ビートはストーリーの骨格となる要素です。それをリストアップしたものをビートシートと呼びます。
以前にあげた「10のストーリータイプ」はビートシートをジャンルやテーマに当てはめて具体化したリストです。ビートシートの応用例とも言い替えられます。
各ビートの内容に関して細かく解説していますので、ここではリストとしてまとめるだけにしておきます。詳しくは「プロットを考える」シリーズをお読み下さい。
※括弧内は脚本上のページ数の目安です。脚本の1頁=映画の1分です。
1:オープニングイメージ(1)
2:テーマの提示(5)
3:セットアップ(1-10)
4:きっかけ(12)
5:悩みのとき(12-25)
6:第一ターニング・ポイント(25)
7:Bストーリー(サブプロット)(30)
8:お楽しみ(30-55)
9:ミッドポイント(55)
10:迫り来る悪い奴ら(55-75)
11:すべてを失って(75)
12:心の暗闇(75-85)
13:第二ターニングポイント(85)
14:フィナーレ(85-110)
15:ファイナルイメージ(110)
(ブレイク・スナイダー『SAVE THE CATの法則 本当に売れる脚本術』(フィルムアート社)より)
プロットを考える21「まとめ」との比較も参考にしてください。
ブレイク・スナイダーのビートシートは初心者にもわかりやすい反面、以下のような欠点があります。
・神話論からみて抜けているビートがあること。
・ビートをイベントではなくシークエンスとして捉えているものがあり、創作に応用しづらいものがあること。
・名称が具体的すぎてストーリーを限定しがちなものがあること(『迫り来る悪い奴ら』『すべてを失って』「心の暗闇』など)。
・ビートと行為者(キャラクターロール)の関連が考慮されていない(※ビートシートだけでなくハリウドッドの考え方全般に言える傾向。このせいで偶像劇に応用するモデルが説明できない)。