イルカ感想・Dブロック

Dブロック作品

2031

2031:「彼女」を待っているときのドキドキした「僕」のきもちが、紅梅を通して描かれています。「そっと息を吹きかける」動作は、やや女性的ですが艶めかしく見えます。息を吐いたときに唇がとがってキスをするような形になったのでしょうか。「紅梅の向こう」に「咲いていた」彼女の唇は、現実に彼女がやってきたようにも読めますが、期待の先に見えた妄想にもとらえられます。「お待たせ」という声も妄想だとしたら、いったい、どこでどんなシチュエーションで言われたのでしょう? 「ほんのりと」赤かった梅から、「真っ赤に染まった」僕の変化も見事だと思いました。

2033

2033:読んでいただけば、お分かりのとおり可愛らしい作品です。お皿が足りない→桜の花びらで解決という、シンプルながら構成ができていて、絵本を一冊読んだような読後感があります。花びらの上の「ごちそう」は何だったのでしょうか? どんなパーティーだったのでしょうか? いろいろと想像が膨らみます。遊んでばかりだったキリギリスも呼んであげて、みんなで春を楽しく迎えてほしいところです。下手に怖い含みなどを持たせない温かさがこの作品の魅力だと思います。

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