脚本添削『家族(仮)』(★5.02)

※このページで脚本が読めます(初稿と修正稿、PDF形式)。

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初稿(★4.66)

脚本_太郎15v1『家族(仮)-前編』(キーアイテム)_250826
脚本_太郎16v1『家族(仮)-後編』(キーアイテム)_250825

脚本太郎
●自己採点「好き」2「脚本」2
●ログライン100
現実から目を逸らしてスマホ依存に陥っている少年サトシは、ヒステリックな父とその恋人千代、彼女の連れ子であるヒトミ・ヒトシ姉弟たちと出掛けた先で遭難し、そこで母から執拗に虐待されるヒトミから助けを求められ、一度は背を向けるも、父からかけられた侮蔑の言葉やスマホの破損、熊の襲撃といった危機を通して思い直し、姉弟を助けて車で逃げ出す。(後編含む)
●フック/テーマ
家庭崩壊、スマホ依存、逃避行/家族
●ねらい/テーマ触媒
テーマ触媒:キーアイテム(スマホ)
ねらい:スマホをキーアイテムにした話を書く。
家族ものの話を書く
●感想
・家族ものの話を書く練習の意味も込めて書きました。慣れていないですが、普遍的な題材なので今後も数をこなして慣らしていきたいです。
・六枚ずつにもできたのですが、キリが悪かったため前編が六枚半くらいいってしまいました。申し訳ありません。
■後編
●自己採点「好き」2「脚本」2
●ログライン100
現実から目を逸らしてスマホ依存に陥っている少年サトシは、ヒステリックな父とその恋人千代、彼女の連れ子であるヒトミ・ヒトシ姉弟たちと出掛けた先で遭難し、そこで母から執拗に虐待されるヒトミから助けを求められ、一度は背を向けるも、父からかけられた侮蔑の言葉やスマホの破損、熊の襲撃といった危機を通して思い直し、姉弟を助けて車で逃げ出す。(後編含む)
●フック/テーマ
家庭崩壊、スマホ依存、逃避行/家族
●ねらい/テーマ触媒
テーマ触媒:キーアイテム(スマホ)
ねらい:スマホをキーアイテムにした話を書く。
家族ものの話を書く
●感想
・家族ものの話を書く練習の意味も込めて書きました。慣れていないですが、普遍的な題材なので今後も数をこなして慣らしていきたいです。
・六枚ずつにもできたのですが、キリが悪かったため前編が六枚半くらいいってしまいました。申し訳ありません。

テーマ触媒2:「脚色」「二面性」「キーアイテム」「サイレント」

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雨森れに
『家族(仮)』 初稿
全体を通しては皆様が言ってくれているので、ログライン、フック/テーマ、カタリストは前後分けてみました。
●採点
「好き」2.8「脚本」2.5
●ログライン100
前編:山で立ち往生してる上に母親に殴られたヒトミが、母親の恋人の連れ子であるサトシに、家に帰るまで兄でいてほしいと依頼する。
後編:車のエンジンがかかることに気づいたサトシが、熊に襲われそうになっている家族のうち、ヒトミとヒトシだけを助ける。
●フック/テーマ
前編:山の中でトラブル/毒親
後編:熊に襲われる/解放
●カタリスト
前編:柱3、エンジンから異音発生
後編:柱2、エンジンがかかる
●不明点・不自然な点
・子供たちと内縁状態の齟齬
内縁関係とは、婚姻の届出は出していないものの、婚姻の意思をもって夫婦として共同生活を送っている男女関係(https://www.dun-laoghaire.com/naien/)
他にも3年ほどの同居期間が必要とあるので、子供たちが変によそよそしいのが気になりました。年単位で一緒に暮らしている子供同士の会話ではないような。子供は別で生活しているとするとより説明が必要になるので、短編だと伝わらないかもしれません。
・圏外なのにゲームが続けられる状況
13歳の男の子が夢中になるゲームで、通信を全く必要にしないもののイメージが掴めず違和感がありました。映像で見ることを考えても「サトシはスマホ触れてるじゃん」とノイズになってしまいそうです。圏外というのも遭難において大事な部分だと理解できるので、通信を必要としない操作を考えてもいいかもしれません。アルバム写真見ているだけとか?
・柱5後半、動かない親
孝志が条件反射で体を動かせる(暴力をふるう)親だとセットアップしているので、呆然としたままなのに違和感がありました。千代も自分本位な性格だと読み取っていたので、ここで主張せず黙ったままなのも不思議です。孝志と千代がお互いに足を引っ張り合って車に近寄れないとかなら理解できます。より混沌とさせるためにそのあたりを争わせてほしい気もします。
・前編のサトシ、後編のヒトミ
あえてかもしれませんが、前編と後編で主人公が入れ替わっているように思えました。前編ではサトシの俯瞰的な性格をセットアップしただけで終わっており、後編に続く(ヒトミを救助するに至る)決め手がないように思えました。「ヒトミとヒトシが羨ましい。自分も家族が欲しい」というwant部分が欠如しているので、物語のエンジンがかかっていない印象です。
●自由感想
ベタな展開でありながら、さすがの筆力で面白く読ませていただきました。長台詞もなくなっていたので、シンプルに読みやすかったです。
太郎君はこういう「大人になるしかなかった子供」を描くのがうまいと思います。その反面、バックストーリーや設定がもう少し見えないとわかりにくい部分もありました。スマホ依存になるしかなかったサトシ。そのストーリーが見えるとキーアイテムとして活きてくると思います。
ラストはショートショートを沢山見て勉強しただろうなと思うオチでした。私もこういうタイプのオチが好きです。

