※このページで脚本が読めます(初稿と修正稿、PDF形式)。
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初稿(★4.50)
脚本_さいの13v1『イグアナ』(はじまり)_251006
さいの
●自己採点
「好き」2「脚本」2.5
●ログライン100
実業家の娘・瑛子と結婚した和樹は、妻の父・幹雄のパワハラに辟易して疲れ果てていたところ、妻・瑛子の余命宣告にかこつけて離婚できることに気づいて、自らの幸運を祝う。
●フック/テーマ
余命宣告/結婚生活
●ねらい/テーマ触媒
はじまり/これから何かが始まるという予感を描く
●感想
これから何か始まりそうな感じだけで描き始めました。韓流ドラマの『涙の女王』からインスピを受けています。あと文字情報の禁術を使ってます
テーマ触媒3:「回想」「ミステリー」「はじまり」「おわり」「いちばん書きたいもの」
フィードバック
雨森れに
●採点
「好き」2.2「脚本」2.2
●ログライン100
不倫している和樹は、妻の余命半年を受け、心配する素振りを見せるが、半年後に不倫相手との旅行計画を立てる。
●フック/テーマ
不倫と妻の余命宣告/普遍的テーマ:解放、時代的テーマ:保険金
●カタリスト
柱3、瑛子から余命半年と告げられる。
●不明点・不自然な点
・ログラインと一致しない
いつも作品を拝読してから作者のログライン&人物表を確認するのですが、自分の認識と違う点が多かったです。以下、ログラインと自分の印象を挙げてみます。
①幹雄は実業家でパワハラ気質→普通のお金持ちか政治家で親バカ(というよりこのぐらい心配するのが普通の範囲内)
ここで婿養子だというのが明かされるので、後出しな感覚がありました。主人公が感じているマイナス部分のセットアップはwantに直結するのでできればカタリスト前が感情移入しやすくなると思います。
②疲れ果てている→婿養子の手前、苦手意識がある程度?
不倫シーンで我を押し通す様子があったので、疲れ果てている印象を持てなかったです。幹雄を見た時の和樹の反応、特に「ゲッ」という部分は疲れ果てているというより苦手に思っている人間の反応に思えました。序盤に瑛子との会話でセットアップするか、幹雄に対する反応を微調整すると違和感なく入ってきそうです。
③離婚できることに気づく→妻とは死別できて、保険金も手に入る
瑛子の押しが強くて離婚できない、もしくは義実家が離婚を許さないということなら離婚できることに気づいて喜ぶかもしれません。ですが、今回の流れだと、ログラインで表す要素としては「離婚」は的外れかもしれないなと感じました。
・保険とイグアナが直結しない
イグアナ=美桜、保険=保険金が入るから海外旅行に行ける、と読み取りました。
ですが、イグアナのほうが保険成立しており、美桜にはその描写がないのですぐに読み取ることはできませんでした。このあたりを平塚との関係性とともに整理すればより伝わりやすくなるかもしれません。
●自由感想
確かに韓流ぽいし、何かが始まりそうでした!
財産分与でマンション貰って、保険金で豪遊みたいな展開を見たくなりました。
今回実験的に、テーマを普遍的と時代的で挙げさせていただきました。
何かの参考になれば幸いです。
https://irukauma.site/iruka/story/literature/15949/
ちなみに時代的の候補は「婿養子」「不倫」なども考えましたが、一番ストーリーに関わっているのが「保険金」でした。時代的で取るには少し古いかなという印象です(言い方悪くてすみません!)
