脚本添削『やめたわ』(★4.78)

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初稿(★4.00)

『辞めたわ』雨森れに(回想)d1_240320

雨森れに
●自己採点
「好き」2.3「脚本」1.2
●自由感想
友人が保護猫活動しているのと、最近定年退職なくなった企業が増えてきているらしいので掛け合わせてみました。
テーマ触媒である「回想」が上手く使えてないし、ちょっと間延びしている気がしています。

テーマ触媒3:「回想」「ミステリー」「はじまり」「おわり」「いちばん書きたいもの」

フィードバック

米俵
●採点
好き…2 脚本…1.5
●良かったところ・好きなところ
保護猫活動を取り入れた点
仏部長のキャラクター
●よく分からなかったところ・不自然だと思ったところ
イイヒトをやめるくだり
猫好きであれば、さくら猫野良猫関係なく良い顔をするかな…と。なので、ログラインにある野良猫にまで良い顔をして…というのは不自然。むしろ、野良猫は保護に値する猫なので、「お前もさくら猫にならないとな」ぐらいの声かけをするかな…と。
●ツイストアイディア+脚本プラス1点
みきさんと少しかぶりますが、保護猫活動に興味をもった斉藤が、もっとそれについて調べたりボランティア活動するなど猫に関わっていく。昔飼っていた猫のことを思い出すなどの描写。
そのため、部長がイイヒトを辞める流れはいらないかも?
回想を入れる位置。もう少し前でも良さそう。
●自由感想
保護猫活動なので、ちょっと熱くなって読みました。猫活動、早期退職、イイヒトを辞めるというのが盛り込み過ぎな気もしたので、取捨選択することで綺麗な流れになるかなと感じました。

月三
●採点
「好き」2「脚本」2
●良かったところ・好きなところ
仏だった斉藤のキャラクターと猫が絡むストーリーが好きでした。仕事の理不尽なシーンには共感できる部分もあり、いい上司な斉藤部長を応援したくなりました。
●よく分からなかったところ・不自然だと思ったところ
猫に餌をあげれず笑顔が消えたところ。少し意味が分かりにくく感じました。
●ツイストアイデア(自分ならこうするなど思い付きでOK)
回想の中で保護猫活動の話を聞くのみでなく実際にみたり、偶然参加してみたりするところから心境変化が生まれる。
●自由感想
斉藤や田中の第二の人生を応援したくなる心温まるストーリーでした。お局キャラもなんかこういう人いるかもと思えました。

石川
●採点
「好き」3「脚本」2
●よかったところ
さくら猫にエサをあげていたら、ノラ猫まで来てしまうシーン。斉藤「お前は……だめだな」がすき。
●わからなかったところ
なし。
●ツイストアイデア
↓と同じ。
●脚本がプラス1点されるには
斉藤はいい人をやめるわけなので、フリとして自分のお人好しさにうんざりしている描写をいれる。斉藤にとっての保護猫活動の意味を考える。新しいことへの熱意なのか、社会に貢献したいのか。また、斉藤が今の仕事をどう思っているかも考える。
●ミス?
なし。
●ビート
want:2ページ目、斉藤「俺も上の方に確認しておくから、田中くんのほうでも情報集めてくれないかな?」
カタリスト:1ページ目、画面には「定年退職制度廃止について」と大きく載っており、
●感想
回想をただ使うのではなく、次のシーンで心情変化に繋げてスムーズに処理しているのが、勉強になった。また、回想内で単に保護猫の説明をするのではなく、さくら猫の説明をすることで興味をひくのかと勉強になった。

修正稿(★4.78)

『やめたわ』雨森れに(回想)d2_240329
修正期間:2024.3.24→2024.3.29(5日)

雨森れに
●自己採点
「好き」2.4「脚本」1.2
●自由感想
斉藤がイイヒトをやめても結局イイヒト(狙いにあるイイヒトの意味・第二の人生)を崩さないよう、余計なやりとりをできるだけ削ってみました。
崩さないことを考えるとむしろ保護猫部分を全部削るべきかとも思ったんですが、ウケがよかったので(笑)そのままでできるだけ皆さんの意見を取り入れました。

修正稿へのフィードバック

米俵
好き…2.5 脚本…2.2
●良くなった点
ファイルの色の追加
イイヒトを辞める決断部分
初稿よりも斉藤の決断部分に納得出来、イイヒト度が増したと感じました。
●感想
ファイルの色にも意味を持たせている部分が凄いなと思いました。
斉藤には保護猫活動頑張って欲しいです。

月三
「やめたわ」2稿
●採点
「好き」3「脚本」2.8
●良くなった点
全体的にアクションとリアクションの流れがわかりやすくなり、斉藤の決断に納得感が強くなっていると思いました。
そのため保護猫やそうでない猫との触れ合いもより印象的なシーンに感じられました。

石川
●採点
「好き」3「脚本」2
●良くなった点
赤、青、緑のファイルが印象に残った。
●感想
赤、青ときたところで、マトリックスの赤いカプセルと青いカプセル(決断の意味)を思い出しました。色をキーアイテムとする方法もあるのだなと勉強になりました。

