先日の飲み会で東京大学の学食に「赤門拉麺」という名物メニューがあるときいた。大学がオープンな場所とはいえ部外者がしれっと入っていくのは気がひけたが、研究室にいるNくんが案内してくれるというので、Yくんとともに行ってみることにした。
南北線の東大前駅でYくんと合流して、塀づたいにまっすぐと歩いてゆく。
門をいくつか過ぎる。手前は農学部の敷地らしい。肌寒かったが天気がよくて歩いていて気持ちがいい日だった。
正門で待っていてくれたNくんと合流したが、
(せっかくだから)
と一つ先の赤門まで回る。
写真を撮っている人がいる。観光客も多いらしい。門をくぐってから、正門の方へUターンする。右手には図書館の古い建物も見える。
正門から入った道は銀杏並木である。黄一色に染まった銀杏は見事であるが、片側だけ黄葉しているのもよい。
桜でも満開になったのを見頃と決めつけて、そこからズレるとまだ早いだの、もう遅いだのと人間の都合で見ているが、樹木からしてみれば余計なお世話である。彼らはただ自分の頃合いで冬にむけての準備をしているだけなのである。
食堂は改築ばかりだそうで綺麗だった。「赤門パスタ」というのもあって、そちらも気になったが今日の目当てである「赤門拉麺」の列に並ぶ。
Nくんはさりげなく別のものを食べようとしていた。食べないのか聞くと仕方なさそうにこちらの列へやってきた。
(ん? Nくんは好きじゃないのか?)
東大生のKくんは毎日食べるほど美味しいと言っていたが……
(なるほど……Nくんが避けようとしていたのに納得)
見た目の赤さに反して、辛さは抑えられている。苦手な人でも食べられるだろう。だが塩気も抑えられているかんじで、なんとも味気ない。
中サイズにして正解だった。大サイズにした二人は給食を残さず食べさせられているような義務感で完食していた。
Nくん、Yくん、Kくん、Uターン
ややこしい