プロットを考える14「ミッドポイント」

初心者の方はこちらからどうぞ→初心者向けQ&A①「そもそも三幕構成って何?」

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「旅」に出た主人公は、「バトル」を繰り返して、「ピンチ」でサブキャラクターと遭遇しながら、上昇していきます(あるいは下降していきます)。
その上りきった地点、頂上が「ミッドポイント」(Midpoint。以降MP)です。

MPは映画全体の1/2に来るのが目安で、それ故、「ミッドポイント」と呼びます。
しかしビートとしての本質は「宝物」を得ることです。

ここで、主人公は「宝物」を得ます。
宝物の言葉通り、金や名誉を手に入れる主人公もいます。
恋人である場合もあります(だからMPではキスシーンがよくあります)。
友情である場合もあります(だからMPでは本音を語りあうシーンがよくあります)。
それらは成長の証です。

この段階で主人公が宝物を得ていない場合は、なぜ得られないかに気づきます。
「○○しなくてはいけない」というミッションを嫌々こなしてきていたのが、何かに気づくことで積極的になったりします。
ミステリーでは「それまで求めていた犯人像がまるきり検討違いであったこと」に気づいたりします。
そういう意味では気付きこそが「宝物」であるという解釈もできます。

いずれにせよ主人公の「旅」は「宝物」を手に入れて終わりではありません。
次には「宝物」を持ち帰るというミッションが出てくるのです。
MPまでが行きだとすると、MPからは帰り道という見方もできます。

このようにMPこそが変化するための到達地点の一つなのですが、物語の本質が理解できていない場合、ただの中継地点として描かれることもあります。
派手なアクションシーンが入ったり、パーティーのようなイベントがありサブプロットと絡むこともよくあります。
これらは見せかけのMPですが、観客を楽しませる意味では効果的なので利用していくべきです。

民話学でも、宝物がある場所には「移動」していかなくてはいけないので、その店ではMPに特別なイベントが用意されることは、本質とも合致しています。
しかし、とにかく重要なのは、主人公がきちんと「宝物」を得ることです。
これによって、変化・成長の流れ(アーク)が描けるのです。

ログラインからお読みいただいてる方はお気づきかもしれませんが、主人公の旅「誰が、何して、どうなる」の過程に、このMPの概念(宝物)を入れることができます。
つまり「誰が、何して、何を得て、どうなる」のかなります。
それほどに重要なビートです。(イルカ🐬)

★まとめ:
・MPは映画全体の1/2にある。
・主人公はMPでなんらかの「宝物」を得る。
・MP自体は派手なシーンであることが多い。(それは宝物を得るにふさわしい場所)

イルカの音声解説はこちら(※しまうまさん抜きで録音しています)

音声解説のyoutube版はこちら

千の顔をもつ英雄〔新訳版〕上 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
Posted with Amakuri at 2018.11.28
音声解説でも話していたモノミスについて書かれている本です。何度も紹介している本ですが念のため。古い翻訳のものは読みづらいので古本で買う際はお気を付けください。

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