脚本添削『満ち満ちて』(★5.24)

※このページで脚本が読めます(初稿と修正稿、PDF形式)。

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初稿(★4.92)

脚本_さいの17v1『満ち満ちて』(光と影)_251207

さいの
●自己採点
「好き」2.1「脚本」2.3
●ログライン100
SNSで集った人々と練炭自殺をしようとしているアイカは、なかなか自殺が決行されない中でメンバーのコージの殺人を目撃して自らも命を奪われそうになったことで、生への渇望を取り戻し、殺しを退ける。
●フック/テーマ
集団自殺、受動的な生と能動的な死/生への渇望
●ねらい/テーマ触媒
ねらい:夜の闇の緊張感を描く
テーマ触媒:光と影
●感想
 描き終わっての所感としては多分カタリストを巻いて、バトルを早めればというのが定石で、セットアップももう少し必要と思います。切実さのあるものを書けるようになりたいです。
 覚えたてのストーリーサークルに沿って考えると、人物、視点(自殺志願者でも死は怖い)、題材(集団自殺)のうち、人物が足りていないように思います。人物、つまりキャラクターのコアはセットアップで作られるべきで、人物と視点の重なりが「描写」になります。そして本当にこの視点で描くのであれば、今後半になっているコージからの殺意と、その拒絶はバトルとして描かれるべきなのではないかと思います。PP1がコージからの殺意が明らかになる。バトルがそれに対する拒絶であり、ホラーとして逃亡劇を描くもあり。ある程度逃げてMPで生きたいという気持ちを得たところ、Fallで再びコージの脅威が迫り、やっぱり自殺しに来たんだからと一度は死を受け入れる(PP2でありAisL)。そこになんらか救いの手が、という感じのイメージ。と言いつつ半分は、今の構成でセットアップをどうにかするだけでいいんじゃないかとも思ってます。
https://irukauma.site/iruka/story/loglineandplot/intermediate/35335/

テーマ触媒4:「ことわざ」「母親」「光と影」「何も起こらない話」

フィードバック

雨森れに
●採点
「好き」2.4「脚本」2.4
●ログライン100
集団自殺に参加したアイカは、参加者のコージが別の参加者を殺すのを目の当たりにし、自分も殺されそうになって思わず命乞いをする。
●フック/テーマ
集団自殺/生への執着
●カタリスト
柱5、コージがミョウジンを殺す
●不明点・不自然な点
・ハナの存在
強いて言えばハナがいなくてもアイカだけで話が進められるかも?と思いました。構成をこのままに、フジとのセックスシーンでセットアップ的な会話。その後フジは酒盛りを始め、アイカは外に出たコージとミョウジンを探しに行って殺人を目撃。とか。
●自由感想
死と向き合った時に思わず生に執着してしまうというのが、生々しくて好みでした。
登場人物たちの抱えているものが気になりましたが、このぐらいの情報の出し方のほうがいいのかもと思えました。
一方、ログラインとテーマにあるように「生への渇望」を重きに置くなら渇望した瞬間がわかりやすいほうがいいかもしれません。
小説ですが、チェルシー/桜井亜美・著が2007年出版で集団自殺での生死について描かれているので、参考までにどうぞ。世界観も似てるかもです。

米俵
●採点
「好き」2.6「脚本」2.3
●ログライン100
集団自殺のグループに参加したアイカは、コージがミョウジンを殺すのを目の当たりにし、自分も殺されそうになり、命乞いをする。
●フック/テーマ
集団自殺・紛れ込むサイコパス/生存欲求
●カタリスト
コージに外に連れ出される
●不明点・不自然な点
・アイカがなぜ自殺を考えたか、集団自殺を選んだ理由
●自由感想
・集団自殺とサイコパスの組み合わせや、自傷の使い方、冒頭の空気感は面白く、引き込まれました。
・ただ、アイカの自殺願望の理由がはっきりと分からなかったので、最後の生への渇望へ変わる部分が弱いように感じてしまいました。
・タイトルは響きも綺麗で好きなのですが、満ちる部分が薄い印象だったので、キャラの感情やラストでリンクするとより刺さる気がしました。