脚本太郎
好き…3 脚本…2
●良くなった点
斎藤が『縛られている』ことを自覚し、仕事をやめる決意を固めるところが初稿より納得の行くようになっていて良いと思います。
●自由感想
斎藤に『猫を救う・差別をなくす』とまで思わせるには、ちょっと猫との交流のエピソードが弱く感じました。別のエピソードや設定を追加するか、現状のものをもっと濃くした方が良いと思います。仕事をやめる決意をするところまでは凄く良くなっていたので、もう一稿くらい修正すればさらに面白くなるのではないかと思います。(別に敢えてやらなくて良いとは思いますが)

採点

初稿 修正稿
好き 脚本 好き 脚本
雨森 2.3 1.2 2.4 1.2
米俵 2 1.5 2.5 2.2
月三 2 2 3 2.8
石川 3 2 3 2
太郎 * * *3 *2
平均 2.33 1.68 2.73 2.05
合計 4.00 4.78

2024.4.23アップ

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『脚本添削『やめたわ』(★4.78)』へのコメント

  1. 名前:イルカ 投稿日:2024/08/03(土) 10:23:24 ID:239001489 返信

    1本中で要素が多すぎる。
    ①「定年退職制度廃止」→「辞める」
    ②「仏の顔」→「いい人を辞める」
    ③「さくら猫にえさをあげる」→「保護猫活動を決心」
    ④「小林幸恵に文句を言われる」→「やりかえす」

    これぐらいの要素が10分の中で処理しきれていない。上記の1つでいいから、ひとつひとつのセリフ、ト書きでのキャラクターの感情を丁寧に描く。

    それぞれの要素に関して言うと、
    分析表を見ればわかるとおり①がカタリスト、PP1っぽくて、一番メインストーリーに見えるが、その後の、「定年退職廃止」に対する戦いがない(その代わりが小林幸恵とのバトルになっている)ので、ストーリーの方向がブレてる。
    ツイストアイデア→小林幸恵ではなく「定年退職廃止」を決めた張本人と戦いに行く。ただし、この流れだと、保護猫とかは関係ない話。

    ②「仏の顔」のセットアップが不十分で、セリフ(理屈)で言っているだけになっている。仏=「この人、普通だったら怒るような状況でも、赦しちゃうんだな~」と観客が感じるようなシーンがなければ、観客は斉藤を「仏」と感じないので、部下たちが噂しているセリフなどが薄っぺらく聞こえる。
    ツイストアイデア→セリフではなく、シーンで観客に納得をさせる(これがセットアップの意義)

    ③保護猫活動は、田中のwantなので、そこに斉藤がのっかっていく違和感。回想がいつかわからないが過去に「田中に活動を勧められていた」のにに活動していなかった人間が「やろう」というきっかけが唐突で共感できない。
    ツイストアイデア→定年退職廃止のストーリーが動いている中で、唐突に猫が出てきている。構成上、トップシーンで猫との関係を見せて(wantとして保護活動したいなというセットアップを入れて)、定年廃止とか会社で嫌なことがあったのをきっかけに、「保護活動やるか」なら構成上は筋が通るが、それでも感情的なリアリティとして、僕は共感も感動もできない。世の中にそういう人はいると思うが、フィクションで見せる主人公としての意味が弱い。

    ④の小林幸恵の「文句」→「やりかえす」のくだりは、他の要素とも合っていない。①で言ったとおり、上司ならともかく、部下のお局をちょっとやりこめただけでビッグバトルみたいになっているのは弱すぎる。この話全体が、「困ったお局にみんなが苦労していて、仏の斉藤がついにやりこめる」という話とかもありえるが、ブレている。
    ツイストアイデア→お局対決をメインストーリーにするか、しないなら不要か?

    総じて、昨日伝えたとおり、いろんな要素をごちゃごちゃ入れて、ごまかしみたいなストーリーになっているので、しっかりシンプルなログラインを書いてください。ログラインの前提として、どんなストーリーが前提です。

    ①会社の定年退職制度廃止と戦うストーリー

    ②仏と呼ばれるイイヒトが、イイヒトを辞めるストーリー

    ③保護猫活動を決心するストーリー(それ相当のきっかけが必要)。

    ④お局と対決するストーリー

    ひとつ決めたら、そのメインストーリーに関係ないシーンは逃げだと思ってください。分析表で僕が拾ったような「何が起きているか」というイベントに注目して構成をつくってください。セリフやト書きを書いていると「何のシーンか?」忘れがちになりますが、この話の中で「斉藤が何をしているか?」に注目してみると、たいしたことをしていないので、「会社を辞めて保護猫活動に入る」展開についていけないし共感・感動できないのです。

    「イベント」で物語を組み立てるとか、シンプルなログラインを作るというのは、映画作品を分析をするときからの練習がつながってくるはずですので、日頃の分析をやっつけにしないように。