脚本添削『掘る』(★4.75)

※このページで脚本が読めます(初稿と修正稿、PDF形式)。

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初稿(★4.43)

脚本_太郎27v1『掘る』_260812

脚本太郎
●自己採点
「好き」2.1「脚本」1.7
●ログライン100
短期な性格の創は、兄弟仲の悪い弟の巡と共に山に行き、因縁のある木の根本を堀る途中、雨が降ってきたり巡と口論になったりといった障害にぶつかるも、それでも掘るのを続けたことで、弟の死に気付けなかった。
●フック/テーマ
正反対の兄弟/視野の狭さ
●感想
自然の中のシーンをきちんと書けるようになりたいという思いが昔からありますが、中々難しいです。涼しくなったらいろんな場所に足を運んでみようと思います。
内容は自分が書きたいと思う部分は書けましたが全体的に違和感があるかもしれません。
よろしくお願いします。

フィードバック

雨森れに
●採点
「好き」2.2「面白さ」2.2「没入感」2「題材」2.4「視点」2「構成」2「描写」2.2
●修正依頼
・wantを見せる。
墓参りや記憶違いのくだりから、近しい人の死に関係する理由で穴を掘っていると推測しました。でも、それがどう作用して掘る行動に繋がるのが謎のままで、物語に入り込めなかったです。謎がノイズとなり、フックが目立たない印象を受けました。
●感想
・感情を制御できない不器用な兄と、兄の気持ちを考えない正論パンチの弟。やってることは正反対だけど、本質的には人の気持ちを考えられない似た者同士だなと思いました。レインコートをあげるあたり、弟のほうが多少人間ができてるのかもしれませんね。切っても切れない関係がほのかににじんでいる気がして、兄弟という関係を考えさせられました。
・自然が書きたかったとのことですが、あまり書いてないように感じました。イメージもしづらかったです。山がどんな雰囲気か書いてあるとよりイメージしやすくなると思います。
・サイドポケットに入るシャベル=園芸用の小さい物を想像してしまいました笑 岩も掘ってるし大変……と思っていたら、ラストでシャベルが倒れて、大きいサイズだと理解しました。お恥ずかしい限りです。

米俵
●採点
「好き」2.2「面白さ」2「没入感」2「題材」2.5「視点」2「構成」1.7「描写」2
●修正依頼
・二人が木を掘る理由や、創がそこまで掘ることに執着する理由を、もう少し作中で見せてほしい。
何のために掘っているのか分からないこと自体は、先を読ませる要素になっていると思いました。ただ、10分の完結作として読むと、その理由や二人の過去が分からないまま終わるため、読み終わって何を見せたかったのか考えてしまいました。すべてを説明する必要はないと思いますが、掘る過程で二人について何か一つでも分かったり、最後にそれまでのやり取りの意味が見えたりすると、短編として面白くなるように思いました。
●感想
・短編『CURVE』のような作品にしたかったのかな?という印象でした。何のために掘っているのかをあえて明かさず、二人が山の中で掘り続ける姿そのものを見せる作品として読みました。ただ、現状は、なぜ掘るのかだけでなく、掘ることで何を達成したいのか、掘れなかったら何が起こるのかも分からないため、途中から何を追えばいいのか分からなくなりました。すべてを説明してほしいというより、背景を伏せるのであれば、その代わりに今この場での目的や切迫感がもう少し分かると入り込みやすいのかなと思いました。
・現状は巡の死が、偶然の事故に見えるので、創が早く気付いていれば助かったような描写を入れた方が視野の狭さとも繋がるように思いました。
・「岩を掘っている」という表現が狙って書いているのかミスなのかよく分かりませんでした。
・一度帰った巡がレインコートを持って戻ってくるところは、口では反発し合っていても、完全に離れられない兄弟の関係が行動で見られて印象に残りました。

