イルカ感想・Rブロック

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2177

2177:シンプルな「ホラーオチ」です。ストーリーだけとると「医者が心配していると思ったら、臓器売買だった」というだけです。説明的にオチをつけている作品が多いなか、この作品では医者の語りに通したところに「描写」(キャラクター描写)が感じられて、さいごの「売れなくなりますよ」に怖さがこもります。マンガやアニメであれば、医者の顔に影が差して、ぐっと怖い表情をするでしょうか。あえて、明るい表情のままでも怖いでしょう。いずれにせよ、説明ではなく、この医者の顔や声が浮かぶところが「描写」の意義です。主催者としては「100文字小説」はあくまで「小説」であってほしいと思っています。

2184

2184:「アイツ」と「あの子」のことで「腐りかけている」心と、そのうち「新しい何かが育つ」だろうという、どこか楽観的な「私」の性格が、「コンポスト」という比喩をつかって表現されています。比喩をつかわずに、ただ「腐りかけている」とか「いつか」と表現すると説明的になります。同時に「コンポストのように」と付けただけでは、イメージも浮かびません。「生ゴミ」「野菜クズ」「肉や魚の破片」といった言葉がイメージを助けています。言葉づかいはシンプルで、単調な印象もしますが、リズムがよいので、つづきを読みたくなるような文章だと思いました。

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