書籍『殺された側の論理』藤井誠二(読書メモ)

奪われた「日常」を生きる
「山口県光市母子殺害事件」ほか、犯罪被害者遺族の終わりなき闘いと苦悶

「愛する妻と娘の仇は自分の手で取りたい」。山口県光市母子殺害事件の遺族・本村洋さんが、慟哭と絶望の果てに心に刻み込んだ思いを犯人はどう聞くのか? 凶悪犯罪の犠牲者遺族が赤裸々に語る、大切な人を奪われた喪失感と加害者への憎しみ。そして、尽きることのない苦悩。遺された者たちは悲憤をまとい、煩悶しながら生きていく。滋賀県大津市少年リンチ死事件ほか、100を超える犯罪被害者遺族を取材し続ける著者渾身の社会派ノンフィクション。

●山口県光市母子殺害事件:遺された本村洋さんの孤高の闘い
●滋賀県大津市少年リンチ死事件:息子のために阿修羅とならん
●群馬県高崎市青年「事故」死事件:警察に「殺された」息子よ
●東京都足立区女性教師殺害事件:殺された側に「時効」はない
●兵庫県稲美町少年リンチ死事件:加害少年とその親の責任

※本書は単行本『殺された側の論理 犯罪被害者遺族が望む「罰」と「権利」』(2007年3月・講談社刊)をもとにし、単行本『少年に奪われた人生 犯罪被害者遺族の闘い』(2002年8月・朝日新聞出版刊)から「第四章 加害少年とその親の責任」(本書第5章)と「第五章 妻と娘を殺した少年に死刑を」(本書第1章の一部分)を付け加え、加筆修正、再編集をして文庫化したものです。

一個人の感想:
ノンフィクションなので内容に良し悪しなどはない。被害者遺族の言葉は、物語内で人を殺すなら知っておくべき声だと思った。エンタメ作品など、無頓着に書いている作家が多い。遠い国の戦争の話より、日本での痛ましい事件の方がリアルで読んでいて重苦しいが、だからこそ目を背けていけないものでもあるとも思う。犯人を殺してやりたいと思うきもちは、被害にあったことのない人間が、頭で考えるだけでは理解しえない、凄まじいものがある。法律や理性のブレーキがなければ復讐してしまうかもしれない。争い、紛争の根源にある、この感情と向かうことは、分断の根源にあるテーマでもある。

★現在、執筆中の小説の参考のため「少年犯罪」「ひきこもり」を、舞台のため「水不足問題」を題材にした作品、ドキュメントを探しています。ご存知の方、オススメのある方、よかったら教えてください。内容まで、すべてチェックしきれるかはわかりませんが、参考にさせていただきます。

緋片イルカ 2021/06/06

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