『タケシと宇宙人の夏物語』三原貴志(受賞作FB02)

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検証日:2024.12.2

●雨森:「好き」3.5/「脚本」3
ログライン100:お好み焼き屋の悦子と仲良くなったタケシが、悦子の原爆で受けた傷に対して酷い発言をし、その後悦子が病死してしまい、謝れなかったことを悔やむ。/72字
ログライン300:夏休み中で、ひとりで昼食を食べなければいけないタケシはお好み焼きを食べようとする。どこも混んでいて入れたのは、顔にある被爆のケロイドから宇宙人と言われている悦子の店だけだった。タケシも悦子を敬遠していたが、話すうちに母親の元同級生と知り、打ち解け、自由研究の手伝いをお願いする。その後、母親が原爆手帳の証人探しで忙しくなり、悦子にケロイドがあれば証人探ししなくていいね、と嫌味を言ってしまう。悦子に謝ろうと思うがなかなか素直になれないまま数日が経ち、タケシの耳に悦子の病死の知らせが入る。悦子から返ってきた自由研究のノートにはタケシへのお礼の手紙が挟まっていた。/281字
受賞要因:丁寧な描写
自由感想:当時の雰囲気が漂うような描写だと思った。雲の観察日記という発想がすき。

●米俵:「好き」3/「脚本」3
ログライン100:お好み焼き屋の悦子と仲良くなった健志は、悦子の被爆による顔の傷のことで酷いことを言ってしまうが、謝れないまま悦子が亡くなってしまい、後悔し、何年経っても謝罪を続けている話 /85字
ログライン300:広島在住の健志は、10歳の夏休み、お好み焼き屋で昼食をとる。そこは店主の悦子の顔にケロイドがあることから、宇宙人の店と呼ばれている場所だった。始めは警戒していた健志だったが、顔の傷が被爆によるものであること、母親の元同級生という事実を知り、気立ての良い悦子に心を許し、仲良くなる。悦子のお店に通う日々が始まるが、ある日、母親が被爆の証人を探していたことから、健志は悦子に心ない発言をしてしまう。悦子の反応から自分が酷い発言をしたことに気付くが、すぐに謝れずに帰宅する。なかなか謝罪を言葉に出来ずにいたところ、悦子が病死してしまう。後悔した健志は、何年経っても謝罪の代わりに自分に出来ることを続けていく。/301字
受賞要因:丁寧な心理描写
自由感想:説明的だなと思う部分もあったが、悦子と健志のやり取りが好きだった。特に2人がメイツ星人について話している部分。

●太郎:「好き」3/「脚本」3
ログライン100:心ないことを言いがちな小学生健志は、被爆して顔に火傷のあるお好み焼き屋の悦子と仲良くなるが、火傷のことで失言をしてしまい、謝ろうとするも、彼女が死んだことで心の中で謝罪し続けることになる。/94字
ログライン300:広島在住の小学生健志は昼食の際、他のお店が空いておらず、仕方なく敬遠していたお好み焼屋『えっちゃん』に入る。そこの店主の悦子は、顔のケロイドから主に小学生たちに差別されていたのだ。しかし、ケロイドが被爆によるものであることや自分の母親と小学校の同級生であったことを知り、健志は悦子と親しくなっていく。ある日、原爆手帳の話題から、健志は悦子に『その顔なら証人が不要で運が良い』と失言してしまい、彼女を傷つける。気恥ずかしさから謝罪を躊躇していた健志だったが、母親からの説教もあり、きちんと謝ろうと決意する。しかし彼が向かった頃には悦子は病死していた。それから先、健志は皮膚科医として火傷患者に寄り添い続け、また心の中で悦子に謝罪を続けていくことになる。/325字
受賞要因:テーマと構成の分かりやすさ。日本人なら誰もが知る題材
自由感想:悦子が死んだのを知った時の健志の心理描写から、如何に後悔しているか伝わってきた。また、情景描写が丁寧だった。

2024.12.8

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