脚本添削『スティール・ストール・ストールン』(★5.22)

※このページで脚本が読めます(初稿と修正稿、PDF形式)。

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初稿(★4.77)

脚本_山極06v1『スティール・ストール・ストールン』(姉妹)_260111

山極瞭一朗
●自己採点
「好き」2.5「脚本」2.0
●ログライン100
妹の紀菜と共に怪盗として生きる比奈は美術館から骨董品を盗む。そんな中、スーパーで万引き少年元気に出会い、注意したことで、自身の生き方にも疑問を抱く。
●フック/テーマ
怪盗と万引き少年/罪の意識
●ねらい/テーマ触媒
展開を急がない/姉妹
●感想
長編のdebateくらいまでのイメージです。今後の漠然とした展開としては、PP1で怪盗を辞めると決断した姉妹に数々の試練が巻き起こることを想定しております。PP1まで書こうかとも思いながら、性急な展開になり、ダイジェスト的になることを避けるためにdebateまでにしたという経緯になります。 怪盗をやめたいと思っていることをもう少し明確にセットアップすべきかと感じてはおりますが、ひとまず提出した形です。 また、文字情報を出しております。 よろしくお願いします。

テーマ触媒13:「昆虫」「プロット指定」「姉妹」「匂い」

フィードバック

雨森れに
●採点
「好き」2.3「脚本」2.4
●ログライン100
妹と怪盗業をしている比奈は、自分の生き方に疑問を抱き始めており、万引き少年に出会ったことで改めて己の罪を意識する。
●フック/テーマ
姉妹で怪盗/善悪
●カタリスト
柱11、少年の万引き現場を見てしまう
●不明点・不自然な点
・柱3で紀菜とどうやって話しているのかト書きに加えたほうがいいかも?
ヘッドセットをつけている、耳に手を当てている、紀菜が車で指示を出しているシーンを加えるなどしないとテレパシーで会話していると勘違いされやすいかもしれません。
・紀菜の声のみの初登場
また、紀菜は声だけですが初登場時に名前と年齢を書いたほうが読み手に優しいかと思います。ex.インカムから浅見紀菜(25)の声、などのト書きを入れる。
登場人物が増えるほど人物表から読む人が減るので、人物表なしでも理解できたほうがいいからです。

どちらも私の中では補足されて読めましたが、役者と制作側に伝わりやすい配慮のひとつとして参考にしていただけたら幸いです。
●自由感想
個人的にはミッションインポッシブルシリーズのように映像的に派手でスリルがあるタイプが好きですが、道徳や人情に寄せた本作も好きかもしれないと思いました。
道徳や人情を重きに置くと、現実離れした設定が枷になるので今後の調整が難しそうだとも感じます。長編にするようでしたら怪盗業においての葛藤をかなり深く掘り下げ、一般人でも感情移入できるようにするべきかもしれません。
怪盗という言葉がわりとコメディよりなので、義賊でも美術品泥棒でもなく怪盗を選んだ理由も今後明かされたらより印象深いものになりそうです。

米俵
●採点
「好き」2.3「脚本」2.4
●ログライン
妹の紀菜と怪盗を続けている比奈は、スーパーで見かけた万引き少年を注意したことで、怪盗を辞めたがっているのではないかと紀菜に問われる。
●フック/テーマ
怪盗姉妹/良心の呵責
●カタリスト
少年の万引き行動を見つける
●自由感想
・冒頭の美術館シーンは、怪盗ものとしての導入が非常にスムーズで、映像がイメージしやすかったです。
・盗む側である比奈が万引き少年に向き合う展開は、テーマを感じる良い対比になっていると思いました。
・また、比奈が辞めたくても辞められないという揺らぎと、元気が再び万引きしてしまう姿の繋がりも印象的でした。
・一方で、辞めたいのか確認する問いかけが少し唐突に感じられたので、紀菜が比奈の最近の行動を軽く疑う描写を前半に入れると、問いかけとのつながりが自然になるように思いました。
・怪盗をしている理由も今後明かされるのかなと、続きが気になる展開でした。

脚本太郎
●採点
「好き」2.5 「脚本」2.2
●ログライン100
妹と共に怪盗をしている は、わざと見つかるようなことをするなど、自身の行いに迷いを感じており、スーパーで少年の万引きを止めたことで、妹からそのことを指摘される。
●フック/テーマ
怪盗の迷い、怪盗と万引き少年/良心の呵責
●カタリスト
柱11:と、さっとお菓子を手に取り、服の中に隠す。
●自由感想
・ミスターシスターという名前や、怪盗のロゴデザインが面白いと思いました。
・怪盗でありながら盗みに罪悪感を覚え、少年の万引きを止めるという展開は、人間らしい矛盾が感じられて良かったです。
・ただ、好みなのかも知れませんが、自分の方が重い窃盗をしているのに、真人間のように万引きした子どもに注意するのはやや引っ掛かりがあるので、続きがあるなら姉妹が怪盗をしている理由が知りたいと思いました。

