脚本添削『断尾とバターの約束』(★5.13)

※このページで脚本が読めます(初稿と修正稿、PDF形式)。

※作品はライターズルームのメンバーによるもので、作者の了承を得た上で掲載しています。無断転載は禁止。本ページへのリンクはご自由に。

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初稿(★5.14)

脚本_雨森44v1『断尾とバターの約束』(色)_260311

雨森れに
●自己採点
「好き」2.5「脚本」2
●ログライン100
ペンションオーナーの息子である啓晶は、飼い犬のホルンが死んだことにショックを受けるが、従業員のバトールと共にモンゴル式を取り入れたお別れをし、次は人間になり共に過ごせると祈ることで、心の整理の第一歩を踏み出す/104文字
●感想
・テーマ触媒:色 雪景色で進む中、回想で夏の草原を出すことで鮮烈な思い出を印象付けたかったです。
・少子化が進む中でこのラストはどうなんだろうと考えながら書きました。独身者も増えているわけで、将来自分に家族ができる確信もないのに祈れるだろうかというのが観客側に疑問を残しそうです。役割についてもう少し深堀して説得力を出すべきかとも思いましたが、一旦FBを頂いた上で考えたいと思います。
・構成としてはMPで終わる短編というイメージです。PP1:丘へ、バトル:断尾、MP:転生を願うといった感じです。

テーマ触媒11:「色」「パーティー」「手紙」「スポーツ」

フィードバック

米俵
●「好き」2.5「面白さ」2.7「没入感」2.5「題材」3.2「視点」2.9「構成」2.3「描写」2.3
●修正依頼
・尻尾を切るシーンの衝突を今よりも大きいものとする。
バトールがホルンの尻尾を切るシーンは、すごく強い出来事だと思うのですが、現状だとその後すぐに収まってしまうため、少しもったいなく感じました。
啓晶にとっては取り返しのつかない出来事だと思うので、もう少し強く衝突したり、引きずったりすると、ラストの戻ってきて欲しいという感情がより深く伝わる気がしました。
●感想
・異文化×愛犬の死という題材が面白いと思いました。
・悪意なく尻尾を切るというバトールからは、自然に文化の違いや価値観が伝わってきて、印象的な良いキャラクターだと感じました。
・ただ、家族同然に愛されているホルンが倉庫で飼われている点は少し違和感がありました。倉庫といっても色々とあると思うので、ストーブ以外にも具体的にどのような空間なのかがもう少し分かると、啓晶との関係性がより伝わりやすくなる気がしました。

脚本太郎
●採点

「好き」2.7「面白さ」2.7「没入感」2.5「題材」3「視点」2.7「構成」2.7「描写」2.7
●修正依頼
テーマを統一する
・作中における『愛犬の死』と『異文化の違いを受け入れる』という大きな二つの要素が、微妙に結び付いていないように感じました。個人的には『別の種族になっても良いから戻ってきてほしい』という辺りをフォーカスしてもう少し寄せられるように思いました。
●感想
・バトールの不器用だが優しい性格や、啓晶との会話から二人の仲の良さが自然と伝わってきました。
・やはり、普段あまり聞かない情報をストーリーに膨らせるのがお上手だと思いました。

さいの
●採点
「好き」2.6「面白さ」2.6「没入感」2.6「題材」3.5「視点」2.5「構成」2.5「描写」2.7
●修正依頼
セットアップを充実させる
・2人にとってホルンはどんな存在だったのか、2人はどんな関係なのか、なぜモンゴル式なのかに直結する話と思いますのでここがもう少し見えたいと思いました。とりわけ啓晶の飼い犬に見えるホルンをバトールが断りなく断尾できるものなのか、文化としてはそうだとして郷に入っている彼が果たして躊躇なく切れるものなのか気になりました。
●感想
・弔いと異文化を巡るストーリーという題材は普遍的な面白さがあり、興味を持って読むことができました。手堅い物語だなと思いました。今回はモンゴル式を受け入れた訳ですが、ベタながら「一般的な二つの選択肢がある中で折衷案として俺たちオリジナルの弔いをする」という持って行き方の方が好きです。
・断尾という要素には惹きつけられる魅力があります。どうやっていつも題材を探しているんでしょうか。アンテナの張り方や意識的な習慣などあるのか知りたいです。
・なるだけ断尾を最初の方に、それこそトップシーンかカタリストで描くとフックがあって良いように思いました。例えば(経緯は考えるとして)、子供と遊ぶ啓晶が部屋に切られた尻尾を大事に飾っている様などを先見せして倒叙的に展開するなどです。ホルン本体は人間に生まれ変わるけど、犬としてのホルン(尻尾)はそれはそれで思い出として取っておくという感じです。

