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2019年5月24日 22:28 #4598みみたぶ
イルカ様、分析ありがとうございます。
わたしの方でも当作、分析していましたので大変参考になりました。とくにアリソンがサブプロットのキャラクターだというのは盲点でした。
アリソンは最後までガッツリ出てきますのでメインプロットのキャラクターだとばかり思っていました。
アリソンをサブプロットの登場人物としたのは本作のテーマが「人生を楽しめ」であり、恋愛はその一要素でしかないため、アリソン関係の話はサブプロットが妥当、という判断からなのでしょうか?
それとも単に登場のタイミング的にサブプロットであると形式的に判断して良いものなのでしょうか?ビートに関してもわたしの分析と一致しない点がありました。ミッドポイントとビッグバトルです。
わたしはミッドポイントは0:55:30のハリウッドホールのシーンが妥当かなと判断しました。
理由としては
1.アリソン関係をメインプロットとして見ていたので恋が成就した時点を宝物の入手と捉えていた点
2.レッドブルのシーンをフォール開始と捉えるには弱いと感じた点。のちのシーンで登場する飛び降りを図る若者がより強烈な〈死〉を連想させるため
3.バイク
作品を横断してバイクのシーンが挟まっているのだからピンチのような小さなイベントとして捉えるべきではない?
というのがありました。
こう捉えていたために「フォールはどこで誰が迫り来る『悪い奴ら』なんだ?」と混乱したんですね。オールイズロストが分かり易かったためミッドポイントからオールイズロストまでが窮屈でした、ビッグバトルについてはわたしはラストのラスト、アリソンに謝るシーンがそうだと思っていました。
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2019年5月26日 23:34 #4615
みみたぶさん、分析ありがとうございます。
アリソンをサブキャラクターとしたのは、アクト2に入ってから登場しているキャラクターという理由です。
この映画はアクト1~ミッドポイントまでは、主人公の人生が好転していく上りのアーク、
ミッドポイント~オールイズロストまでは、アリソンの愛を得るという別プロットという感じがしました。
後半では明らかにメインキャラなので、アリソンはメインキャラクターと呼んでしまってもよいと思います。サブプロットが後半ではメインプロットになってくるという展開がコメディ映画にときどきあります。
ジムキャリーの『ライアーライアー』でも「弁護士の仕事」と「家族の愛を得る」という2本のプロットがあって、ミックスプロットと呼んだりします。
この映画でも、ミッドポイントの後は「裁判シーン」をやっていて弁護士映画のようで、アクト3では思い出したかのように「家族の話」に戻ります。でも違和感はあまりありません。実は『バックトゥーザフューチャー』もこれに近い型で、ミッドポイント~オールイズロスまではダンスパーティーのシーンで「父と母をくっつける」イベントがあり、ビッグバトルは「未来に戻る」ための車のシーンがあります。
主人公のWANTが2つあって、どちらも比重が大きい場合など、プロットが2本あるように見えます。こういうミックスプロットの場合、「フォール」からアークが始まるというよりは、別プロットが始まるという感じなので「アリソンとの再会」を起点と捉えられれば、落ちている感じはなくても、構成上の切れ目にはなっていると思います。
ただ「YESの呪い」という魔法のランプというストーリータイプにのっている点では、翳りが見え始める点かなと感じたので、感覚的にとりましたが、「アリソンとの再会」をフォールとしても良いと思います。みみたぶさんの仰る「死を連想させる」という定義はブレイク・スナイダーの「迫り来る悪いやつら」にありましたか??
僕は、「フォール」ではあまり死のイメージはあまりないような気がします。
「オールイズロスト」や「ダーク・ナイト・オブ・ザ・ソウル」では死の匂いがするという書き方をしている本を見掛けた記憶がありますが、これも必ずしもではないなと感じて、僕はあまり重要だとは感じていません。もし「ダメ男が、必ずYESという言う誓いに従って、アリソンの愛を手に入れる」というログラインであれば、アクト1からアリソンを登場させて、次のような構成になってきます。
アリソンにアタックするけど拒否される(カタリスト)
→YESの誓いを立てる(PP1)
→アクト2に入ってアリソンの気持ちが傾いてくる(バトル)
→ミッドポイントでキス。(ここがハリウッドホールでもいいと思います)
→何でもYESと言っていただけとバレて、うまくいかなくなる予感が「フォール」などとなってくると思います。それならアリソンとのラブストーリーに見えると思います。
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2019年5月27日 00:04 #4617
ビッグバトルに関しては、後半はアリソンとの関係がメインのプロットになっていると感じたので僕も「アリソンに謝りにいくこと」が大きなバトルだと感じました。
たぶんストーリーでビートをとるなら、その方が良いと思います。ただ映画では演出上でもビートを作っていて、どっちかというとこっちが優位なことが多いので、ある程度は型式的にとっててしまった方がわかりやすい時がよくあります。そういう意味ではなれないうちは、時間軸を目安に捉えてしまった方がわかりやすいときもあります。
その方向で、もっと割り切ってとるなら、落ち込んでいる状態のところへ「友人から電話がきて結婚パーティーのことを思い出す」あたりをターニングポイント2=ビッグバトル開始ととらえてしまってもいいと、今は思いました。
その場合「ビッグバトル」は友人や銀行員としての出世など、アクト1で得たことの集大成のようなシーンになっています。そうなると「元妻とのキス」は、ツイスト(ブレイクスナイダーがいうところの高すぎる塔)で、本当の自分の気持ちに従ってアリソンに会いに行くとなる……。
よくビッグバトルでは「パーティー」のシーンというのがあるのですが、ここにアリソン自体も呼んでしまう展開にしていれば、このシーン内で、いろいろと処理できたようにも思います。そうしていれば「ビッグバトル」感がもっと出たかもしれないなと思ったりします。
ピンチに関してはかなり形式的にとっています。
「ピンチ」はシドフィールドの考えですが、一般的にはビートとしては認知されていないので、曖昧な作品も多くあります。シドフィールドの本を読んでから、意識してみたら、ピンチに該当するものがよくあるので、僕はビートとして入れてしまってます。 -
2019年5月27日 00:08 #4618
僕は分析家とかそれを講習にしたいとかを目指している人間ではないので、定義づけることより、よくある定義や解釈とのズレから、その物語の独自性や、失敗していると感じるところが見えてくるのが面白いなと思っております。
あたりまえですが、僕の意見もけして答えとかではないので、みみたぶさんが自分の中でしっくり来る捉え方がみつけられるのが一番だと思います。
いろんな人の意見を聞くのは僕もとても参考になるので、こういったコメントいただけるのは嬉しいです。
以前は仲間内で勉強会といって、同じ作品を分析して、ああだこうだ言って飲む会を定期的に開いていたのですが、今はなくなってしまって。ネットを使いながら、そういった環境作りをしていきたいなとも思っているのですが、模索中です・・・。
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