さいの
『家族(仮)-前後編-』
●採点
「好き」2.5「脚本」2.5
●ログライン100
父と、内縁の妻の家族と共に山中を遭難しているサトシは、エンジンが故障して流れ着いた湖畔で内縁の妻が子供たちに暴力を振るのを目の当たりにする中、遭遇した熊を自ら車を運転して撃退し、子供達だけを車に乗せて走り出す。
●フック/テーマ
遭難、熊/児童虐待、子供の主体性
●カタリスト
エンジンが故障
●不明点・不自然な点
・山中を車で遭難するというのがリアリティのある話かどうか分からなかったです。
・スマホが特段キーアイテムである印象はなく、スマホ依存という設定も特段意味を持っていないように思いました。
・レーシングゲームであることは序盤から明示しておいた方が親切と思います。
●自由感想
・達観している子供と幼稚な大人という対比に作家性が現れていて、キャラクターの魅力があると思います。サトシが車で熊を跳ね飛ばして子供だけで走り出すシーンは痛快でした。長編のPP1の意識とは思いますが、エンジン後故障くらいから始めて前編でここまでやってしまって子供だけのこのドライブがどうなるのかの顛末を後半で描いてほしいと思いました。
・サトシが設定年齢の割に大人な口調であることが全体的なトーンを戯画的、漫画的にしていて、それによってサトシの突拍子もない行動や意味深な言動をなんとなく許容しているという部分があると思います。サトシの感情を観客が追うには、やや悪く働いている側面もあるかなと思いました。

しののめ
●採点
「好き」2.7「脚本」2.5
●ログライン100
被虐待児の中学生・サトシは、父、内縁の妻、連れ子の姉弟と共に乗っていた車が故障し、山中で立ち往生する。飛び交う暴言や暴力に無関心でスマホゲームに興じていたが、スマホを父に壊され、熊の襲撃を受けたことで勇気を出して車を運転し、姉弟を救って逃走する。
●フック/テーマ
虐待児、連れ子同士/毒親からの解放
●カタリスト
走行中の一台の乗用車。エンジンから異音を発している。
●不明点・不自然な点
・「遭難」という言葉がどこまでしっくりくるか人によって感覚が分かれる気もするので、使わなくても良いかもと思いました。
●自由感想
・面白かったです!ストレスとカタルシスのメリハリがあって楽しめましたし、オチが好きでした。台詞量などの面でも読みやすかったです。
・孝志と千代の空気最悪な口論にリアリティがありました。
・サトシが遊んでいるスマホゲームをレースゲームにして、早い段階で一度でもその画面をさらっと映り込ませても良いかなと思いました。
・無気力(諦念)と無関心の象徴であるスマホを、元凶である父親に破壊されたことで姉弟に関心が向き行動を起こすという流れは良いなと思ったのですが、キーアイテムというお題で書かれている分、キーアイテムとしての存在感がもう少し欲しい気もしました。ただ、罵詈雑言や暴力が飛び交い姉弟が怯える中、ひたすらゲームに集中する無気力な少年の様子は映像にすると異様さや背景が際立って分かりやすい画になる気がしました。