さいの
●採点
「好き」3「面白さ」2「没入感」3「題材」3「視点」1「構成」2「描写」2.5
●修正依頼
・これといってどうして欲しいというのはないのですが、強いていうなら10分でまとめて欲しいです。まとまらなくても、何かこの二人について分かったという気持ちが欲しいです。
●感想
・何のために掘っているのかというミステリーエンジンだけで先が気になる魅力がありました。二人の仲の悪さや土砂降りの雨なども、謎の魅力を引き立てていたと思います。二人の会話だけですが、映像的な変化があるので見ていられました。
・弟が気絶するのではなく、キャラの魅力を引き立てるイベントがあるとより面白く見れるかなと思いました。ベタですが誰かに見つかりそうになって意図せず殺しちゃうとか。素直には掘り起こそうとしているものの断片が見えるとかでもいいと思います。
・余談ですがスコップとシャベルの呼称は東日本と西日本で真逆らしいです。私も小さい方だと思っていました。
・下の名前は読み仮名振って欲しいです。

しののめ
●採点
「好き」2.6「面白さ」2.4「没入感」2.5「題材」2.3「視点」2.3「構成」2.4「描写」2.4
●修正依頼
・兄弟のギスギスした会話をもっと端的にし、代わりに引きのある情報を更に追加する
ひたすら掘り続けるだけのシーンに終始しつつも、何故掘っているのか、何故兄妹は不仲なのか、何故創はこんな性格なのか、「あんなガキみたいなこと」とは何か、といったフックが散りばめられているように感じました。明かされている情報がほぼ無いため、この前後の展開込みでの評価ができないところではありますが、これが長編のトップシーンと仮定した場合、この10分で視聴者の興味を引っ張り続け、離脱を抑えられるかという点が評価の軸になりそうです。その点で見た場合、兄弟によるギスギスした会話の比重がやや大きく、その割には情報が追加されている感覚がやや薄い気もしました。不仲さや創の性格などを表現することはもう少し端的に行ない、代わりに視聴者をより引き付けるような魅力(思わず気になってしまうような発言、情報、展開など)を詰め込む余地はあるかもと感じました。山極さんの仰る通り、もう少し設定や本筋へのヒントがあると嬉しい気もします。でも現状でも、ミステリードラマの冒頭などでありそうだなとも思います。
●感想
・これが1時間もの連ドラの冒頭なのか、2時間超え作品の冒頭なのか、など、全体尺によってもこの10分への評価が変わると思います。巡の死ですべてが始まるような感覚もあり、ここまで引っ張れるかが肝かなという気がしました。巡に当たりの強い創でも、巡の死には動揺するような関係性ってこと…?とか、良い意味で気になる点は多々ありましたし、それへの前フリとしてレインコートを持ってきてくれるシーンが効いてるなと思いました。
・細かい点ですが、「人待たしてんだから早くして」が色んな解釈されそうだと感じました。ここで言う「人」とは創自身のことだと解釈しましたが、人によっては「この後兄弟で別の誰かに会いに行くのかな?」などと思われそうです。そういう意図なら全く問題ないですが、そうでないならシンプルに「遅えんだよ。待たせやがって」とかの方が誤解を招かずに済みそうです。

山極瞭一朗
●採点
「好き」2.5「面白さ」2.3「没入感」2.3「題材」2.5「視点」2.3「構成」2.4「描写」2.3
●修正依頼
・どうして掘っているのか、その理由を示す。
→現状、何かあることは示唆されるけれど、何があったのかまるでわからないので、全部とは言わずとも、何かしらの情報は欲しいと感じました。根元から掘る必要があるほど重要なこととはなんなのか、純粋に気になります。
●感想
・高圧的でありながら、どこか生きづらさを抱える創のキャラクターにはリアルさがありました。素直に「ありがとう」と言えないあたりよかったです。
・弟は帰ったと思いきや、レインコートを買ってくるあたり兄への優しさが垣間見えて、兄弟の違いがうまく対比されていました。
・ラストの巡の死は、やや唐突感は否めず、死なせずとも、掘る理由が徐々に明かされていく展開で十分に引っ張れるように感じました。

修正稿(★4.75)

脚本_太郎27v2『掘る』_260913
修正期間:2026.8.2→9.13(24日)

