脚本添削『静かな竹藪』(★5.06)

※このページで脚本が読めます(初稿と修正稿、PDF形式)。

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初稿(★4.50)

脚本_米俵20v1『静かな竹藪』(回想)_20250512

米俵
●自己採点
「好き」2.3「脚本」1.5
●ログライン100
夫に裏切られ、猫を捨てられた祐子は料理に薬を盛り、動けなくなった夫を竹藪の中に拘束し、放置することで復讐を成し遂げ、夫の浮気相手の女にも電話をかける。
●フック/テーマ
竹を使った復讐/復讐
●テーマ触媒
回想
●感想
回想に繋がる流れが唐突で直接的になってしまったのと、柱5の部分がアッサリしてしまったのが気になるので修正で直したいと思います。
復讐の仕方と電話するシーンが伝わってくれると良いのですが…
宜しくお願い致します。

テーマ触媒3:「回想」「ミステリー」「はじまり」「おわり」「いちばん書きたいもの」

フィードバック

雨森れに
●採点
「好き」3.3「脚本」2.7
●ログライン100
夫に裏切られた上、愛猫を捨てられた裕子は、夫への筍料理に毒を盛り自由を奪い、竹の芽の成長が早いことを利用して殺すことで、復讐を遂げる。
●テーマ/フック
復讐/竹、筍
●カタリスト
突然、哲也の手が震えだす。
●不明点・不自然な点
・猫が唐突に感じました。柱2あたりで猫要素、おもちゃとか毛とかでいいので出しておくといいかも?
・浮気相手はまったくわからなかったです。多分ログライン見なかったら、アリバイ作りとか殺人で気が立つ中で日常に戻った要素と感じるかも。
・柱4が少しわかりにくかったです。このままでも何となくわかるんですが、時間や場所が違うので撮影の時に混乱するかも?と思いました。柱の立て方、いつの回想か、回想の中の時間経過の処理あたりがクリアになれば伝わりやすくなるかもしれません。
●自由感想
殺し方が美しく、情緒的な殺人だなと思いました。
「言葉をちぎっては別の火にくべました」とか、センス感じます。
おとぎ話に寄せているので、柱5は
裕子 「泣き暮らす女に、別の宝が言いました。『わたしに任せて』」
裕子が哲也の下にある竹の芽を撫でる。
哲也、芽に気づいて声を張り上げる。
裕子 「安心してくださいね。竹も勝手に育ちますから」
とかだと、米俵さんが気にしていたアッサリ加減も調節できるんじゃないかなー?と思いました。

脚本太郎
●採点
「好き」3.0「脚本」2.8
●ログライン100
夫の哲也に酷い仕打ちを受け、猫を捨てられた裕子は、筍に毒を盛って哲也を気絶させ、竹を使って復讐を果たし、さらにその浮気相手も手に掛けようと動く。
●テーマ/フック
復讐/竹を使った殺し方、冷静な復讐者というキャラクター
●カタリスト
柱2: 突然、哲也の手が震えだす。
●不明点・不自然な点
主な復讐の動機が猫を捨てられたことだと思えるのですが、その情報が出てくるのが少し遅いと感じました。
・裕子の年齢的に猫を捨てられたりしたのが結構前のことなのかと思うのですが、何でもっと早く復讐を実行しなかったのか気になりました。そこが分かると自身を竹に例えた台詞も活きてくると思います。
●自由感想
柱2で裕子が復讐者としての自分を竹に例えるような台詞があり、実際に復讐にも竹を使っているのがとても面白いと思いました。
裕子の復讐者でありながら冷静であるというギャップにキャラクターとしての魅力があると思います。

さいの
●採点「好き」2「脚本」2
●ログライン100
家の近くの竹藪で取れる筍を毎年楽しみにして暮らす裕子は、夫の哲也の筍料理に毒を盛って竹藪に連れだし、かつての哲也の悪行への復讐を行う。
●フック/テーマ
筍に毒を盛る/復讐
●カタリスト
裕子「美味しいでしょう」
●ルールミス
特に無し。
●不明点・不自然な点
・大植の読み方が分からなかったので、人物表にルビが欲しいと思いました。
・柱1の「家の近くには鬱そうとした竹藪が……」で、竹藪と家の位置関係をどう見せるつもりなのか脚本で指定があっても良いと思いました。見せたい絵としてどのくらい近くなのかが分かりませんでした。
・哲也の殺害方法は、成長する竹を使って四肢を引き裂いた?ということだと思うのですが合ってるか不安です。
●感想
哲也の悪行が多岐に渡りすぎていて、裕子の復讐の焦点が曖昧に映りました。猫を勝手に捨てたことだけにフォーカスした方がすっきりするように思います。
また竹を使った殺害方法についても、今ひとつ怖さが伝わりきらなかったと思いました。竹を使ってそんな風に殺せるんだっけ?という純粋な疑問があります。