しののめ
パス

山極瞭一朗
●採点
「好き」2.5「面白さ」2.6「没入感」2.6「題材」2.7「視点」2.7「構成」2.5「描写」2.5
●修正依頼
・モンゴル式を受け入れる理由を明確にする。
→愛犬が死んで悲しい中、新しく知った弔い方法を実践するにしては、些かすんなりとそれを受け入れた印象です。思いやりがある分、旧来のというか、日本式の方が安心するし、そうしようとしていたところに、バトールからの新しい価値が提供されたわけで、そのあたりのディベートがほしいように感じました。
●感想
・雪と夏の対比の描写が素敵でした。一発で脳内に映像が浮かび上がり、読みやすかったです。
・また夏の描写はセリフがなくても、啓晶とホルンの関係性がわかるため、素敵だと感じました。
・ラストについては難しいですね。個人的にはその前の祈るところで終わらせてもいいかと思いつつ、実際に転生したことを示唆させてしまうと、いくらモンゴル式の弔いだとして描写していたとしても、日本にはない考え方だと思うので、ファンタジーな話に急展開したようにとられかねないようにも感じました。

修正稿(★5.13)

脚本_雨森44v2『断尾とバターの約束』(色)_260324
修正期間:2026.3.19→3.24(5日)

雨森れに
●自己採点
「好き」2.5「脚本」2
●ログライン100
ペンションオーナーの息子である啓晶は、モンゴル人従業員・バトールが死んだ愛犬ホルンの尻尾を切る瞬間を目撃したことをきっかけにモンゴル式のお別れをし、来世では人間として言葉を交わせる仲間に恵まれるよう祈る/101文字
●修正意図
モンゴル式を受け入れる理由を明確にする(山極さん)
→会話劇というこすい手を使ってしまいましたが、価値観の擦り合わせ的な描写で受け入れを表してみました。

尻尾を切るシーンの衝突を今よりも大きいものにする(米俵さん)
→ラストの戻ってきて欲しいというシーンは削ってしまったのですが、衝突は確かに必要だと思ったので描写を増やしてみました。

テーマを統一する(太郎くん)
→「愛犬の死」「異文化の受け入れ」をテーマにするとその説明をするだけの話になってしまいそうだったので、「相棒」と「言語のコミュニケーション」をテーマに置いてみました。

セットアップを充実させる(さいのさん)
→写真とカタリスト後の会話の調整で要素を増やしてみました。郷に入って……のくだりは確かにチグハグでした笑
●感想
ご意見ありがとうございました!
・テーマの統一というご意見を頂き、改めて考えてみた時にバトールとの物語でありたいと思いました。愛犬の死や異文化であることはフックでしかなく、最後に残るのは生きている側の感情であってほしいからです。
・愛犬の死と断尾で感情的になっているのを徐々に落ち着かせるのが難しかったです。結局映像と言うより会話中心の直しになってしまいました。
・断尾シーンを早めにする関係でカタリスト:犬がいない、デス:断尾、PP1:価値観の擦り合わせ、MP:モンゴル式での別れという構成にしてみました。柱7が好きで残したんですが、ちょっと冗長にも感じています。

