●ねらい/テーマ触媒
利尋の背景をほのかに感じさせるように描く/父親
●感想
相変わらず葛藤が弱くなってしまいました。するっと打ち解けてしまってます。
あと、里親の利尋が黄色くなるほどカレーを食べる羽目になっちゃいました。
テーマ触媒8:「山」「父親」「アクション」「ビジュアライズ」
フィードバック
脚本太郎
●採点
「好き」2.3「脚本」2
●ログライン100
児童養護施設で過ごす少年忍は、週末里親の利尋の家に泊まるにあたって、最初憮然とした態度を取っていたが、利尋と両親の話をしたり一緒にカレーを食べたりといった交流を通して彼に心を許し、利尋宅を週末だけの自宅として認めるようになる。
●フック/テーマ
週末里親/里親と児童の関係
●カタリスト
柱3: 家の前に車が止まり、林田と忍がおりてくる。
●不明点・不自然な点
・最初憮然として「自分の家は養護施設だ」と言っていた忍が、最後里親宅を家だと認めるという変化はハッキリしていて良いのですが、そうなる要因となるエピソードが弱い気がします。エピソードを濃くするのが難しいようなら(尺の都合もあるので)忍の変化をもう少しマイルドにした方が良いかなと思います。
●自由感想
・週末里親というものを知らなかったので、新鮮な気持ちで読めました。色んな切り口で書けそうで面白い題材だなと思います。
・「先生、早いよ」といった自然な台詞で変化が表されているのが良かったです。
・忍と過ごすのを楽しみにしてはしゃいでいる様子など、利尋に好感が持てました。
さいの
●採点
「好き」2「脚本」2
●ログライン100
養護施設なごやか園に暮らす児童である忍は、週末里親の利尋の家で1日を過ごし、カレーを食べる過程で利尋の生い立ちに自分と近いものを感じたことで、利尋を慕うようになる。
●フック/テーマ
カレー、週末里親/血縁の無い家族関係
●カタリスト
利尋 「よーし」
●不明点・不自然な点
特になし。
●自由感想
確かに同じ社会に生きているが身近でない立場の人々を取り上げ、彼らの存在への想像力を喚起するというのは、雨森さんらしい題材選びと思います。
カレーを通して家族を描きたいというコンセプトは伝わったのですが、もう1段描けるかなと思います。林田のような一般的な家族構成で暮らしてきた人間と忍や利尋では、大きな鍋にカレーを作って食べることへの眼差しが違う、というのはなんとなく伝わります。それがカレーを食べることなのか、作ることなのか、もっと具体的なモチーフを通して語られると普遍的でない描き方になるのではと思います。例えば養護施設でのカレーとどう忍にとって違うのかとなど。
個人的には「よーし」のところで、話が意外な方向に転がり出しそうな印象はあったのですが、その期待を上回る展開ではなかった印象です。何らかのアクシデントが起きて、カレーを作ってしまえばいいのかなと思いました。
しののめ
●採点
「好き」2「脚本」2
●ログライン100
養護施設で暮らす忍は、週末里親・利尋宅での初宿泊に気乗りしていなかったが、苦手なカレーを利尋が美味しく作って待っていてくれたことから心を開き、次は一緒にカレーを作ろうと約束する。
●フック/テーマ
養護施設育ち、週末里親/養護施設の子どもと里親の交流
●カタリスト
忍、匂いに気づいて顔をあげる。
●不明点・不自然な点
・利尋「いいよ。冷凍したのじゃなくてさ、一緒(に)作ろうよ」脱字がありました。
●自由感想
・養護施設の子どもと週末里親という設定に興味が湧きました。もっと、ならではな内容を読みたくなりました。
・仰る通り、葛藤やバトルがあまりなく、事件が起きていない印象を受けました。利尋がいかにも良い人すぎて逆に怪しくも見え、若干裏切りを期待してしまったり…笑 例えばですが、前半でもっと二人のやり取りが噛み合わずしっちゃかめっちゃかになる感じをコメディタッチで描くとか(利尋の下手な気遣いが全部裏目に出て忍に冷めたツッコミを入れられる等)、あるいは思いがけない関係性やパワーバランスになるとか、そういった工夫があっても面白いかと思います。
・敢えてカレーというベタな料理を使うことで、一般的な家庭料理との縁が薄い忍が家庭の味を知る、という流れを意図されているのだと思いますが、その意図があまり表に出てきていないような気がしました。カレーという一般的かつ人気度の高い料理を出すのであれば、実は二人ともカレーが嫌いでそこで意気投合するとか、忍のカレー嫌いにもっと明確な理由があるとか(実親とのトラウマがある等?)、あるいはニッチな料理が好きとか、そういった方向性にした方が二人の個性や関係性に生きてくる気もします。ラーメン屋だったのであれば、利尋の家でしか食べられなさそうな個性的なラーメンを出すとかにしちゃっても良い気がしました。
山極瞭一朗
●採点
「好き」2.3「脚本」2.0
