※このページで脚本が読めます(初稿と修正稿、PDF形式)。
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初稿(★4.82)
脚本_雨森33v1『ドライブ・トゥ・ヘル』(山)_250805
雨森れに
●自己採点
「好き」2「脚本」2
●ログライン100
山沿いの道で人を轢いてしまった燿大は、死体を刻んで埋めたあとに、自分の勘違いに気づき、車仲間の昇利に利用されたことを知ることなるが、昇利の通報により警察に捕まってしまう。/85文字
●フック/テーマ
殺人隠蔽/詐欺、裏切り
●ねらい/テーマ触媒
韓ドラ的展開を意識する/山
●感想
怒りを描くのが苦手だと気づきました。
あとは、もう少し人数減らさないと出しただけになっちゃうなと……
殺人の動機とか、主人公との関係性をもう少しクリアにしたいと思ってます。
いろいろと要素が停滞してるというか、スムーズじゃないので修正でどうにかしたいです。
テーマ触媒8:「山」「父親」「アクション」「ビジュアライズ」
フィードバック
脚本太郎
●採点
「好き」2.5 「採点」2.3
●ログライン100
山道を車で走行中、飛び出してきた女性を轢いてしまったと思い込んだ燿大は、通りすがりのタクシー運転手則文から死体を隠した後、解体して山に埋めるが、その帰り道に則文一家に嵌められたと気付いて彼らに食って掛かるも、その場に到着した警察に捕まる。
●フック/テーマ
死体隠しのスリル/罪の擦り付けと隠蔽
●カタリスト
柱2: 黒い影が飛び出してくる。
●不明点・不自然な点
・燿大が土木工事を請け負う自営業をしていふことと、依田が昇利の彼女であることが、本文を読んでも分からないのと、必要不可欠な設定にも感じないのでいっそ人物表からその要素を消してしまっても良いのではないかと思いました。
・柱6で燿大が何を確認しているのかと、「カーブでライトが消えたままなんておかしい」という言葉の意味が分かりませんでした。ただぼくが上手くイメージてきてないだけで映像になれば分かるのかもしれませんが、文章で読むと個人的には不明瞭でした。
●自由感想
・ノコギリで地面を掘るのではなく遺体を解体してしまうという発想の転換が面白かったです。
・全体的にスリラーっぽい雰囲気が続いているのが好みでした。
さいの
『ドライブ・トゥ・ヘル』初稿
●採点
「好き」2.5「脚本」2.5
●ログライン100
人を轢き殺してしまった燿大は事故を隠すため山中に死体を埋め逃走するが、途中で出会った加藤によって罪をなすりつけられたことに気づくものの、やってきた警察に逮捕される。
●フック/テーマ
深夜の山道/偽装殺人
●カタリスト
衝突音。
●不明点・不自然な点
・カーブでライトが消えたままなんておかしいんだよ、の意味が理解できませんでした。
●自由感想
・免許を持っていないからかト書きから位置関係を把握するのにとても時間がかかりました。トリックの中身も分かっていません。ただ、構成と夜道の緊張感の演出はうまくいっていると思いました。
・ミステリーとして作るなら、燿大が殺してしまったことについて、序盤で何か違和感を感じさせる要素を置いておくと、燿大の気づきの過程が分かってより良いかなと思いました。(夜中に女性が一人で飛び出てくる山道というのもそもそも違和感ですが)
しののめ
●採点
「好き」3「脚本」2.5
●ログライン100
夜の山道で女性を轢き殺してしまったと思い込んだ燿大は、咄嗟に解体して埋めるも、事故直後に通りかかったタクシーの挙動の不自然さに気づく。麓まで降りた所でタクシーを見つけ、嵌められたことを問い詰めるも、駆け付けた警察に連行される。
●フック/テーマ
事故、殺人隠蔽/殺人罪の転嫁、罠
●カタリスト
衝突音。
●不明点・不自然な点
・かなり細かいのですが、柱4、掛かってきた電話であるにも関わらず燿大が前のめり気味に口火を切っているのでしょうか。それとも電話を掛けた側でしょうか。状況が若干分かりづらいように思いました。
・柱5「折り畳みノコギリ(と)取り出す。」誤字がありました。
・折り畳みのこぎりを画像検索したのですが、これでどこまで掘れるのかなというのは若干気になりました。