しののめ
●採点
「好き」3.2「脚本」2.7
●ログライン100
浮気夫に最愛の猫まで捨てられた過去を持つ裕子は、夫の好物である筍料理に毒を盛り、近所の竹藪で竹に括り付ける。竹の成長速度を利用して夫を殺し、夫の浮気相手に電話を掛けて自宅に誘う。
●テーマ/フック
復讐/筍、竹、猫
●カタリスト
突然、哲也の手が震えだす。
●不明点・不自然な点
・「不仲のアラフィフ夫婦」に対する解像度が高くないので単なる疑問なのですが、こういう関係性にある夫婦(特に妻)ってこんな感じの喋り方になるんですかね…?若干年配っぽい印象や、昭和っぽい印象を受けました。
●自由感想
・不穏な雰囲気や描写が丁寧で、空気感が伝わってきて良いなと思いました。
・敢えてかもしれませんが、夫に料理を褒めるような言動をさせることで夫の悪質さが軽減されている印象を受けました。スマホをながら見したまま食事し、裕子の言葉にも生返事…などにすれば、何故か一人で饒舌に喋る裕子の不気味さが出るかもと思いました。また、柱6の電話先が浮気相手であることには私も気づけなかったので、夫がスマホを見ながら食事→苦しんでスマホを床に取り落とす→柱6で裕子が床に落ちたままのスマホを拾って操作し、画面を見て不機嫌そうに鼻で笑う(鼻を鳴らす等)→夫のスマホ画面を見ながら、自分のスマホで誰かに電話を掛ける(その際、浮気相手女性の名前も呼ぶ)、などにすれば、もう少し電話先の正体を匂わせることができるかもと思いました。
・猫の件と浮気の件で2軸が走っており、処理が難しいなと思いました。片方に絞ると殺害動機として弱い気もするので両方あっても良いかも?ですが、猫が主軸かと思いきや、最後は浮気相手に電話を掛けているだけなので、若干ブレている印象は受けるかもと思いました。回想の冒頭などで猫がいかに大切な存在だったかを強調するのも良いかもです。また、これはあくまで一案ですが、柱5のラストで突然裕子の足元に猫が出現し(いなくなった猫かは不明)、裕子が少し驚く→柱6で猫を抱きながら浮気相手に電話する、などもありかなと思いました。

山師ヤマ
脚本、楽しく読ませていただきました。
映像の質感まで伝わってくるようなシナリオでした。シチュエーションが絞り込まれているため、絵が浮かびやすく、スムーズに読むことができました。
裕子が復讐する動機も明確で、哲也が殺されるのは仕方ないなと思えるものでした。共感しやすかったです。
回想のシーンですが、わかりづらくなかったです。影絵で表現してほしい!と勝手ながら思いました。
わたしの読解力の問題かもしれませんが、最後の方の電話の意味が分かりませんでした。だれにかけているのでしょうか。(誰にもかけていない? 狂っているということ?)
犯行までになんの支障もないため、物足りなさを感じてしまいました。たとえば、哲也がうまくご飯を食べてくれないとか、筍を「お前も食べてみなよ」と渡したりとか。あとは、薬がうまく作用せず抵抗されてしまったりとか。そういう「上手くいかなさ」があると、もっとハラハラできるかなと思いました。
点数2.5/5点(好き度)

詩舞澤沙衣
誤解してしまったら申し訳ないんですが、「4回想」のなかの、「スマホ画面。女とのメッセージ。哲也が女と一夜を過ごす姿。」とありますが、この部分の「女」は裕子ではない、哲也の不倫相手という認識で合っていますか?(というか不倫の描写で合っていますか?)それと、哲也を毒殺?したのであれば、竹の芽の成長にも影響でないかな、と思ってしまったのですが、これは気にしすぎですかね?「6大植家・縁側(昼)」は、哲也の不倫相手の女を誘っている描写でしょうか?もしそうなら、スマホの画面をちらっと見せて、回想シーンと一致させると、わかりやすいのかな、と思いました。「2大植家・室内(早朝)」では、「筍をむく手元のアップ。ぐしゃっと筍がつぶれる。」とありますが、この「ぐしゃっと筍がつぶれる。」の部分を、後の復讐パートや「4回想」で、呼応するように描写するのもアリなのではないか? と思いました。(詩舞澤沙衣)

ChatGPT
一番大きな問題点
●テーマの不明確さ
物語の核心である「復讐劇」と「竹」の象徴性が融合しきれていません。竹藪の不気味さや竹の持つ生命力がドラマとリンクしているものの、裕子の行動原理がわかりづらく、感情移入しにくい点が問題です。
改善案
●竹の象徴性を強化する
裕子が竹に特別な想いを抱いている理由や、竹が持つ「強さ」や「しなやかさ」を強調するエピソードを入れましょう。例えば、竹を育てることで辛い現実を忘れようとしていたなど。
●裕子の心理描写を丁寧に描く
哲也への復讐心が育つ過程をもう少し細かく描きましょう。過去の回想シーンで、哲也の裏切りや猫を失った絶望が積み重なる場面を増やすと、復讐の納得感が増します。
●竹藪のシーンに不穏さを加える
竹藪がただの自然描写ではなく、「怨念の象徴」として機能するように、不気味な音や奇妙な現象を絡めてみてください。竹が「復讐の道具」となる必然性が強まります。
●応援メッセージ
「静かな竹藪」は、静けさの中に潜む狂気がとても魅力的ですね。竹が成長する姿に、裕子の心の闇が投影されているようで印象深いです。もう一歩踏み込んで、キャラクターの動機を強化すれば、さらに深みが増します!作品が完成するのを楽しみにしています。頑張ってください!

修正稿

パス

採点

初稿 修正稿
好き 脚本 好き 脚本
雨森 3.3 2.7
米俵 2.3 1.5
太郎 3 2.8
さいの 2 2
しののめ 3.2 2.7
Reader1 2.5
平均 2.72 2.34 #DIV/0! #DIV/0!
合計 5.06 #DIV/0!

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