●ログライン100
児童養護施設で暮らす忍は、週末里親の元を訪れるが、乗り気ではない。しかし里親の作ったカレーを食べたことをきっかけに心を許し、一緒に作る約束をする。
●フック/テーマ
カレー/週末里親
●カタリスト
柱3.家の前に車が止まり、林田と忍がおりてくる。
●不明点・不自然な点
忍の感情の変化が唐突に思えました。 カレーが好きじゃないけど、めちゃうまなカレーに出会った。→里親に心を許す。という流れは素直に消化できなかったです。 大きな変化ではなく、もしかしたらこの人いいかも。心を許せるかもしれない。と思い始めるきっかけくらいがカレーをきっかけとする変化としてよいかなと感じました。
●自由感想
週末里親という制度を初めて知りました。興味深いテーマだと思いました。なので、里親側のバックボーンをより知りたいと感じました。 両親が死んでいるという台詞はありましたが、両親を亡くしていても週末里親にならない人は大勢いるわけで、なぜ利尋はその道を選んだのか。すべて語らずとも、利尋を突き動かすものが見えるとより感情移入できるかと思いました。
ロバの絵本
子どもとの距離の縮まり方がリアルでした。
カレーを覗き込むためなら、おんぶの誘いに自然にのるところなどがよかったです。
微笑ましい話です。
給食のカレーなども、大鍋で作ると美味しいから、大量に作ったカレーもとても美味しいのだろうなと思いました。
カレーを一緒に次は作る!という言葉に、園の人が変化を感じているところもよかったです。
信頼がおけて、楽しい暮らしが一緒に出来る人に出会えたこと。簡単なようで簡単ではないので、こちらまで嬉しくなります。
このカレーは美味しい!とびっくりしていると、作った量のこともそうですが、自分の家庭で作った中での美味しいカレーとも重ねてしまったりします。
スパイスを入れるようになってからとても美味しくなったけれど、子どもが目を丸くするということは、甘口の美味しいカレーとして、なにか秘密があるのかな、など、想像がふくらみました。
修正稿(★4.48)
脚本_雨森34v2『カレーのある家』(父親)_250930
修正期間:2025.09.12→2025.09.30(18日)
雨森れに
●自己採点
「好き」1.8「脚本」1.5
●ログライン100
養護施設で暮らす忍は、カレーが得意ではないが、週末里親の元を初めて訪れた際に「家庭のカレー」を食べたことをきっかけに、里親に心を許し始めて、翌週は里親と一緒にカレーを作ることを約束する。
●フック/テーマ
カレー/週末里親制度
●ねらい/テーマ触媒
利尋の背景をほのかに感じさせるように描く/父親
●感想
相変わらず葛藤が弱くなってしまいました。するっと打ち解けてしまってます。
あと、里親の利尋が黄色くなるほどカレーを食べる羽目になっちゃいました。
修正稿へのフィードバック
脚本太郎
●採点
「好き」2.5 「脚本」2
●自由感想
・忍の抱える問題が明確になったのと、最後の彼の変化が10分という長さで妥当なものになったと思います。ただ、「カレーがおいしかった」、「カレーを食べた」というエピソードは、忍の利尋への感情を変えるほどのものかというと、弱い気がします。せっかく「お互いに同じ施設育ち」という共通点があるので、二人のふれあいやバックストーリーにそこを絡めると繋がりが見えてきそうです。
さいの
●採点
「好き」2.5「脚本」2.0
●自由感想
クソガキをクソガキと呼ぶことで利尋の懐の広さを感じられ、一つのセリフでセットアップさせるのもやり取りとしてスマートに思いました。
忍に利尋が翻弄されるかと思いきや、上手にいなしてカレーで手懐けていたのが印象的でした。この展開自体には面白さがあると思います。利尋のセットアップをいかに個性的にするかが、週末里親というテーマに繋がってくるのではと思いますが、できた親だなという印象でした。二人のやり取りだけで進められそうな分、カレーの使い所が定まらなくなった印象もありました。
最後、いってらっしゃいに忍自身がハッとするのは、10分の尺に対する忍の変化の度合いとしてはちょうど良いなと思いました。ここから逆算して内容を考えるのも良いと思います。
しののめ
●採点
「好き」2.5「脚本」2.5
●不明点・不自然な点
・利尋「じゃあ買い行こうか。忍くんの好きなもの教えてよ」敢えてでしたら申し訳ないのですが、買い「に or 物」行こうか、の脱字かな?と気になりました。
・忍「だから、なんでダメが理由言わないとさぁ」→「ダメか」の誤字かなと思います。
・「その上にとろりとカレーがかける。」→「カレーを」もしくは「かけられる」でしょうか。
●自由感想
・バトル部分が派手なドタバタ劇になっており、華やかで楽しめました。修正のあり方として大変勉強になります…!
