合評会における理念のようなもの

※以下は合評会における理念です。創作されない方、読書会のみに興味のある方はお気軽にご参加ください。

合評会ではプロットや作品を見せあって、みんなでいいものを創り上げていくという作業をしています。

「著作権」ということを気にされる方もいるかと思いますが、この会では仲間内の「信頼」だけをベースにしています。

初回参加で「盗られる」といった心配を感じる方は提出しないでください。こちらも信頼がないまま見せられて、後でたまたまアイデアが被ったときなどに文句を言われても困りますので、心配なうちは提出しないでください。

また、言うまでありませんが、提出してくださってる方は「信頼」して提出してくださっているので、盗らないでください。

とはいえ、「盗る」「盗られる」という基準は、実はとても曖昧です。曖昧ゆえ、世間でもいろいろな揉め事が起きています。

よく言われることですが「過去の作品」と似ていないストーリーなど、ほとんどありません。皆無と言ってもいいかもしれません。

オリジナルを考えたと思っても、知らないだけで、自分と同じストーリーはどこかにあるでしょう。

だからこそ「自分が何を書きたいのか?」ということが、とても大事だと思います。

たとえば「織田信長」を扱っていても、いろんなストーリーがあることを想像してみてください。

同じ「題材」で書いても、作者が変われば「視点」が変わるのです。

「読書会」「合評会」ともに三幕構成を入口として「構成」を重視していますが、それは構成には力学のようなセオリーがあって客観性があるので、アドバイスや手助けをすることが出来るからです。

けれど、作者が「何を書きたいか?」が定まらなくては手伝うことはできません。

「織田信長」をヒーローとして描きたいのか、悪魔として描きたいのかで構成は変わります。どう描くかを決めるのは作者です。

創作活動は、とても孤独です。

だからこそ、仲間がいることで助けられることが、たくさんあります。

仲間と呼べるようになるにはお互いの「信頼」が必要でしょう。

何度か顔を合わせる「時間」によって、相手の人となりがわかり、築かれていく部分がありますから、何度か参加されて「信頼できる」と思ってから作品を提出いただければ構いません。

また、会の目的に対する「信頼」もあると思います。

つまり「何を目指しているのか?」で、その集まりが信用できるかどうかが見えてくるものです。

参加費などいただきませんし金儲けが目的ではありませんし、どこかの団体への勧誘などではありません(※その手の活動は僕自身大嫌いですし、そういった目的の人は参加を認めません)。

フリースペースのレンタル代を気遣ってくださる方もいますが、そういった小さな金額よりも、もっと大きな目標をもって開いています。

それは、願わくば「参加してくださった方が世に出ていって欲しい」ということです。

僕(イルカ)自身、現在はコンクール応募をして、受賞を目指しています。

僕が先に出ることができれば仲間を引っ張り上げたいと思っていますし、僕より先に出られそうな人がいれば、どんどん押し出したいとも思っています。

けれど、数人の選考委員が選んで与える賞や、本の売上げだけが、物語の価値ではありません。

文学が目指すものはコンクールなんかの先にあると思います。

歴史のような過去からの視点で考えていただければ想像していただけると思いますが、物語の価値はもっと大きく強いものだと、僕は考えたいし信じています。

この意味では、同時代に生きているだけで、同じ船に乗っている仲間みたいなところもあると思っています。

ライバルとか敵のように見ることはしませんし、仲間にもしないで欲しいと思っています。コンクールで競うようなことがあれば、どっちかが通れば大歓迎です。

理想はあくまで理想なので、大きく掲げつつも、現実問題は大事です。だからコンクール応募をして受賞を目指しています。だけど、ほんとうに目指すべきはその先です。

それが何かは、作者の「何を書きたいのか?」に尽きるのです。一人一人ちがうでしょう。

それでも「物語の力」のようなものを信じられる人であれば、仲間になれると思っています。

僕は性格的にも「群れる」ことは苦手なので、仲良しこよしのようなノリや馴合いは求めていません。

けれど、しっかりした目標をもった方には、ぜひとも仲間になってほしいと思っています。

いろいろ書きましたが、実際の会ではこのようなアツくるしいことは言いません笑

「ヤル気のある奴しか来るな!」とか「共感できる人だけ来い!」といった意味は全くありませんので、ご安心下さい。

それぞれのペースで、それぞれの目標に進んでいける会にできればいいと思っていますし、基本的には楽しんでいただければ幸いです。

まったく違う考え方の人にいらしていただいて、僕の考え方が変わっていくのも成長だとも思っています。

ここでは、人を集めるからには、会の意図や、理想としての方向性を表明しておこうと思い、書かせていただきました。

緋片イルカ 2021/02/01