脚本添削『籠の中』(★4.73)

※このページで脚本が読めます(初稿と修正稿、PDF形式)。

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初稿(★4.27)

脚本_太郎24v1『籠の中』_260504

脚本太郎
●自己採点
「好き」2.3「脚本」2
●ログライン100
人を殺した直後の淀川は、エレベーターの中で自分より危険な人殺し二人と出会い、襲われて逃げるも、二人の人殺しの正体も自分自身であった。
●感想
全然枚数が足りないと思っていたらいつの間にか達してたので、もっと時間感覚身に付けようと思いました。
よろしくお願いします。

フィードバック

雨森れに
●採点
「好き」2.7「面白さ」2.5「没入感」2「題材」2.5「視点」2「構成」2.2「描写」2
●修正依頼
・情報を小出しにする
視点が第三者神視点で進んでいるので、淀川と宴蔵が殺人者である情報が唐突でした。なのでインターホンを嫌がる理由もいまいちピンと来なかったです。もう少し人物に視点を合わせて、映像的に進めるといいかもしれません。
参考までになんですが、私が書くなら柱1は、

1.マンション・7階・廊下(夜)
荒い呼吸音。
衣服が乱れた淀川文香(17)、エレベーターへ足早に向かう。挙動不審に周囲を伺いながら。
 × × ×
霧崎宴蔵(70)、ゆったりとした足取りで歩いている。
手には釣り用のクーラーボックス。だが、釣り具は持っていない。(クーラーボックスのセットアップ)
エレベーター前の淀川に気づく。
鼻をひくつかせて、嫌らしい微笑み。(血の匂い発言の伏線)
エレベーターの駆動音。
 × × ×
淀川、隣に立つ宴蔵とクーラーボックスをちらり。
乱れた衣服を、取り繕うように掻き合わせる。(衣服が乱れてるのに何もしないのはおかしいので)
エレベーターの到着音。扉が開く。

とするかもしれません。カッコ内は修正意図の補足です。
あえて抜いた「エレベーターの音が徐々に大きくなる」は柱2で淀川が口ごもった後のほうが、綜の登場が引き立つと思います。
ここまでは前半の話ですが、宴蔵が死んでからの綜にも同じことが言えると思います。いきなりいなくなっているので、なぜ淀川が包丁を持っているのかわかりませんでした。もし淀川が綜をエレベーター内で殺してるなら、ラストショットでエレベーターの中身を見せるほうがいいかもしれません。
●感想
・それぞれの殺人の詳細を省くことで、短編らしい作品になっていると思います。シュールさと世界観がマッチしてる感じがしました。
・「現在進行形で殺人中」はすごく違和感があります笑 相手が絶命していない、もしくは刺してる途中を連想させます。意図してであっても、この話の中ではノイズになっていると思いました。
・修正依頼でもお伝えしましたが、柱2ラストからがよくわからなかったです。柱4が面白いので、細かいところを詰めて欲しいと思いました。

米俵
●採点
「好き」2.2「面白さ」2.2「没入感」2「題材」2.7「視点」2.1「構成」2.2「描写」2.1
●修正依頼
ログラインを読んで「二人の人殺しも淀川自身だった」と知りましたが、脚本単体ではそこまでは読み取れず、三人の殺人者が偶然乗り合わせた話として読んでしまいました。もしそこが狙いなら、宴蔵と綜が淀川自身であると後から納得できる伏線や、三人に共通する描写がもう少し欲しいと思いました。
●感想
淀川の衣服の乱れ、宴蔵のクーラーボックス、綜の血まみれの姿など、冒頭から「何か起きている」ことが映像で分かるので、読み始めのフックが強かったです。
ただ、その設定を活かしきれていない印象も受けてしまいました。
ラストの「気になります?」は印象的でしたが、そこに至るまでに淀川・宴蔵・綜のつながりがもう少しあると、オチに納得感が出ると思いました。