脚本太郎
●採点
「好き」3.5「脚本」2.5
●ログライン100
恋人?(ストーカー?)に追い詰められて精神を病んだアイカは、集団自殺に参加するも、中々自殺に進まず、気分転換に自殺グループ参加者の一人コージと散歩に出たところで彼に襲われ、死に直面したことで生きたいという想いを抱く。
●フック/テーマ
集団自殺する前の各々の自暴自棄な行動/生きる意思
●カタリスト
柱4:コージ「外、行きません?」
●不明点・不自然な点
・自己評価でも書かれていますが、アイカの自殺の動機が曖昧にしか触れられていないので、最後に生への渇望を得るシーンに十分に感情移入ができませんでした。
●自由感想
自殺志願者が十人十色なのと、それぞれの投げ遣りな人物描写が上手く、面白く読めました。車内の退廃的なムードがリアルで、とても好きでした。

しののめ
●採点
「好き」2.4「脚本」2.4
●ログライン100
集団自殺のメンバー・アイカは、バンでの練炭自殺が一向に始まらない中、メンバーのコージに連れ出され、コージによる他メンバー殺しを目撃する。自身もコージに殺されそうになり、咄嗟に生を渇望し、窮地を逃れる。
●フック/テーマ
集団自殺/生存欲求
●カタリスト
コージ「外、行きません?」
●不明点・不自然な点
・特に無し
●自由感想
・飲酒運転からコージの殺人に至るまで、適度に倫理観の欠如した描写が連続する様子が、生々しくて面白かったです。リーダーがちんたらしていてなかなか進行されないのも新鮮でした。
・個人的には、アイカや他メンバーの死にたい理由、コージが積極的に殺そうとする理由がはっきり明かされないのもそれはそれでアリかなと思いました。ただ、「自殺志願者が、いざ死ぬ段になると怖気づく」という心情変化自体は、割とみかける心理描写かなとも思うので、「本当に死ぬとなるとやっぱ怖いよね」以外にも心情変化の理由を更に乗っけられると、よりオリジナリティに繋がるのかなと思いました。かなり難しいと思いますし、この尺で試みるようなことじゃないかもしれませんが💦さいのさんの仰る通り、今回はセットアップのブラッシュアップや、カタリストの前倒しだけでもまた違ってくる気がします。

山極瞭一朗
●採点
「好き」2.3「脚本」2.3
●ログライン100
何らかの理由で集団自殺を図ろうとしているアイカは、なかなか自殺が決行されない中、メンバーのコウジらとともに外に出る。そこでコウジの殺人を目撃したのをきっかけに、死ぬことが怖くなり、生きたいと思う。
●フック/テーマ
集団自殺/死が迫り、生を欲する
●カタリスト
柱5.あっという間にミョウジンを羽交い締めにする。
●不明点・不自然な点 仰るように、アイカのセットアップがきちんとなされぬまま、カタリストがきた気がしました。アイカが自殺したいと思うようになった理由がLINEのメッセージからなんとなく推測できるものの、自殺以外の選択肢はなかったのか、集団自殺でなくひとりで死ぬ選択をしなかったのはなぜか、など気になりました。ミョウジンとコージの会話の中で、アイカは何も話していなかったので、コージなりミョウジンなりが会話を振って、アイカのパーソナルな一面を引き出すのもありかと思いました。 また、コージの変化も唐突で、10分の中では難しいかもしれませんが、他のメンバーとズレた価値観・考え方を持っているということがそれとなく提示できれば、ミョウジンを殺す理由などがスムーズに消化できるように感じました。
●自由感想
今から死のうとしている人たちが、最後の生を謳歌しようとしている様は、人間的な矛盾を感じ面白いと思いました。アイカが生きたいと思うことも同様で、その感情を理解できないコージが普通なのかもしれませんが、理屈を通り越して、矛盾をはらんでいるのが人間なのだと考えさせられました。

修正稿(★5.24)

脚本_さいの17v2『満ち満ちて』(光と影)_260209
修正期間:2025.12.17→2026.2.9(54日)

さいの
●自己採点
「好き」2.3「脚本」2.5
●ログライン100
SNSで集った人々と練炭自殺をしようとしているアイカは、なかなか自殺が決行されない中でメンバーのコージの殺人を目撃して自らも命を奪われそうになったことで、生への渇望を取り戻し、殺しを退ける。(95)
●修正意図
・不要な箇所を削って、アイカにフォーカスを当てるようにしました。
●感想
・あまり面白くする方法が分からなかったので、ツイストアイデアがあればお願いします。

修正稿へのフィードバック

雨森れに
●採点
「好き」2.7「面白さ」2.5「没入感」2.4「題材」2.5「視点」2.6「構成」2.3「描写」2.4
●感想
・トップシーンから疾走感があり、引き込まれた。
・登場人物を削ったことにより、没入感が増した。
・初稿では全員が訳ありという印象だったが、修正ではアイカが主人公らしく事情を背負っていた。
・じくじくとした湿度はそのままに、サスペンス要素を加えたことでフックができたように思います。
・柱13からのラストシーンは短編らしい魅力、余韻があった。

