ブレイク・スナイダーの10のストーリータイプ

「プロットを考える」でも何度もあげている『SAVE THE CAT』というハリウッドの脚本入門書。シリーズは全部で3巻ありますが、2冊目はストーリータイプについての分類です。例にあげられている映画を知らないと読みづらい本ですが、よくまとまっているので辞典のように一冊持っていると便利です。(すべてのベースになっているビートシートはこちらから)

「ストーリータイプ」と「プロットタイプ」というのは似て非なる言葉です。
ストーリータイプは物語のテーマやジャンルなどで分けたもの。シンデレラみたいな話とか、桃太郎みたいな話というかんじで、こちらは誰にでもわかりやすいかと思います。
一方、プロットタイプは構成上の機能で分けたものです。
例えば「ある主人公が、宝物を得て、幸せになる話」という構造だけがあったとすると、その宝物が「王子様」であればシンデレラのような恋愛ものになりますが、「魔法のランプ」であればアラジンのような冒険ものになります。ジャンルはまるきり違えど、「宝物を得るために努力する」構造そのものは全く同じです。家屋に喩えるなら、壁紙や内装はまるきり違うけど骨組み自体は同じというかんじです。

ブレイク・スナイダーのストーリータイプは主に物語のテーマなどで分けていますので、ここには入らないプロットタイプも存在します。
この本の分類法はやや強引なものもありますが、読んでおいて損はない本だと思います。
10のタイプと言っていますが、1つのタイプに5パターンの亜流があるので10×5で50種類です(物語がこんな風に綺麗に分類できるわけないのですが)。

分類と実例になっている映画タイトルをあげておくので、くわしい説明に関しては書籍でご確認ください(英語は原著より)

1:家の中のモンスター Monster in the House
1-1:純粋モンスターPure Monster『エイリアン』
1-2:家庭内モンスターDomestic Monster『危険な情事』
1-3:連続殺人鬼Serial Monster『スクリーム』
1-4:超々自然的モンスターNatural Monster『ザ・リング』
1-5:ニヒリストモンスターNihilist Monster『ソウ』

2:金の羊毛 Golden Fleece
2-1:スポーツ羊毛Sports Fleece『がんばれ!ベアーズ』
2-2:バディ羊毛Buddy Fleece『大災難P.T.A.』
2-3:叙事詩羊毛Epic Fleece『プライベート・ライアン』
2-4:強盗羊毛Caper Fleece『オーシャンズ11』
2-5:ソロ羊毛Solo Fleece『そして、ひと粒のひかり』

3:魔法のランプ Out of the Bottle
3-1:体交換タイプBody Switch Bottle『フリーキー・フライデー』
3-2:天使のランプAngel Bottle『コクーン』
3-3:物ランプThing Bottle『ナッティ・プロフェッサー/クランプ教授の場合』
3-4:呪いのランプCurse Bottle『ハート・オブ・ウーマン』
3-5:シュールランプSurreal Bottle『エターナル・サンシャイン』

4:難題に直面した凡人 DUDE with a Problem
4-1:スパイ困難Spy Problem『コンドル』
4-2:法執行困難LawEnforcement Problem『ダイ・ハード』
4-3:家庭内困難Domestic Problem『愛がこわれるとき』 
4-4:叙事詩困難Epic Problem『ディープインパクト』
4-5:自然困難Nature Problem『オープン・ウォーター』

5:人生の岐路Rites of Passage(※通過儀礼)
5-1:中年の岐路Mid-Life Passage『テン』
5-2:別離の岐路Separation Passage『クレイマー、クレイマー』
5-3:死の岐路Death Passage『普通の人々』
5-4:依存症の岐路Addiction Passage『28DAYS』
5-5:思春期の岐路Adolescent Passage『ナポレオン・ダイナマイト』

6:相棒愛Buddy Love
6-1:ペット愛Pet Love『ワイルド・ブラック/少年の黒い馬』
6-2:職業愛Professional Love『リーサル・ウェポン
6-3:ロマ・コメ愛Rom-com Love『恋人たちの予感
6-4:叙事詩愛Epic Love『タイタニック
6-5:禁断愛Forbidden Love『ブロークバック・マウンテン

7:なぜやったかWHYDUNIT
7-1:政治的なぜやったのかPolitical WHYDUNIT『大統領の陰謀』
7-2:ファンタジーなぜFantasy WHYDUNIT『ブレード・ランナー』
7-3:警官なぜCop WHYDUNIT『ファーゴ』
7-4:私的なぜPersonal WHYDUNIT『ミスティック・リバー』
7-5:ノワールなぜNoir WHYDUNIT『BRICK ブリック』

8:おバカさんの勝利Fool Triumpahant
8-1:政治バカPolitical Fool『チャンス』
8-2:覆面バカUndercover fool『トッツィー』
8-3:社会バカSociety fool『フォレスト・ガンプ』
8-4:水から上がったバカFool out of water『キューティー・ブロンド』
8-5:セックスバカSex fool『40歳の童貞男』

9:組織のなかでInstitutionalized(Multiple Storie)
9-1:軍隊の中でMilitary Institution『M★A★S★H マッシュ』
9-2:家族制度の中でFamily Institution『ドゥ・ザ・ライト・シング』
9-3:ビジネス組織の中でBusiness Institution『リストラ・マン』
9-4:組織の中の師Menter Institution『トレーニングデイ』
9-5:組織の中での問題Issue Institution『クラッシュ』

10:スーパーヒーローSuper Hero
10-1:実在のスーパーヒーローReal Lofe Superhero『レイジング・ブル』
10-2:ストーリーブック・スーパーヒーローStorybook Superhero『ライオンキング』
10-3:ファンタジーヒーローFantasy Superhero『マトリックス』
10-4:民衆のスーパーヒーローPeople’s Superhero『グラディエーター』
10-5:コミックブック・スーパーヒーローComic Book Superhero『スパイダーマン2』

10のストーリー・タイプから学ぶ脚本術 ──SAVE THE CATの法則を使いたおす!
Posted with Amakuri at 2018.11.19
脚本を書く人は持っておいて損はない本だと思います。

(2019/01/14 緋片イルカ)

ブレイク・スナイダーのビートシート一覧

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