さいの
●採点
「好き」2「面白さ」2「没入感」2.5「題材」3「視点」2.3「構成」2.3「描写」2.5
●修正依頼
・主人公を明確に置いてみて欲しいです。今回だと淀川になるので、セットアップを描くところから始めて霧崎との出会いによるアークが見たいです。特にエレベーターの急発進や霧崎殺害など淀川にとって外的な出来事で話が進んでいくので、キャラクターアーク薄めになりがちだと思います。
●感想
・春野の立ち位置が微妙だなと思いました。あとクーラーボックスを投げるとありますが、エレベーターの広さで投げるって?となりました。
・ただ、ウェルメイドなヒューマンドラマとして作るのではなく、「淀川にとっては思いがけない殺人の後に飛び込んだエレベータであり、ただただ早く過ぎ去って欲しい理不尽な時間」であったのかなという見方もできて、受け身の淀川を描く趣向を掘り下げた方が面白いなとも思います。

しののめ
パス

山極瞭一朗
●採点
「好き」2.0「面白さ」1.7「没入感」1.5「題材」2.0「視点」1.5「構成」1.5「描写」1.5
●修正依頼
・ログラインと本文を調整する。
→ログラインにある、「二人の人殺しの正体も自分自身であった」という文がよくわからなかったです。淀川は多重人格or幻覚を見ているとかで、宴蔵や綜が見えていたということでしょうか。ラストの淀川「気になります?」が宴蔵「気になります?」と一致しているというのはわかりますが、自分自身であったと断定する根拠が足りないと感じました。
●感想
・エレベーター内で起こる物語というと、『悪夢のエレベーター』を思い出しました。全員が人殺しというのは面白いと感じます。
・ただ、その設定が活かしきれていないようにも感じました。淀川が怯えているのみで、主体的に行動しないのも原因かもしれません。閉じ込められた籠の中で、殺し合ったり、お互いの秘密が暴露されたりといった展開が欲しいように感じました。そういった意味で、淀川の秘密が暴かれる展開があってもいいかもしれません。

修正稿(★4.73)

脚本_太郎24v2『籠の中』_260608
修正期間:2026.5.12→6.8(27日)

脚本太郎
●自己採点
「好き」2.5「脚本」2.2
●ログライン100
​人を殺した直後の淀川は、エレベーターの中で自分より危険な人殺し二人と出会い、襲われて逃げるも、二人の人殺しの正体も自分自身であった。
●修正意図
・初稿ではなあなあな感じにしてしまったので、淀川が殺人犯であることをかなり序盤で提示するようにしました。
・淀川たち三人が同一人物であることを、後半のシーン追加で示すように心がけましたが、上手く伝わるかは分からないです。
●感想
FBありがとうございました。映像で示すセットアップをしっかりしないと伝わりにくいタイプの作品だと気付き、現状考えられる限りではビジュアル的なシーンだけでのセットアップ強化に努めました。
よろしくお願いします。

修正稿へのフィードバック

雨森れに
パス

米俵
●採点
「好き」2.3「面白さ」2.2「没入感」2.2「題材」2.7「視点」2.2「構成」2.2「描写」2.4
●感想
修正稿では、鏡の追加や血の描写の反復など、ビジュアルで見せようとしている意識が強くなっていた印象でした。
意図を知ってから読むと、三人が同じ存在だったのだと感じる部分はあるものの、初見ではまだ伝わりにくい部分があるように感じました。特に、エレベーター内に宴蔵と綜が倒れているカットは、二人が実在していたように読んでしまいました。
同一人物という仕掛けは面白いので、もう少し早い段階から三人が重なって見えるような描写があると、より伝わりやすくなると思いました。
ただ、見え過ぎてもシラケてしまう気がするので難しいですね…

さいの
●採点
「好き」3「面白さ」3「没入感」2.5「題材」3「視点」2.5「構成」2.5「描写」2.5
●感想
・淀川のセットアップが足されただけでだいぶ読みやすくなり、素直に面白く読むことができました。初稿のFBの時に自分で指摘しておいてアレなんですが、一方でやりたいこととしては淀川が殺しをしていることはセットアップしない方がやりたいことに近いのかなと思いました(ということがようやく分かりました)。最後コンビニに駆け込んだ時にバッグから包丁が転がり落ちるというくらいでも良いのかなと。そうする場合でも、淀川のセットアップが別にあった方がいいとは思います。
・三人が同一人物であるとまでは分からなかったです。訳は分からないがなんか面白いというのが太郎さんの持ち味だと思い、その点においては上手く達成されていると思いました。
・没入感、描写に関してはト書きの書き方、フォーマットの誤り、誤字などが気になったため上げてはいないです。まだまだ改善余地があるように思い、勿体無いなと思います。

