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一個人の感想
「好き」4 「作品」3 「脚本」3
スタッフもキャストもインパクトに欠けるため不安を覚えつつ鑑賞。期待が低かった分、まあ見られたというプラス印象があるが、全体的な物足りなさは大きい。大きく3つのストーリーがあり、さらにそれぞれのキャラを掘り下げるよりも、描写ばかりでストーリーの焦点が散らばっている。ショットと編集は悪くないのでテンポがよく見えるが、アクト3では盛りあがりよりも散らばりの原因になっている。ストーリーに混乱しないのは、内容やシーンがクリシェだから。キャラクターのリアクションもクリシェで設定と文字(チャットやメール)で説明し過ぎも。一番冴えていたシーンは探偵役が、お金を返すシーンぐらいか。ポルノサイトで稼ぐ少年や、イジメっ子と自殺未遂した父とのやりとりとか、悪くない要素があるのだが、ライターの描写力が追いついていない。基本のアークプロットを書けないライターが、キャラクターアークに詰まるとシーンやキャラの視点を変えることで進んだように見せるという逃げの脚本だが、ここまで詰め込むと作品としてのテンポだけは良くなるという、良いのか悪いのかわからない例だと思う(もちろん最初から、ライターはそんな構成を目指すべきでない。だが編集段階の誤魔化しとしては必要なときもあろう)。ポスター画像がひどいが、こうならざるを得ない内容という気もするので何とも言えない。
緋片イルカ 2023.3.2