Qブロック
2170
●2170:現代文学で「意識の流れ」と手法がありますが、それを思わせる面白味のある作品です。句読点を付けず、読み手に一息に読ませることで、作者はどんな効果を狙ったのでしょうか。この桜をあなたと見たかったなあ~おじいさんがいた~ああ、あれは記憶だった~毎年思い出してるな~あなたはいない。そんな心の流れを描写したようです。「意識の流れ」は読みづらさと両刃の剣なので、ただの言葉あそびで使うと怪我をしますが、この作品では「あなた」への気持ちを中心にして、流れています。思考にしてはやや文語体が混じっているのは、創作の粗にも見えますが、「私」の理性と感情の揺らぎにも見えるので不思議です。
2172
●2172:くだらないオチです。そのくだらなさに思わず笑ってしまう可笑しさがありました。読み直してみると、その笑いを生む要因は、なぜこんな思いをしなくてはいけないのか、悪いことをしたのかといったシリアスな自問自答です。天罰でも受けているようです。「運命」という言葉もローソクとなじんでいます。とても上手にフリが効いているため、思わず笑ってしまうのだと思います。シンプルに面白いと思います。