TIFF(東京国際映画祭)2025③(視聴メモ)

ル・ラック
https://2025.tiff-jp.net/ja/lineup/film/38005WFC04
「好き」4「作品」4「脚本」3
ゴダールの撮監をしていた人の初監督作品という解説を読むと、なるほどと思うところ。ジャンプカットの多用とか、モノローグの当て方とか。映像は迫力はあるが、映像美というのは、例えば風景映像のようなものと、映画としての魅力的な画は違う。この作品では、やや風景映像的な魅力で綺麗、迫力があると言えばそうなのだが、映画のショットとしてとなると普通という感じもする。ストーリーを配しているようで編集の仕方などでストーリーは明らかに連想されるので、アンチプロット(プロットを完全に崩そうとする試み)にはなっていない。ビートの弱いミニプロットで、やはり眠くなる。(2025.10.30)

エイプリル
https://2025.tiff-jp.net/ja/lineup/film/38005WFC13
「好き」5「作品」4「脚本」4
良質の邦画のような満足度。ショットや構成、編集のテンポなど洗練されている訳ではないが、全般的に見ていて怠くなるほどではない。ストーリーは原始的であり、かつ現代的で良い。ラストも小気味よい。上映後のQ&Aで監督が『ローマ』の影響を認めていたが『リトル・ミス・サンシャイン』に近い爽やかさもあると感じた。台湾映画は良作が多い。(2025.10.31)

ノアの娘
「好き」3「作品」2「脚本」2
上映後に監あ督へのQ&Aがあり、何も起こらない映画があると言っていた(その例として小津映画を挙げていたが、その視点で映像リテラシーが知れてしまう)。そういうものを目指したらしく、そのこと自体は嫌いではないが「何も起こらない」と作り手が思っていても、観客から見れば「起こっているように見える」ことについての理解がないため、ただの退屈な映画になってしまっている。映像的にも、ひどくはないが、どこかで見たようなショットばかりで光るものはなかった。(2025.11.1)

ポンペイのゴーレム
https://2025.tiff-jp.net/ja/lineup/film/38002CMP04
演劇作品。舞台としての演出もかなり分かれるだろうが好きな感じ。体調不良により途中ウトウトしてしまった。機会あれば見直したいと思う(2025.11.3)

ハムネット
https://2025.tiff-jp.net/ja/lineup/film/38000TOC02
「好き」5「作品」5「脚本」5
素晴らしかった。ハムネットはハムレットの別読みだと冒頭にテロップによる説明がある。原作もあるらしい。シェイクスピアの家族のストーリーという感じで、題材としては少し興味が持ちづらかったが、けっして「シェイクスピアもの」としてではなく、クロエ・ジャオ監督の演出やテーマが反映されている。その最たる部分がアクト3で「ハムレット」の演劇に別の意味や感情がしっかりのっていて、例えば『ドライブ・マイ・カー』の記事で書いたような元の演劇の力に頼っているものとは、まるで違った。別の記事として機会があれば書こうと思うが、東京国際映画祭のコンセプトと、この映画をクロージングにもってくることに見事にテーマが合致していて、別の満足感もあった(2025.11.5)

参加したイベントの記録
山田洋次×李相日 対談
https://2025.tiff-jp.net/ja/lineup/film/38019LOU03

TIFF×STORY STUDY トークイベント
https://2025.tiff-jp.net/ja/lineup/film/38030STS01

アニメーションだからできること
https://2025.tiff-jp.net/ja/lineup/film/38007ANM14

ウィメンズ・エンパワーメント・トーク “ハー・ゲイズ”
https://2025.tiff-jp.net/ja/lineup/film/38011WEP09

2025.11.7 アップ

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