精神科医の岡田尊司さんの本からは学ぶところが多く、このサイトでも何度もとりあげさせていただいております。今回は、この本にあった9つのパーソナリティを、紹介と自分への覚書きのため、パーソナリティタイプのみ列挙しておきます。
①回避性パーソナリティ
②依存性パーソナリティ
③強迫性パーソナリティ
④自己愛性パーソナリティ
⑤反社会性パーソナリティ
⑥境界性パーソナリティ
⑦演技性パーソナリティ
⑧アスペルガー
⑨妄想性パーソナリティ
どれも「~障害」と付ければ、パーソナリティ障害になりますが、これは、どんな性格でも、過剰になれば日常生活に支障をきたすという意味で考えれば、むしろ当然と言えるかもしれません。「人に頼りがち」ぐらいなら性格ですが、「他人に頼らないと、何も決断できず生きていけない」となれば、パーソナリティ障害と診断されるわけです(診断だって、医師にみてもらって診断されるだけで病院へ行かなければ野放しでそういう人がいるということですね)。
性格が「過剰になる=不安定になる」の根本には、愛着が安定しているかどうかが関係しています。
愛着障害に関しては、以下の記事もご参照ください。
『生きるのが面倒くさい人 回避性パーソナリティ障害』岡田尊司(読書#17)
各パーソナリティの特徴をまとめてキャラクター論にあげようかとも迷ったのですが、本書自体が、とてもよくまとまっていて、わかりやすく、理解も深まりますのでやめました。興味あるなら、ぜひ読んでくださいってかんじです。イルカは図書館で借りて読んだけど保存用に買いました。どちらかというと恋愛に悩みがある方向けの内容ですが、各パーソナリティごとの「どのように育つとそうなるのか?」「(そのタイプが)心が動く瞬間」「愛が深まるコツ」「アプローチのしかた」などはキャラクターの設定やシーンに応用できますし、他のタイプとの相性について書かれている部分は、主人公にとっての障害を考えるときなどプロットにも応用できます。また、例に挙げられている有名人や作家(ヘルマン・ヘッセ、大宰治、三島由紀夫、夏目漱石など)の性格や仕事と合わせて考えると、精神医学からみた作家論のようにもなっていて、興味深いです。
岡田さんの中でもオススメの一冊です。
緋片イルカ 2020/03/15
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