・忍の生意気で口の回るキャラクター性も魅力的でした。
・前半が特に魅力的になった分、柱8以降がややベタな展開で失速気味にも感じてしまいました(あくまで相対的に、ですが…)。忍を諭す部分がそこまで目新しさのない一般的なお説教にとどまっている印象があったので、忍の「偽善者」という印象を覆す(きっかけになる)ような一言などがあっても良いかもと思いました。利尋の出自がより明確に示されたので、例えば「利尋も単なる真面目な大人なのではなく、昔は忍並みにませた面倒な子供だった」こと等を忍に感じさせて親近感を抱かせるような発言であったり、同じような出自だからこそ出てくる、説得力のある諭しの言葉などがあっても良いかもと思います。くすぐりで打ち解けるのも微笑ましくはあるのですが、ややクリシェ的かなとも感じます。
・利尋も園のカレーは好きじゃなかったという設定にしても良いかもと思いました。そうでない場合、園のカレーと利尋のカレーに大きな差が出ない気もして…。園のカレーは微妙だったからこそ利尋なりに改良した、という流れの方が、忍との共通点も更に増えますし、施設OBという設定の意義も更に増すかもしれません。
山極瞭一朗
●採点
「好き」2.3「脚本」2.3
●自由感想
利尋と忍のバトルが主軸になり、読みやすくなったと感じました。 とはいえ、忍の感情の変化が唐突だったという感じは拭いきれませんでした。「偽善者」と言い放っていたところから、また来たくなるまでの間があまりないことが原因かもしれません。1日でそこまで打ち解けるものかと。 利尋側の視点で描くなら、忍はただのやんちゃ坊主くらいでもよかったのかもしれないと思いました。 柱11の、「夜の帳が落ち、各部屋に明かりが灯っている」というト書きは大変勉強になりました。感情のあるシーンではないですが、端的に情報が示されており、情景がすぐに浮かびました。見習わねばと思う次第です。
詩舞澤沙衣
「利尋が忍の首根っこを捕まえる」 の箇所、 私が普段子どもを相手にする機会がないのでわからないのですが、ほぼ初対面の大人が、子どもの首根っこを捕まえるのか、気になりました。 「週末里親」の具体的な制度はわかりませんが、 首は神経が通っている場所で、怪我で大事になったら障害が残りそう、という印象を持ちます。(手を引っ張る、だと、忍の背が小さすぎて難しいのかもしれませんが)忍の「だから、なんでダメが理由言わないとさぁ」は、「忍「だから、なんでダメか理由言わないとさぁ」の誤字でしょうか?「家庭的なカレーってこと?」というセリフは、「家庭」を利尋カレーを作るという出来事から「知った」というのが端的に伝わるので、いいセリフだと思いました。
ChatGPT
〇問題点
展開がやや直線的でドラマの緊張感が薄い
・利尋と忍の関係性やカレー作りまでの過程がほぼ予想通りで、読者・視聴者が「次に何が起こるのか」とハラハラする瞬間が少ない印象です。
・例えばスーパーでのやり取りやカレー作りの場面で、もう少し意外性や忍の感情の葛藤を深めると、物語に厚みが出ます。
〇素晴らしい点
温かい人間関係と情感表現が丁寧で心に残る。
・利尋と忍の距離感の描き方、カレーを通じた信頼関係の構築が自然で優しい。
・特に「家庭的なカレー」「男の本気カレー」といった表現で、キャラクターの人間味がぐっと伝わってきます。
・読み手がほっこりした気持ちになる、脚本ならではの魅力がしっかり出ています。
〇次回作への応援
この作品は“心温まる日常の交流”を描く力が非常に高いです。次回作では、キャラクター同士の関係や出来事の中にもう少し予想外の展開や葛藤を加えると、温かさだけでなくドラマチックな深みも出せます。
あなたの描く“人間の優しさとユーモア”は唯一無二なので、次回作もその魅力を存分に生かして、読者・観客をぐっと引き込む物語を作ってください。
採点
| 初稿 | 修正稿 | |||
| 好き | 脚本 | 好き | 脚本 | |
| 雨森れに | 1.8 | 1.5 | 2 | 1.8 |
| 脚本太郎 | 2.3 | 2 | 2.5 | 2 |
| さいの | 2 | 2 | 2.5 | 2 |
| しののめ | 2 | 2 | 2.5 | 2.5 |
| 山極瞭一朗 | 2.3 | 2 | 2.3 | 2.3 |
| リーダー① | * | * | * | * |
| 平均 | 2.08 | 1.90 | 2.36 | 2.12 |
| 合計 | 3.98 | 4.48 | ||