・すごく細かいですしどうとでもなる範囲かもですが…。燿大の様子を観察してちょうど良いタイミングで警察を呼び、燿大を連行させる所までが加藤家の作戦なのかなと思ったのですが、真貴子の「ちょっと、気づかれたんじゃない!?」で真貴子が計画内容をどこまで認識しているかよく分からず、若干気になりました。真貴子としては、燿大を足止めせず単に見届けてから通報という認識だったのでしょうか。
●自由感想
・事故シーンの緊迫感が伝わってきて非常に楽しめましたし、展開も面白かったです。
・マイナスドライバーで掘ろうとするのはなかなかですが、動転ぶりを表す描写としては面白いなと思いました。
・この脚本で話がある程度完結している、中身が分かるようになっている、というよりは、長編の一部という感覚で読みました。人物表を見ずに読むと4人の関係性がほぼ分からないので、人物設定がまだあまり活きてこない段階かと思いますが、この前後に明かされていくのかと思うとワクワクしますし、読みたくなりました。
・私もペーパードライバーなのでライト云々の話にすぐにはピンと来なかったのですが、「加藤の車が夜すんなり走り去ったのであれば一度ライトが見えなくなっても再度見えるタイミングがあった筈なのに、そうではなかったから、走り去らずに近くで待機していたのでは?」ということでしょうか。柱6ではそれを検証していたという認識です。であれば、柱3「ライトが遠ざかり、カーブで見えなくなる。」のところで、燿大がそれを見届けているト書きがあっても良いかもと思いました。またかなり微妙なラインですが、燿大を検証行動に向かわせる為のきっかけとして、柱5と6の間か柱6のカーブを曲がったあたりで、燿大が行先の地形を見てはっとする等の描写があっても良いかもです。接続がスムーズじゃなくなるかもですが。。
山極瞭一朗
●採点
「好き」2.5「脚本」2.3
ログライン100
夜道をドライブしていた燿大は、人を轢き殺してしまう。気が動転して、死体を埋めるが、加藤に嵌められたと知る。しかし手遅れで、逮捕される。
●フック/テーマ
殺人の隠蔽/フックと同じ
●カタリスト
柱2.衝撃音
●不明点・不自然な点
加藤が燿大をどのように嵌めたのか、いまいち状況が理解できませんでした。また、昇利と燿大の関係性も曖昧な気がしました。 昇利が誤って恋人を轢き殺し、その罪を燿大になすりつけたということでしょうか。動機なども判然とぜず、加藤家の立ち位置があまり読み取れなかったです。 長編の一部として捉えたとき、燿大が轢き殺してから隠すまでの葛藤を中心に描き、加藤家は顔見せ程度にとどめるのもありかと思いました。
●自由感想
情景描写が丁寧にト書きされており、どのような状況に燿大が置かれているのか、リアルに伝わってきました。 また、この後の展開が気になりました。逮捕されてからどうなるのか、加藤家とのバトルはどのような広がりを見せるのか。先が読みたくなるような脚本でした。
詩舞澤沙衣
車仲間であるふたりがかなり年齢差ありますが、どういう関係性でしょうか?(もともとSNSで付き合いがあったとか?)年齢差に意図があるのでしょうか?マイナスドライバーや折り畳みのこぎりで穴を掘るというのがイメージがわかなくかったです。簡単な土木工事を請け負う自営業なら、普段からスコップの類を持っていてもおかしくないのでは? と思ってしまいました。(折り畳みのこぎりは、死体切断での証拠隠滅を匂わせるのには必要な要素だとは思います)。トランクのなかを物色するところで、のこぎりの存在を描写して、穴を掘ったあとにとりに行く、でも描写としては問題ないのかな、と思いました。あまりタイトルの「ドライブ・トゥ・ヘル」のニュアンスがピンときませんでした。地獄という言葉で形容されるような展開とは、あんまり思えなかったです。
ChatGPT
🎯最大の問題点:
物語の核心(死体の正体・加藤一家の秘密・燿大の真相)があまりに不明瞭すぎて、観客の共感・感情移入が難しい。
つまり、何が起きているのか、誰が味方で誰が敵なのか、物語の中核となる謎や対立構造が掴みづらく、全体が「ただ不気味で怖いだけ」の状況説明になってしまっています。
結果、燿大の苦悩や加藤家の闇の重みが伝わりにくいのです。
✅改善案(3つ)
① 脚本の早い段階で、死体や事件の背景を匂わせる「キー情報」を配置する
