村上春樹からボブ・ディランまで。世界で話題の文学は、こんなにも面白い!
毎年10月に発表される、ノーベル文学賞。その候補者と噂される作家ばかりを紹介した文学ガイドが登場! 27カ国38人の作家を、早稲田大学、東京大学、学習院大学、一橋大学などで教鞭をとる専門家たちが、プロフィールから有名作品の見どころまで、わかりやすく解説されています。それぞれの代表作のあらすじ、日本語訳がある作品リストはもちろん、「この作家が好きな人は、他にこんな本を読んでいます」という読書案内までカバー。(Amazon商品の説明より)
【38人の作家リスト(後編)】
以下に、書籍に挙げられている作家と代表作をリストアップします。
・括弧内は生年と出身国。
・「作品の特徴」は引用。
・「日本語で読める作品リスト」は任意に選びました。
・人数が多いので前後編に分けました。
・書籍にはより詳しいデータも載っていますので、興味のある方はぜひ書籍をご覧下さい。
・リストの前編はこちらへ
ボブ・ディラン(1941年、アメリカ) ※2016年にノーベル文学賞受賞
作品の特徴:これまでの歌詞とは異質の「詩」を歌い、ポピュラー・ミュージックを革新し、詩が歌と同じ「声の文化」であることを再認識させた。
日本語で読める作品:
ウィリアム・トレヴァー(1928年、アイルランド)
作品の特徴:普通の庶民が対人関係を結ぶのに感じる難しさや、ふと湧き出す欲望や悪意、後悔や諦念といった心理を、断罪のない静謐な筆致で描く。
日本語で読める作品:
マーガレット・アトウッド(1939年、カナダ)
日本語で読める作品:
セース・ノーテボーム(1933年、オランダ)
日本語で読める作品:
アモス・オズ(1939年、イスラエル)
日本語で読める作品:
ハビエル・マリアス(1951年、スペイン)
日本語で読める作品:
ペーター・ハントケ(1942年、オーストリア)
日本語で読める作品:
レス・マレー(1938年、オーストラリア)
日本語で読める作品:
アリエル・ドルフマン(1942年、アルゼンチン)
作品の特徴:近代化の潮流の波間に葬られ忘却の淵にある多くの死や過去の意味を徹底して追求、現実と非現実が混在する不可思議な状況に読者を誘う。
日本語で読める作品:
ジョン・アッシュベリー(1927年、アメリカ)
作品の特徴:征服欲旺盛な批評家にとっては難解。その他の読者にとっては愉快。
日本語で読める作品:
カズオ・イシグロ(1954年、日本) ※2017年にノーベル文学賞受賞
作品の特徴:平明な文体を用いて、過去への人間の執着と同時に人生の虚しさが、主人公による信頼できない一人称の語りを通じて描き出されている。
日本語で読める作品:
ジュノ・ディアス(1968年、ドミニカ共和国)
作品の特徴:オタク的な知識を散りばめたスペイン語混じりの英語で、魔術的リアリズムに学んだ手法を使ってドミニカ共和国の暗い歴史に切り込む。
日本語で読める作品:
ジョン・バンヴィル(1945年、アイルランド)
作品の特徴:主要作品の多くは一人称の語り手をもつ。彼らの記憶で染色した言語の糸を、バンヴィルは鮮やかに紡ぎ出す。
日本語で読める作品:
コルム・トビーン(1955年、アイルランド)
作品の特徴:失ったものの大きさや自分が過去に行った選択に対して感じる不安と、どうにか折り合いをつけていく心の密やかな働きをすくいとる。
日本語で読める作品:
ウラジーミル・ソローキン(1955年、ロシア)
作品の特徴:倫理、道徳などの制限もなく、テーマを変えて繰り広げられる悪趣味かつ皮肉に満ちた、小説の概念すらも破壊する作品群の迫力。
日本語で読める作品:
パスカル・キニャール(1948年、フランス)
作品の特徴:古典的な諸芸術を「読み直し、書き直し」営為を通じ、哲学と文学の境界を越えた「言語の彼岸」を追及する。
日本語で読める作品:
イスマイル・カダレ(1936年、アルバニア)
作品の特徴:アルバニア現代史や神話・伝説を題材に、自伝的なものから幻想性の強いものまで多彩な作風を持つ作家。
日本語で読める作品:
ポール・オースター(1947年、アメリカ)
作品の特徴:アイデンティティをめぐるポストモダン文学の主題を受け継ぎつつ、シンプルな筆致と物語としての読みやすさを兼ね備えた「引き算」の発想。
日本語で読める作品:
トム・ストッパード(1937年、チェコスロヴァキア)
作品の特徴:言葉遊びなどウィットに富んだ会話で、哲学的論考や歴史認識を展開する知的遊戯とでも呼ぶべき戯曲を、さまざまな設定で描く。
日本語で読める作品:
みなさんが読んでみたいと思うような一冊が見つかったらなら幸いです。
明日は誰が受賞するのでしょうか?
一票いかがですか?
ノーベル文学賞、この中では誰が受賞すると思いますか? #ノーベル賞 #ノーベル文学賞
— イルカとウマ (@irukauma) October 9, 2019
●書籍紹介
ノーベル文学賞にもっとも近い作家たち いま読みたい38人の素顔と作品
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ノーベル文学賞を読む ガルシア=マルケスからカズオ・イシグロまで (角川選書)
緋片イルカ 2019/10/09
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