修正稿へのフィードバック

米俵
●採点
「好き」2.6「面白さ」2.7「没入感」2.8「題材」3.2「視点」2.8「構成」2.5「描写」2.3
●感想
・テーマが分かりやすくなり、初稿よりも読みやすくなったと感じました。また、断尾が早い段階で示されていたので、強いフックになっていると感じました。
・会話は少し説明的な印象になってしまったのがやや残念だったように思いました。初稿にあった啓晶の感情が見える部分は残っていても良かったのかもしれません。

脚本太郎
●採点
「好き」2.5「面白さ」2.5「没入感」2.4「題材」3「視点」2.7「構成」2.3「描写」2.4
●感想
・バトールとの会話が増えて関係が分かりやすくなったのは良いのですが、会話が初稿より作為的になった印象を受けてしまいました。しかしテーマ性は明確になったと思います。
・愛犬の死と断尾が一緒に来たことで唐突感があったのと、初稿では『モンゴル風に行こう』という啓晶の提案があったのに修正稿ではそれもないので、バトールの容赦なさが際立ってしまったように感じました。尻尾を切るタイミング自体は初稿と同じで良かったように思いました。

さいの
●採点
「好き」2.6「面白さ」2.6「没入感」2.6「題材」3.5「視点」2.6「構成」2.5「描写」2.7
●感想
・テーマが分かりやすくなったと思いました。
・啓晶の飼い犬であるホルンの尾をバトーが断りなく切れるものなのかという引っ掛かりは残ったままでした。バトーと啓晶の関係性自体がやや特殊なのも没入を妨げている嫌いがあると思います。例えば親子設定にして、モンゴル人の父が断尾をしてしまったのを日本で生まれ育ったバックグラウンドを持つ息子が責めるとかだと入ってきやすいかもなと考えました。

しののめ
パス

山極瞭一朗
●採点
「好き」2.5「面白さ」2.7「没入感」2.6「題材」2.8「視点」2.8「構成」2.5「描写」2.5
●感想
・テーマが統一され、読みやすくなったように感じました。ラストが初稿から変更されたことで、ファンタジー感もなくなり、残されたものの感情にフィーチャーされるようになっていたと思いました。
・ただ、バトールが初登場するシーンが、斧を振りおろし、しっぽを切ったところから、若干サイコパスめいた話が始まるのかと錯覚してしまいました。その後の会話で、そうじゃないとわかるのですが、インパクトが強すぎて、置いてけぼりになってしまうようにも感じました。

ChatGPT

採点

初稿 修正稿
好き 脚本 好き 脚本
雨森 2.5 2.0 2.5 2.0
米俵 2.6 2.7 2.7 2.7
太郎 2.6 2.8 2.5 2.6
さいの 2.6 2.8 2.6 2.8
しののめ
山極 2.6 2.6 2.6 2.7
平均 2.57 2.57 2.57 2.56
合計 5.14 5.13

初稿「好き」詳細
好き 面白さ 没入感
雨森
米俵 2.5 2.7 2.5
太郎 2.7 2.7 2.5
さいの 2.6 2.6 2.6
しののめ
山極 2.5 2.6 2.6
平均 2.58 2.65 2.55
初稿「脚本」詳細
題材 視点 構成 描写
雨森
米俵 3.2 2.9 2.3 2.3
太郎 3.0 2.7 2.7 2.7
さいの 3.5 2.5 2.5 2.7
しののめ
山極 2.7 2.7 2.5 2.5
平均 3.10 2.70 2.50 2.55

修正稿「好き」詳細
好き 面白さ 没入感
雨森
米俵 2.6 2.7 2.8
太郎 2.5 2.5 2.4
さいの 2.6 2.6 2.6
しののめ
山極 2.5 2.7 2.6
平均 2.55 2.63 2.60
修正稿「脚本」詳細
題材 視点 構成 描写
雨森
米俵 3.2 2.8 2.5 2.3
太郎 3.0 2.7 2.3 2.4
さいの 3.5 2.6 2.5 2.7
しののめ
山極 2.8 2.8 2.5 2.5
平均 3.13 2.73 2.45 2.48

2026.4.3 アップ

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