もしここを「最新医療」などに置き換えられたら更に何かが始まる予感がするかもしれないなと思いました。
米俵
●採点
「好き」2.6「脚本」2.3
●ログライン100
不倫をしている和樹は、妻の瑛子の余命を聞かされ、心配する様子を見せるが、半年後の不倫相手との旅行計画を立てる。
●フック/テーマ
不倫・余命宣告/真の愛と偽の愛
●カタリスト
瑛子「私、もう長くないんだって」
●不明点・不自然な点
・ログラインとの相違は私も気になりました。特に幹雄のパワハラと離婚の部分は読み取ることが出来ませんでした。
・全員のセットアップが出来ていないまま、次から次に人が出てきてしまっているように感じました。もう少し絞るとスッキリして、それぞれのキャラが活きてくるのかなと思います。
・韓流ドラマっぽいセリフや動作があると感じたのですが、それを日本人がやると、不自然にうつるかもしれません。(日本版スカイキャッスルの時に感じたので…別の意味では楽しめたのですが)
●自由感想
長編のワンシーンと考えると面白い流れだなと思ったのですが、10分脚本と考えると盛り込み過ぎてしまった印象を受けました。ねらいには沿っていて、何かが始まるという予感もありました。また、イグアナと金魚の差は、個人的にはキャラの性格が表されているようで好きでした。イグアナの意味など、考察好きな人も楽しめる内容だと思いました。
脚本太郎
●採点
「好き」2「脚本」2
●ログライン100
会社の後輩と不倫する和樹は、妻の余命が半年と聞き、心配する振りをするも、彼女がいなくなるとそれを喜び、不倫相手と海外旅行する予定を立てる。
●フック/テーマ
不倫/保険金
●カタリスト
柱3: 瑛子「私、もう永くないんだって」
●不明点・不自然な点
・ログラインから判断すると和樹が義父からのパワハラに疲弊して、妻の死を喜んだようですが、そのセットアップが最初になかったため、柱7の流れが急展開に感じました。奥さんと別れたいという理由が義父からのパワハラによるものというのも分かりにくかったです。
・イグアナの下りや平塚の登場など、全体的に処理が追い付いていない感じで統一感が欠けるように思いました。
・余命僅かなので仕方ない部分もあると思いますが、瑛子の、旦那さんが自分の父親に結構酷いことされてるのにそこまで意に介してない感じが少し気になりました。
●自由感想
・保険金、不倫、イグアナなど、色んな要素が出てきて、ショートとしてはまとまりがないかもしれませんが、長編なら「この後これらがどう繋がるのだろう」と興味深く読める内容だと思いました。
しののめ
●採点
「好き」2.3「脚本」2.3
●ログライン100
職場の後輩と不倫している婿養子・和樹は、妻が余命半年と宣告され、実業家の義父に激しく詰られたことから吹っ切れてしまう。不倫相手の誕生日を祝い、妻の死後に海外旅行へ行く約束をする。
●フック/テーマ
余命宣告、パワハラ/不倫
●カタリスト
瑛子「私、もう長くないんだって」
●不明点・不自然な点
・すぐ直る→すぐ治る、かなと思います。
・このお話だけを読むと、幹雄パートやイグアナの入れ方が若干唐突にも感じました。でも前振りなどは入ってますし、映像で見たら気にならないのかもですが…。平塚が幹雄に対抗心を抱いてそうにも見えるので、今後幹雄に対する復讐などで活きてくるのかな?と思いつつ。この後平塚が活躍し、イグアナも上手く活用されるのであればとても面白い作品になりそうです。
・「辻田さんちのとはまた違うだろ?」という発言から、幹雄ももう少しイグアナ寄りの生物を飼っているのかなと思ったのですが、金魚だったので「また違う」というより結構違うな…という印象を受けました。私だけかもですが…笑