山極瞭一朗
●採点
「好き」2.1「脚本」2.0
●ログライン100
父親とその恋人家族と過ごすサトシは山で道に迷う。父親の狂気が露呈し、暴力に怯える中、血の繋がらない妹を救うために立ち上がる。
●フック/テーマ
山で道に迷う/虐待
●カタリスト
柱3.孝志、千代を滅茶苦茶に殴りまくる。
●不明点・不自然な点
実際に家族なのか、家族ではないのか、脚本から判断しにくかったように感じました。兄貴候補や兄妹になる見込みなどの言葉はありましたが、そこまで重きを置かれたセリフではないように感じ、スルーされてしまうかもしれません。父親とサトシが実の親子で、母親とヒトミ、ヒトシが実の親子ということを序盤でしっかりセットアップしておいた方がわかりやすい気がしました。 スマホが物語の中でどのように機能していたのか、あまり掴みきれませんでした。サトシがスマホゲームに熱中しているのみという印象です。
●自由感想
狂気を孕んだ家族の描写には独特なものがあり、個性が出ていると感じました。 その一方で、強烈なキャラを持つ父母と比べて、前半サトシはあまり動きがなく、感情移入できるか難しいかなと感じました。サトシの感情をより深く描けると、ラストの車で走り去るシーンの説得力も増すように思いました。

修正稿(★5.02)

脚本_太郎15v2『家族(仮)-前編』(キーアイテム)_2500930
脚本_太郎16v2『家族(仮)-後編』(キーアイテム)_250930

修正期間:2025.9.11→2025.9.30(19日)

脚本太郎
●自己採点「好き」2.5「脚本」2.2
●ログライン100
現実から目を逸らしてゲーム依存に陥っている少年サトシは、ヒステリックな父とその恋人千代、彼女の連れ子であるヒトミ・ヒトシ姉弟たちと出掛けた先で遭難し、そこで母から執拗に虐待されるヒトミから助けを求められ、一度は背を向けるも、父からかけられた侮蔑の言葉やゲーム機の破損、熊の襲撃といった危機を通して思い直し、姉弟を助けて車で逃げ出す。(後編含む)
●フック/テーマ
家庭崩壊、ゲーム依存、逃避行/家族
●ねらい/テーマ触媒
テーマ触媒:キーアイテム(携帯ゲーム機)
ねらい:携帯ゲーム機をキーアイテムにした話を書く。
家族ものの話を書く
●感想
・キーアイテムがスマホだと色々不自然になってしまうので、ゲームをすることに機能を限定した携帯ゲーム機に変えました。
・長くなってしまい申し訳ありません。元々枚数オーバーの作品扱いとのことなので、今回もパスしていただいても大丈夫です。

修正稿へのフィードバック

雨森れに
●採点
「好き」2.5「脚本」2.4
●良くなった点
・スマホをゲーム機に変えたことで電波などの違和感がなくなった。
・ヒトシとサトシの交流ができたことで、ヒトシがいるだけの存在からサトシの性格を掘り下げる要素になった。
・後編 柱6の孝志と千代にリアリティが増した
●自由感想
※応募作にするかもとのことなので、修正前提でお伝えします。
・実母のエピソード
同じ柱で湖のシーンに繋がるとリズムが狂う感覚がありました。長回しで場所を変えるにしても感情が途切れる可能性があると思います。
更に実母コンプレックスは主人公のCCになるので、前編にも匂わせたほうがいいと思います。その上で後編で感情を膨らませるほうが効果的かなと。
新しく追加したエピソードなので、構成を考え直したほうがより伝わりやすくなる気がします。
・ヒトミの鼻血
時間経過を考えると止まらなすぎなので、少し調整したほうがいいかもしれません。
全体的に初稿よりごちゃついている印象がありました。とくにサトシの感情面が共感しにくいと思います。
構成を変えたり伏線を張りなおしたりすれば、スムーズに進むかもしれません。
初稿から好きな要素が多い作品だったので、ぜひ応募してほしいなと思ってます。
とくに最後の「こんな世界から逃げ出そう」という雰囲気が好きです。更に修正を重ねるようなら読ませてください!

