ミッドポイント
テレレ、レッテッテ~♪
ヘビを一刀両断。オレのレベルが上がった。
「やっぱり伝説の剣の攻撃力はハンパないぜ! もしかして魔王も一撃なんじゃね?」
さあ、今度こそ、こんな洞窟とオサラバしよう。
まずは城にもどって休みたいな。宿屋に泊まって体力回復みたいな。
ああ、なにより風呂に入りたい! 体が冷えちまったし、ヘビを斬ったときに噴き出してきた紫の粘液が体にまとわりついて、きもち悪い。
「コモリ様。私がお背中を流しますわ」
「そんな、姫様がみずから……」
「流したいんです。どうか私に流させてください」
「そこまで言われたら仕方ないですね。でも、服を着たままじゃ濡れてしまいますよ。いや、変な意味ではありませんよ。ただ、高そうなドレスが濡れてしまってはと……」
「そうですね。でしたら、こんなものは脱いでしまいましょう」
……なんて展開になるかもしれない。
オレは城までの帰り道を急いだ。ゲームなら魔法やアイテムで一瞬で戻れるってのに、もどかしいぜ。
それにしても、きれいな夕焼けだ。
「いや……なんか、おかしい……あれは夕焼けなんかじゃない……」
(城へ向かって走る)
ミッドポイントで主人公は成長したり報酬を手に入れます。ヘビを斬った主人公は「レベルアップ」しました。旧来のヒーローズジャーニーでは「報酬」はアイテムでしたが、近年のストーリーでは物質よりも、成長や気付きといった精神的なものである場合もあります。また「フォール」を選択肢として省略しましたが、ミッドポイントを経た主人公の旅は帰り道へと入ります。
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photo by すしぱく