・めちゃくちゃ的外れかもしれないのですが、ログラインと本編の機序が若干違うというか、噛み合っていない部分があるようにも感じました。パワハラに疲れ果てているという情報が事前にセットアップされているというよりはMPで発覚したように感じるのと、余命宣告にかこつけて離婚する(妻が死ぬ前に?)というより、妻の死後に保険金を受け取って海外旅行に行こうとしているのかな?と。和樹が元から離婚する気満々だったのか、病気が発覚して一旦は揺らいだのか、なども、意図しているものと描写されているものが嚙み合っているのか少し気になりました。
●自由感想
・起きていること一つ一つが派手で引きがあるなと感じました。波乱の幕開けという雰囲気は非常に出ていたと思います。
・和樹のクズっぷりが振り切っていて清々しいなと思いました。痛い目見てほしいです笑 一方で、幹雄のせいでよりこうなってしまってる側面もあるんだろうな…という説得力もある内容でした。
山極瞭一朗
●採点
「好き」2.3「脚-本」2.3
●ログライン100
実業家の娘と結婚しながらも浮気をしている和樹は、妻の瑛子が余命宣告を受けたことを喜び、浮気相手の美桜と祝杯をあげる。
●フック/テーマ
余命宣告/愛
●カタリスト
柱3.瑛子「私、もう長くないんだって」
●不明点・不自然な点
平塚の役割があまりよくわかりませんでした。始まりということで、今後に何か大きな役割があるのかもしれませんが、登場することで和樹に及ぼす影響といったところが読み取れなかったです。タイトルのイグアナを飼っているからこその深読みもあるかもしれません。 また、和樹「この特約は⋯⋯」のセリフは瑛子の余命宣告と何か関係があると考えましたが、つながりがわからなかったです。これまた深読みかもしれません。
●自由感想
カタリストが早く、それこそ韓ドラのような展開のはやさで進んでいった印象がありました。先が気になる終わり方で、何かが始まる予感を感じ取れました。一方で、登場人物が多く、セットアップが追いついていないように感じました。瑛子に対する愛はないけど、積極的に話すのはどうしてなのか。実業家の娘だから機嫌とっている、みたいなところをシーンとして描かれていたら行動理由が理解できていたと感じました。そもそもタワマンに住めているのも和樹の稼ぎによるものだと思っていました。 現状、美桜にも瑛子にも愛があると映っており、その後の高笑いが唐突だったという風に思いました。
修正稿(★4.90)
脚本_さいの13v2『イグアナ』(はじまり)_251103
修正期間:2025.10.15→2025.11.03(19日)
さいの
●自己採点
「好き」2.5「脚本」2
●ログライン100
実業家で多忙な日々を送る妻・瑛子の身の回りの世話をしながらも瑛子からぞんざいな扱いを受けている夫の和樹は、瑛子の余命宣告を受け、半年経てば保険金を受け取って自由になれることを知って、不倫相手・美桜と祝杯を上げる。
●フック/テーマ
余命宣告、保険金/支配と解放
●ねらい/テーマ触媒
テーマ触媒:はじまり
ねらい:何かが始まる予感を描く
●感想
瑛子と和樹の関係性自体を和樹の抱える問題として設定し、ログラインもそれに準ずる形にしたつもりです。瑛子自身のキャラに説得力を持たせるためには、セットアップが足りないように思います。
修正稿へのフィードバック
雨森れに
●採点
「好き」2.5「脚本」2.4
●良くなった点
・和樹のwant(離婚したい)がわかりやすくなった。
・柱3にイグアナが追加されて、緊張感が出た。話の導入として雰囲気が出た。
・イグアナと瑛子を重ねているのがわかりやすくなった。
●自由感想
細かいセットアップが追加されて、初稿よりも感情移入しやすかったです。
瑛子の設定が大幅に変わったことで、幹雄のキャラクターにも説得力がありました。親を見て子供の言動に納得するように、子供側の設定で親も設定できると改めて感じました。
イグアナが小道具として全面に出て雰囲気がある一方、金魚が若干ノイズというか意味を探してしまいそうな小道具に感じました。イグアナと人間の食事シーン、金魚の餌やり、顧客のイグアナを用いてどう表現したかったのか。そこを定めた上で、イグアナの性質を描写すると更に雰囲気出せそうですね。
米俵
●採点
「好き」2.6「脚本」2.5
