テーマ触媒13:「昆虫」「プロット指定」「姉妹」「匂い」

「ライターズルーム」における提出脚本のためのヒントです。

049「昆虫」

これまで「動物」と「植物」をやりました。

「昆虫」は好き嫌いの大きくわかれる生物です。

ある人には可愛いペットに見えても、別の人には嫌悪の対象で使い方によってはホラーにもなります。

蚊や蝶、ゴキブリのように都会でも見られる虫もいれば、蛍のように田舎を思わせる虫もいます。

日本は古来から虫との付き合いが深く、古典でも虫に関する歌が多いと言われます。

情緒的なセンスを働かすもよし、恐怖のホラーにするもよし、虫にまつわる人間ドラマを描くもよし。

050「プロット指定」

50本目なので特殊なテーマにします。

以下は、イルカが考えたプロットです。この展開通りの脚本を書いてください。

1:母親と夜泣きしている赤ん坊。

2:隣人が母親に苦情を言う。

3:翌日、どこかで母親が赤ん坊から目を離す。

4:隣人が赤ん坊を見つける。

5:母親は、隣人が赤ん坊を抱いているのを見る。

6:母親が、隣人から赤ん坊を奪い返す。

7:そのときの隣人の気持ちを描写。

8:夜。赤ん坊が、また夜泣き。そして……(ラスト)

母親や隣人のキャラクター、設定、動機などはすべて自由。

上記のプロットの段階を踏んでいれば、別のシーンが挟まったりしても構いません。

また(ラスト)の部分は、オチのつもりで何らかのシーンをつけ足してください。

ストーリーの展開を縛られた上で脚本を書くのは「描写」の練習であり、脚色の原理でもあります。

ただ、展開だけを見せていても、説明的な物語にしかなりません。

縛られた中で、どう魅力を生み出せるか。キャラクターの感情(キャラクターアーク)を組み立てることは「描写」に必須な能力です。

051「姉妹」

人間関係描写シリーズです。

主人公の性別は自由ですが、主人公に姉妹がいる設定にしてください。

「兄弟」では人数を1人と限定しましたが、今回は人数も自由とします。

姉妹がいる設定に終わらず、姉妹がいることで起きるドラマや、形成される性格、感情をしっかり描写してください。

人間関係シリーズは、地味なテーマですが、いろんな描写を練習することで、引出しが増えていきます。

作者自信に兄弟姉妹がいない人は、こういう感覚がすっぽり抜け落ちていることもありますので、どんな人間関係も描けるように練習していくことが大切です。

052「匂い」

過去にあげた「光と影」や「色」に比べると、匂いは映像表現が難しくなります。

アニメやマンガであれば色つきの煙のように描くこともできますが、今回はそういう表現はなしとします。

人間のリアクションを描写することで匂いを表現し、匂いがキャラクターの感情や人間関係にどう影響するかを描写してください。

よい香りでも、くさい臭いでも構いません。

くさいときの一番、クリシェな動作として「鼻をつまむ」というのがありますが、現実で「鼻をつまむ人」がどれくらいいるでしょうか? そうしてしまうようなキャラクターや状況がセットアップできているか、よく考えましょう。

また、どんな匂いかは工夫しなくては絶対に伝わりません。

コメディ的に、役者の大げさな表情で伝えることはできるのは「快/不快」の度合いだけで、匂いの種類までは伝わりません。

匂いの元を映像的に見せるとか、セリフで伝えるにも説明的にならず自然に観客に伝えるような描き方を工夫してみましょう。

イルカ 2024.4.6

テーマ触媒のリスト

1:「犯罪者」「コメディ」「ホラー」「ラブストーリー」
2:「脚色」「二面性」「キーアイテム」「サイレント」
3:「回想」「ミステリー」「はじまり」「おわり」「いちばん書きたいもの」
4:「ことわざ」「母親」「光と影」「何も起こらない話」
5:「モノローグ」「イケメン」「夏」「動物」
6:「海」「時代劇」「ブス」「タイトルオマージュ」
7:「音楽」「冬」「セクシーさ」「小説」
8:「山」「父親」「アクション」「ビジュアライズ」
9:「珍味」「春」「兄弟」「冒頭セリフ指定」
10:「想い出」「東京」「植物」「身体障害者」
11:「色」「パーティー」「手紙」「スポーツ」
12:「死んだ友人」「秋」「超能力」「逃亡者」
13:「昆虫」「プロット指定」「姉妹」「匂い」
14:「結婚」「AI」「不可能」「警察官」
15:「電話」「トラウマ」「雨」「当て書き」
16:「大きな決断」「登頂」「どん底」「夢オチ」
17:「ワンシチュエーション」「2人だけ」「視線」「手指」
18:「別れた恋人との再会」「キスシーン」「復讐」「ニュース記事から」
19:「殺人シーン」「病院」「飢餓感」「血」
20:「子供」「鏡」「恥」「自分をモデルに」

リハビリ:「模写」「半模写」「脚本起こし」「演出模写」

※書き方のルールなどについては「脚本作法」の記事も参照してください。

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