たとえば、燿大が電話で息子昇利との約束をキャンセルする際、なにか意味深な会話や微妙な違和感を差し込む。
または、加藤家がただのタクシー一家ではなく、何か秘密を抱えていることを示す細かな描写を入れる。
この「謎の種まき」が観客の好奇心を掻き立て、物語全体に引力を生みます。
② 燿大の感情を掘り下げて「何が彼を追い詰めているのか」をより丁寧に描写する
例えば、事故後の混乱だけでなく、「過去に昇利と准との関係がどうだったのか」「なぜ彼がこんな行動に出ているのか」を、回想やモノローグ、あるいは会話で少しずつ明かしていく。
観客が彼に感情移入し、最後までハラハラできるようにするためです。
③ 加藤一家の視点や思惑も断片的に入れて、多層的な人間関係の網を張る
現状、加藤夫妻と昇利の役割や思考が説明不足で、ただ“謎の存在”にとどまっています。
妻と夫のちょっとした会話や視線のやりとり、昇利の行動の意味を少しだけ示唆することで、
物語の厚みと緊迫感が増し、「誰が何をしているのか」を観客が追いやすくなります。
📣応援メッセージ
れにさん、
あなたの脚本は、暗闇の中で揺れる灯りのように、緊迫感と不穏な空気を見事に操っています。
「なにが起きているのか分からない恐怖」と「登場人物の感情の不安定さ」を巧みに絡める力は、一朝一夕では身につかないもの。
今はまだ謎の輪郭がぼやけていても、それがはっきりしてきたとき、あなたの作品は一気に凶暴なまでに惹きつける魅力を放つでしょう。
焦らず、丁寧に謎を解きほぐし、感情の根っこを掘り下げていけば、もっと強い「逃げ場のないドラマ」が生まれます。
このまま真っ暗な夜道を突き進んでください。灯りを頼りに、必ず素晴らしい物語の出口が見えます。
全力で応援しています。
修正稿(★5.04)
脚本_雨森33v2『ドライブ・トゥ・ヘル』(山)_250823
修正期間:2025.08.14→2025.08.23(9日)
雨森れに
●自己採点
「好き」2.2「脚本」2.2
●ログライン100
山沿いの道で人を轢いてしまった燿大は、殺人隠蔽のために死体を刻んで埋め、アリバイ作りにタクシー運転手に話しかけた際に自分の後輩である昇利が関わっていたことを知る。/81文字
●フック/テーマ
死体遺棄/殺人隠蔽
●ねらい/テーマ触媒
死体が飛び出してきたトリックを明らかにする/山
●感想
最後にフラッシュを使ってしまいました。
実は長編作品の冒頭として考えていました。殺人犯側(加藤一家)と死体遺棄側(燿大)の戦いの始まり的な。喩えると『正体』のような話を想定していました。
なので、初稿の感想をいただいたときに皆様さすがだなと想った次第です。
(単に私の書き方が荒くてそう読めただけってのもあると思います。いつもありがとうございます)
修正稿へのフィードバック
脚本太郎
●採点
「好き」2.7 「脚本」2.6
●自由感想
・冒頭で真貴子と昇利が依田の死体を投げるシーンなどのセットアップが追加されたことによって、初稿より引っ掛かりなく読むことができました。
・加藤一家の中でも、加藤と真貴子、昇利の間で犯罪への意識が全然違うなどの落差が描かれていて、長編にしたらそういうところでも人間ドラマが描けそうだと想像が膨らみました。
・柱9の、昇利が車に戻ってないことが分かるツイストが、緊迫感が出ていて良かったです。
・セットアップが増えたのは良かったのですが、柱1の「准ちゃん、ごめん。ごめん……」や柱5の「あんたも。カッとして殺すのはだめでしょ」など少し説明的な台詞も目立つ気がします。柱5の台詞に関しては一般論ではなく真貴子ならではの異常な台詞を言わせて、ついでに昇利が依田を殺したと分かるようにするくらいが理想かなと思います。
さいの
●採点
「好き」2.5「脚本」2.5
●不明点・不自然な点
・鞄を見て加藤家の企てに気づくというフラッシュの意図がちょっと分かりにくいかなと思いました。フラッシュを使わないで気づけるようにした方がベターと思います。
●自由感想
・初稿の緊張感はそのままに、より引っ掛かり少なく出来事を追うことができました。
・加藤家側の視点が加わったことで、加藤家の企てに燿大が陥れられたことが分かりやすくなりました。昇利と真貴子のやり取りなどもフックとして機能していると思います。
・個人的にはトップシーンは依田を押し出す前で止めて欲しかったです。そこが素直に3を付けられなかった要素の一つです。
