2045
●2045：このブロックは、どれに投票するか迷いましたが、この作品はわりとすぐに決まりました。桜の花びらを落とし物として声をかける。現実でこんな男がいたらキザですし、こんな風に出会えるのは美男美女なんだろうな～というナナメからの見方もできますが、まあ、マンガ的でいいシーンだと思います。物語ならありです。ただ、描写がやや説明的で映像がブレるのはすこし気になりました（たとえば1～2行目。「落ちた」→「似合っていた」とあるが、先まで読めば髪から落ちたのだとわかるが、初見では木から花びらが落ちたようにも読め混乱する）。女性の返しセリフも「ありがとう」という一般的な挨拶で済ませず、彼女のキャラクターが垣間見える一言になっていると「最初の会話」の意味が増したかもしれません。一例に過ぎませんがラブストーリーでは「出会いは最悪だった」という展開もありえます。いいシーンだからこそ、雰囲気に満足せずに、もう一工夫が欲しかったような気がします。
2050
●2050：退院してご機嫌の「彼」。素直な嬉しさが表現されているのか、はたまたアレな病院からの退院してきた人なのかといった含みが込められています。「この人、本当に快復しているの？」という不安がよぎります。「ダリア畑」という一言で投票を決めました。映像が浮かばない人は、どうぞ画像検索してみてください。僕には色とりどりのダリアが一面に咲いた景色が浮かびました。ストーリーをどちらに解釈するにしても「彼」の心情をよく表している情景描写に感じられました。「お花畑のような」などと比喩的に表現していないところも巧いです。