※あらすじはリンク先でご覧下さい。
※分析の都合上、結末までの内容を含みますのでご注意ください。
感想・印象
「好き」4 「作品」3 「脚本」3
2005年のフランス映画『アントニー・ジマー』が原作らしい。こちらはぜんぶは観ていないが、いくつかシーンをチェック。ラストなどもほとんど同じよう。原作はカンヌが舞台だったものを、ヴェネツィアにしてアンジーとジョニデというキャスティング(元はトムとシャーリーズ・セロンだったらしいが)、バジェット100億。企画としてはヒット間違いなしのお膳立て。だが興収結果を観ると、予想よりは奮わなかったという印象。名作と言われているわけでもなく、配信などで現在まで長く観られているような作品でもない。中身が悪いと言わざるを得ない。演出と脚本の責任といえるだろう。ショットは個性がなく、肝心なヴェネツィアの風景すら美しく撮れてない。列車、舞踏会、船などのシーンでも同様。チープに見えてしまう。ホテルはきれいだったが。主演二人はもともと華があるから良い画に勘違いしそうになるが、演出としては何もしていない、ただ撮っているだけ。動きや見せ方の工夫がない。魅力を引き出そうとしていない。このあたりは脚本の問題でもある。「組織の金を盗んだ顔のわからない男」というフックはいいし、代わりにされたツーリスト(平凡な数学教師)という展開も、ベタというよりは王道というかんじで、ストーリー的なフックもあるが、構成、シーンでのサスペンス感、ロマンス感が出してきれていない。オチも、モノクロ時代の映画のような。ツイストも少ない。もったいない。
緋片イルカ 2023.7.2
Year: | 2010 | ||||
Budget: | $100,000,000 | ||||
16% | $16,472,458 | ||||
279% | $278,780,441 | ||||
$178,780,441 |