米俵
●採点
「好き」3「面白さ」3.3「没入感」3「題材」3「視点」2.8「構成」3「描写」2.8
●感想
・ハナを削り、アイカの追われているという具体的な背景がついたことで、物語の緊張感が物理的なものになり、納得感も上がりました。
・初稿の絶望という印象から、2稿の逃亡劇という転換に驚きました。狂気と絶望の同盟という展開は、予想を裏切られる感覚で、エンタメ性が上がり、面白かったです。
・ラストが変わったことで、自殺というテーマは少し薄くなってしまった印象でしたが、今後の展開で深掘り出来るようにも思いました。アイカの更なる変化が見たいと感じました。

脚本太郎
●採点
「好き」3.5「面白さ」2.8「没入感」2.8「題材」2.5「視点」2.5「構成」2.7「描写」2.8
●感想
・元々鬱屈とした雰囲気が魅力的でしたが、そこにサスペンス要素が加わって没入感が増したと思います。
・アイカの背景が掘り下げられ、彼女の性格も掴みやすくなったように思います。
・続きものとしてみたら修正稿のラストは続きが気になり面白いですが、単発としては初稿の静かな終わりの方が個人的には好みでした。

しののめ
パス

山極瞭一朗
●採点
「好き」2.5「面白さ」2.3「没入感」2.4「題材」2.4「視点」2.3「構成」2.3「描写」2.4
●自由感想
登場人物が削られたことで、読みやすくなったように感じました。アイカの背後にあるものがとてつもなくやばい奴だと示唆されたことで、初稿とは一変、集団自殺というところからノワールものの雰囲気漂う物語になったような印象を受け、好きでした。ただそうした中で、未整理度合いも高くなったように感じました。 殺されるくらいなら自殺した方がマシということなのでしょうか。とはいえ集団自殺である理由はやはりわからず、さらに自殺者の中には殺人者も紛れていて…と要素が盛りだくさんな気がします。例えば、アイカを追う組織?の中にコージも入っていて、金を持ち逃げしたアイカを狙っているとかだと組織の軸とコージの軸が統一されて、見やすくなるのかなと感じました。

ChatGPT
●一番大きな問題点:終盤の「別のバン→銃声→逃げる?」という展開が急で、物語の主題(“自殺しに来たはずの人間たちの本当の生への衝動”)よりもサスペンス的な外部暴力に重心が移ってしまい、ドラマの核がぼやけてしまう点。特にコージの本性やアイカの選択がもう一段掘られないまま事態が動くため、衝撃はあるが余韻がやや弱い。
●良い点:空気の不穏さの作り方が非常に巧み。フジの軽薄さ、車内の密室感、ホタルという一瞬の“美”からの首絞めへの転落、そしてコージの淡々とした殺意。この温度差はかなり強い武器で、緊張の持続力がある。特に9〜11の流れは読者を確実に掴んでいる。
●応援メッセージ:かなり攻めた題材なのに、ただのショック狙いではなく「死にたい人間の中にもある本音のズレ」を描こうとしているのが伝わります。あと一歩、物語の焦点をどこに定めるかを研ぎ澄ませば、強烈な一本になります。怖さを描ける人は強いです。ここからが本番だと思います。

採点

初稿 修正稿
好き 脚本 好き 脚本
雨森 2.4 2.4 2.5 2.5
米俵 2.6 2.3 3.1 2.9
太郎 3.5 2.5 3.0 2.6
さいの 2.1 2.3 2.3 2.5
しののめ 2.4 2.4
山極 2.3 2.3 2.4 2.4
平均 2.55 2.37 2.67 2.57
合計 4.92 5.24

修正稿「好き」詳細
好き 面白さ 没入感
雨森 2.7 2.5 2.4
米俵 3.0 3.3 3.0
太郎 3.5 2.8 2.8
さいの
しののめ
山極 2.5 2.3 2.4
平均 2.93 2.73 2.65
修正稿「脚本」詳細
題材 視点 構成 描写
雨森 2.5 2.6 2.3 2.4
米俵 3.0 2.8 3.0 2.8
太郎 2.5 2.5 2.7 2.8
さいの
しののめ
山極 2.4 2.3 2.3 2.4
平均 2.60 2.55 2.58 2.60

2026.2.28 アップ

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