この中で、どの映画が好きですか?
— イルカとウマ (@irukauma) 2018年10月30日
「ログラインを考える」シリーズで題材に使っている3つの名作映画について人気投票を行ってみました。
1位:『トイ・ストーリー』(1995年)
人気は言うまでもないかもしれません。
CGというだけでピクサーアニメは苦手という人もいますが、一度見てしまうと面白いと感じてしまう人も多いのではないでしょうか。
それはストーリーの強さだと思います。
トイ・ストーリーはハリウッド三幕構成に忠実に作られた脚本です。監督のジョン・ラセターがストーリーに拘ったことも有名です。
作り物のオモチャで、さらに作り物のCGである彼らに感情移入してしまうのはイベントやセリフがきちんと組み立てられているからだと思います。
2位:『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(1985年)
世代によっては見たことがないという人もいるかもしれませんが、今見ても色褪せない面白さがある映画だと思います。
むかしはよくテレビで放映されてましたが、最近では見ない気がします。
分析してみると、ものすごく特殊な構成をしてました。
細かいセットアップとペイオフ(フリとウケ)も巧みなのですが、それ以上に構成上、アクト3が2つあるような作りがとても面白いと思いました。
クライマックスが2つあるようなもので、同じ型を持っている映画は「ライアーライアー」(1997年)です。
ハリウッド三幕構成の弊害として型にはめ込みすぎてしまうということがありますが、その枠組みからズレている面白さはもっと研究されていいように思います。
3位:『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』(1977年)
アンケートをとったときに、エピソード4に限定してしまったせいで結果は悪くなってしまったのかもしれないなと思います。
エピソード4だけを見るとどうしても古さが目立ってしまいますね。スターウォーズシリーズとすれば得票数は増えたと思います。
監督のジョージ・ルーカスは『千の顔を持つ英雄』を書いたジョセフ・キャンベルの学生であり、スターウォーズを書くときに神話学の考え方(今で言えばビートシート)を応用したことは有名です。
ハリウッド三幕構成の実例として、最初に勉強にするにはわかりやすく教科書のような作品だと思います。
近年の新しいシリーズでも全く同じ型で創られていて、かつ面白いことが驚きでした。
どれも名作なので順位にはあまり意味はないと思います。単純に年代の新しい順とも言えるかもしれません。
これらの映画を面白いと感じる方、そういうものを書きたいと思う方は、ぜひそこに共通して使われているハリウッド三幕構成を知ると、より面白い見方ができるようになると思います。