さいの
『家族(仮)-前後編-』 修正稿
●採点
「好き」2.5「脚本」2.5
●自由感想
サトシのセットアップを加えたかったと言う意図はわかりますし、それ自体は必要な部分だったなと思い、良くなった点だと思います。一方で、未整理度合いは初稿より増してしまったようにも思います。 ゲーム機に母の写真が貼ってあることと、行為としてのゲームにサトシが没頭することに関連性があるのか判然としませんでした。後半になってかなり感情を露わにするようになったサトシにちょっと付いていけない部分がありました。

しののめ
●採点
「好き」3「脚本」2.7
●不明点・不自然な点
・サトシ「どうしたっていうのよ。そんなに大事なの?それ」→ヒトミの台詞かと思います。
●自由感想
・知人の親がいわゆる毒親なのですが、知人から聞く親の言動とめちゃくちゃ似た台詞が入っており、リアリティがあるなあ…と思いました。
・サトシがゲームに逃げる理由(ゲームの存在意義)やゲームの喪失、ゲーム内展開の意味が深まっており、とても良くなったと思います。母親の写真のくだりはグッときました。ませて冷めている無気力なサトシの内面が感じられて良かったです。構成などの修正点は色々あるかもしれませんが、私も好きな作品なので応募を視野に入れても良いのではと思います。
・あくまで個人的な好みですが、女性言葉がちょっと多すぎるかもと思いました。特に、ませてるにしても12歳女子がその言い回しするかな?という点がちょこちょこあった気がします。展開が派手でぶっ飛び気味な分、細かい所でリアリティを高めるという意味では、そのあたりも再考されても良いかもしれません。

山極瞭一朗
●採点
「好き」2.5「脚本」2.3
●自由感想
キャラクターの関係性を示す台詞などが追加され、人物関係がわかりやすくなったと感じました。 一方で、サトシがゲームを大切にする理由として、聡子の登場は唐突感があり、雨森さんも仰っていたように、前篇での匂わせ、セットアップが必要だったように感じます。 ゲームの内容と現実がリンクする構成になったのは楽しく、『GAME OVER』ばかりだけど、現実は『GAME OVER』しないという対比が強調されていました。 スマホからゲームに変えたことで生まれた良い点だったと感じました。

ChatGPT
■ 一番大きな問題点(1つ)
暴力描写の「量」と「直接性」が、テーマの伝達力を一部で食ってしまっている点です。
この脚本の核は「壊れた大人たちの中で、子どもが“選ぶ”瞬間」にありますよね。
ところが前編〜後編にかけての暴力があまりに連続的・直接的なため、観る側が人物の心情、サトシの選択の重さよりも、暴力そのものへの反応(嫌悪・ショック)に引っ張られやすい。
特に中盤以降は、「もう十分に分かった」あとも殴打が続くため、ドラマ的な“加速”ではなく“停滞”に感じられる瞬間があります。
削るか、見せずに想像させる選択が入ると、テーマはむしろ鋭くなるはずです。

■ 良い点(1つ)
携帯ゲームを“逃避”から“選択”へ転化させた構造が、とても強い。
これは本当に良いです。
前編:ゲーム=現実を見ないための壁
後編:ゲーム機破壊=過去との断絶
クライマックス:ゲームで覚えた運転で“人を救う”
この一本の線が、
「この子は最初から優しくなかった。でも選んだ」
という物語を説明なしで成立させています。
特にラストの「鼻血くらい拭きなよ」は、説教でも感動の押し売りでもなく、
行動としての“兄”の誕生になっていて、とても映画的です。

■ 応援メッセージ
正直に言います。
これはかなり覚悟のある脚本です。
安易な救いも、分かりやすい善悪も置かず、
それでも「それでも前に進く子ども」を描こうとしている。
この態度は、才能以前に書き手としての姿勢が本物です。
荒い部分はあります。
でもそれは「未熟」ではなく、まだ削り切っていない原石の荒さです。
ここから削る作業に入れたら、この脚本はもう一段、確実に強くなります。
書き続けてください。
この作品は、「途中で投げたらもったいない」類の脚本です。

採点

初稿 修正稿
好き 脚本 好き 脚本
雨森 2.5 2.5 2.5 2.4
太郎 2 2 2.5 2.2
さいの 2.5 2.5 2.5 2.5
しののめ 2.7 2.5 3 2.7
山極 2.1 2 2.5 2.3
平均 2.36 2.30 2.60 2.42
合計 4.66 5.02

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