時は202X年、今よりもちょっと未来。子供達の間で“電脳メガネ”が大流行していた。この“電脳メガネ”は、街のどこからでもネットに接続し様々な情報を表示する機能を備えた、子供たちになくてはならないアイテムだ。現代の携帯電話のように普及し、ほぼ全ての子供が持っている。舞台は由緒ある神社仏閣が建ち並ぶ古都でありながら、最新の電脳インフラを擁する地方都市「大黒市」。小此木優子(おこのぎゆうこ) は、小学校最後の夏休みを目前に、父の仕事の都合で大黒市に引っ越すことになる。そこで出会ったのは、もう一人の“ユウコ”、天沢勇子(あまさわゆうこ) 。同じ名前で同じ歳だが全くタイプの違う二人。新しい学校で個性豊かな子供たちと出会い、電脳空間で次々と巻き起こるフシギな出来事を体験する。(Amazon商品解説より)
●1話~3話の感想・メモ
ジブリ臭の強いキャラクター。VR+妖怪ものという印象。メガネとたくさんの小道具。VR世界と現実世界のリンク具合がいまいち不明なときがあるが、描写は面白い。ただ、設定上だけで、表現自体は、子供向けの魔法やドラえもんの道具と変わらないといえば、変わらない。3話でもシリーズとしての明確なアクト2に入っていない。(2022/01/26)
●4話
アニメは3話目前後でPP1的な展開をすることが多いが、暗合屋?の転校生がやってきてから小学生の日常っぽい話の展開。前半でふっていた謎は中盤以降まで引っ張るのか。引っ張りが弱いと、ほのぼのアニメだな。(2022/01/28)
●5話-13話
ちまちまと、空き時間で見ていた。大きいミステリーがあいまいなまま、情報が細切れに提示されるので、エンジンとして中途半端にしか駆動していないのがもったいない。シリーズ構成に締りがないとも言える。設定のあちこちに隙があるのは作風自体がゆるいので見逃す気分になる(あるいは真剣に見れない)。話が夏休みに入ってから、12話の「ダイチ、発毛ス」は独特なシュール感があって面白かった。13話「最後の首長竜」はドラえもんを想い出す。一話完結型のパターンのがすっきりしている。(2022/02/24)
●14話-18話
シリーズのPP2に入ったかんじ。ここまで当たり前にでてきたキラバグとかいった言葉の説明を今さらというかんじがする。曖昧にしてきただけで、いったんはちゃんと提示して、それを裏返る設定を提示するべきだったと思う。こういうのを「設定隠し」という。最終的にどうなるかわからないが、仮想空間=死後の世界というセットアップは面白いが、そこをしっかりとテーマに据えて、前半からやっていれば、中途半端な、子供アクションに陥らない名作になれたかもしれないと思う。隠すタイミングが間違いだったと思う。この手のミスは日本アニメでよく見る。とはいえ、アクト3は少しわくわくする。
●19話-26話
都合の良い展開、都合の良いキャラクターの言動(なぜ、そのキャラがその情報を知ってる?とか不自然な点が多すぎる)、都合よく忘れてたり思い出したりする記憶、都合のいい後出し設定、それも説明セリフで片付ける、など、ストーリーは穴だらけだと感じる。題材はいいがストーリーアークに昇華しきれていない。ロボットアクションみたいな演出はいやにガンダムっぽいなと思ったら(ビームライフル、ファンネル、変形、デザインもエゥーゴっぽい)、監督がそういう人らしかった。アクション周りは結局、誰一人としてビームに当たることもなく、都合よく襲ってきて逃げて無理やり展開する賑やかしにしかなっていない。表面上はアクションさせてもストーリーは停滞しかしていない。もっとドラマに寄せた方がよっぽど見応えがあった。最後に集合的無意識にもっていくあたりは当時の流行りって感じがする。もったいないところだらけだったが、小学生が見るぐらいにはワクワクするだろうか。
緋片イルカ