映画『ソウルフル・ワールド』(視聴メモ)

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※あらすじはリンク先でご覧下さい。

一個人の感想

「好き」4 「作品」5 「脚本」5

二人の方から「不思議な物語」と言われていて見てみた。ほんとに不思議な物語だった。ショートムービーの『22番vs人間の世界』を先に見ていたので、これの長編化かと思ったが制作順は逆だった。監督・脚本がピート・ドクターで『インサイド・ヘッド』の次の監督作品と思うと納得するところがある。この人は物語に潜んでいる抽象的なテーマをすくい上げてストーリーに落とし込むことが得意で、過去に携わっている名作では、その役割を担ってきたのではないかと思う。自身が監督・脚本をすると抽象的な部分が前面に出てくる。CGアニメにおいてはファンタジー世界の描写はバッティングしないどころかプラスだが、脚本としては特殊な世界でのルール説明が必要になり、やや理屈っぽさが目立つ。展開もアクションがあっても段取りになってドラマから逸れてしまう欠点。とはいえ、いくつかのシーン描写は秀逸(カエデの実など。ただしフリは弱い)。構成はバランスが悪く22番のセットアップをもう少し固めておけば後半がさらに際だったはず。世界観はクリシェとまではいかないが、ものすごく真新しいものではなく「どっかのマンガとかにあるよね」というかんじではある。だが、下手したらB級にもなりかねない設定を高いレベルで処理はしている。ルールが明確すぎて余白がないのはやや気になる。良く言えば曖昧なところがないのだが、ガチガチすぎて機械的な設定に見える。トータルで「脚本」4.5ぐらいでマイナス要素はあるが、四捨五入すればぎりぎり5点を付けられるかという印象。

簡易分析

改善ポイント
・トップシーンでジャンルセットする。むしろソウルの世界を一瞬でいいから先に見せる。
・マンホールで死亡5分以内に。
・22番のプロブレムを観客に伝わるようセットアップ。
・22番と行動開始をPP1に。出会いではない。
・父、母との関係をもう少しドラマチックに。
・ラスト、ジョーは生き返らなくていい

イルカ 2023.4.7

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