脚本太郎
●自己採点
「好き」2.2「脚本」1.8
●ログライン100 
短期な性格の創は、兄弟仲の悪い弟の巡と共に山に行き、母が首を吊った木を堀り起こす途中、雨が降ってきたり巡と口論になったりといった障害にぶつかるも、それでも掘るのを続けたことで、弟が倒れたことに気付くのが遅れた。
●フック/テーマ
正反対の兄弟/視野の狭さ
●修正意図
・皆さんにご指摘いただいた通り、謎の提示だけで何をしているのか、しようとしているのかをほとんど提示できておらず、消化不良になる構成だったと思います。中盤以降、創の明確なwantを示すようにしました。
●感想
FBありがとうございました。
ひとまず作品の核になる部分はセットアップできたとは思いますが、まだ課題は多いと思います。自然の描写に関してはまた別の機会に頑張りたいと思います。

修正稿へのフィードバック

雨森れに
●採点
「好き」2.7「面白さ」2.5「没入感」2「題材」3「視点」2「構成」2.1「描写」2.2
●感想
・最後になぜ掘っていたのかが明かされ、短編らしい余韻が残る作品になったと思います。しかしながら、母親が首を吊った木を掘り起こしたい理由が一般的にピンとこないものであり、説明不足が目立つようにもなってしまった印象です。「母親が首を吊った木を掘り起こす」という題材が強いので、視点も同様に強化したほうが創の人生観を感じられる作品になったかもしれません。
・スコップに直していただきありがとうございました。土地によって呼び名が違うとか、そういう部分も加味しなきゃいけないんだなと気づきになりました。

米俵
●採点
「好き」2.2「面白さ」2.2「没入感」2.4「題材」2.7「視点」2.3「構成」2.2「描写」2.3
●感想
・今回は「木そのものを掘り起こそうとしていること」と「母親が首を吊った木だったこと」が分かるようになり、読みやすくなったと思いました。「墓参りでもした方が有意義」という台詞にも意味が出て、最後にそれまでのやり取りが繋がる形になったのも良かったです。
・一方で、創がなぜそこまで木をなくしたいのか、母親の死の痕跡を消したいのか、木そのものを憎んでいるのかなど、執着の中身が気になりました。そこが見えると、より人物として入り込みやすそうだと感じました。
また、「お前があんなガキみたいなことしてなきゃこうはならなかった」が何を指しているのかは今回も気になりました。かなり意味ありげに出てくる台詞なので、後で何かに繋がるのかと思って読んだのですが、特に回収されなかったため、現状だと少しノイズに感じました。

さいの
●採点
「好き」3「面白さ」2「没入感」3「題材」3「視点」2.2「構成」2.3「描写」2.5
●感想
・引っ張った末の答えの割には、ふーんという感じでした。観客は巡の偶然の死と母の首吊りをどういう気持ちで捉えれば良いのか、分かりませんでした。母が首を吊った木を「掘り出す」というのも、どういった目的なのかピンと来ませんでした。そこに遺体とか何かが埋まっているということでしょうか?母の首吊りを目撃したのはどれくらい昔なんでしょうか?その辺りが見えると、本当の意味でなぜ掘っているのかという謎へのアンサーになると思います。

しののめ
●採点
「好き」2.6「面白さ」2.7「没入感」2.3「題材」3「視点」2.5「構成」2.3「描写」2.4
●感想
・母親が首吊りした木を掘るという発想は非常に面白かったです。それだけに、それまでの過程ももっとこの案に合わせて、前振りや伏線を入れるなど修正して欲しかったです。この案がより活かされた脚本が読みたいなと思いました。
・巡が倒れたことにすぐ気づかなかった以上、後から気づくには何かきっかけがあった方が良いかなと思います。

山極瞭一朗
●採点
「好き」2.5「面白さ」2.3「没入感」2.5「題材」2.5「視点」2.3「構成」2.5「描写」2.6
●感想
・母が首を吊った木であるということがわかり、創を突き動かす原動力のようなものは理解できましたが、木を掘り起こすことでどうしたいのかがいまひとつピンとこなかった印象です。その木の下に母が埋まっているとかそういったことなのでしょうか。母の死という情報が提示されたのがラストなので、そのあたりがよく理解できぬままに終わっていった感がありました。
・巡が倒れていることに動揺して駆け寄るあたり、創の巡への想いを垣間見た気がします。またそれでいて掘ることをやめようとしない強い想いがあることが印象的でした。

