習作朗読『夏のインフルエンザ』

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※どるどるさんはライターズルームメンバーではありません。オーディオドラマを学習中の方で発表の場として当サイトで掲載しています。

タイトル『夏のインフルエンザ』

ショートシナリオ
テーマ 花火
          作者 どるどる

本文

SE 蝉の鳴く声。
食器を洗う音
林田 う、う~ん。母さん……うるさいよ。
林田M 僕は食器を洗う音で目が覚めた。
慶子 お? やっと起きた?
林田 お、大家さん? なんで僕の部屋に? 
慶子 林田さんね、インフルエンザだってよ。あとでそこの薬飲んで。一晩中ずっと高熱でうなされて大変だったんだから。
林田 一晩中? なんで大家さんが僕の……その、お世話になりました。もう大丈夫ですので戻ってもらっていいです。
   SE 空砲が鳴る
林田 何の音?
慶子 あ、もうすぐ五時だ。そろそろね。
林田 あの~、何が、ですか?
SE 電気を消す。窓を開ける。
林田 な、なんで電気消すんですか? 
慶子 今日、花火大会なの。ここ来て初めてでしょ? この窓ならよく見えるから。
誠司 どうでもいいけどなんで僕の部屋で。
慶子 何ぶつぶつ言ってんの?
誠司 いえ、あの、大家さん、花火ならご自分の部屋で見られたらどうかと。
慶子 はぁ? 私の部屋はね一階なんだよ? 花火なんか見えるわけないじゃない!
誠司 あ、そ、そうなんですね~ははは。
SE 花火が上がる
慶子 ほら始まったよ! きれ~い!
誠司M それは迫るように迫力のある花火だ   
    った。
誠司 わぁ……すごい。
慶子 でしょ? だからここは特等席なの。
誠司M 僕は不覚にも、そう言って微笑んだ
    大家さんの横顔に釘付けになった。
誠司 ……きれいだ
慶子 ね。来年はビール飲みながら見ようね。
誠司 ええ……。えっ? 来年も?
慶子 うふふふふ
SE 激しく連発される花火

2024.8.22受領
2024.12.12公表

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