しののめ
パス

山極瞭一朗
●採点
「好き」2.2「面白さ」2.0「没入感」2.2「題材」2.0「視点」2.0「構成」2.0「描写」2.0
●感想
・初稿より、とりわけ淀川と宴蔵が同一人物だということはわかりやすくなったように感じましたが、​綜が同一人物だと断定する根拠が薄いように感じました。
・柱2では、淀川が受け身的立ち位置だったので、淀川に関する情報が露呈するなどの動きがあってもいいように思いました。
・そもそも誰を殺してエレベーターにいるのか、何もわからない状態なので、何かしらそのあたりが垣間見えるとよいなと感じました。
・柱2「エレベーターん駆動音」→「エレベーターの駆動音」誤記ありました。
・柱6のト書きがセリフの位置になっていました。

ChatGPT
●一番大きな問題点:主人公である淀川のドラマが弱い点。設定上は彼女が主人公ですが、中盤以降は宴蔵と綜のインパクトが非常に強く、淀川はほぼ状況に振り回されるだけになっています。そのためラストの「気になります?」も、宴蔵のキャラクターを継承した不気味なオチとしては効いているものの、淀川自身がどのように変化したのかは少し掴みづらいです。恐怖による精神崩壊なのか、本来の殺人者としての本性が露呈したのか、あるいは宴蔵という怪物に感化されたのか。どこに着地したのかをもう一段明確にすると、ラストの不気味さが単なるオチではなく作品全体のテーマに繋がると思います。
●良い点:ワンシチュエーションスリラーとして非常に完成度が高いです。エレベーターという閉鎖空間に「高校生の殺人者」「死体を解体する老人」「血まみれの現行犯」という三者を閉じ込める設定だけで一気に引き込まれます。特に宴蔵のキャラクターが秀逸で、飄々とした会話の裏にある狂気が際立っています。「主体性がないですなぁ」「自慢の妻です」などの台詞は強烈な印象を残します。また、地震による閉じ込め、クーラーボックスの中身、人殺し同士の疑心暗鬼といった要素が次々に投入されるため、短編ながらテンポよく読ませる力があります。ラストで淀川が宴蔵と同じ笑みを浮かべる構図もホラーとしてよく効いています。
●応援メッセージ:発想の勝利と言える脚本でした。エレベーター内で殺人者同士が鉢合わせるという設定がシンプルながら非常に強く、読み始めてすぐに続きが気になる作品になっています。宴蔵というキャラクターも魅力的で、会話劇だけでも十分に成立する力があります。あとは淀川の内面や変化を少し補強できれば、「面白い設定のスリラー」から「主人公の物語を持ったスリラー」へ一段階上がるはずです。短編としてのエンタメ性はかなり高く、映像で見ても印象に残る作品だと思いました。

採点

初稿 修正稿
好き 脚本 好き 脚本
雨森 2.4 2.2
米俵 2.1 2.3 2.2 2.4
太郎 2.3 2.0 2.5 2.2
さいの 2.2 2.5 2.8 2.6
しののめ
山極 1.7 1.6 2.1 2.0
平均 2.15 2.12 2.43 2.30
合計 4.27 4.73

初稿「好き」詳細
好き 面白さ 没入感
雨森 2.7 2.5 2.0
米俵 2.2 2.2 2.0
太郎
さいの 2.0 2.0 2.5
しののめ
山極 2.0 1.7 1.5
平均 2.23 2.10 2.00
初稿「脚本」詳細
題材 視点 構成 描写
雨森 2.5 2.0 2.2 2.0
米俵 2.7 2.1 2.2 2.1
太郎
さいの 3.0 2.3 2.3 2.5
しののめ
山極 2.0 1.5 1.5 1.5
平均 2.55 1.98 2.05 2.03

修正稿「好き」詳細
好き 面白さ 没入感
雨森
米俵 2.3 2.2 2.2
太郎
さいの 3.0 3.0 2.5
しののめ
山極 2.2 2.0 2.2
平均 2.50 2.40 2.30
修正稿「脚本」詳細
題材 視点 構成 描写
雨森
米俵 2.7 2.2 2.2 2.4
太郎
さいの 3.0 2.5 2.5 2.5
しののめ
山極 2.0 2.0 2.0 2.0
平均 2.57 2.23 2.23 2.30

2026.6.18 アップ

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