ChatGPT
●一番大きな問題点:ラストの「母親が首吊った木だった」という事実が明かされた瞬間、物語の意味が一気に変わるのですが、そこに至るまでの二人の目的が伏せられすぎていて、観客がドラマに乗る前に終わってしまう印象があります。「何かを埋めた/何かを探している」のではなく、実は母親の自殺した木そのものを掘り起こそうとしていた、という発想はかなり強いです。ただ、創がなぜそこまでして木を掘りたいのか、巡はなぜ嫌々ながら付き合っているのか、その感情が最後の一言にほぼ集約されています。そのため、巡が倒れる場面も「衝撃」ではあるものの、二人の関係や母親の死に対するそれぞれの感情が十分に積み上がったうえでの必然的な結末には、もう一歩届いていないように感じます。
●良い点:タイトルの「掘る」が非常にシンプルで強いです。最初は「何を掘っているんだ?」という疑問で引っ張り、兄弟喧嘩を見せながら、最後に「母さんが首吊った木」という答えを出す構成は、短編として明快です。また、創が「何年かかっても」と言う一方、巡は「墓参りでもした方が有意義」と言う。この二人の温度差によって、同じ母親の死を兄弟がまったく違う形で抱えていることが見えます。特に、帰ると言った巡がレインコートを持って戻ってくるところは、二人の関係を説明せずに「結局、兄貴を放っておけない弟」と見せていて、とても良いです。
●応援メッセージ:「母親が死んだ場所を掘る」という発想そのものに、かなり強い映画的な力があります。 土を掘るという肉体的な行為を、母親の死を理解したい/なかったことにしたい/そこから何かを取り戻したいという心理に重ねられるからです。特に「何を掘り出したいのか」が最後まで分からないまま、兄弟の会話だけで引っ張る方向性は面白いです。あとは創がなぜ「木を掘る」という行為に執着しているのかを、説明ではなく小さな行動や台詞で途中から少しずつ匂わせられると、ラストの「何年かかっても」が単なる狂気ではなく、兄の切実な願いとして響いてくると思います。

採点

初稿 修正稿
好き 脚本 好き 脚本
雨森 2.1 2.2 2.4 2.3
米俵 2.1 2.1 2.3 2.4
太郎 2.1 1.7 2.2 1.8
さいの 2.7 2.1 2.7 2.5
しののめ 2.5 2.4 2.5 2.6
山極 2.4 2.4 2.4 2.5
平均 2.31 2.13 2.42 2.34
合計 4.43 4.75

 

初稿「好き」詳細
好き 面白さ 没入感
雨森 2.2 2.2 2.0
米俵 2.2 2.0 2.0
太郎
さいの 3.0 2.0 3.0
しののめ 2.6 2.4 2.5
山極 2.5 2.3 2.3
平均 2.50 2.18 2.36
初稿「脚本」詳細
題材 視点 構成 描写
雨森 2.4 2.0 2.0 2.2
米俵 2.5 2.0 1.7 2.0
太郎
さいの 3.0 1.0 2.0 2.5
しののめ 2.3 2.3 2.4 2.4
山極 2.5 2.3 2.4 2.3
平均 2.54 1.92 2.10 2.28

 

修正稿「好き」詳細
好き 面白さ 没入感
雨森 2.7 2.5 2.0
米俵 2.2 2.2 2.4
太郎
さいの 3.0 2.0 3.0
しののめ 2.6 2.7 2.3
山極 2.5 2.3 2.5
平均 2.60 2.34 2.44
修正稿「脚本」詳細
題材 視点 構成 描写
雨森 3.0 2.0 2.1 2.2
米俵 2.7 2.3 2.2 2.3
太郎
さいの 3.0 2.2 2.3 2.5
しののめ 3.0 2.5 2.3 2.4
山極 2.5 2.3 2.5 2.6
平均 2.84 2.26 2.28 2.40

 

2026.9.22 アップ

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