●自由感想
・瑛子の設定が加わり、不倫や高笑いなど、和樹の行動に説得力が出たと思いました。
・関係性が分かりやすくなり、飼育と支配が上手く噛み合うようになったと感じました。今後、どのように展開していくのか凄く気になります。
脚本太郎
●採点
「好き」2.5 「脚本」2.5
●自由感想
・和樹の家庭環境がセットアップされたことで、高笑いのシーンに共感することができました。
・柱3で、一言くらい自分の家のイグアナに触れても良いように思いましたが、後半でイグアナが出てくる唐突感はなくなり、平塚の「お宅のより立派か?」という台詞も不自然でなくなりました。
・イグアナが瑛子のメタファーである、というのが伝わってきて、イグアナ登場の意義が感じられるようになりました。
しののめ
●採点
「好き」2.5「脚本」2.5
●自由感想
・瑛子の設定が変わり、非常に読みやすくなりました。和樹が日頃から不倫に走っている理由、および感情の変化や強化、柱7での高笑いにも更に説得力が生まれたと思います。
・個人的に、平塚「こいつは俺がいなきゃ生きていけねえ。~」のくだりが妙に好きでした。急にしみじみと語り出す様子やイグアナマニアな雰囲気、美桜の「素晴らしいです」という相槌も含めてどことなく面白みを感じました。この台詞が今後どのように活きてくるのか気になりました。
山極瞭一朗
●採点
「好き」2.5「脚本」2.4
●自由感想
瑛子のキャラクター設定が変わったことで、和樹の肩身の狭さが際立つ形になっていたのがよかったと感じました。それにより和樹のセットアップがなされたように思い、高笑いのシーンにうまく繋がったように感じました。 一方で、和樹の家にイグアナがいることが何かの暗示になっているのか、そうでないのか、あまり読み取れなかったです。公衆の面前で暴力を振るう幹雄の言動も、地位のある人がそんなことするかな?と違和感を抱きました。 ただ和樹に感情移入できるようになったことで、より今後の展開が気になりました。
ChatGPT
◎素晴らしい点
心理描写と生活感の描き方が秀逸
この脚本の大きな魅力は、人物同士の関係性や内面が、日常の細かい動作や会話を通して自然に描かれている点です。たとえば、和樹と瑛子の食卓のシーンや、美桜との軽いやり取りにおいて、登場人物の感情や立場が細やかに伝わってきます。台詞だけでなく、「シャクシャクという音」や「ため息」などの描写を使って感情の深みを出しているところがとても効果的です。
△問題点
登場人物の動機や背景がやや曖昧な部分がある
特に美桜や平塚の描写について、行動の理由や感情の変化が唐突に感じられる箇所があります。読者や観客にとっては、「なぜこの人物がこう動くのか」「なぜここでこの決断をするのか」が少しわかりにくい場合があります。ラブホテルのシーンや保険契約のシーンなど、伏線や動機をもう少し丁寧に描くと、人物の行動に納得感が増すでしょう。
◇次回作への応援
日常の会話や小さな仕草で人物の心を丁寧に描くセンスは本当に素晴らしいです。この力を生かして、次回作では人物の行動や選択の理由をもう少しクリアに描くことで、より観る人を引き込む物語になると思います。次の作品も、あなたらしい細やかな描写で、心に残るドラマを作ってください!
以上
採点
| 初稿 | 修正稿 | |||
| 好き | 脚本 | 好き | 脚本 | |
| 雨森れに | 2.2 | 2.2 | 2.5 | 2.4 |
| 米俵 | 2.6 | 2.3 | 2.6 | 2.5 |
| 脚本太郎 | 2 | 2 | 2.5 | 2.5 |
| さいの | 2 | 2.5 | 2.5 | 2 |
| しののめ | 2.3 | 2.3 | 2.5 | 2.5 |
| 山極瞭一朗 | 2.3 | 2.3 | 2.5 | 2.4 |
| リーダー① | * | * | * | * |
| 平均 | 2.23 | 2.27 | 2.52 | 2.38 |
| 合計 | 4.50 | 4.90 | ||