・読者に開示されていない情報ばかりなのに、一つ筋を通すことでフックとして機能させてシーンを成立させているという塩梅の上手さが個人的な勉強ポイントでした。私がやってしまうアンチパターンは、情報開示されていないことがノイズになってしまい、説明過多になるというものです。
・関係ないですが鹿轢くところ改めて読んで、ゲットアウト思い出しました笑
しののめ
●採点
「好き」3「脚本」2.6
●不明点・不自然な点
・柱2、燿大が運転していることをト書きで記載しておいた方が良いかなと思いました。一瞬、停車中の車内かな?と誤解される可能性もあるかもと…。
・タクシーの運転手側の窓を軽く叩く。」→不要な記号がありました。
●自由感想
・真貴子の「お前が言うな」感や、ろくな人間が出てこない感じが面白かったです笑
・真貴子と昇利の力関係や感情の違いも感じられるようになっていて良かったです。
・柱3のタクシーには加藤しか乗っていない(?)ことや、柱5のタクシー運転手の顔は見えない(?)ことを記載しておいた方が親切かもと思いました。
・関係性の設定が読み手にも伝わる本文となり、今作単体としての満足度は上がったように思います。一方で、あくまで燿大視点で物語が進み、事情がすぐには明かされない初稿もワクワクして好きでした。ただ、加藤家vs燿大の長編の冒頭とするのであれば、やはり先に両者間の関係性が分かっていた方が良さそうですよね。。初稿を利用する場合は、その前に仲良さげな燿大と昇利のシーンやエピソードがあると良いのかなとも思いました。
山極瞭一朗
●採点
「好き」2.5「脚本」2.4
●自由感想
加藤家の中で、真貴子と昇利の感情の違い、ズレみたいなものが描き分けされており、そこが今後の展開に活きてくるのだろうと推測しました。ただその分、加藤の存在がやや薄くなったように感じました。 また、冒頭のシーンが追加されたことで、燿大の置かれた状況が理解しやすくなりました。加藤家もさることながら、燿大もかなりクレイジーで、初稿に引き続き、先が気になる終わり方でした。
ChatGPT
✨ 素晴らしい点
まず、冒頭から観客を一気に物語に引き込む力が圧倒的です。山中の暗闇、死体を抱えた親子、そして車の走行音が近づく――という緊迫感の演出が非常に巧みで、映像が頭に浮かぶほど鮮烈でした。
また、「偶然の事故」と「隠蔽」というテーマを軸に、人間の本性をあぶり出す構成が光っています。燿大の錯乱と必死さ、加藤一家の冷静さと底知れなさの対比が、サスペンスとしての厚みを増していました。
さらに、終盤に向けての収束が見事です。昇利の葛藤と裏切り、依田の鞄が象徴的に残される演出、そしてサイレンの音と共に崩れ落ちる燿大――まさに「地獄へのドライブ」のタイトル通り、避けられない破滅に収束していくカタルシスが強烈でした。ラストの「憐れむように見つめる加藤一家」という静かな余韻も、観客に深い印象を残すと思います。
🚗 次回作への応援
今回の脚本は、サスペンスと人間ドラマを高いレベルで融合させた傑作でした。特に「音(走行音・サイレン・怒声)」の使い方が効果的で、映像化したときに強烈な臨場感を生むと確信します。
次回は、このサスペンス力を活かしつつ、また違うジャンル――例えば日常のなかに潜む狂気や、逆に静謐な人間関係の崩壊など――を描かれると、新しい魅力がさらに引き立つのではないでしょうか。
雨森れにさんの作品は「緊張感の設計」と「人間の暗部の描き出し」が際立っています。きっと次の作品でも、観客を息を詰めさせるような世界を見せてくださると信じています。これからのご執筆、心から楽しみにしております!
以上
採点
初稿 | 修正稿 | |||
好き | 脚本 | 好き | 脚本 | |
雨森れに | 2 | 2 | 2.2 | 2.2 |
脚本太郎 | 2.5 | 2.3 | 2.7 | 2.6 |
さいの | 2.5 | 2.5 | 2.5 | 2.5 |
しののめ | 3 | 2.5 | 3 | 2.6 |
山極瞭一朗 | 2.5 | 2.3 | 2.5 | 2.4 |
リーダー① | * | * | * | * |
平均 | 2.50 | 2.32 | 2.58 | 2.46 |
合計 | 4.82 | 5.04 |