さいの
●採点
「好き」2.6「脚本」2.6
●ログライン100
妹の紀菜と二人で怪盗をしている比菜は、スーパーで見かけた万引き少年を捕まえて説教したことで、紀菜からもう怪盗を辞めたいのかと訊かれる。
●フック/テーマ
怪盗姉妹/良心の呵責
●カタリスト
柱11:元気の万引き
●不明点・不自然な点
・特に無し。
●自由感想
・タイトルが気になって読もうという気にさせられました。キャッチーで大味な題材の魅力と、流れるような読み心地の良さが興味を持続させます。ト書きでの心情描写も上手で、見習いたいなと思います。
・柱1-9のようなトップシーンでセットアップを行うのも慣れた手つきを感じます。アクションの醍醐味って感じです。ただ比菜が怪盗をする話である事はセットアップされてると思うのですが、その後、比菜が怪盗を辞める話にするなら、盗むことを躊躇する様子をもっと印象付けて紀菜をヒヤヒヤさせた方がセットアップとして機能するかなと思いました。

しののめ
●採点
「好き」2.4「脚本」2.4
●ログライン100
妹の紀菜と怪盗業をしている比奈は、いつも通り美術館からの盗みを成功させるが、後日、万引き少年を捕まえて注意したことで、紀菜から怪盗を辞めたがっているのではと問われ、答えを濁す。
●フック/テーマ
怪盗姉妹/犯罪稼業を続けることへの迷い
●カタリスト
柱11.万引き少年を見つける
●自由感想
・割と漫画的な設定かと思いますが、あまり見かけない切り口や内容で面白かったです。少年が懲りずに万引きを繰り返しているオチも好きです。
・細かい点ですが、ログラインと内容に微妙なズレを感じました。比奈は万引き少年と出会う前から怪盗業に悩んでいたと思うのですが、ログラインからは、注意して初めて生き方に疑問を抱いたようにも読み取れました。どちらかというと、万引き少年との出会いで迷いが本格的に議題として浮上した、表面化したという印象です。
・万引き少年との出会いが比奈にとってそんなに大きなきっかけや出来事になるだろうか?という点が少し気になりました。なぜ辞めたがっているのかという理由にもよると思いますが…。個人的な好みですが、裏ではバリバリ怪盗業をやっているのに、普段は開き直って(自分たちのことを棚に上げて)しれっと万引き少年を注意していたり、あるいは「この子どもには将来性がある」などと軽口を叩いているようなスタンスの方が面白く感じてしまうかもなと思います。
・本当に個人的な好みで申し訳ないのですが、姉妹怪盗だからロゴがピンク、というのがやや安直にも感じてしまいました。分かりやすさや伝わりやすさという点では勿論理解できますし、姉妹がそういう色合いを好む人物像なんだろうなと納得できれば良いのですが…。でも鬼のマークというのは面白いですし、ピンク色の鬼のマークというロゴ自体はデザインとして素敵だなとも思います。

修正稿(★5.22)

脚本_山極06v2『スティール・ストール・ストールン』(姉妹)_260123
修正期間:2026.1.19→.1.23(4日)

山極瞭一朗
●自己採点
「好き」2.6「脚本」2.3
●ログライン100
飄々とした態度の裏に葛藤を抱えながら、妹の紀菜と共に怪盗として生きる比奈は美術館から骨董品を盗む。そんな中、スーパーで万引き少年元気を注意し、罪の意識を改めて自覚。紀菜から「やめたいのか」問われるが、答えを返さない。
●フック/テーマ
怪盗と万引き少年/罪の意識
●ねらい/テーマ触媒
姉妹での対比を作る/姉妹
●感想
冒頭のシーンで比奈の葛藤はそこまで描写せずに、初稿同様スピーディーな展開を意識しました。怪盗であることを悩むところに関しては、スーパーのシーンの前に追記し、妹との対比を意識した構成にしました。 どうして怪盗をやめられないのか、そういったところは今回もあえて触れずに姉妹における対比や姉妹との少年との対比を描くことに注力しました。

修正稿へのフィードバック

雨森れに
●採点
「好き」2.5「面白さ」2.5「没入感」3「題材」2.4「視点」2.4「構成」2.5「描写」2.5
●感想
・初稿よりも細かいト書きが追加されわかりやくすなった。とくに比奈の表情に感情が現れていました。
・初稿の紀菜は比奈が自問自答するためのキャラクターとして機能していましたが、修正稿では比奈を心配する様子がわかりやすくなり人間味が増していました。

米俵
●採点
「好き」3「面白さ」3「没入感」3.3「題材」3「視点」3「構成」3「描写」3.1
●感想
・​小型イヤホンの設定が加わったことで、比奈と紀菜の役割分担が明確になったと感じました。また、物理的な距離が離れているからこそ、通信越しに伝わる二人の掛け合いが、より現場の緊張感を際立たせていたと思います。
・美術館を去る際、比奈がふと建物を見つめる描写が加わったのが非常に印象的でした。彼女が今の生活に対して抱いている疑問や寂しさが視覚的に伝わってきて、キャラクターに奥行きが生まれたように感じました。
・車内での「わざとミスをしているのでは」という会話を先に持ってきた構成により、その後の少年への説教が、比奈自身への言い聞かせや罪滅ぼしのような意味合いを帯び、シーンの皮肉さと切なさがより一層強まっていたと思います。
・最後の紀菜の反応が変わったことで、紀菜の葛藤がより重く描かれていると感じました。姉の危うさを察しながらも、結局はそれを止めることも出来ず、二人の切っても切れない、ある種の共依存とも言える関係性の深さが、強く残りました。
・全体を通して、綺麗にまとまっており、初稿の時の違和感がなくなり、キャラクターの深みが出ていたと思います。
・個人的には、山極さんが描いてきた作品のなかで、一番長編で読んでみたいと思った作品でした。特に再犯してしまう少年はリアルで、初稿の時から凄く好きです。

脚本太郎
●採点
「好き」2.5「面白さ」2.3「没入感」2.3「題材」2.7「視点」2.7「構成」2.4「描写」2.3
●自由感想
・柱6で声だけでなく紀菜の姿が出てきたことでキャラとして意識でき、また何をしているのかも明確になって良いと思います。
・紀菜から比菜への「怪盗をやめたくなったのか」という質問が前倒しになり、柱8で葛藤しているシーンが追加されたので、比菜の心情が分かりやすくなりました。

さいの
●採点
「好き」3「面白さ」2.6「没入感」2.7「題材」2.5「視点」2.5「構成」2.4「描写」2.4
●感想
・流れるようなトップシーンに柱8でアクセントが加わったことで、紀菜の葛藤が伝わるようになったと思います。ただ柱8単体でも何に対する葛藤なのかはもう少し分かりたいように思いました。例えばミスを犯してパトカーが来ているのに、わざとチンタラしている、比菜は何をしてるんだと焦っているといった具合です。
・柱9は不要になったように思います。
・ツイストアイデア的な話になりますが、良心の呵責をテーマとして描く上で姉妹二人の怪盗という戯画的な設定とリアリティラインとのバランスが肝になりそうだなと思いました。引きのある設定なので上手いことそこはバックストーリーで回収出来ると良いと思います。
・テーマ次第ですが紀菜が万引き少年をとっ捕まえて説教をしている短いシーンをOPとして入れて、そこからトップシーンに入るというのも面白そうだなと思いました。お前はこうなるなよをトップシーンで描いてしまい、その後、懲りずに再犯している少年に再会という感じです。

しののめ
●採点
「好き」2.5「面白さ」2.6「没入感」2.7「題材」2.4「視点」2.4「構成」2.5「描写」2.5
●感想
・比奈が最初から密かに葛藤している様子と、紀菜が比奈を気にかけている様子がよりじっくりと描かれており、丁寧さが増したように思います。
・比奈がわざとミスしているというアイデアが面白く、その上手さがより活きれば良いのかなと思っていたので、柱13で一旦軽く言及しているのも手法の一つとして良いかもと思いました。

ChatGPT
●一番大きな問題点:怪盗パートと万引き少年パートのテーマ的接続が少しだけ弱く、「盗む」という行為の重さの差(プロの美学/子どもの切迫)が、比奈の内面変化としてもう一押し可視化されると、ラストの余韻がより鋭くなる。
●良い点:姉妹の関係性が台詞の間と視線だけで伝わってくるのが非常に上手く、軽快な怪盗ものから静かな倫理の話へ自然にスライドしていく構成力が光っている。比奈の“矛盾した優しさ”が魅力的。
●応援メッセージ:ジャンル娯楽としても人間ドラマとしても成立していて、発想がとにかく粋です。今はもう「整えれば跳ねる段階」なので、このまま踏み込んでください。かなり良いところまで来てます。

採点

初稿 修正稿
好き 脚本 好き 脚本
雨森 2.3 2.4 2.7 2.5
米俵 2.3 2.4 3.1 3.0
太郎 2.5 2.2 2.4 2.5
さいの 2.6 2.6 2.8 2.5
しののめ 2.4 2.4 2.6 2.5
山極 2.5 2.0 2.6 2.3
平均 2.43 2.33 2.68 2.53
合計 4.77 5.22

修正稿「好き」詳細
好き 面白さ 没入感
雨森 2.5 2.5 3.0
米俵 3.0 3.0 3.3
太郎 2.5 2.3 2.3
さいの 3.0 2.6 2.7
しののめ 2.5 2.6 2.7
山極
平均 2.68 2.60 2.80
修正稿「脚本」詳細
題材 視点 構成 描写
雨森 2.4 2.4 2.5 2.5
米俵 3.0 3.0 3.0 3.1
太郎 2.7 2.7 2.4 2.3
さいの 2.5 2.5 2.4 2.4
しののめ 2.4 2.4 2.5 2.5
山極
平均 2.60 2.60 2.56 2.56

2026.2.4 アップ

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